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EXPLDB1975
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1 | 年 | 中分類業種 | 小分類業種 | 発生地 | 事故の概要 | 死亡 | 死傷 | 発生場所 | 発生装置 | 原因物質 | 着火源 ・原因 | 作業工程 | |
2 | 1990 | その他の小売業 | 燃料小売業 | 群馬県 | ガス会社の作業員2名が食品工場のボンベ置き場において、2本のLPG用50kgボンベの交換作業をしていた際、いずれかのコックを閉め忘れたため、LPGが集合配管を通り急激に吹き出し、その処置に手間取っているうちに、食品工場内で使用していた揚げ物用のコンロの火によって引火して爆発し、食品工場の従業員1名およびガス会社の作業員2名の計3名が被災した。 | 0 | 3 | 食品工場 | ボンベ置き場 | LPG | コンロの火 | ボンベの交換 | |
3 | 1990 | 鉄鋼業 | 高炉によらない製鉄業 | 青森県 | 鉱石の積み換え場において、約1000℃に加熱したニッケル鉱石を15tコンテナに入れて運び、トラックの到着を待つ間に積み換えの準備としてコンテナのゲートのエアーホースを接続中、ゲートが急に開いてコンテナ付近に高温の鉱石が落下、操作者が熱風を受け着衣火災となり死亡した。原因は、トラック運転手が行う作業を被災者が行い、操作レバーが中立から少しずれたまま、閉用より先に開用のホースをつないだため、開き始めたゲートを閉められなかった。 | 1 | 1 | 鉱石の積み換え場 | コンテナ付近 | 熱風 | 高温物との接触 | 積み換えの準備 | |
4 | 1990 | 窯業・土石製品製造業 | 耐火物製造業 | 兵庫県 | 工場内の加熱含浸装置において、レンガ中の気泡にコールタールを含浸させた特殊用途レンガを1人で製造中、予熱、加熱、冷却、含浸、を順次台車を送って行う装置の入口で、制御機器の不具合かセットしたレンガの位置ズレか何らかの理由のため、入口から中に入ったところ、自動運転中だったため、台車が送られて扉が閉まり、装置内(200℃程度)に閉じ込められた。戻って来ず捜索していた同僚が高温環境により死亡した被災者を発見した。 | 1 | 1 | 工場内 | 加熱含浸装置 | 高温環境 | 閉じ込められ、高温物との接触 | 自動運転中 | |
5 | 1990 | 金属製品製造業 | 建設用・建築用金属製品製造業(製缶板金業を含む) | 大阪府 | 屋外作業場において、一斗缶に入れた木材を燃やしながら作業中に爆発音が生じ、近くでアーク溶接中の作業者が火だるまとなり死亡した。原因は、目撃者がなく不明だが、たき火を始めた時に木材に注いだ塗料溶剤缶(トルエン、メタノール、ミネラルスピリット)の蓋がはずれたままなので、たき火かアーク溶接の火花により引火したか、あるいは、塗料溶剤をたき火に注いだためと推定される。 | 1 | 1 | 屋外作業場 | 塗料溶剤缶 | 塗料溶剤 | たき火かアーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
6 | 1990 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 大阪府 | 常圧蒸留装置を定常運転中、重質軽油放散塔(ストリッパー)抜き出しポンプ付近より出火して火災となり、同ポンプ及びエアーフィンクーラー、ケーブル等を焼損した。原因は、同ポンプの上方にある洗浄用軽油配管のゲートバルブのボンネット部に装着されたアスベスト製ガスケットが破損し、そこから漏洩した軽油が抜き出し用ポンプの高温表面に接触して発火、火災となったもの。 | 0 | 0 | 常圧蒸留装置 | ゲートバルブ | 軽油 | 高温表面 | 定常運転中 | |
7 | 1990 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 福島県 | 粗大ごみ破砕処理施設内のごみ破砕機で粗大ごみを破砕中、混入していたガスボンベが破裂・爆発し、処理施設の一部が破損した。 | 0 | 0 | 粗大ごみ破砕処理施設 | ごみ破砕機 | ガスボンベ | 破砕 | ||
8 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 三重県 | 光安定剤製造工場でのプラスチック用光安定剤の製造において、反応槽(8立方m)にミネラルスピリットと原料を仕込み、さらに粉体原料の投入中、槽内で爆発を生じ、投入用マンホールから噴出した火炎により3名が火傷を負った。原因は、粉体原料が固化していたため金属製バットで叩いたり、バッグをゆすったりしたため、ポリエチレンの内張りに静電気が帯電し、その放電によりミネラルスピリット蒸気が爆発したとみられる。 | 0 | 3 | 光安定剤製造工場 | 反応槽 | ミネラルスピリット | 静電気 | 粉体原料の投入 | |
9 | 1990 | 一般機械器具製造業 | その他の機械・同部分品製造業 | 兵庫県 | 工場建屋内の2000t水圧プレス機用の鋼鉄製配管の修理作業中、同配管のバルブ部分が破裂し、作業員3名が被災した。 | 1 | 3 | 水圧プレス機 | 配管のバルブ | 水圧 | 配管の修理 | ||
10 | 1990 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 新潟県 | 当日の作業準備の為、作業現場隣接のユニットハウス(現場事務所兼休憩小屋)に入り、湯沸かしをしようと被災者がガスコンロに火をつけるためマッチをすったところ、前日から漏れていたLPGに引火、小さな爆発音を発して火傷を負った。原因は、ガスコンロの閉栓が不充分であったこと。火気点検責任者がいなかったこと。漏洩量は0.164立方mと推定。 | 0 | 4 | 作業現場 | 休憩小屋 | LPG | マッチ | 湯沸かし | |
11 | 1990 | 自動車整備業 | 自動車整備業 | 広島県 | 修理中のダンプカー(11t積)の荷台底の鉄板を交換するため、ダンプの荷台でアセチレンガス溶断を1人でしていた際、意識不明となって倒れ、溶接火炎で自身の右足を焼き、出血性ショックで死亡した。意識不明になったのは何らかの疾病によるとみられる。 | 1 | 1 | 修理中のダンプカー | ダンプの荷台 | 溶接火炎 | 意識不明、高温物との接触 | アセチレンガス溶断 | |
12 | 1990 | 娯楽業(映画業を除く) | 公園、遊園地 | 三重県 | 港に常時係留されている船の厨房において、調理後にステーキ焼用ガスバーナーを洗浄する為にバーナーに接続していたLPGボンベのガス取出口より圧力調整器の取り外しをしたところ、ボンベ元バルブが開いていた為ガスが噴出して厨房内に滞留し、そのガスがガス機器の種火か電気機器の電気火花により引火爆発し、厨房内と付近にいた3名が負傷した。原因は、取り外しの際に元バルブの開閉をよく確認しなかったため。また作業管理者が不在であった。 | 0 | 3 | 船の厨房 | 厨房内 | LPG | ガス機器の種火か電気機器の電気火花 | 圧力調整器の取り外し | |
13 | 1990 | 総合工事業 | 一般土木建築工事業 | 埼玉県 | 道路工事に際し、下水道マンホール周辺のアスファルト欠損部の補修をするため、既存のアスファルトをガスバーナーで溶かしていたところ、マンホール(直径900mm)内に滞留していた発酵メタンが爆発して、蓋やその周辺のコンクリートとアスファルト片が飛散したため、3名が死傷した。着火源は、マンホールの蓋の12ヶの小孔からマンホール内に火が入ったためと思われる。 | 1 | 3 | 道路 | 下水道マンホール | メタン | ガスバーナー | アスファルト欠損部の補修 | |
14 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | 石油ベンジンの蒸留精製において、製品に着色があったので、工場内の蒸留室で蒸留缶に戻し入れて加熱中、原料に水分が残存していたために突沸が生じた。大量の蒸気と液がコンデンサーに達したため液がオーバーフローして床面に約600リットル流れた。これを見た作業員が蒸留室に隣接の機械室内のポンプのスイッチ(非防爆)を切った時の電気火花により、防火扉が完全に閉まっておらず、蒸留室へ火が走って爆発し、流出液が焼失した。 | 0 | 2 | 工場内の蒸留室 | 床面 | 石油ベンジン | 突沸、電気火花 | 蒸留精製 | |
15 | 1990 | 廃棄物処理業 | 産業廃棄物処理業 | 福島県 | 廃棄物処理場において、ドラム缶に入っていた廃油をタンクローリーに移し、さらに廃油貯留槽に移送作業中、吸引ホースが破損したため修理を行っていたが、このホースから火災が発生し、タンクローリーなどに引火した。 | 0 | 1 | 廃棄物処理場 | ホース | 廃油 | 移送作業 | ||
16 | 1990 | 輸送用機械器具製造業 | 自転車・同部分品製造業 | 大阪府 | 研磨作業場において自転車のアルミ合金製クランク軸をペーパーマシン(研磨機)で研磨作業中、誤って同機械の切替スイッチに触れたためペーパーマシンが逆回転して、研磨剤とカバーの接触により発生した研磨火花が、サイクロン集じん機用ダクト内などに堆積していたアルミニウム粉に着火、集じん機が爆発して、それに接続した局所排気ダクトの8ヶ所の吸入口から火炎が噴出して4名が火傷を負った。 | 0 | 4 | 研磨作業場 | 集じん機 | アルミニウム粉 | 研磨火花 | 研磨作業 | |
17 | 1990 | 電気機械器具製造業 | 電子機器用・通信機器用部分品製造業 | 静岡県 | 工場内において、セラミックスコンデンサー用の原料転換の製品テスト中、異常反応により、硝酸アンモニウムが大量に発生し、付近一帯が白煙に覆われた。 | 0 | 0 | 工場内 | 工場内 | 硝酸アンモニウム | 異常反応 | 原料転換の製品テスト | |
18 | 1990 | 金属製品製造業 | 分類不能 | 宮城県 | 工場内において、午前の休憩中、近傍にあった円筒型ゴミ容器(底はベニヤ板、胴部はダンボール、蓋はアルミ製、直径64cm、深さ75cm)が爆発し、8名の作業員が被災した。原因は、切断用の吹管(LPGおよび酸素使用)を作業者が当該容器上に置いたままにしており、わずかに漏れたガスが容器内に充満して、タバコの火などで爆発したものと推定される。 | 0 | 8 | 工場内 | ゴミ容器 | LPG | タバコの火 | 休憩中 | |
19 | 1990 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 福岡県 | 電炉工場において電気炉でステンレス合金の溶解中、突然炉内で突沸が起こり多量の溶融物が炉の周囲に飛散し、炉の横で1名がこれを浴び火傷で死亡した。原因は、溶解の初期段階でのボーリング溶解(原料の最下部まで穴をあける)が不十分なため、炉底部に敷き込んだ石灰と未溶解物とが残った。その後、炉壁の未溶解物が炉内に崩れ込んで溶湯が突沸し、炉底部の未溶解物や石灰が浮上して反応が生じ、溶融物を飛散させたもの。 | 1 | 1 | 電炉工場 | 電気炉 | 溶融物 | 突沸、高温物との接触 | ステンレス合金の溶解 | |
20 | 1990 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 静岡県 | 粗大ごみ処理施設において、粗大ごみの破砕のため天井クレーンによりピットから破砕機にごみを投入中、2KgLPGボンベが混入しており、破砕機のくし刃と金属による衝撃火花により爆発した。この際、受入コンベアー正面にいた作業員が、爆風で飛散した金属片で切傷を負った。2Kgボンベ内の残留LPG量は80%程度であると推定され、想定以上の爆発だったので爆発放散設備が放散しきれなかった。 | 0 | 1 | 粗大ごみ処理施設 | 破砕機 | LPG | 衝撃火花 | 粗大ごみの破砕 | |
