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ノーコード開発で費用対効果を高めた企業の共通項
ここ数年、急速にノーコード開発が注目を集めている。実際、調査(※)によればノーコード開発を導入したIT部門では8割以上でよい変化が起こっているという。「社内対応工数が減った」「起案数が増えた」「残業時間が減った」というのはその一例だ。
その半面、導入後「壁」に直面するケースもある。ノーコード開発は現場主導の内製化が広がることで、より大きな費用対効果を生み出す。しかし、現場主導の内製化が思うようにいかず、利用が一部に限定されてしまったりすると、期待通りの効果を上げることができない。場合によってはノーコードツールの利用が止まり、使われないシステムだけが残る――そんなケースもあるようだ。
それでは、どうすれば費用対効果を高めることができるのか。そこで改めて考えておきたいのが、ノーコード開発にかかる「費用」と「効果」だ。
「費用」は主に、ツールのライセンス費用、システムの開発工数、そのメンテナンスコストなどを指す。一方、注意すべきなのは「効果」だ。「IT人材不足に対応できる」「開発時間を短縮できる」「システムの修正や改善が簡単」といった点を挙げる企業も少なくないが、これはノーコード開発の特長であり、副次的なメリットにすぎない。
ノーコードツールを中長期的に使われる仕組みにしていくには、「顧客管理システムのリプレースで、月〇〇時間の業務効率化が図れる」「開発にかかるコストがトータルで〇人月削減できる」「営業プロセスのデジタル化で、商談の勝率や平均受注額などの指標を分析できるようになる」といった、イニシャルコストおよびランニングコストの削減や売り上げもしくは業務効率向上につながる具体的な「効果」につなげることが肝要だ。
次ページ以降では、ノーコード開発において費用対効果を上げることに成功した企業に共通する「3つの条件」について考えてみたい。
費用対効果を高めるポイントは「量」と「質」と「継続性」にあり
ノーコード開発で高い費用対効果を出している企業の特長は大きく3つある。それは「多くの人が使う(=量)」「意思決定や判断にかかわる業務に使う(=質)」「ノーコードにこだわる(=継続性)」である。
まず「多くの人が使う(量)」こと。ここには「多くの人が行っている業務」と「より多くの業務」の双方を改善するという2つの意味合いが含まれる。
例えば、「社内申請」や「機材管理」「顧客管理」といった多くの社員が行っている業務をデジタル化すれば、費用対効果は確実に上がる。だが、それだけではなく、「営業日報」「案件管理」「レポート作成」「情報共有」といった、各部門内で閉じた業務やユーザー数が限られている業務もノーコード開発でデジタル化し、より多くの業務(=量)を改善・効率化している企業も多い(図1)。
そのためには、IT部門がノーコード開発を主導していくというより、ユーザー部門が自由に開発できるよう、徐々に権限委譲していくアプローチが有効だ。ノーコードツールはコーディングレスで、簡単にシステムやアプリケーションを開発できることが最大の特長だが、そのメリットを最大化するには、現場のユーザー自身が開発に参加して、より多くの人が使える環境を作り、全社的にノーコード開発を根付かせていくことが重要なのである。
次に「意思決定や判断にかかわる業務に使う(質)」だ。これは、誰にとっても重要な業務でノーコード開発を採用し、業務の「質」を上げることを指す。コロナ禍以降、多くの企業でチャットやビデオ会議といったコミュニケーションツールが普及したが、そこで行われたディスカッションや示された数字は、一時的に共有はされても、後でその情報を検索しようにも所在が分からない、あるいはどのような最終判断が示されたのかが見えにくいといった、“情報のストック性”に課題があった。
こうした課題を解消するには、「明確なタスクを管理し、気付かせる(=タスク管理)」「意思決定を行い、履歴を残す(=ワークフロー)」「情報を適切な形で共有する(=レポーティング)」といったストック型情報管理に必要な機能をノーコードで開発し、業務の質を高めることが有効なアプローチとなる。
