1月22日 4時00分
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の大筋合意を受けて、農業の競争力強化が課題となるなか、和歌山県の精米機器メーカーが各地のコメ農家と協力して価格が1キロ当たり1万円を超える高級米を開発し、アジアなどへの輸出を目指すことになりました。
このメーカーが開発したのは、1キロ当たりの価格が一般的なコメの30倍近い1万1000円という高級米で、ことし5月から販売を始めます。
このコメは、コンクールで賞を獲得した長野、山形、新潟、それに熊本のコメ農家から買い取った新米を、温度や湿度を管理できる倉庫で半年ほど熟成させてから、特殊な技術で精米するということで、国立研究開発法人傘下の「食品総合研究所」の検査で、うまみや栄養価が高まったことが裏付けられたとしています。
会社ではまず、国内のデパートや料亭向けにおよそ2トン出荷し、来年以降はより多くの農家と契約して、シンガポールや台湾、それに香港などへの輸出を目指すとしています。精米機器メーカー「東洋ライス」の雜賀慶二社長は「TPPによって、安くて質の高い輸入米が入ってくることに強い危機感を持っており、日本のコメのよさを世界に発信していきたい」と話しています。
TPPの大筋合意を受けて、農家や企業の間では、輸出も視野に入れた付加価値の高い商品の開発を目指す動きが一段と活発になりそうです。
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