21 | 1990 | 金属製品製造業 | 暖房装置・配管工事用附属品製造業 | 三重県 | 工場内実験室にて、チューブ内をエタノールで洗浄後、乾燥用ではない恒温槽に入れたところ、約5分後に恒温槽が爆発し、前面扉が吹き飛び、作業者を直撃した。原因は、チューブ内の残留エタノールが気化し、ニクロム線ヒーターの熱で発火、爆発したものと推定された。恒温槽には、危険物の乾燥に必要な換気装置を備えられていなかった。 | 1 | 1 | 工場内実験室 | 恒温槽 | エタノール | ニクロム線ヒーターの熱 | 乾燥 | |
22 | 1990 | 旅館、その他の宿泊所 | 旅館 | 東京都 | ホテルの地下1階の宴会場において約200人が立食パーティー中、会場の中央部に置いた卓上ガスコンロの点火をしたところ、周辺から約1mの火炎が上がり、火炎や料理の汁を浴びて1名が重傷、ほかにこれを消火しようとした2名の従業員と客4名が軽い火傷を負った。原因は調査中だが、ガスボンベのノズルからLPGが漏れ、点火具で着火したとみられる。天井のスプリンクラーは火災を検知せず作動しなかった。 | 0 | 3 | 宴会場 | 卓上ガスコンロ | LPG、火炎 | 点火具、高温物との接触 | コンロの点火 | |
23 | 1990 | 金属製品製造業 | 建設用・建築用金属製品製造業(製缶板金業を含む) | 山梨県 | 工場内において、モノレールの脚部となる缶(高さ0.7m、幅0.7m、長さ2.35m)の内部で腹ばいとなってアーク溶接を行っていた際、溶接火花により木綿製作業衣の着衣火災となり1週間後に死亡した。原因は、缶内での火災に気付くのに遅れたこと、缶外への脱出に手間取ったこと、換気装置により燃焼が促進されたこと。 | 1 | 1 | 工場内 | 缶内 | 溶接火花 | 高温物との接触 | アーク溶接 | |
24 | 1990 | 各種商品小売業 | 百貨店 | 兵庫県 | 営業中の百貨店のインテリア・寝具売場から出火し、初期消火が遅れたこと、防火扉が扉前に置かれた商品のために閉められなかったこと、スプリンクラーが設置されていなかったこと、などから4階を全焼し、さらに煙が急速に5階の店舗事務所とテナント4社に流れ込んだ。そのため、下方階に逃げ遅れて5階に上がった店員と客らが一酸化炭素中毒等で死傷した。出火原因は放火とみられている。 | 15 | 21 | 百貨店 | インテリア・寝具売場 | 放火、有害物との接触 | 営業中 | ||
25 | 1990 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 化学製品卸売業 | 群馬県 | ガス販売会社従業員が半導体製造工場クリーンルーム内のボンベボックスにおいて、モノシランボンベの交換作業のため、充填済みボンベの保護キャップを外してガス取り出し口をゆるめたところ、パンと音がして火炎と白煙を生じたため、転倒して火傷した。原因は、保護キャップを外す際に間隙がなかったため、弁のハンドルも動いて開いてしまい、噴出したモノシランが空気と接触して自然発火したとみられる。 | 0 | 1 | 半導体製造工場クリーンルーム | ボンベボックス | モノシラン | 自然発火 | ボンベの交換 | |
26 | 1990 | 金属製品製造業 | 粉末や金製品製造業、被覆・彫刻業、熱処理業(ほうろう鉄器を除く) | 静岡県 | 機械工場の塗装室にて大型射出成形機械の塗装を行うため、前処理として、エアガンを用いて洗浄液(n-ヘプタン)にて洗浄作業中、エアガンの先端から発火、洗浄液に引火し火災となったもの。エアガンのビニルホース内を洗浄液が高速で流れたために発生した静電気が着火源となった。 | 0 | 2 | 機械工場の塗装室 | 射出成形機械 | ヘプタン | 静電気 | 洗浄作業 | |
27 | 1990 | 化学工業 | 医薬品製造業 | 大阪府 | 工場内散剤製造室において、電熱乾燥設備を用いて、粉末状医薬品の半製品の乾燥工程中に爆発した。乾燥設備は、上部がバグフィルター、下部が乾燥部となっている熱風よる流動層タイプで、後面に爆圧放散孔が設けられていた。原因は、バグフィルターと被乾燥物の接触等により静電気火花が発生し粉末に含まれていたイソプロピルアルコール蒸気が引火爆発したもの。前面の扉から噴出した爆風及び火炎により作業者が熱傷等を負った。 | 0 | 7 | 工場内散剤製造室 | 乾燥設備 | イソプロピルアルコール | 静電気 | 乾燥工程 | |
28 | 1990 | 電気機械器具製造業 | 電子機器用・通信機器用部分品製造業 | 宮城県 | シリコンウェハーの裏面を研磨するバックサイドグラインド工程において発生するシリコン切削くず(数百オングストローム~1ミクロン)と純水の混合液を貯蔵しておく屋外地下タンクの液量点検のため、タンク上面のマンホールを開け、照明のためライターを灯したところ、爆発し火傷を負った。原因は、シリコンに水が作用して二酸化シリコンと水素ガスが発生し、デッドスペースに滞留していたため。 | 0 | 2 | 屋外地下タンク | 屋外地下タンク | 水素 | ライター | タンクの液量点検 | |
29 | 1990 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 東京都 | 床工事会社の敷地内の倉庫2階に設けられた社員寮(13室)の死亡者の居室内から出火し、社員寮の一部を焼いたもの。同室の者が起こそうとしたが就寝中の被災者は目覚めず、運び出すこともできなかった。出火原因は、被災者の寝タバコとみられる。重傷は向かいの部屋の住人で、避難の際に火傷を負った。 | 1 | 2 | 社員寮 | 居室内 | 寝タバコ | 就寝中 | ||
30 | 1990 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 山形県 | 鋳造工場において、3tキューポラから溶湯(溶鋼)が出始めたが、出湯口が詰まり、湯量が増えてあふれはじめた。そこで、炉底蓋の開放により、溶湯をキューポラの下に落としたところ爆発が起こり、作業者が被災した。炉の直下にあった水分を多く含んだ砂を除去せず、さらに水分を含んだ砂を敷いたところに大量の溶湯を落としたため水蒸気爆発が発生し、災害へと至ったものである。 | 2 | 10 | 鋳造工場 | キューポラ | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 炉底蓋の開放 | |
31 | 1990 | 化学工業 | 分類不能 | 兵庫県 | 化学物質処理場の金属含有液槽の設置場所において火災が発生し、作業室を全焼した。 | 0 | 0 | 化学物質処理場 | 金属含有液槽 | ||||
32 | 1990 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 愛知県 | コンクリート管やU字溝などの埋設工事会社の2階建寄宿舎の2階の居室内から出火し、2階に寄宿していた3名のうち、2名は屋外に避難したが、2階の他の部屋で就寝中の1名が焼死した。出火原因は、タバコの火の不始末とみられ、この火災で2階の12室を焼失した。なお、警報設備や消火設備はなかった。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 居室内 | タバコの火 | 就寝中 | ||
33 | 1990 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 兵庫県 | 連続鋳造取鍋作業現場において、製錬終了後の溶湯(溶鋼)をタンディッシュ(分配器)に溶湯注入ため、取鍋出口の固まりを溶かした際、開閉ノズルの防熱カバーの止めが外れて垂れ下がっており、流れ始めた溶湯が当たってはね返り、溶湯を浴びた被災者が着衣火災となって火傷を負い死傷した。防熱カバーは、一方を蝶番止め、もう一方にくさびを入れてボルト締めすることになっていたが、熱でカバーが変形し、くさびが入りにくいのでパイプを差し込んでいた。 | 1 | 4 | 連続鋳造取鍋作業現場 | 取鍋 | 溶湯 | 着衣火災 | 溶湯注入 | |
34 | 1990 | 廃棄物処理業 | 産業廃棄物処理業 | 福島県 | 廃棄物処理場の焼却炉において廃プラスチックを焼却処理中、内部から火炎が吹き出し、付近の可燃物に引火した。 | 0 | 1 | 廃棄物処理場 | 焼却炉 | 廃プラスチック | 火炎 | 焼却処理 | |
35 | 1990 | その他の事業サービス業 | 建物サービス業 | 福井県 | 運動施設において、労働者(ボイラー技士)が温水プール用と暖房用の重油ボイラーに点火したが、5~7分後に警報が鳴りバーナーの火が消えた。水位や燃料を点検後に再着火操作をした瞬間、ガス爆発が起きて2名が負傷した。原因は、火が消えている間にボイラー内に滞留していた未燃燃料が着火具により爆発したもの。このボイラーには点火前換気装置がなく、自然換気に頼っていた上に、自動起動が故障し、手動運転していた。 | 0 | 2 | 運動施設 | ボイラー | 重油 | 着火具 | 再着火操作 | |
36 | 1990 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 三重県 | 鋳造部工場において溶湯(溶解鉄)を鋳込み作業のため前炉(溶解炉から流れだした溶湯を溜める容器)に流し込んでいたところ、前炉が前方に傾き、溜まっていた溶湯がコンクリート・ピットに溢れ落ち、爆発が発生して作業者が火傷等を負った。原因は、ピット内が以前の作業で流れ込んだ作業用水のために湿潤状態となっており、ここに高温の溶湯が流れ込んだために水蒸気爆発が生じたものである。 | 0 | 8 | 鋳造部工場 | 溶解炉 | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 鋳込み | |
37 | 1990 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 青森県 | ビル2階の店舗内の改装工事に伴う床カーペットの貼替作業で、シンナー系ゴムのりの接着剤溶剤(トルエン、ヘキサン、MEK)を塗ったカーペットをコーナーに貼るため、ブタンガスカートリッジ式ガストーチの火を用いて巾木を暖めて曲げようとして、トーチに点火した際、ゴム糊が塗ってあったカーペットが燃え、次いで室内全体へ火が走った。このため作業中の5名が熱傷等により、死傷したもの。 | 1 | 5 | 店舗内 | 店舗内 | 接着剤溶剤 | ガストーチの火 | 床カーペットの貼替作業 | |
38 | 1990 | 廃棄物処理業 | 産業廃棄物処理業 | 福島県 | 廃棄物処理場において、廃油の保管をするため、貯留タンクのマンホールを開けようとしたところ、廃油の揮発性ガスが着火し、爆発した。 | 0 | 1 | 廃棄物処理場 | 貯留タンク | 廃油 | 廃油の保管 | ||
39 | 1990 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 山口県 | 共同墓地の一画の土木工事現場において、バックホー用燃料(軽油)とオートキャリー用燃料(ガソリン)をそれぞれ18リットルポリタンクに入れ、軽トラックに積んで運び、工事現場に着いて被災者がガソリンのポリタンクを荷台から降ろし、運搬する際、ノズルから漏れていたガソリンが吸っていたタバコの火により引火し、被災者が着衣火災となり、全身火傷で死亡した。詳細は目撃者がなく不明である。 | 1 | 1 | 土木工事現場 | 軽トラック | ガソリン | タバコ | 運搬 | |
40 | 1990 | 食料品製造業 | その他の食料品製造業 | 岩手県 | 缶詰やレトルト食品の食料品製造工場において、回転式二重釜(圧力容器、最高使用圧力2気圧)を使用して湯沸かしをしてタンクに移し、残り湯を掻き出していた際、内釜の底部が破裂し、その破片が被災者の頭部に当たり死亡した。原因は、2日前に故障した安全弁を取り外して、メクラプラグを取り付けていた。この閉塞状態でボイラーからの蒸気圧(常用圧力7~8気圧)が加わり、耐えきれずに釜が破裂したとみられる。 | 1 | 1 | 食料品製造工場 | 圧力容器 | 蒸気圧 | 閉塞 | 湯沸かし | |
