胃がんは基本的に薬に対する感受性が乏しい、すなわち抗がん剤が効きにくいがんとされてきました。しかし、シスプラチンやイリノテカン、テガフール・ギエラシル・オテラシルカリウムの登場により化学療法の方法は大きく変わりつつあります。
特に注目されているのが、抗がん作用のある「テガフール」、その効果を高める「ギメラシル」、副作用を軽減させる「オタレシルカリウム」という抗がん剤を改良したテガフール・ギエラシル・オテラシルカリウム(以下、TS-1)です。
従来のフルオロウラシルよりも効果が高く、副作用が少ないのが特徴です。実際、フルオロウラシルの奏効率が20%以下だったのに対し、TS-1は49%と、2倍以上になっています。また、錠剤の飲み薬ですので外来治療が可能な点も大きなメリットです。
TS-1は、単独で使っても効果が高いのですが、さらに治療効果を高めるため、ほかの抗がん剤とあわせて使う「併用療法」も研究が進んでいます。併用療法で使われるほかの抗がん剤は、いずれもTS-1と副作用が重ならないものです。
シスプラチン、イリノテカン、ドセタキセル、パクリタキセルなどがあり、このうち1種類を併用します。これらの抗がん剤は、点滴や注射で投与されるため、初めのうちは入院が必要です。
併用療法は、TS-1単独では効かない人にも効果がみられ、期待されている治療法です。TS-1単独では奏効率が49%だったのが、シスプラチンとの併用で76%に上昇したという研究データも得られています。その他の併用療法は以下の通りです。
FP療法
フルオロウラシルとシスプラチンの組み合わせです。フルオロウラシルを持続的な静脈注入で、またシスプラチンの点滴による静脈注入で、それぞれ週5日投与し、これを4週間繰り返します。効果があればされに繰り返します。
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