次世代計算機として研究開発競争が激しい「量子コンピューター」について、性能を最大で100倍程度上げられる方法を発見したと理化学研究所が5日発表した。サイコロのように規則的に部品を配置することで、弱点である計算エラーを効率的に抑える。実用性の高い「誤り耐性型」の開発が大幅に早まる可能性があるという。
量子コンピューターは、電子や原子などミクロの世界で働く物理法則「量子力学」を使った計算機で、現在のスパコンで何万年かかっても解けないような問題を簡単に解けるようになると期待される。
ただ、計算エラーが起きやすい弱点があり、これを克服した誤り耐性型と呼ばれる実用段階に進むには、心臓部にあたる「量子ビット」と呼ばれる部品が100万個ほど必要になるとされる。
理研が昨年3月に公開した国産初号機の量子ビットは64個。世界でも現段階では約1千個が最大で、実用化はまだ遠いと考えられてきた。
理研の後藤隼人チームリーダー(物理学)は、1万個程度の量子ビットがあれば、誤り耐性型を実現できる可能性がある新しい方式を考えた。これまでの100分の1の個数で足りることになる。
具体的には、高い効率で計算…
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