41 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 東京都 | 化学工場内において、高純度の過酸化ベンゾイルの結晶品をメタノールで洗浄してメタノールを蒸発乾燥後、小分け室に運び、紙製のドラム缶からひしゃくでビニール袋に小分け作業中に爆発した。爆発が拡大して工場全体が破壊し、9名が死亡し17名が負傷した。近隣住宅にも被害を生じた。原因は、残留していたメタノールが作業者の静電気で爆発し、次いで過酸化ベンゾイル粉が爆発したと推定された。 | 9 | 26 | 工場内 | 小分け室 | 過酸化ベンゾイル、メタノール | 静電気 | 小分け作業 | |
42 | 1990 | 食料品製造業 | パン・菓子製造業 | 長野県 | 和菓子製造工場において、当日の作業開始前に小型蒸気ボイラー(燃料は灯油)に点火し、ボイラー本体にある蒸気のレバーを小豆蒸し器側にセットし、工場に隣接する住居に戻っていたところ、約30分後にボイラーが蒸気圧により破裂した。原因は、小豆蒸し器への蒸気配管にある三方弁が閉めてあり、ボイラーの安全弁の故障により蒸気圧が上昇したため。また、U型立管が取り付けられていなかった。 | 0 | 0 | 和菓子製造工場 | 蒸気ボイラー | 蒸気圧 | 安全弁の故障 | 作業開始前 | |
43 | 1990 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 愛媛県 | 造船所内に停泊中の修繕船(タンカー)のエンジンルーム内において、冷却水パイプの取り替え工事を行っていた。冷却水パイプを取り外すためには、手前にある配管が邪魔になるので、これをまず取り外すため、フランジのボルトの頭をガス切断器を用いて切断中、パイプ内の熱媒オイル(引火点210℃)にガス溶断の炎が引火して火災となった。作業中の配管工がその煙にまかれ、一酸化炭素中毒により死亡したもの。 | 1 | 1 | 修繕船 | エンジンルーム | 熱媒オイル | ガス溶断の炎 | ガス溶断 | |
44 | 1990 | 化学工業 | 医薬品製造業 | 大阪府 | 医薬品製造工場において、血圧降下剤用中間体の合成をするため、ジャケット付反応槽に原料を投入した。作業標準では液温を50℃前後に保つところ、溶解促進を図ったため約60℃まで上昇してしまい暴走反応を起こした。このため、ブラインによるジャケット冷却や-4℃の液の注加で冷却を図ったが、液温は上昇し続け、作業員退避後、内圧が高まり反応槽が破裂、内容液の有機溶媒(テトラヒドロフランとジメトキシエタン)が破裂時の衝撃火花により着火爆発した。 | 0 | 2 | 医薬品製造工場 | 反応槽 | 有機溶媒 | 暴走反応 | 中間体の合成 | |
45 | 1990 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 神奈川県 | 製造工場において、くん蒸剤の臭化メチルの原料として臭化イオウを製造する反応工程において、臭素にイオウを投入撹拌後、数分して反応釜から臭化イオウが噴出した。異常反応とみられる。 | 0 | 0 | 製造工場 | 反応釜 | 臭化イオウ | 異常反応 | 反応工程 | |
46 | 1990 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 再生資源卸売業 | 山形県 | 屋内のアルミニウム廃材保管棟にて、フォークローダーによりアルミ廃材をアルミニウム廃材置場に運搬中、むき出しのバッテリー端子にアルミ切削屑が触れてショートによる電気火花で出火。粉状や箔状の廃材などにも燃え拡がった。放水消火作業により全体的には下火になったが、一部のアルミニウムが溶融しており、消火中に溶融アルミによって水蒸気爆発が3回発生、火の粉により隣接の民家などに延焼した。運転者のほか、住民や消防団員が負傷した。 | 0 | 23 | アルミニウム廃材保管棟 | アルミニウム廃材置場 | アルミ廃材、溶融アルミ | 電気火花 | 運搬 | |
47 | 1990 | 電気機械器具製造業 | 電子機器用・通信機器用部分品製造業 | 大阪府 | 積層基板の黒化処理室において、積層基板の製造に使用する黒化処理液の濃度調整を誤ったので、廃棄しようとチオ硫酸ナトリウムを加えて中和工程中、中和タンクで鈍い爆発音が生じ、突沸した内容液を浴びて被災者が死亡した。事故後の実験で黒化処理液に1%前後の塩酸が共存していると異常反応によって二酸化硫黄が爆発的に発生し突沸することが判明した。被災者が黒化処理槽の洗浄に規定量以上の塩酸を使用し、この洗浄液も送られたとみられる。 | 1 | 1 | 積層基板の黒化処理室 | 中和タンク | 黒化処理液 | 異常反応 | 中和工程 | |
48 | 1990 | 設備工事業 | 電気工事業 | 北海道 | 新設工事中の温泉施設の地下機械室内において、壁の補修と電気工事の下見中に爆発し、3名が被災した。この地下室には貯湯槽があり、事故の3日前に温泉採掘井からの仮設配管が完了し送湯を開始したが、貯湯槽にオーバーフロー防止装置がまだなく、浴室内のシャワーを出し続けたため、温泉の天然ガス(メタン)が湯と共に送られ、貯湯槽から地下機械室内に天然ガスが漏れ、何らかの着火源(タバコのライターか?)により爆発したとみられる。 | 1 | 3 | 新設工事中の温泉施設 | 地下機械室内 | 天然ガス | 不明 | 壁の補修と電気工事の下見 | |
49 | 1990 | 学術研究機関 | 自然科学研究所 | 福岡県 | 研究所において、灯油を燃料とするボイラーを手動で試運転中、蒸気圧力が上がって燃焼が停止し、運転表示灯が消灯してから数分後に爆発した。原因は、自動運転では残留ガスを排除するパージ動作やバーナー燃料弁の閉鎖が自動的になされるが、手動運転ではこの2つを手動で行う必要があるものの行っておらず、失火した燃焼室内に未燃の灯油蒸気が滞留し、炉の余熱か着火装置により爆発したとみられる。 | 0 | 0 | 研究所 | ボイラー | 灯油 | 炉の余熱か着火装置 | 試運転中 | |
50 | 1990 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 新潟県 | モノシランプラントのモノシラン充填室において、モノシラン充填ボンベの詰替のため一旦精留塔に戻す作業で、配管系の窒素置換と真空引き後、充填ボンベのバルブを順次開いたところ、12番目のボンベの時、パンと音がして白煙と火炎を生じた。バルブを閉めようとしたが間にあわず火炎が噴出、隣接のボンベの可溶合金栓が次々に破れて大火災となった。原因は、バルブのグランド部の漏れ確認用のウィープホールからモノシランが流出し自然発火したとみられる。 | 0 | 1 | モノシランプラント | モノシラン充填室 | モノシラン | 自然発火 | ボンベの詰替 | |
51 | 1990 | 食料品製造業 | 調味料製造業 | 愛知県 | 死亡者は、蒸釜で蒸した味噌の原料の大豆の取り出しをするため、上部の蓋を外す作業を行っていた際、蒸釜内部に転落して、蒸した大豆で火傷を負った。重症の2名は救出作業中に被災。原因は、高温で、かつ、埋没する恐れのある蒸釜内部で作業を行わせたこと、労働者に安全帯を使用させなかったこと。 | 1 | 3 | 蒸釜 | 蒸釜内 | 蒸した大豆 | 転落、高温物との接触 | 原料の大豆の取り出し | |
52 | 1990 | 食料品製造業 | 分類不能 | 静岡県 | 2階建ての干物や煮干しの加工場の1階物置部屋から出火して延焼中、約15分後に加工場の2階にあった灯油タンク(200リットル)が爆発し全焼した。この爆発火災により、新聞記者と消防士3名が重傷を負ったほか、初期消火を手伝っていた住民34名が軽傷を負った。また、周辺の民家4軒の窓ガラスが破損した。原因は、仕事を苦にした従業員が物置にあった衣服にライターで放火したため。 | 0 | 38 | 工場 | 灯油タンク | 灯油 | 放火 | 延焼 | |
53 | 1990 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 大阪府 | 連続鋳造設備において、天井走行クレーンを用いて溶鋼約70tが入った取鍋の移送中、温度計測のために取鍋を降ろした際ブレーキが効かずに地上に衝突して取鍋が傾いて溶鋼が流出した。この際、温度計測のため4階にいた作業員が熱気により火傷を負った。原因は、2つのブレーキライニングが調整不良のため摩耗しており、また、ブレーキドラムとの間に異物があった形跡があり、これらが複合してブレーキが効かなかったとみられる。 | 0 | 1 | 連続鋳造設備 | 取鍋 | 溶鋼 | 高温物との接触 | 取鍋の移送中 | |
54 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 大分県 | 二硫化炭素製造プラントにおいて定期清掃点検のためのプラント停止の準備作業で、系内に残留する二硫化炭素を還流槽へ回収する作業中、中央操作室担当者がバルブを圧抜きのために遠隔操作で開放した際、還流槽に臨時に取りつけたビニール製の仮設レベルゲージホースが破裂し二硫化炭素が漏洩、近くの蒸気配管の熱により発火、火災となった。原因は、仮設レベルゲージに耐圧性能がなく、急に圧力がかかるバルブ操作をしたため。 | 0 | 2 | 二硫化炭素製造プラント | 仮設レベルゲージ | 二硫化炭素 | 蒸気配管の熱 | プラント停止の準備 | |
55 | 1990 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 愛知県 | 煙火工場の紙貼工室において打上げ花火の製造中に突然爆発し4名が死亡した。その数秒後には14m離れた収函工室が爆発炎上し、4名のうち3名が死亡、1名が火傷を負った。続いて紙貼工室に隣接していた仕込工室が爆発し、作業中の3名のうちの1名と屋外にいた1名が重傷を負った。原因は、火薬庫から運んだ打上げ花火の不良玉二十数個が、運搬時の振動と直射日光により自然発火し、周囲の導火線や星が誘爆したものとみられる。 | 7 | 10 | 煙火工場 | 紙貼工室 | 煙火 | 振動、自然発火 | 打上げ花火の製造 | |
56 | 1990 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 大阪府 | 製鋼所の電気炉で鋼材スクラップの溶解、製錬をしてインゴットを製造業中、炉の作業口から火炎が噴出し、炉前にいた労働者が火傷を負った。原因は、炉壁に付着していた地金が炉内の溶解鋼に落下、沸騰し、落下した炉壁付着地金中の不純物が急激に燃焼し火炎となって噴出したためと推定された。なお、災害発生時に投入していた鋼材スクラップは溶解後の流動性が低く、炉壁に付着しやすいものであった。 | 0 | 4 | 製鋼所 | 電気炉 | 火炎 | 炉壁付着地金、高温物との接触 | 鋼材スクラップの溶解、製錬 | |
57 | 1990 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 山口県 | 鉄工所作業場において、安全柵を製作するため、ホルダーの溶接棒を定盤に当ててスパークさせた瞬間に爆発し、定盤の端及び継ぎ目から埃が舞い上がり、付近にいた被災者が定盤下の爆発の衝撃等で下肢を負傷した。原因は、前日爆発箇所でガス溶接作業を行った際、アセチレン容器の弁をしっかりと閉めずにおいたため、定盤と床下との間にアセチレンガスが滞留し、隙間から落ちたアーク溶接の火花で爆発したと考えられる。 | 0 | 3 | 鉄工所作業場 | 定盤と床下との間 | アセチレン | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
