ロボット記者の技術をAP通信に提供するAutomated Insightsの紹介動画。
英国の地方紙などに記事や広告文を提供する通信社プレス・アソシエーション(PA)は、ロボットジャーナリストを利用してスポーツやニュースの報道を行うことを検討している。
「短い市況報告や選挙結果、サッカーに関する報道については、ひときわレヴェルアップできる可能性があります」と、PAのピート・クリフトン編集長は、英カーライルで開催されたカンファレンスで述べた。
新聞業界サイト『プレス・ガゼット』の記事によると、クリフトン編集長は今後数カ月のうちにロボットジャーナリストの分野に「小さな一歩」を踏み出すが、失業者は出さないと語ったという。PAは、数カ月以内にテストを開始し、英国における最初のロボットジャーナリスト採用例のひとつとなることを目指す。
PAの広報担当者が『WIRED』UK版宛てのメールで語ったところでは、プロジェクトは初期段階にあるらしい。現段階では、人工知能(AI)や機械学習を利用して記事が書かれるのか、それとも、既存のデータソースに基づいて記事が作成されるのかも不明である。
「米国版PA」ともいえるAP通信は2015年1月に、Automated Insightsの技術を利用して決算報告の記事を生成していることを明らかにしている(日本語版記事)。
「AP通信は現在、米国とカナダの企業の四半期決算に関する記事を3,700本近く生成しています。これは、AP通信の記者や編集者が手入力で作成する記事本数の12倍を超えています」と、Automated Insightsはホームページで述べている。
財務関係の記事については、アグリゲーターから投資データを抽出し、あらかじめ決められた「コンテンツ設定」に基づいて記事が作成されている。このプラットフォームは例えば、米政府筋の失業率データといったさまざまなデータ形式を採用することが可能である。
ロボットが生成したすべての記事の最下部には、「この記事はAutomated Insightsによって生成されたものです」と記載されている。
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