https://www.phileweb.com/news/d-av/202407/25/60792.html
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EM10は、ダイナミックドライバー1基、BAドライバー8基、ピエゾドライバー1基という、片耳あたり計10基のドライバーを搭載したカナル型イヤホン。8mmダイナミックポリマードライバーが低音を、BAドライバーが中高音を、ピエゾドライバーが高音および超高音を受け持つ構成にしている。
人間工学に基づいた筐体設計を採用。10基ものドライバーユニットをどのように配置するかや、位相一致性補正などを始めとする課題に対して、科学的なチューニング技術と実際の聴感から、多方面にわたり30回以上のメジャーリビジョンを経て数百回の微調整を実施。2年の歳月を経てレファレンスグレードの音に仕上げたとアピールしている。
周波数帯域ごとに異なるタイプのドライバーユニットを搭載するにあたり、その音響特性を考慮するため、多くのドライバー選定と音響テストを実践。独自のマトリックス音響アーキテクチャを構築し、各ドライバーの周波数特性を綿密に調整、正確に制御することで、全体のバランスを整えた。再生周波数帯域は8Hz-40kHzで、インピーダンスは41.6Ω±15%、感度は120dB/Vrms。
低域の再生を担うダイナミック型ドライバーは、本モデルのようなハイブリッド式マルチドライバー製品専用に開発を行ったという。振動板は素材にナノクラスポリマー使用し、柔軟で弾性の高いエッジシステムとロングストローク設計を特殊加工で組み合わせている。
磁気回路はシミュレーションで改善を図りシステムを構築したほか、多くの振動板パターン設計、異なる厚さのサンプリング、成形プロセスの調整を経ている。EM10の音響フィルターとクロスオーバー設計と組み合わせることで、自然で臨場感ある、程よく分散された豊かなディテールと力強い低音を実現できるとした。
ピエゾドライバーは、純銅振動基板、多層複合圧電セラミックコーティングを採用。PZT振動は横方向と縦方向の2つの音波を持つ。また金属製フェイスプレート側のリアチャンバーに配置し、裏にあるロータス構造部に組み合わせることで、サスペンションを保ち不自然な音を引き起こすのを防いでいる。
音響振動シミュレーションと実際の試聴校正を通じて、伝送路内の異なる材料の密度、伝送による周波数シフトとディピーキングを総合的に配慮。PZTの“機械感”を効果的に低減したと同社は説明。高域の伸びとツヤ感を効果的に高め、解像度と微細なダイナミクス、豊かな空気感で、繊細で絶妙な質感を表現するとした。
また音質技術として、各ドライバーがそれぞれの特性を発揮できる周波数帯域へ合理的に割り当てるというハイブリッド・チューニングを施した。フロントキャビティの容積、音経路、ダンピング通気性などのパラメーターを調整し、位相の不一致によって音の歪みや不自然な音色が発生するのを防止するという。
これによってスムーズで連続的な周波数特性と位相を実現、中高域のQ値を効果的に下げ、緩やかで自然なフルレンジ・アーティキュレーションを実現したとする。
ほか、異なるドライバーユニットが互いに干渉しないようにドライバー構造のソースから各ユニットに干渉しない独立したフィルターチューブが個別に設計されている。チューブ経路とチューブの径の調整、チューニングクロスや音響ダンピングの位置と通気量を調整することで、正確なチューニングが可能という。
筐体は樹脂3DプリントとCNC金属加工技術を採用した黒色半透明樹脂シェルと、つやけし金属フェイスプレートを採用。樹脂チャンバーとメタルフェイスプレート内の微妙な凹凸が定在波を効果的に抑制し、サウンドボトムをよりピュアにする効果があるとした。
さらに実際の装着フィードバックを経てフィット感を高めた。耳掛け式を採用することで、快適で安定した装着感を実現し、タッチノイズを効果的に低減するという。
コネクタ部分は0.78mm 2-pinを搭載。リッツ銀メッキ無酸素銅線ケーブルが付属のほか、3.5mm/4.4mmバランスプラグがそれぞれ付属する。
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