58 | 1990 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 兵庫県 | 重油脱硫装置からの廃水処理装置の廃水タンクの補修のため、マンホールを開いて電動ファンにより内部の換気中、異音とともに天板がめくれ上がり、黒煙を生じた。原因は、タンク上流の油水分離槽にて排出時に油水のレベルが適切に保たれず油分がタンクに混入。油分の蒸気が空気と混合し、電動ファンの電気火花か、廃水中の硫化水素とタンク壁の鉄から生成した硫化鉄の自然発火により爆発したと考えられる。 | 0 | 0 | 廃水処理装置 | 廃水タンク | 油分の蒸気 | 電気火花、硫化鉄の自然発火 | タンクの補修 | |
59 | 1990 | 運輸に附帯するサービス業 | 港湾運送業 | 秋田県 | 午前中の作業を終え昼食休憩の為、接岸した引船の操舵室において、LPGコンロで湯沸かし中、腐食した鋼配管より漏れていたガスにコンロの火が引火爆発して被災した。原因は、腐食穴からLPGが漏洩したこと。ガスの臭いを労働者が感じていながら適切な処置をとらなかったこと。ボンベとガス器具の取扱について作業標準を設けていなかったことである。推定漏洩量は1ヶ月間で約9kg。 | 1 | 2 | 引船 | 操舵室 | LPG | コンロの火 | 湯沸かし中 | |
60 | 1990 | 分類不能の産業 | 分類不能の産業 | 茨城県 | 事業場内で使用済みのナトリウムの入ったドラム缶を熱処理(焼却)し、2、3日放置した後、スチーム洗浄するため移動中、完全に処理されなかったナトリウムが湿気との反応をし、爆発した。 | 0 | 1 | 事業場内 | ドラム缶 | ナトリウム | 湿気との反応 | 移動中 | |
61 | 1990 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 福島県 | 廃棄物処理場の銅還元回収用の廃ガス洗浄塔の送風機の点検を行っていたとき、塔内に水素が発生したため、付近で行っていた屋根吹き替え工事のガスバーナーの火炎により引火し、洗浄塔が爆発した。 | 0 | 0 | 廃棄物処理場 | ガス洗浄塔 | 水素 | ガスバーナー | 送風機の点検 | |
62 | 1990 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 山口県 | 製油所構内の減圧蒸留装置において定常運転中、加熱炉循環ポンプ吐出配管の一部が破損し循環油(重質油)が漏洩して火災が発生し、機械設備の一部を焼損した。破損した配管部分には、炭素鋼が使用されており、当該配管内を流れる高温硫化物により配管の肉厚が腐食減肉して、内圧により破損し、ここから漏洩した循環油(重質油)が、自然発火か静電気により着火したとみられる。 | 0 | 0 | 減圧蒸留装置 | 循環ポンプ吐出配管 | 循環油(重質油) | 自然発火か静電気 | 定常運転 | |
63 | 1990 | 金属製品製造業 | 粉末や金製品製造業、被覆・彫刻業、熱処理業(ほうろう鉄器を除く) | 大阪府 | 溶融亜鉛めっき作業場において、軽量鋼管柱の溶融亜鉛メッキの準備のため、メッキ槽の端においてあった重量物の移動をしようと、ハッカーと呼んでいる手工具に引っ掛けて引っ張ったところ、ハッカーが金具から外れ、その反動で後方の冷却槽に転落し、熱水により熱傷を負い死亡した。救出の際、1名が指に熱傷を負った。原因は、冷却槽には転落防止用の囲いとして鋼管やチェーンが設けられていたが、作業員は日頃からチェーンを張っていなかったため。 | 1 | 2 | 溶融亜鉛めっき作業場 | 冷却槽 | 熱水 | 転落、高温物との接触 | 重量物の移動 | |
64 | 1990 | 化学工業 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 | 神奈川県 | 粉末洗剤製造設備の運転操作盤の監視モニターにおいて、操作員が噴霧乾燥塔ニューマ冷却装置の入り口で粉詰まりを発見し、掃除後復旧した。その後15分ほどして、監視モニターで同乾燥塔の塔底コンベア付近で白煙を伴う火災を発見した。 | 0 | 0 | 粉末洗剤製造設備 | 噴霧乾燥塔 | 冷却 | |||
65 | 1990 | その他の小売業 | 燃料小売業 | 熊本県 | ガソリンスタンドにおいて、洗車や水洗トイレなどには地下水を使用していた。井戸水ポンプには与圧用の圧力容器(高さ154cm)があるが、この圧力容器が破裂し、ポンプの様子を見に行った被災者が倒壊した容器にはさまれて重傷を負った。原因は、ポンプの自動運転用の圧力スイッチの故障により運転中のポンプが停止せずに圧力が上昇を続け、かつ安全弁が取り外されていて閉塞状態のため、ついには破裂したもの。 | 0 | 1 | ガソリンスタンド | 圧力容器 | 圧力スイッチの故障、閉塞 | 運転中 | ||
66 | 1990 | 窯業・土石製品製造業 | ガラス・同製品製造業 | 千葉県 | 工場内において、建築用材である不燃性硝子繊維マットの製造のため、マットを電気加熱炉内で加熱硬化させていた。昼休みに炉に白煙が生じたので工場長が電源を切り点検中、突然、炉が爆発し、扉で約7m飛ばされ死亡した。原因は、有機溶剤を含む塗料と硬化剤に浸漬したマットを、予備乾燥せずに加熱炉に入れたため有機溶剤が蒸発し、電源断によりファンが止まったのでヒーター保護管の温度が上昇し、高温表面により着火したと推定された。 | 1 | 1 | 工場内 | 加熱炉 | 有機溶剤 | 高温表面 | 加熱 | |
67 | 1990 | 一般飲食店 | 食堂、レストラン | 岐阜県 | 飲食店の調理場において、ゆでめん機へのガスの配管の接合部が腐食と何らかの力により破損してはずれLPGが漏れたため種火が消え、被災者が種火の点火のためにマッチで着火しようとした際に爆発した。原因は、ガス配管の位置が水分塩分の影響を受けやすく、また通路を移動する際に足を引っ掛け易かったこと、ガス警報装置を取り外してあったこと、労働者のガスに対する知識が不充分でガス臭があったが換気せずに着火したことである。 | 0 | 3 | 調理場 | ゆでめん機 | LPG | マッチ | 種火の点火 | |
68 | 1990 | 食料品製造業 | パン・菓子製造業 | 鹿児島県 | 品質検査室内で、試薬のジエチルエーテルを18リットル石油缶から小ビンへ移し替えるため、缶の蓋を開けたところ、突然ジエチルエーテルが吹き出し、室内の電気乾燥器が着火源となって、引火、爆燃したため、室内の3名が火傷を負った。発災時の気温が約33℃であり、エーテル缶内の蒸気圧力が高かったため、蓋を開けたときにエーテル蒸気が噴出したものとみられる。 | 0 | 3 | 品質検査室内 | 18リットル石油缶 | ジエチルエーテル | 電気乾燥器 | 移し替え | |
69 | 1990 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 静岡県 | アルミニウム製作所において、アルミ分離釜でドロスとスクラップからアルミを回収する工程で、分離したアルミを下抜き後、釜内に残ったドロスの冷却をしようと以前の作業の残灰(冷灰)を投入した際、熱風や高温の灰が点検窓から噴出し、これを浴び火傷で死亡した。原因は、盆休み中の台風の通過で冷灰が湿っていて水蒸気爆発が生じたか、冷灰中の炭化アルミと水分との反応で発生したメタンが爆発したと推定される。 | 1 | 1 | アルミニウム製作所 | アルミ分離釜 | ドロス、メタン | 水蒸気爆発、反応 | ドロスの冷却 | |
70 | 1990 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 新潟県 | 花火の打上げ作業現場で打上げ用黒色火薬と10号(5kg)玉を詰めた軟鉄製の発射筒に火種を投入した際、花火(煙火)が打上がらずにその直後に発射筒ごと爆発し、花火師が爆風で吹き飛ばされて死亡した。原因は、筒の破損が上下ともひどく筒の中心付近で爆発したとみられるので、打上げ火薬の装填忘れではなく玉の導火線の不良で、瞬時に火が中心に達したためと推定される。 | 1 | 1 | 花火の打上げ作業現場 | 発射筒 | 煙火 | 導火線の不良 | 花火の打上げ | |
71 | 1990 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 兵庫県 | 湖上の台船(桟橋を流用)での花火の打上げ作業現場において、6号玉を詰めた発射筒(高さ130cm、直径19cm)に着火用の黒色小粒火薬を投げ込んだが花火(煙火)が打上がらず、再度火種を投げ込んだところ、筒の下方が突然爆発した。原因は、筒に打上げ用の黒色小粒火薬を装填せずに、火種を投げ込んだため。 | 0 | 2 | 花火の打上げ作業現場 | 発射筒 | 煙火 | 火種 | 花火の打上げ | |
72 | 1990 | 総合工事業 | 建築工事業(木造建築を除く) | 東京都 | 古紙処理場の入口シャッターの交換工事中、ガス溶断機で鉄骨の溶断作業を行っていたところ、梁に堆積していた紙粉に溶断の火が移り火災となった。これにより4名の作業者と消火活動を手伝った2名が被災し、うち消火を手伝った1名が入院した。 | 0 | 6 | 古紙処理場 | 処理場の入口 | 紙粉 | 溶断の火 | ガス溶断 | |
73 | 1990 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 山口県 | ビル増改築工事現場で、床面に接着剤を塗布していたところ、近くで窓枠の取り付け工事のためのアーク溶接を行ったため、アーク溶接の火花が着火源となり、床に塗った接着剤の溶剤(トルエン、n-ヘキサン)に引火し、火災となった。接着作業のため接着剤を塗布していた業者と、アーク溶接を行っていた業者は、別々の請負人であり、作業調整がなされていなかった。 | 1 | 2 | ビル増改築工事現場 | 床面 | 接着剤の溶剤 | アーク溶接の火花 | 接着作業 | |
74 | 1990 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 福井県 | 破砕整粒工場において、アルミニウム・カルシウム合金をロールクラッシャー(破砕機)で、1mm以下の金属粒に破砕中、作業中発生した火花で着火し、隣接のバグフィルターが爆発、周囲の床が火の海になり、作業者が火傷した。破砕火花が発生することがあるので、通常は窒素ガスをゴムホースから吹き出させながら破砕していたが、事故時はそれを忘れていた。 | 0 | 1 | 破砕整粒工場 | バグフィルター | アルミニウム・カルシウム合金 | 破砕火花 | 破砕中 | |
75 | 1990 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 大阪府 | 型銅工場で連続鋳造を終え、次回の鋳造準備として凝固する直前の銅溶湯に継手(新しく鋳造した鋳塊と連結して引き出すため)を連続鋳造機に入れようとした際に爆発し、銅溶湯を浴びた。作業者は、保護具は使用していたが、耐熱服を着ていなかった。原因は、隙間から冷却水が入り込んで銅溶湯の上面で水玉になっていたところに継手を入れたため、水玉が溶湯内部の高温な部分と接触し、水蒸気爆発が発生したもの。 | 0 | 2 | 型銅工場 | 連続鋳造機 | 銅溶湯 | 水蒸気爆発 | 鋳造準備 | |
76 | 1990 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 佐賀県 | 煙火の雷の薬剤配合作業を工場内配合室において2名で行って作業を終了した頃、突然爆発し、建屋が跡形もなく吹き飛んだ。午後2回目の配合をほぼ終えたが時間がなく、最後の配合容器から紙袋30kg用の米袋に移す作業をしないで、1名が配合容器を持って隣の工室に運搬し、容器をリノリウムの床に直接置くか何らか動作をした際、煙火原料が摩擦によりに発火、置いてあった雷も爆発したとみられる。 | 2 | 2 | 工場内配合室 | 配合容器 | 煙火原料 | 摩擦 | 運搬 | |