例えば、「売り上げ目標やKPIに対する達成度・進捗状況を把握し、必要な施策や改善点を検討可能にする」「顧客セグメントや製品別の売り上げ・利益率などを比較し、市場ニーズや競合状況に応じた営業戦略を策定する」といったように、現場だけでなく意思決定層の判断にも活用できるシステムを開発し、費用対効果を大きく向上させていくわけだ。
ノーコードのよい部分を追求する
3つめが「ノーコードにこだわる(継続性)」ことだ。ノーコード開発には「開発スピードが速い」「専門知識が不要」「開発が属人化しない」「失敗してもすぐにやり直せる」「あとからでも変更がしやすい」といった多くのメリットがある。
一方、弱点といわれているのが「要件難度の高いことは実現できない」点だ。一般的にノーコードツールは、あらかじめ用意されているパーツを組み合わせることによって開発を行う。そのため従来型のコーディング開発に比べ、複雑で難易度の高いアプリケーションには対応できないケースが多い。では、そこを“コーディング作業で補完する”ことは果たして正解なのだろうか。
大前提として、一定のITスキルが求められるプロコードやローコードではなく、ノーコードを選択した企業は、慢性的なIT人材不足に悩み、最初から現場社員を巻き込んだ全社展開を視野に入れているケースが多い。ノーコードが得意とする業務を理解し、ノーコードにこだわった内製化を行うことによって外注コストを削減することがそもそもの狙いとなるからだ。
このため、成功企業では、ノーコードの適用範囲を適切に保ち、IT部門が全体的なセキュリティー・アクセス権限やユーザーアカウント数、データ量などを管理することで、現場を効率化しながら費用対効果を最大化する取り組みを進めている。さらに、ノーコードで開発できる範囲が広いソリューションを選べば、難易度の高いシステムも十分に開発可能だ。つまり、ノーコードのよい部分を追求することが、費用対効果を高いまま維持できることにつながるのである。
ノーコードクラウドデータベース「JUST.DB」
こうした3つの条件を満たしたノーコードプラットフォームの1つが、ジャストシステムの提供する「JUST.DB」である。JUST.DBはクラウドですべての機能が提供されるため、特別な設備は必要ない。インターネットに接続したPCやスマートフォンのブラウザで利用可能だ。その特長は大きく4つある。
1つめが「スキル不要」なこと。ノーコードツールの中には、定型的な処理以外に機能を追加しようとすると、スクリプトによる開発や外部ツールが必要になるものが多い。だがJUST.DBは、すべての機能が完全ノーコードで、GUIベースのアイコンをマウスで配置するだけで簡単・高速に開発できるため、現場主体でのDXや業務効率化が可能だ。
2つめが「高い拡張性」だ。繰り返し作業や複雑な処理は従来のノーコードツールが苦手とする分野だが、JUST.DBはレコードへのデータ追記や、他のデータベースへのデータの移動・複製、統合や分割といった様々な処理を組み合わせ可能なパーツとして用意。手間のかかる繰り返し作業や、意思決定にかかわるデータ集約・加工・レポート(メール配信)などの処理も、RPAなどの外部ツールを使わずに自動実行させることができる(図2)。
3つめが「多彩な機能」である。JUST.DBは標準の部品や機能のほか、ワークフローや帳票出力、スマートフォン対応など高度な機能も豊富に搭載。幅広い業務への対応が可能だ(図3)。
4つめが「コスト抑制」だ。JUST.DBは、よくある“ユーザーライセンス”ではなく、同時ログイン人数でのライセンス契約となる。たとえ全社員が利用対象でも、同時にログインするユーザー数が契約内ならコストを抑えながら全社展開がやりやすい。
ノーコード開発は利用者、開発担当者のすそ野を広げ、業務の適用範囲や自動化領域を拡大していくことが重要だ。まずは特定部署や少人数によるスモールスタートで始め、小さな成功を積み上げていく。そこから費用対効果を徐々に上げていけば、それが推進力となり、全社展開への波及効果が高まっていくはずだ。
関連リンク
問い合わせ先
- ジャストシステム
URL
https://www.justsystems.com/jp/products/justdb/TEL
03-5324-7655メール
just.db@mail.justsystems.com
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