https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2659K0W4A720C2000000/
化学合成品の製造では一般に原料をエタノールやベンゼンなどの有機溶媒に溶かして反応させる。有機溶媒は揮発性があるため人体に害があり、使用後の処分も手間やコストがかかる。石油由来のため燃やすとCO2も排出する。
北海道大学発の同社が開発した「メカノケミカル有機合成」は有機溶媒をほとんど使わず、ボールミル(粉砕機)と呼ばれる装置などで原料を強くかき混ぜて化学反応を起こす。
従来の手法と比べて反応を素早く起こせるうえ、化学反応によるCO2の排出量も25分の1ほどと大幅に削減できる。化学メーカーや製薬会社などからの引き合いが強く、医薬品や半導体のほかにも液晶や電池の原料製造にも活用できる。
現状の製造能力は一度の化学反応で約1グラム〜1キログラムにとどまる。今回の調達資金で100キログラム規模まで拡大し、大手企業の量産化の需要に応える。
第三者割当増資はベンチャーキャピタル(VC)のインキュベイトファンドや北洋銀行などが引き受けた。調達資金は化学合成の脱炭素化が活発化している欧州への進出にも充てる。
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