77 | 1990 | 木材・木製品製造業(家具を除く) | 造作材・合板・建築用組立材料製造業 | 富山県 | 建築材料及び特殊合板を製造中、木粉用集じん機が爆発し、集じん機から排出してボイラー燃料とするためボイラー室に設置してある定量供給装置で2次爆発が起きたため、ボイラーの作業員2名が火傷した。爆発原因は不明。火花探知機により作動するスライドシャッターのダンパーが掃除していなかったため完全に閉まらなかった。 | 0 | 2 | ボイラー室 | 集じん機、定量供給装置 | 木粉 | 不明 | 製造中 | |
78 | 1990 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 宮城県 | 造船所内の浮きドッグの修理中、ドックの船首サイドタンクが爆発し、タンクのアーク溶接を終えて移動中の作業員が吹き飛ばされた。爆発したサイドタンク内には、ガス溶断作業用の溶接用ガス(プロピレン、プロパン、ブタン)、酸素等の各送給管が設置されていた。原因は、タンク内のガス送給管(鋼製)に腐食穴があり、漏れたガスがアーク溶接の火花により爆発したものである。 | 1 | 1 | 造船所内の浮きドッグ | 船首サイドタンク | 溶接用ガス | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
79 | 1990 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 富山県 | 事業場内の銅合金再生工程において、金属溶解炉でスクラップ合金を溶解中、突然電気炉内で突沸が起こり、多量の溶融金属が炉の周囲に飛散した。被災者は、炉の真横で作業していて全身に溶融金属を浴び火傷により死亡した。原因は、溶融金属の表面に棚が構成され、これが溶融金属との間に生じた空洞に崩れ落ちて突沸したものと推定される。 | 1 | 1 | 事業場内 | 電気炉 | 溶融金属 | 突沸、高温物との接触 | 銅合金再生 | |
80 | 1990 | 輸送用機械器具製造業 | 自動車・同附属品製造業 | 秋田県 | 工場内連続調質炉の連続焼き入れ炉の炉内コンベアの修理にあたり二重になっている炉出口扉を開けようとして外側の扉を開けたところ、炉内に空気の流入を防ぐ為扉の前で燃やしているLPGの栓を止めなかったため、このガスがそのまま漏れだした。これを知らずに交代した作業者が炉温が700℃に低下したので、内側扉を開けたところ、炉内からの火の粉が滞留していたガスに引火、爆発した。 | 0 | 4 | 工場内連続調質炉 | 連続焼き入れ炉 | LPG | 炉内からの火の粉 | 炉内コンベアの修理 | |
81 | 1990 | 非鉄金属製造業 | その他の非鉄金属製造業 | 大阪府 | 工場内のジルコニウムカーバイドの製造工程において、焼成物中に1%程度含まれている鉄とアルミを塩酸を用いて溶解除去する酸処理タンクからの排気ガス洗浄塔が爆発し、被災者がちょうど液温測定のために開いた投入口から爆風が噴出し、上半身前面に火傷を負った。原因は、焼成品が大量かつ一時に塩酸中に投入され、爆発限界濃度に達する水素が洗浄塔に送られ、塔内の静電気放電により引火爆発したと推定される。 | 0 | 1 | 工場内 | 排気ガス洗浄塔 | 水素 | 静電気放電 | 排気ガス洗浄 | |
82 | 1990 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 大阪府 | 塩化亜鉛製造作業場で、耐火れんが製反応槽内に塩酸を投入後、撹拌しつつ亜鉛滓を被災者2名が投入中、約100kg投入した時点で反応槽上部の投入口付近で1回目の爆発が生じ、その約5秒後、屋外に設置してあった排ガス処理設備の付設排気ファンで2回目の爆発が生じた。原因は、亜鉛滓に相当程度の金属亜鉛が含まれていたため水素が発生し、被災者ないし投入用工具の静電気放電により引火したと推定される。 | 0 | 2 | 塩化亜鉛製造作業場 | 反応槽、排ガス処理設備 | 水素 | 静電気放電 | 塩化亜鉛製造 | |
83 | 1990 | 分類不能の産業 | 分類不能の産業 | 静岡県 | 工場の改装工事のため、貯蔵タンク内の液体(成分:有機酸、フッ化水素酸、硝酸、非イオン界面活性剤、金属腐食抑制剤)を18本のドラム缶に移し変え、分工場へ移送した。しばらくして、保管していた18本のうち1本が突然爆発し、その後2本のドラム缶も爆発した。 | 0 | 0 | 工場 | ドラム缶 | 有機酸、フッ化水素酸、硝酸 | 移送、保管 | ||
84 | 1990 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 大阪府 | 住宅建設工事現場の3階のテラスにおいて、防水工事の仕上げの為、溶解アスファルトを両手に持って運搬中に足を滑らせ、こぼれた溶解アスファルトの上に仰向けに転倒して火傷を負い、後日死亡した。原因は、狭い場所で両手に14~15kgの溶解アスファルトを持つなど、不安全な運搬方法であったこと。着衣がポリエステル混入のワイシャツ1枚という軽装で、かつ熱により縮む材質であったこと。 | 1 | 1 | 住宅建設工事現場 | テラス | 溶解アスファルト | 転倒、高温物との接触 | 運搬 | |
85 | 1990 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 宮城県 | ごみ焼却処理施設において、前日に排気口を閉止したごみピット排水処理室の換気の点検をし給気弁を調節した。作業を一時中止中に突然爆発し、爆風と火炎で5名が被災した。原因は、排水処理室下の生ごみ汚水槽でメタンを主とするガスが生成し、臨時に取付けたマンホールの隙間から室内にメタンが流れ込んでいた。前日の閉止で室内換気量を減らしていたためメタン濃度が爆発限界内に入り、処理室内と汚水槽内で何らかの着火源(電気火花、機械の過熱、静電気)により爆発したとみられる。 | 1 | 5 | ごみ焼却処理施設 | ごみピット排水処理室 | メタン | 電気火花、機械の過熱、静電気 | 換気の点検 | |
86 | 1990 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 岡山県 | アスファルトプラントにおいて、自己支持型球面屋根を有するブローンアスファルト貯蔵タンクの天板が突然膨らみ始め、音と共に中央部が破裂しタンク内容物が炎上し、底部に亀裂から内容物が流出した。タンクはアスファルトの固化を防ぐため、常時226℃に加温してあるが、上部空間のガスと粉じんの濃度は下限界以下で天板内面に長年にわたり付着したブローンアスファルトの軽質留分が徐々に酸化発熱し自然発火したと推定された。 | 0 | 0 | アスファルトプラント | ブローンアスファルト貯蔵タンク | ブローンアスファルトの軽質留分 | 自然発火 | 貯蔵 | |
87 | 1990 | 化学工業 | 医薬品製造業 | 三重県 | 工場にある内服製剤製造棟内の整粒室において、ビタミン剤を製造するために、ドラム缶入り原料を電熱器に乗せ加熱溶解後、そのドラム缶にイソプロピルアルコールを混ぜていた。その際、加熱しすぎていたためドラム缶の中でイソプロピルアルコールが急速に蒸発し、圧力上昇によりドラム缶が膨らみ、この圧力を逃がそうとして栓をゆるめた際、ドラム缶から液体が室内に噴出し、非防爆蛍光灯の電気火花により爆発した。 | 0 | 2 | 内服製剤製造棟内の整粒室 | ドラム缶 | イソプロピルアルコール | 蛍光灯の電気火花 | 加熱溶解 | |
88 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 岐阜県 | 蒸留設備を用いたエポキシ樹脂製造の際に生じた廃液からのエピクロロヒドリンの蒸留回収工程で、蒸留塔のフランジから白い蒸気が噴出し、その直後に爆発、マンホールから火炎が吹き上げ続けた。この際、付近で作業中の被災者が熱傷で死亡。原因は、蒸留時の加熱温度が高過ぎ、エピクロロヒドリンとジメチルスルホキシドとの異常反応により蒸留塔が破裂、噴出した内容物が何らかの引火源により爆発したと推定される。 | 1 | 1 | 蒸留設備 | 蒸留塔 | エピクロロヒドリンとジメチルスルホキシド | 異常反応 | 蒸留回収工程 | |
89 | 1990 | 一般機械器具製造業 | 事務用・サービス用・民生用機械器具製造業 | 静岡県 | 事業場内実験室において、石油系溶剤(引火点41℃)でドライクリーニングした衣服を、試作開発中の脱臭回収乾燥機(1立方m)に入れ、溶剤回収性能テストを行っていた。テスト開始から2~3分後、洗濯用乾燥機が突然爆発し、作業者が外れたフロントパネルで頭部に裂傷、火炎で両腕に火傷を負った。着火源は乾燥中の衣類の静電気と推定された。石油系溶剤の性状は灯油とほぼ同じである。 | 0 | 1 | 事業場内実験室 | 洗濯用乾燥機 | 石油系溶剤 | 衣類の静電気 | 溶剤回収性能テスト | |
90 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 香川県 | 工場内において、アジ化ナトリウムを乾燥するため、ミキサーのジャケットに68℃の温水を通し、真空ポンプで30分かけて約600kgを吸引し、窒素を100mmHg充填した。仕込みを終え続いて撹拌しながら乾燥中、約90分後に作業員がミキサーからの白煙を発見し、窒素充填して約3時間後に消火した。計測記録によると約90分後の時にミキサーのバグフィルター付近の温度が急上昇していた。 | 0 | 0 | 工場内 | ミキサー | アジ化ナトリウム | 乾燥 | ||
91 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 神奈川県 | 有機化学工場の無水フタル酸製造プラントを運転中、ソルトバスクーラー(圧力容器)の伝熱管に亀裂が生じて熱媒体である高温の溶融塩が噴出し、付近の計装用ケーブルなどが着火炎上した。自衛消防隊が約10分で消火した。原因は、20年近くの使用でエロージョンによる老朽化が進んでいて、1年以上前にピンホール漏れがあり施設更新が必要であるにもかかわらず、漏れを修理して使用し続けていたため。 | 0 | 0 | 有機化学工場 | ソルトバスクーラー | 溶融塩 | エロージョン | 運転中 | |
92 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 神奈川県 | 架橋ポリエチレン製造工場において、半導電性架橋ポリエチレンの製造に使用する有機過酸化物を専用タンクに投入した。ポンプを起動して液の循環工程を始めたところ、2時間後に配管内で有機過酸化物が突然爆発し、消火作業の際1名が負傷した。原因は、ポンプ出口バルブが閉塞したため、その付近に滞留した有機過酸化物がポンプの過熱により加熱され、自己分解を始め発火爆発したと推定される。 | 0 | 1 | 架橋ポリエチレン製造工場 | ポンプ | 有機過酸化物 | ポンプの過熱 | 液の循環工程 | |
93 | 1990 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 神奈川県 | 流動接触分解装置において、ブタンガス中の硫黄分を常時測定する全硫黄分析計の硫化水素の流量低下に気付いた被災者が、分析計の元バルブを閉めて内部を点検し、ステンレス製パイプに付着した白色物をドライバでつついた際、衝撃により突然パイプが爆発したため負傷した。付着物を分析したところ、金属や窒素はなく、パイロライザー内の酸化雰囲気中で、原料の有機物ガスから有機過酸化物が生成していたのではないかと推定された。 | 0 | 1 | 流動接触分解装置 | ステンレス製パイプ | 有機過酸化物 | 衝撃 | 点検 | |
94 | 1990 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 千葉県 | プレハブ2階建寄宿舎の1階食堂横の住込部屋で賄い婦がガス炊飯器が切れるのを待っていた際、ガス臭がするため食堂に様子を見に行った。その後、爆発が起こり、台所で被災した。原因は、ガス炊飯器の元栓を開く時に誤って隣の元栓も開き、その元栓のガスホースの先端が開放されていたためLPGが漏れ、後に気付いて元栓を閉めたが、冷蔵庫の電気火花で着火爆発したと推定される。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 食堂 | LPG | 電気火花 | 炊飯 | |
