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AI(人工知能)半導体で米NVIDIA(エヌビディア)が独走する中、ポストNVIDIAを巡るスタートアップの争いが激化している。頭一つ抜けそうなのが米Cerebras Systems(セレブラス・システムズ)だ。2024年9月末に米ナスダック市場に上場する方針を明らかにし、話題を呼んだ。そんな同社のAI半導体を解説する。
セレブラスは2016年創業のシリコンバレーのスタートアップである。2021年にシリーズFでの資金を調達し、その時点での金額は累計7億2000万米ドルで、企業の評価額は40億米ドル以上だった。
最初の製品を発表したのは、2019年である。この年に開催されたプロセッサー分野の著名な国際カンファレンス「Hot Chips」で、セレブラスは鮮烈なデビューを飾った。「Wafer-Scale Engine(WSE)」と呼ぶ巨大なAI半導体を発表し、参加者を驚かせた。その名の通り、口径300mmのシリコン(Si)ウエハーから1つだけを切り出したもので、いわゆる「ウエハースケール」のサイズを誇る。以後、製造プロセスを微細化するなど性能を段階的に高めてきた。
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