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Broadcom(ブロードコム)は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24~26日、東京ビッグサイト)に出展し、SiC(炭化ケイ素)/GaN(窒化ガリウム)に対応したゲートドライバーICや電流センサーの評価ボードなどを展示した。
Broadcom(ブロードコム)は、「TECHNO-FRONTIER 2024」(2024年7月24~26日、東京ビッグサイト)に出展し、グリーンパワー半導体として採用が拡大しているSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)に対応した、車載/産業機器向け製品を展示した。
モーターの寿命を18年延長するゲートドライバーIC
同社は、開発中の10A出力ゲートドライバーIC「ACFJ-3405」を展示した。2つの出力モードによるスルーレート制御(SRC)機能を備えていて、モード1では最大4A、モード2では最大12Aの出力が可能だ。出力電流を2段階にすることで、EMI(電磁干渉)を抑制できる。これにより「計算上は、ACFJ-3405を使用したモーターの寿命を18年延長できる」(担当者)という。
ACFJ-3405は、モータードライブの機能安全規格であるIEC 61800-5-2に準拠しているため、セーフティコントローラーからの入力信号によってモータ電流を遮断し、モータを停止させる機能(STO:セーフトルクオフ)を備えている。その他、IGBTの保護機能として、低電圧ロックアウト(UVLO)保護や外付け部品によるデッドタイム調整、フォルトフィードバック付きゲート端子監視などの機能を内蔵している。
既にサンプルおよび評価ボードの提供を開始していて、量産開始は2025年3月を予定している。
Transphorm製GaNを搭載したハーフブリッジ評価ボードも展示
ブロードコムは、ゲート駆動フォトカプラ「ACFJ-332B」を紹介した。Transphorm(2024年にルネサス エレクトロニクスが買収)製のGaN「TP65H035G4QS」と組み合わせたハーフブリッジ評価ボードを展示した。
ACFJ-332Bは、ミラークランプ機能とチャンネル間デットタイム制御機能を内蔵したゲート駆動フォトカプラだ。2チャンネルSO-24パッケージを採用していて、2チャンネル間の沿面距離は3.5mm。伝達遅延が65ナノ秒と短く、同相雑音除去性能(CMTI)が150kV/マイクロ秒と優れている。アプリケーションは、産業機器向けモーターや再生可能エネルギー向けインバーターなどを想定している。既にサンプル提供を開始していて、量産開始は2024年9月を予定する。
同社は、開発中のホール効果電流センサー「ACHL-7345xU/ACHL-7348xU」も展示した。いずれも過電流検知およびフォルトフィードバック機能(0.8マイクロ秒 typ.)を備えている。電流範囲は、ACHL-7345xUが±50A、ACHL-7348xUが±80A。検出感度は、ACHL-7345xUが40mV/A、ACHL-7348xUが2540mV/Aだ。ACHL-7345xU/ACHL-7348xUは既にサンプル提供を開始していて、量産開始はACHL-7345xUが2024年12月、ACHL-7348xUが2025年6月だ。
また、車載向けのホール効果電流センサー「ACHL-7345xT/ACHL-7348xT」も展示した。基本的なスペックはACHL-7345xU/ACHL-7348xUと変わらないものの、AEC-Q100 Grade1やUL 1577、IEC/EN 62368-1に準拠している。いずれも既にサンプル提供を開始していて、量産開始は2024年10~12月を見込む。
担当者は、出展目的について「大手企業だけでなく、中小企業にも裾野を広げたいと思い出展した。展示会は、実際に製品を見てもらえる貴重な機会だ。今回の展示では、複数製品の評価ボードを用意している」と説明した。
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