95 | 1990 | 運輸に附帯するサービス業 | 港湾運送業 | 神奈川県 | 海外からの返却ボンベ容器(モノシラン)約170本を埠頭の突堤に荷降ろしし、置いていたとき、このうち1本のボンベ容器が自然発火した。作業員が消火器で消火を試みたが消えず、関係者が注水冷却しながら容器弁を閉じて鎮火した。 | 0 | 0 | 埠頭 | ボンベ | モノシラン | 自然発火 | 荷降ろし | |
96 | 1990 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | ポリエステル工場において、エポキシ樹脂の変性反応のため、反応槽にエポキシ樹脂を投入し、次にポリプロピレン製バッグを天井走行クレーンで吊り、ホッパー中にビスフェノールA粉を投入し始めた。原料投入作業が終了する頃、落ちそうになったバッグ内内袋を引き上げた時、突然爆発し、3名が火傷を負った。原因は、粉の落下か内部摩擦による帯電が人体との間で静電気火花を生じ、ビスフェノールA粉が粉じん爆発したものと考えられる。 | 0 | 3 | ポリエステル工場 | 反応槽 | ビスフェノールA粉 | 静電気火花 | 原料投入 | |
97 | 1990 | 化学工業 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 | 大阪府 | 事業場内の室内において、ドラム缶に入った酢酸エチルを電動ポンプでくみ上げ、出荷用の一斗缶に小分けする作業を行っていたところ引火爆発し、工場内に貯蔵していた有機溶剤も爆発した。この際、工場内で1人で作業していた被災者が火傷を負った。着火源は、酢酸エチルの引火点が-4℃と低いので静電気と推定されている。なお、工場内の電気設備、電動機械等は防爆構造で静電気除去対策がなされたものが用いられていた。 | 0 | 1 | 事業場内 | 室内 | 酢酸エチル | 静電気 | 小分け | |
98 | 1990 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第1次製錬・精製業 | 山形県 | 電解クロム製造工場において、金属クロムの純度を高めるために、フレーク状の金属クロムを粉砕、化学処理及び成形する工程を自動運転中、局所排気装置のダクト及び集じん機(サイクロン及びバグフィルター)内で粉じん爆発が発生した。発生原因は明白ではないが、塩ビダクト内で発生した静電気か排風ファンの摩擦熱による着火と考えられ、サイクロン内でクロム粉が1次爆発し、バグフィルター内で2次爆発を誘発したものと推定される。 | 0 | 1 | 電解クロム製造工場 | 集じん機 | クロム粉 | 静電気、摩擦熱 | 粉砕、化学処理 | |
99 | 1990 | 化学工業 | 分類不能 | 熊本県 | ドラム缶置場において、トリメトキシシラン60リットルが入ったドラム缶が破裂し、内容物が流出着火し、火災となった。 | 1 | 1 | ドラム缶置場 | ドラム缶 | トリメトキシシラン | |||
100 | 1991 | 一般機械器具製造業 | その他の機械・同部分品製造業 | 神奈川県 | 機械製作会社が採石プラントにおいて、トロンメル(採石をふるいわける機械)にレシプロフィーダー(採石送りだし装置)を取り付ける工事を2名で行っていたところ、上方で作業していたアーク溶接の火花かスラグかスパッタかが飛び、下で作業していた被災者の防寒着(外側化繊、内側綿100%)の背中に着火して、着衣火災となり上半身にやけどを負い、後日死亡した。 | 1 | 2 | 採石プラント | トロンメル | 着衣 | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
101 | 1991 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 福井県 | 工場内の鋳込作業場での鋳型への注湯作業において、2名で溶湯が入った取り鍋を吊り金具を介し、クレーンで吊って鋳型の注湯口と合わせる操作中、吊り金具が突然破断して取り鍋が落下してゆっくりと横転。溶湯2.4tが床面に流出した。この際、クレーンの操作者が溶湯の上を逃げる際にやけどを負い、1ヶ月半後に死亡した。原因は、10年間の使用で開始前点検では気付かなかった亀裂があったためと推定される。 | 1 | 1 | 工場内の鋳込作業場 | 床面 | 溶湯 | 高温物との接触 | 鋳型への注湯 | |
102 | 1991 | 窯業・土石製品製造業 | 陶磁器・同関連製品製造業 | 岐阜県 | IC基板材料製造工場の原料室において、セラミックとベンゼンの混合物をステンレス製丸バット内の液体窒素中に噴霧投入して凍結粒状物を調整し、これをスコップにより移し替え中にバット内で激しい爆発が生じ、2名が爆死した。バットは原形をとどめず、建物や設備を破損した。原因は、バットが大気開放のため、空気が液体窒素に液化混入、その後バット内に液体空気とベンゼン顆粒の液体空気爆薬が形成されて、衝撃か摩擦で爆発したものと推定される。 | 2 | 3 | IC基板材料製造工場の原料室 | バット | 液体空気爆薬 | 衝撃か摩擦 | 移し替え | |
103 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 東京都 | 林道開設工事現場の沢で伐開の残材の焼却をしていた被災者(死亡)が意識を失って倒れていた。一緒に作業していた作業員(重傷)が気付き、ベルトをつかんで引き上げようとしたところベルトが切れてしまい、さらに2m下方のたき火中に転落し焼死した。倒れた原因は、残材を燃やした際に発生した煙を吸い込んだためであると推定された。 | 1 | 2 | 林道開設工事現場 | たき火 | たき火 | 転落、高温物との接触 | 残材の焼却 | |
104 | 1991 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 再生資源卸売業 | 大阪府 | ガラス工場内で作業者が1人で破砕されたブラウン管ガラスを再生のため洗浄作業中、誤って100℃のか性ソーダ溶液槽に転落してやけどを負い、死亡した。原因は、空バケットをクレーンで移動させる際、階段を降りて運転すべきところを溶液槽の縁(幅28cm)を通りバランスを崩したためと思われる。 | 1 | 1 | ガラス工場内 | か性ソーダ溶液槽 | か性ソーダ溶液 | 転落、高温物との接触 | 洗浄作業 | |
105 | 1991 | 飲料・飼料・たばこ製造業 | 飼料・有機質肥料製造業 | 愛知県 | コーンスターチ、水飴、異性化糖等の製造工場内で、グルテンフィード(家畜飼料)の製造工程の粉砕機投入口から爆風が噴出し、作業者が着衣火災で約1週間後に死亡した。原因は、1時間ほど前に乾燥機付近で粉じんの小爆発があり、乾燥製品の一部が焦げた。焦げた製品は除去したが、20分ほどして再投入したため、乾燥・粉砕・分離の一連の家畜飼料粉の製造工程途中でくすぶり粉が再発火し、とうもろこし加工粉の粉じん爆発の着火源になったと推定された。 | 1 | 1 | 工場内 | 粉砕機 | とうもろこし加工粉 | くすぶり粉 | 家畜飼料粉の製造 | |
106 | 1991 | 農業 | 穀作以外のほ場作物農業 | 千葉県 | 被災者が管理を委託されている農地の枯れ草を刈り、山積みにした枯れ草の焼却処理を行っていた際に火に巻かれて焼死した。現場の燃え跡の状況から、被災者が火の燃える状況を見ていたところ、土手の草に燃え移ったため、あわてて消火しようとして衣服に野焼きの火が付いたものと推定される。 | 1 | 1 | 農地 | 枯れ草 | 野焼きの火 | 高温物との接触 | 枯れ草の焼却処理 | |
107 | 1991 | 非金属鉱業 | 採石業、砂・砂利・玉石採取業 | 兵庫県 | 採石現場において、組んだ親ダイナマイトが一部くずれたので、発破作業後に被災者が半切りドラム缶焼却炉で焼却中に突然爆発し、飛散した破片を受け即死した。原因は、週末のため販売店が引き取りに来るか否か、はっきりと連絡がなされなかったこと、段ボールに親ダイが入っていたことを忘れ誤って火中に投じたこと、親ダイの1本に電気雷管がセットされていたこと、である。 | 1 | 1 | 採石現場 | 焼却炉 | ダイナマイト | 焼却炉 | 焼却 | |
108 | 1991 | 道路貨物運送業 | 特定貨物自動車運送業 | 徳島県 | 油槽所内のローリー積場において、タンクローリーの運転手がローリーに灯油の注入作業中、開始直後にハッチ内でガス爆発が発生し、噴出した火炎によりタンクローリー上にいた3名が火傷を負った。原因は、前回の荷がガソリンで蒸気が残存していて、ガス抜きをせずに灯油を注入し、ガソリン蒸気の一部が灯油に吸収されて空気を吸い込んだため爆発限界内に入り、注入時の静電気の放電火花により爆発したと推定された。 | 0 | 3 | 油槽所 | タンクローリー | 灯油、ガソリン | 静電気 | 灯油の注入 | |
109 | 1991 | 輸送用機械器具製造業 | 自動車・同附属品製造業 | 広島県 | 鋳造工場作業場でキューポラ(高さ27.9m、処理能力毎時10t)のスラグホールの水砕処理用ジャケット上部において爆発が発生し、飛散したスラグがキューポラの監視をしていた被災者にかかって熱傷を負い、4ヶ月後に死亡した。原因は、スラグホールのレンガの一部が割れたためにスラグが漏れ出し、水砕処理用の流水をせき止め、その水の上をスラグが覆う状態となって水蒸気爆発が発生したものと推定される。 | 1 | 1 | 鋳造工場作業場 | キューポラ | スラグ | 水蒸気爆発 | キューポラの監視 | |
110 | 1991 | 輸送用機械器具製造業 | 自動車・同附属品製造業 | 埼玉県 | 自動車用のアルミホイール製造工場において、金型を約250℃に加熱保持する金型予熱炉を3日前に設置し、試運転を行っていた。メインバーナーの着火と消火を繰り返していた際、数回目に失火して炉内に都市ガスが充満し、パイロットバーナーによって引火爆発。飛散した扉により2名が負傷した。原因は、空燃比がガスリッチで炎の状態が不安定だったため空気の流れで失火、その後もガス流速が点火時の約8倍もあり再着火しなかったため。 | 0 | 2 | アルミホイール製造工場 | 金型予熱炉 | 都市ガス | パイロットバーナー | 試運転 | |
111 | 1991 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 神奈川県 | タンクヤードにおいて、原油の脱硫工程で回収した溶融硫黄の円筒型屋外貯蔵タンクの自動液面計を修理するため作業員が扉を開いた際、内部に生成付着していた着火性硫化鉄が流入した空気に触れて酸化発熱し赤熱した。そして、着火した硫化鉄と硫黄が液面計用配管を通り、タンク内の硫化水素と空気の混合ガスが爆発した。側板と屋根板の溶接部や取付ボルトがすべて破断し、屋根板がタンク内側に陥没。作業者は吹き飛ばされた。 | 0 | 1 | タンクヤード | 貯蔵タンク | 硫化水素 | 着火性硫化鉄 | 修理 | |
112 | 1991 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 愛知県 | 寄宿舎(木造2階建)において6名が就寝中、1階の空き部屋から出火し、直上の2階にいた被災者が逃げ遅れて焼死した。出火原因は、80分前、出火した部屋の押入で燃えていた寝具(枕)を消火したが、完全でなく再出火したと推定される。なお、火元の部屋が無人で火気がなく、この寄宿舎は過去5年に2度放火されており、放火の疑いがある。また、2階の廊下幅が82cmと狭く、火災報知器等の設備はなかった。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 空き部屋 | 寝具 | 再出火、放火 | 就寝中 | |
