https://news.yahoo.co.jp/articles/408edee1428640389f69388770dc5d08445899a8
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日本の科学研究力の低下に歯止めをかけようと、全国の研究者の研究資金となる国の科学研究費助成事業(科研費)を現状の2倍に増額するよう、複数の主要な国内学会が共同で、7月から署名活動を始める。国から大学へわたる資金の減少や、物価高、円安による実質的な目減りなどを受け、若手だけでなくトップクラスの研究者でさえ研究費の不足が常態化していることが背景にある。 【写真】後藤由季子・東京大教授=東京都文京区 署名活動を始めるのは、生物科学学会連合(東原和成代表)や、日本化学連合(関隆広会長)、日本医学会連合(門脇孝会長)など国内の主要な10以上の学会連合や学会。所属する研究者や医師らはのべ100万人超。集まった署名をもとに、今夏にも岸田文雄首相らに増額を申し入れる計画だ。 科研費は、あらゆる分野の研究者が自身の研究アイデアを応募し、審査を経て助成される。最もベーシックな研究資金で、iPS細胞など後にノーベル賞が贈られたような新発見も、研究の初期には科研費で支えられていたことで知られる。 競争を経て得られる科研費と、国立大などへの運営費交付金が多様な研究を下支えする土台となっている。科研費の年間総額は年度当初額で約2400億円前後と、横ばいが続いてきた。一方、運営費交付金は2004年の国立大の法人化以降、減少傾向にある。生物科学学会連合副代表の後藤由季子・東京大教授(分子生物学)によると、こうした状況から、頼みの綱として科研費への応募が集中。競争の激化に加え配分が減っているのが現状だという。 国際的に高い評価を受けている研究を推進する「特別推進」や「基盤研究S」と呼ばれるランクでは、10テーマに一つ程度しか採択されない狭き門となっている。主要なカテゴリーでも採択率は3割を切っており、科研費に「当たった」「外れた」と宝くじのように言われるほど、望み薄になっている。近年の科研費の1テーマ・年度あたりの配分額は00年と比べ2~4割減少している。
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