クープ
総合ポストプロダクションのqooop(クープ)では、独自に制作した高画質主観評価用標準動画像集「QT-4000series」を参考展示していた。QT-4000は自然画像や人物、CGといった様々な素材を収めた評価用画像で、今回はローデータから4000nitsの情報を持った映像として書き出している。これにより、最近各社から登場してきてい4000nitsが表示できるモニターのチェックにも使えるそうだ。
さらに点群データとフォトグラメトリによるデジタルアセット制作も新しい提案として注目したい。これは実在する建物などを点群データ値してスキャン、それを元に3Dデータとして再構築するというものだ。そこでは、スキャンと同時に被写体をカメラで撮影しておくことで、各オブジェクトの表面の様子を実データとして把握、これらをマッピングすることでCG画像とは違う、本物の素材感を備えた画像として再現できるという。
このデータはVRのような使い方ももちろん可能だが、近年増えているバーチャルスタジオの撮影用背景としても活用できるとかで、今後様々なジャンルで応用されていくことだろう。
ソニー
ソニーでは、バーチャルプロダクションに向けたCrystal LEDの新製品VERONAを設置、実際にどんな形で撮影ができるかをデモしていた。ソニーのCrystal LEDはこれまでも清澄白河BASEなどのスタジオで採用されており、今回のVERONAはその最新世代となる。
従来のB/Cシリーズのいい所取りを目指して表面にフィルターを追加、明るさと沈んだ黒を両立して、高輝度と高コントラスを獲得したという。ちなみに現在国内では、角川大映スタジオがVERONAを常設しているそうだ。
CANON
キヤノンブースには、同社のEOSカメラに装着して立体映像を撮影できるEOS VR SYSTEMが展示されていた。交換レンズの前面にふたつの光学系が内蔵されており、両眼視差の情報を備えた映像をサイド・バイ・サイド方式で記録してくれる。同方式に対応したVRゴーグルやテレビ、プロジェクターなどを使えば立体で再現できるわけで、比較的手軽に3D映像を楽しめることになる。
ブース内にはこのカメラを3台使って収録された映像も準備されており、VRゴーグルでその映像を楽しむことができた。スペースバルーンを使ってモンゴルで撮影したとのことで、30km近い上空から地表を見下ろした映像はまさに圧巻だった。
アストロデザイン
アストロデザインのブースで、来場者の注目を集めていたのが光源分離型8Kプロジェクター「Satellite Insight MLS 8K 60Hz」で、193インチスクリーンに高精細な映像を再現していた。本体部と光源部のふたつのユニットからなるシステムで、その間を光ファイバーでつなぐことで設置の自由度を高めている。光源部は出力違いで複数の選択肢が準備され、他にもRGB用に3台組み合わせることでよりクリアーな映像も再現可能という。
もうひとつ、折り畳み可能で可搬性に優れた135インチのモバイルAIO(AllIn One)LEDディスプレイも多くの方が足を止めていた。こちらはサイネージなどで活用されるアイテムで、LEDパネル部の裏側にアストロデザイン製のメディアプレーヤーなどが格納可能。これにより様々な場所で、スタンドアローンで使えるわけだ。パネルの両サイドが折り畳み可能で、さらにパネル本体の高さをリモコンで上下できるので、エレベーターなどでの運搬も可能になるという。
KORG
コルグでは、同社が開発したインターネット動画配信システムのLive Extremeを使ったハイレゾ配信のデモを実施していた。上映されていたのは、MR.BIGの『The Big Finish Live』「Just Take My Heart」で、4K/HDR10+AURO-3Dと4K/ドルビービジョン+ドルビーアトモス(ロスレス)などの比較も可能だった。
会場では、麻倉怜士さんと一緒に上記2種類のソースを再生してもらったが、インターネット経由の配信(会場ではWiFiを使用)でこれだけの画質・音質が体験できるのかと驚いてしまった。AURO-3Dとドルビーアトモスの再現性や音作りの違いもしっかり確認できたので、ぜひこれらの再生環境をお持ちの方はご自宅でトライして欲しいと思った次第だ。
FUJI FILM
富士フイルムブースで、ひっそり(?)展示されていた業務用プロジェクター「FP-Z8000」「FP-Z6000」もレンズメーカーらしい機能を備えたモデルだった。そのポイントが、レンズの向きを二軸で調整できることで、本体の天面側(天井、または床面)と、水平方向360度の方向に自在に映像を投写できる仕組みだ。
投写デバイスはワンチップDLPで、解像度は水平1920✕垂直1200画素。光源にはレーザーダイオードを使っており、複雑な光学系で生じてしまう光量のロスもカバーしている。ちなみにFP-Z8000は8000ANSIルーメン、FP-Z6000は6000ANSIルーメンというスペックを備えている。
同社ではこれまでプロジェクターメーカーにレンズなどを提供する立場だったが、今回はDLPなどの映像回路を外部調達し、得意のレンズ部分を活かせる製品として企画したそうだ。基本的にはプロジェクションマッピングや美術館での展示といった用途を想定しているようで、B to Bでの展開が主になるようだ。
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