113 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 三重県 | 製造プラント建屋内において、反応槽にアクリロニトリルとジシクロペンタジエン及び重合防止剤を仕込み、昇温して合成反応させていたところ爆発が生じて火災となり、プラント内にいた2名が火炎を浴び火傷を負った。原因は、反応槽の容量に対して仕込量が多すぎて撹はんが十分でなく、上部のアクリロニトリル濃度が高くなっていたため、アクリロニトリルの自己重合が起こり、温度及び内圧が上昇し、破裂・爆発したと推定される。 | 0 | 2 | 製造プラント建屋 | 反応槽 | アクリロニトリル | 自己重合 | 合成反応 | |
114 | 1991 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 三重県 | 寄宿舎(プレハブ2階建て、7室)の2階の3畳の部屋で火災が発生していたので同僚が消火作業を行ったが、床、壁、天井の一部を焼き、その部屋で就寝中の被災者が逃げ遅れて熱傷を負い、5日後に死亡した。原因は、電気ストーブに寝具(布団)がかかり燃え出したものと推測される。非常ベルと消火器はあった。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 寝具 | 電気ストーブ | 就寝中 | |
115 | 1991 | 化学工業 | 化学肥料製造業 | 神奈川県 | アンモニア製造設備の年次点検を終了し、運転再開作業のため、加熱したアンモニア合成原料ガス(水素、窒素、メタン、アルゴン、アンモニア微量、200気圧)をアンモニア合成塔に循環させていたところ、ガスがフランジ部から漏れ、スタートアップヒーターの火炎で着火した。原因は、ヒーターの降温速度が毎時約150℃(マニュアル値の約3倍)と速過ぎ、フランジ締付ボルトが熱膨張率の違いで緩んだと推定される。 | 0 | 0 | アンモニア製造設備 | フランジ部 | 水素、メタン | スタートアップヒーターの火炎 | 運転再開作業 | |
116 | 1991 | 食料品製造業 | その他の食料品製造業 | 茨城県 | 事務所において椅子に座って事務処理中、突然爆発し、事務中の者と隣室で作業中の3名が火傷を負った。原因は、椅子もしくは自身の足が、床上13cmにあるガスの元栓に触れてこれがゆるみ、ガスホースからLPGが漏洩して室内に滞留し、石油ファンヒーターが着火源となって爆発したと思われる。なお、そのガスホースの先には暖房機器が接続されていたが、10日程前に石油ファンヒーターに取り替えていた。 | 0 | 4 | 事務所 | 室内 | LPG | 石油ファンヒーター | 事務 | |
117 | 1991 | 自動車整備業 | 自動車整備業 | 北海道 | 自動車整備工場において、エンジンオイルの廃液入れに使用した後の200リットルドラム缶を焼却炉にするため、切断作業を始めた。2本目はキャップがはずれず、1人が工具を取りに行っている間に、もう1人がドラム缶にかぶさる格好でプラズマアークを上蓋に当て、その瞬間に爆発した。1名がドラム缶の直撃を受けて即死、約50cmにいた1人は耳を痛めた。ドラム缶には廃油とガソリンを主成分とする油類が残っており、アーク溶断の火花によって着火したとみられる。 | 1 | 2 | 自動車整備工場 | ドラム缶 | 廃油とガソリン | アーク溶断の火花 | アーク溶断 | |
118 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 千葉県 | 都市ガス管埋設前の地中調査のため道路をパワーショベルで掘削中、天然ガス圧送管(ガスとかん水)を破損して道路掘削穴内に水が漏れた。ガス管所有者はプラントのポンプを止め、また、送水管なので危険はないと判断し、掘削業者が損傷箇所を接合修理していたところ、切断部から天然ガスが噴出してエンジン発電機か飛散衝突による火花によって着火炎上し、掘削穴内の作業者ら3名が火傷を負った。原因は、管を還元用送水管と誤り、残圧によってかん水漏出後にガスが噴出したため。 | 0 | 3 | 道路掘削穴 | 天然ガス圧送管 | 天然ガス | エンジン発電機か飛散衝突による火花 | 接合修理 | |
119 | 1991 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 埼玉県 | 8tキューポラによる鉄の溶解作業を終了し、炉内の鉱さい等を捨てるために底落とし(炉底を開いて鉱さいをピットに落とす)をしたところ爆発し、作業者が被災した。原因は、高温の鉱さいが、ピット内に敷かれていた川砂に含まれていた水分か、長年の使用でできたピットの床のくぼみに溜まっていた水と接触したため、水蒸気爆発を起こしたものと推定される。 | 0 | 4 | キューポラ | ピット | 鉱さい | 水蒸気爆発 | 底落とし | |
120 | 1991 | 石油製品・石炭製品製造業 | コークス製造業 | 福岡県 | ピッチコークス工場のロータリーキルンのシュート部で、加熱されたピッチコークスの粉と粒が閉塞した。4名でシュート点検口を開き、閉塞の除去中、ピッチコークスが少し流れ始めた直後に多量のコークスが噴出して火傷を負い、地上に飛び降りた際に骨折を負い、1名が2ヶ月後に死亡した。過去になかった大量噴出の原因は、冷却用の散水のたまり水と高温のコークスとで水蒸気爆発が生じたためと推定された。 | 1 | 4 | ピッチコークス工場 | ロータリーキルンのシュート部 | ピッチコークス | 水蒸気爆発、高温物との接触 | 閉塞の除去 | |
121 | 1991 | 電気機械器具製造業 | 通信機械器具・同関連機械器具製造業 | 東京都 | 工場内において、粉体塗装した通信器具の外枠を乾燥する乾燥設備のプロパンガスバーナーの点火装置を作動させ、約5分後に燃焼状態を確認したところ、バーナーが消炎していたので、乾燥設備の扉を開いた瞬間、充満していたプロパンガスが爆発した。原因は、何らかの要因でバーナーが消えて未燃ガスが乾燥設備内に充満していたまま、被災者が再点火したためと思われる。 | 0 | 2 | 工場内 | 乾燥設備 | プロパン | 点火装置 | 再点火 | |
122 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 三重県 | プラスチック工場の廃棄樹脂置場において、パトロール中の作業員が黒煙を生じているのに気付き、直ちに自衛消防車2台で消火活動を行い、廃棄樹脂4tを焼失して鎮火した。原因は、4日前に搬入されて保管していた分解油工場のタンク底のスラッジ(油分を含んだ鉄錆など、ビニール袋に入れて密封)約600kgが日光に照らされて自然発火したものと推定される。事故時は約375tが保管されていた。 | 0 | 0 | プラスチック工場 | 廃棄樹脂置場 | タンク底のスラッジ | 自然発火 | 保管 | |
123 | 1991 | 総合工事業 | 建築工事業(木造建築を除く) | 宮城県 | 鉄筋コンクリート3階建の建設工事現場において、地下暖房用コンクリートダクトの内壁に断熱材を接着作業の準備中、爆発音とともに火炎がダクト入口から噴出し、ダクト内にいた1名が全身火傷で死亡、ダクト入口周辺にいた7名が火傷などで重軽傷を負った。原因は、事故の前々日に断熱材の接着作業を行った際に使用した接着剤の有機溶剤(メタノール、ヘキサン)が何らかの着火源により引火爆発したもの。 | 1 | 8 | 建設工事現場 | 地下暖房用コンクリートダクト | 接着剤の有機溶剤 | 不明 | 接着作業の準備 | |
124 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 東京都 | ガソリンスタンド解体工事現場において、4日前に地中から掘り出した6本のタンクのうち、最初に軽油を入れてあった10KLタンクをスクラップにするために胴切りしようとして、タンク中央部の外壁に対してアセチレン溶断を始めたところ、直径3mmの穴が開いた瞬間に溶断火炎により軽油タンクが爆発し、片側の鏡板が約60m飛散した。なお、タンクは20日前に水による洗浄を行った後、放置されていた。 | 0 | 0 | ガソリンスタンド解体工事現場 | 軽油タンク | 軽油 | 溶断火炎 | アセチレン溶断 | |
125 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 東京都 | ガソリンスタンド解体工事現場において、地中から掘り起こしたガソリンタンク(鋼鉄製、容量10KL)を切断解体するため、アセチレンガス溶断機で胴部中央近くの切断作業を開始直後、孔が開いた瞬間に溶断火炎により爆発が生じ、鏡板の片方が破断して約12m吹き飛んだ。なお、作業前には洗浄のためタンク内に水を満たした後、排水していた。 | 0 | 0 | ガソリンスタンド解体工事現場 | ガソリンタンク | ガソリン | 溶断火炎 | アセチレンガス溶断 | |
126 | 1991 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 化学製品卸売業 | 大阪府 | 化学会社から移送された電解水素を精製し容器に充填する会社の水素充填場において、充填済のカードル(運送用集結容器)を切り離す作業を行っていたが、分岐管路の弁の1個が閉じていたことが判明したので再充填を行うことにし、閉じた弁を順に開き、次にカードル主弁を開いた際、接続導管を取り外したままだったので、水素が噴出し、噴出時の静電気火花により発火、火災となり、作業者が火傷を負った。 | 0 | 1 | 水素充填場 | カードル | 水素 | 静電気 | 充填 | |
127 | 1991 | 電気業 | 電気業 | 愛媛県 | パルプ工場の自家発電設備の発電用ボイラーにおいて、燃料噴射ノズルを変更して燃料を噴射し始めたところ、監視室の計器が燃料噴射圧力、蒸発量、吸水量の低下を示したのでノズルが詰まったと判断した。配管内を蒸気でパージし燃料噴射ノズルの交換中、突然燃料の一つのパルプ廃液が噴出し、浴びた作業員3名が火傷を負った。原因は、配管内のスケールかパルプ廃液が50℃で固形化して詰まり、配管に2気圧以上の蒸気が残っていたため。 | 0 | 3 | 発電用ボイラー | 燃料噴射ノズル | パルプ廃液 | 高温物との接触 | 燃料噴射ノズルの交換 | |
128 | 1991 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 栃木県 | アルミ製造工場内でアルミの溶解工程で生じるアルミ溶滓の処理を請け負っている業者が、溶滓を再生するため、粉砕・冷却し、再溶解するアルミ溶滓処理作業を行っていた。作業者1名が無断でキルン内に立ち入って付着物の除去作業を行っていたことに他の作業者が気付かず、800~1000℃の溶滓をキルンに投入して回転用スイッチを入れ、作業を続行したため、焼死したもの。 | 1 | 1 | アルミ製造工場 | キルン | アルミ溶滓 | 高温物との接触 | 溶滓処理 | |
129 | 1991 | 鉄鋼業 | 高炉による製鉄業 | 和歌山県 | 製鉄所の高炉の出銑口内の耐火物の間隙を補修するため、高炉の定期休風時に圧入剤の圧入作業中、羽口及び送風ノズルから突然高温ガスが噴出し、ノズルの前にいた者が全身火傷を負い半年後に死亡した。原因は、圧入剤の樹脂液の熱分解ガス単独、もしくは炉での鉄鉱石の還元ガス(高炉ガス)との混合ガスが、燃焼せずに着火バーナー付近にまで達し、異常燃焼(爆発)を生じたため炉内圧力が上昇したことと思われる。 | 1 | 1 | 製鉄所 | 高炉 | 熱分解ガス、高炉ガス | 着火バーナー | 圧入剤の圧入 | |
130 | 1991 | 家具・装備品製造業 | 家具製造業 | 静岡県 | 事業場内において、木材加工の際に生じる木屑を焼却炉で焼却しようとしたがうまく着火せず、湿ってない細い薪を取りに行った。これとすれ違うようにして出勤してきた被災者が、焼却炉に種火が付いてないことに気付き、近くにあった石油缶(木材塗装用のラッカーシンナー)を灯油缶と誤って持ち出し、投入口から注ぎ入れた際、1分位して焼却炉の残り火により引火爆発した。石油缶は破裂、被災者は飛ばされて火傷を負い、10日後に死亡した。 | 1 | 2 | 事業場内 | 焼却炉 | ラッカーシンナー | 焼却炉の残り火 | 注ぎ入れ | |
