【AFP】インドネシア・ジャワ島の豆腐作りが盛んなカリサリ村では、大豆から豆腐だけでなくその過程で出る廃水から安価な再生可能エネルギーを作り出し、自宅で電力として活用するという革新的な技術が導入されている。
カリサリには約150の小さな豆腐業者がおり、その多くは自宅で豆腐作りを営んでいる。彼らは豆腐作りで出る廃水を、クリーンなバイオガスに転換して利用している。
かつては不定期に供給されるガスタンクやまきに頼っていたが、今ではスイッチひとつで、このクリーン燃料を利用できるようになった。
1万数千の島々から成る、人口約2億5000万人のインドネシアは世界で最も温室効果ガスの排出量が多い国のひとつで、総発電量に再生可能エネルギーが占める割合もわずかにすぎない。
だがインドネシア政府は、排出量の削減を目指し、2025年までに再生可能エネルギーの割合を25%に引き上げることを目標としている。
豆腐作りには大量の水が必要とされ、豆腐1キロあたり約33リットルの水が使われる。豆腐を作る過程で酢酸が加えられるが、排水後のこの液体にバクテリア処理を施すと、バイオガスが発生する。
ガスはパイプで直接、民家の専用に改良されたストーブへと送られる。現地の自治体は、長期的にはこのガスを村全体の明かりの電力にしたいと考えている。
豆腐作りから生み出されたバイオガスは財布にも優しい。制限のないバイオガスは、交換式のガスタンクを購入するよりも約3分の1安く済むからだ。
さらにカリサリでの取り組みは、豆腐作りによる地元への環境被害を防ぐ助けにもなっている。
かつては豆腐作りで排出される何千リットルもの廃水が村の近くの川へ流されていたため、下流の水路や水田に汚染をもたらしていた。だが臭く濁った廃水がバイオガスに転換されるようになって以来、状況は徐々に改善している。コメ農家は収穫量が増え、河川は臭いが少なくなりきれいになったという。【翻訳編集】AFPBB News
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