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“提案型”中国・東南ア開拓
TOWAは10月に韓国で新工場を稼働するのを機に、納入済みの半導体製造装置に手を加えて顧客の生産性向上などにつなげる「リニューアル事業」の展開を本格化する。工場新設によりスペースが確保できたため、韓国を同事業の中核拠点に育てる。装置の改造などを通じ、品質の安定化や顧客製品の高機能化といった付加価値を提案し、事業拡大につなげる方針。現在は台湾や韓国向けが中心だが、中国や東南アジア市場の開拓も進める。(京都・友広志保)
TOWAのリニューアル事業の土台となるのが、韓国サムスン電子子会社の半導体製造装置メーカーであるSEMESから2015年に譲受したモールディング事業だ。同事業の発足はTOWAとサムスン電子の共同出資がきっかけだが、11年に合弁を解消していた。半導体製造装置や金型のほか、改造修理やアフターサービスも手がけており、TOWAの岡田博和社長は「(TOWAの韓国の従業員は)装置の改造のやり方を心得ている」と話す。
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TOWAのリニューアル事業の売上高は年10億円程度で、25年3月期は同14億円を見込む。24年3月期の全社売上高504億円からみると規模は小さいが、全社で17―18%の営業利益率を持つTOWAの中でも同事業はトップクラスの利益率を持つとみられる。
TOWAが同事業の本格化で目指すのは、単なる装置改造ではない“提案型”のビジネスだ。「例えば生産性を10%向上させたり、無人化で品質が安定することなどを提案する」(岡田社長)。
半導体パッケージ技術の進展に対応し、従来設備よりも薄型のパッケージングができるようにするなど、設備のアップグレードにつながる改造も想定する。
また、従来は台湾や韓国を中心としてきたが、今後は中国などにも事業を広げる考え。近年の中国は政府の後押しで半導体の内製化が進んでおり、TOWAのモールディング装置を導入する工場が増え、リニューアル事業を展開する土台が整い始めた。
今後、韓国の人員を核にしながら、中国でも同事業が展開できる専門人材を育て、事業規模や展開地域を広げていく方針だ。
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