水素は常温常圧では気体の状態にあり、体積が大きく、貯蔵や輸送にコストがかかるため、大量の水素を長距離で運搬するには運搬しやすい形に変換する必要があります。水素の常温輸送には、次のような方法が考えられています。
- トルエンと水素を結合させてメチルシクロヘキサン(MCH)に変換する「メチルシクロヘキサン(MCH)方式」。トルエンやMCHは常温・常圧で液体状態のままケミカルタンカーやタンクローリー車などで運ぶことができ、体積が500分の1になるという利点があります。また、MCHは修正液の溶剤など身近なところで使用される化学物質で、化学物質としてのリスクが低いです。ENEOSホールディングスは、2025年度にもこの方式の実用化を目指して大型装置の開発を進めています。
- 水素を液化して輸送する「液化水素方式」。豪州と日本が実施したパイロット水素サプライチェーン実証事業では、水素を超低温に冷却・液化して水素運搬船で日本まで運んでいます。
- アンモニアを利用した「アンモニア方式」。
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