https://gigazine.net/news/20240510-battery-capacitor-energy-storage/
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市販のコンデンサより19倍高いエネルギー密度のコンデンサを作れる技術がセントルイス・ワシントン大学の研究チームによって開発されました。研究チームによると、新技術は別の研究の過程で偶然発見されたそうです。
コンデンサは洗濯機や冷蔵庫などの家電製品のほか、スマートフォンやPC、電気自動車など電気を使うほとんどの製品に搭載されています。コンデンサには「電圧を安定させる」「直流を絶縁する」「ノイズを除去する」といった役割があります。さらに、コンデンサは「電気を蓄えたり放出したりする」というバッテリーに似た機能も備えています。
バッテリーは電気を長期間にわたって蓄えられますが、充電および放電に比較的長い時間がかかります。一方で、コンデンサは充電と放電を素早く実行可能。このため、スマートフォンや電気自動車などの製品には「長期間の蓄電」と「高速な充電および放電」を両立するためにバッテリーとコンデンサの両方が搭載されています。
セントルイス・ワシントン大学で材料工学を研究する 氏が率いる研究チームは、2次元構造と3次元構造を層状に重ね合わせてコンデンサを作り出す研究を進めていました。研究は「コンデンサのエネルギー密度」に着目したものではありませんでしたが、実験を進めるうちに開発中のコンデンサのエネルギー密度が異様に高いことが明らかになりました。
研究チームが分析を進めた結果、開発中のコンデンサは市販のコンデンサと比較して最大19倍高いエネルギー密度を備えていることが判明。さらに、エネルギー効率が90%を超えていることも分かりました。研究チームはエネルギー密度とエネルギー効率がともに「前例のない値」であるとアピールしています。
研究チームによると、当該コンデンサは導電性と非導電性の間で化学的なバランスが保たれており、電荷を比較的長時間保てるとのこと。研究チームは「私たちの研究成果は100%最適ではありませんが、すでに他の研究チームの成果を上回っています。私たちの次のステップは、材料構造を改良して充放電の高速化と高エネルギー密度の需要を満たせるようにすることです。このコンデンサが電気自動車などの大型の機器や開発中のグリーンテクノロジーで活用されるには、充放電を繰り返しても充電容量を失わないようにする必要があります」と述べています。
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