勉強の為に引用しました。
http://www.gan-info.com/322.7.html
白血病の標準治療から最新治療までわかりやすくご解説!
白血病の治療法では、異常な血液細胞(白血病細胞)を消滅させ、正常な血液細胞を再度生産できる状態にすることが目的となります。
白血病の代表的な治療法は下記です。
化学療法
造血幹細胞移植
放射線療法
急性であっても慢性であっても、白血病の治療では、化学療法と造血幹細胞移植が治療の2本柱となります。特に白血病は抗がん剤が良く効く性質があります。
急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病の治療法
白血病の種類が急性骨髄性白血病・急性リンパ性白血病の場合では、急速に病状が進行するために、できるだけ早期に治療をはじめます。
いずれの場合も急性白血病の場合は、寛解導入療法地固め療法寛解維持療法(強化療法)という3つの段階に分けた治療を行います。
寛解導入療法
寛解導入療法では、まずは骨髄中の異常な白血球(白血病細胞)の数を、全白血球数の5%未満にまで減らし、寛解状態を目指します。
ビンクリスチン・プレドニゾロン・アドリアマイシン・シクロホスファミド・L-アスパラギナーゼ・メルカプトプリンといった強力な抗がん剤を投与し、白血病細胞の数を一気に減少させます。
一度の投与で効果が少ない場合は、複数回に渡り投与します。この治療で、約75%の白血病患者を寛解状態にすることができます。
しかし強力な抗がん剤を投与することで、正常な細胞も傷つけてしまうため、嘔吐・脱毛・発熱・貧血・免疫力の低下などの副作用が必ず現れます。
そのためこれらの副作用を抑えるため、抗菌剤・抗ウィルス剤・輸血などの支持療法も併行して行います。
地固め療法
寛解導入療法で白血病細胞を減少させ寛解状態にできたら、寛解状態をより確実にするため、抗がん剤により体内に残った白血病細胞を徹底的に根絶させます。
寛解導入療法で使用した抗がん剤の他に、メトトレキサート・シタラビンといった抗がん剤を組み合わせて、数か月間に渡り定期的に投与します。
寛解維持療法(強化療法)
寛解導入療法と地固め療法で体内の白血病細胞がほぼ消失した状態になったら、寛解状態を長期間維持させるために、1~2年間は定期的に通院し、弱い抗がん剤を投与します。
急性白血病の場合には、これらの3段階の治療により、治療はひとまず終了となります。これらの治療を受けた患者の約80%を完全寛解状態にすることができ、そのうち約30%の患者が治癒します。
慢性骨髄性白血病の治療法
慢性骨髄性白血病の場合では、数年以内に必ず急性骨髄性白血病に急性転化しますので、慢性の内に治療することが重要です。
慢性骨髄性白血病の治療では、イマチニブ(商品名:グリベック)という分子標的治療薬を用いることが第一選択肢となります。
慢性骨髄性白血病は、染色体異常によって異常なタンパク質がつくられ、そのタンパク質ががん化する病気ですが、イマチニブは、異常なたんぱく質の働きを阻害することで、がん化するきっかけを抑制する効果があります。
非常に効果が高く、副作用が比較的少ないので、現在、慢性骨髄性白血病の治療の中心となっています。イマチニブの使用により、約90%の患者が寛解状態を得ることができています。
イマチニブで効果が少ない場合には、ダサチニブ・ニロチニブといった抗がん剤を併用したり、インターフェロン注射により治療を行うこともあります。
慢性リンパ性白血病の治療法
慢性リンパ性白血病の治療では、シクロホスファミド・リツキシマブといった抗がん剤により、リンパ節の腫れや白血病細胞の増殖を抑制する治療を行います。
日本では慢性リンパ性白血病の患者数は非常に少ないので、有効な治療法が確立されていないのが現状です。
しかし慢性リンパ性白血病は、急性に転化することがほとんどなく、病状の進行も非常にゆっくりとしているので、特に治療をせず、経過を観察するケースもあります。
白血病の「造血幹細胞移植」
急性にしろ慢性にしろ白血病の治療として重要なのが造血幹細胞移植です。
白血病は骨髄の中にある血液細胞(白血球・赤血球・血小板)を作る造血幹細胞ががん化する病気ですが、化学療法を行って白血病細胞がすべて死滅したとしても、造血幹細胞ががん化していては、また白血病細胞が増加してしまいます。
ですので、造血幹細胞を移植することにより、再度正常な血液細胞を作り出すことができ、白血病を完治させることができます。
造血幹細胞移植では、移植前に大量の抗がん剤により白血病細胞を徹底的に消滅させた後に、事前に保存しておいた自分の造血幹細胞や、ドナーから提供してもらった造血幹細胞を再度体内に移植するという方法をとります。
ただし造血幹細胞移植は、患者に負担をかける治療になりますので、若く体力のある患者しか受けることができません。
しかし最近では、ミニ移植といって、抗がん剤の量は通常の半分にし、患者の負担を少なくすることで、高齢者や他の病気を合併している人でも造血幹細胞移植を受けることができるようになってきています。
白血病の「放射線療法」
白血病で用いる放射線療法は、治療を主目的とするものではなく、脾臓や肝臓の腫れによる圧迫痛を緩和させたり、化学療法や造血幹細胞移植の前後に補助療法として行われることがあります。
寛解導入療法とは?
手術、抗がん剤、放射線ががんの三大治療と呼ばれるものです。この中で、白血病は抗がん剤治療がメインの治療になります。白血病では白血病細胞(がん細胞化した造血幹細胞)で骨髄中の血液があふれかえっています。
まずはこの白血病細胞を抗がん剤で殺して減らすことから始めなければいけません。これによって、がん細胞で占有されているスペースを解放します。基準としては、血液を調べたときに顕微鏡では白血病細胞が見つからないところまで抗がん剤を投与します。
この手法を寛解(かんかい)導入療法といいます。寛解(かんかい)という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、上記の治療を適用するとがん細胞の数が大きく減ります。
しかし、がん細胞を根絶できたわけではないため、「治った」とは言えません。この言葉は「治った」と言いづらい精神や心の病気にもよく使われます。
近年では抗がん剤の副作用は減ってきています。特定の分子だけを標的にする抗がん剤等正常な細胞をできるだけ攻撃しないように工夫された薬が用いられるからです。
しかし、それでも白血病細胞を大量に殺すために抗がん剤を投与すると、正常な造血幹細胞も死んでしまう場合があります。そこで、寛解導入療法が行われた後に、がん細胞が増殖しないための治療と、正常な造血幹細胞を移植するという治療が行われるのです。
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