131 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 神奈川県 | ガソリンスタンド解体工事現場でガソリンなどのタンク5本を解体するため、タンク内のガソリンや灯油を抜き取り後、地中からタンクを掘り起こした。4本目のガソリンタンクのアセチレン溶断を始めたところ、1cm切断した瞬間に溶断火炎により爆発して黒煙が上がり、鏡板が吹き飛んだ。原因は、2日前に掘り出してその日のうちに給油口2ヶ所から粉末消火器2本を注入したのみで水洗浄などをせず、ガソリン蒸気が残留していたため。 | 1 | 1 | ガソリンスタンド解体工事現場 | ガソリンタンク | ガソリン | 溶断火炎 | アセチレン溶断 | |
132 | 1991 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 岐阜県 | 鉄筋コンクリート2階建の新築工事現場の地下ピットの側壁に孔を開けるため、ダイヤモンドコアードリルを用いて壁のせん孔作業中、側壁の外面に沿ってあったLPG配管(施工図にはない)を誤って一部切断したため、ピット内にLPGが流入し、せん孔用ドリルの刃の摩擦か衝撃火花で着火爆発し、せん孔中の作業者と地下ピットの上の階の作業者2名が点検用開口部から噴出した火炎と爆風により負傷した。 | 0 | 3 | 新築工事現場 | 地下ピット | LPG | ドリルの刃の摩擦か衝撃火花 | 壁のせん孔 | |
133 | 1991 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 茨城県 | LPG容器の再検査を行う事業場のガス容器解体処理場において廃棄ガス容器の解体処理を行っていた。作業員3名が手分けして、残留プロパンの大気放出、バルブはずし、容器本体の油圧プレスとスクラップの運搬を行っていた際、LPGが着火爆発し火傷を負った。原因は、作業場所の三方が囲まれていて大気放出したプロパンガスが滞留し、フォークリフトのフォークとスクラップが接触した際の衝撃火花で着火爆発したと思われる。 | 0 | 3 | ガス容器解体処理場 | 作業場所 | LPG | 衝撃火花 | 廃棄ガス容器の解体 | |
134 | 1991 | 自動車・自転車小売業 | 自動車小売業 | 広島県 | オイル交換や自動車用品の取付など簡単な作業をする中古車販売店の整備工場において、焼却灰を入れる容器を作るため、1ヶ月以上屋外に放置してあった200リットルドラム缶を工場に運び、アセチレン溶断しようとして上蓋に炎をあてたところ、赤熱してきた瞬間に溶断火炎で爆発し熱傷を負った。ドラム缶はエンジンオイルが入っていた容器で、使い切った後は業者回収までの廃油の仮置き容器に使われていた。 | 0 | 1 | 整備工場 | ドラム缶 | 廃油 | 溶断火炎 | アセチレン溶断 | |
135 | 1991 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 福岡県 | 岸壁係留中の台船において、艤装作業のためウインチを甲板にアーク溶接中、台船の船槽内で爆発が起き、作業者1名が吹き飛ばされて海中に転落し死亡、1名が甲板にたたきつけられて負傷した。原因は、約1年前に船体長を延長する工事が行われ、その際に台船内部を塗装しており、塗装後の約20時間の換気のみで事故当日まで密閉されたままのため、塗料溶剤(トルエン、キシレン)が滞留し、落下した溶接の火の粉により着火したもの。 | 1 | 2 | 岸壁係留中の台船 | 船槽 | 塗料溶剤 | 溶接の火の粉 | アーク溶接 | |
136 | 1991 | 化学工業 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 | 千葉県 | スルホン化プラントにおいて、粒状洗剤の中間品の脂肪酸メチルエステルスルホン酸ソーダの漂白工程で使用したメタノールをメタノール精留塔で蒸留中に爆発し、飛散片や爆風によるガラス片により計15名が死傷した。爆発規模は、TNT換算で7.1~44kgと推算。原因は、漂白工程等で生成したメチルヒドロペルオキシドが精留塔内に流入し、蓄積され、焚き上げ運転によってさらに濃縮されて熱爆発を起こしたものと推定される。 | 2 | 15 | スルホン化プラント | メタノール精留塔 | メチルヒドロペルオキシド | 熱爆発 | メタノール精留 | |
137 | 1991 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 大阪府 | 和菓子店の調理場の簡易ボイラーを石油からガスに交換するため都市ガス配管の工事中、配管がぐらぐら動くのでガス工事士が地面を掘り始めたところ、立ち上がりのL字継手部からガス配管周辺に都市ガスが漏れ、作業者は直ちにガス会社に連絡するとともに応急措置を施そうとしたが、漏洩箇所が地下18cmなので、削岩機で掘り始めたところガスに火がつき、さらに配管が折れて大量に噴出し、電気機器により調理場内で爆燃が生じた。 | 0 | 2 | 和菓子店の調理場 | ガス配管周辺 | 都市ガス | 電気機器 | 都市ガス配管の工事 | |
138 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | エアバッグ用ガス発生剤を製造のため、インフレータ工室の混合室でアジ化ナトリウムと酸化銅をV型混合器で混合中、20分後に突然爆発。V型混合器が全壊し、工場の窓やスレートが破れた。飛散物がダクトに入り、集じん機内の混合粉に着火して2回目の爆発が発生し、工場内の原料粉にも着火して工場が火災になった。原因は、回転軸摺動部付近の摩耗でできたすきまに混合粉が付着し、回転による摩擦熱で発火、爆発したと推定される。 | 0 | 0 | インフレータ工室の混合室 | V型混合器 | アジ化ナトリウム | 摩擦熱 | 混合 | |
139 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 富山県 | 医薬品中間体を製造する工場において、原料となるトリクロルメチルクロロフォメート計量缶に接続しているオーバーフロー配管の一部分が破裂してトリクロルメチルクロロフォメートが飛散して被災した。 | 0 | 13 | 計量缶 | オーバーフロー配管 | トリクロルメチルクロロフォメート | 破裂 | ||
140 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 愛知県 | 河川環境対策工事現場において、河川の堤防の草刈りを終え、枯れ草を集めて焼却作業中、延焼防止のため水まきをしていた作業者が着衣火災により火傷を負って、翌日死亡した。原因は、持病の発作により、作業中に火炎中へ転倒したと推定される。 | 1 | 1 | 河川環境対策工事現場 | 枯れ草 | 火炎 | 転倒、着衣火災 | 焼却作業 | |
141 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 神奈川県 | コハク酸製造設備において、水添反応缶に無水マレイン酸、ろ液及び触媒を仕込み、水素を添加させる反応中、炉液供給口のフランジ部から発火して炎を発したが、放水によりすぐに消し止めた。原因は、フランジ接合部に使用されていた石綿製ガスケットの一部が損傷し、そこから加圧状態(2.9気圧)の水素が噴出し、噴出時の空気との摩擦により着火したものである。ガスケットの損傷は、定期的な点検や交換が行われておらず、経年劣化による割れと推定される。 | 0 | 0 | コハク酸製造設備 | 水添反応缶 | 水素 | 噴出時の空気との摩擦 | 水添反応 | |
142 | 1991 | 運輸に附帯するサービス業 | その他の運輸に附帯するサービス業 | 宮城県 | JR線の保線作業を終えワゴン車に2人が乗り車両走行中、ライターでタバコに火を付けようとしたところ、自動車内後部荷台に載せておいた燃料用ポリタンクが倒れ、車内にガソリン蒸気が充満していたため、爆発し車両が炎上、2名が死傷した。運転席と2列目の窓が開いていたが、車内の換気がなされるほどではなかった。 | 1 | 2 | 自動車内 | 自動車内 | ガソリン | ライター | 車両走行中 | |
143 | 1991 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 埼玉県 | 水道設備工事のため店舗の厨房のコンクリート床をはつっている際に埋設LPGガス管に孔をあけたため、水道工事業者がガス会社に配管の補修を依頼した。が、配管工事の作業者がいなかったため、保安管理部長が現場に赴き、ガスボンベの元栓が閉であることを確認してから、配管の損傷箇所を交換するため配管を電動グラインダーで切断中、ガス管周辺で電気火花により小爆発が起き、高さ30cmの炎が立ち上った。原因は、切断した配管が別会社の配管と気付かなかったため。 | 0 | 1 | 店舗の厨房 | ガス管周辺 | LPG | 電気火花 | 配管の補修 | |
144 | 1991 | 化学工業 | その他の化学工業 | 福島県 | 自動車エアバッグ用のガス発生剤の試作で、粉末をペレット状にするガス発生剤成型工室において、作業後に粉末成型機に残ったガス発生剤の粉末をエアガンで吸引して清掃作業中に爆発し、火傷により2名が死傷した。工室の発火はその後も2回あり、約30分後に自然鎮火した。原因は、エアガンの静電気により、粉末成型機のホッパーにあったガス発生剤が分解爆発、工室内の他のガス発生剤も誘爆したと推定される。 | 1 | 2 | ガス発生剤成型工室 | エアガン | ガス発生剤 | 静電気 | 清掃作業中 | |
145 | 1991 | 石油製品・石炭製品製造業 | 舗装材料製造業 | 大阪府 | アスファルト工場でアスファルトタンクの液面計の取り替え作業中、アスファルトが固着していたため液面計のフランジがはずれず、スパナで叩いていたところ、突然高温のアスファルトが噴出して3名が熱傷を負った。噴出は約15分間続き、流出面積は約200平方mであった。 | 0 | 3 | アスファルト工場 | 液面計 | アスファルト | 高温物との接触 | 液面計の取り替え作業 | |
146 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 千葉県 | ポリエチレン製造設備のリサイクルクーラーにおいて、定期修理後、ワックスセパレーター内の雨水除去のため、高圧空気(160気圧)の送気と脱圧を3回繰り返したところ、配管が爆発して破損し、周辺の配管や機器などが破損し、2名が負傷した。原因は、高圧空気による断熱圧縮の高温で内壁に付着していたワックス(低分子ポリマー)が着火して系全体に伝ぱしたと推定される。 | 0 | 2 | ポリエチレン製造設備 | ワックスセパレーター | ワックス(低分子ポリマー) | 断熱圧縮 | 送気と脱圧 | |
147 | 1991 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 群馬県 | 空気液化分離装置の配管系が操業中に突然爆発し、装置(冷却器、油分離器)が一瞬に破壊され、黒煙が工場内に立ちこめ、約30m離れた所にいた6名が耳に軽傷を負った。原因は、2段スナッパー内の潤滑油の熱分解物であるカーボン等のスラッジが、空気の断熱圧縮による熱(約190℃)で自然発火し、これらの分解生成物が配管内に充満し、爆ごうを生じたと推定される。 | 0 | 6 | 空気液化分離装置 | 冷却器、油分離器 | 潤滑油、カーボン等のスラッジ | 断熱圧縮 | 操業中 | |
148 | 1991 | 窯業・土石製品製造業 | 陶磁器・同関連製品製造業 | 岐阜県 | 工場内原料部署において、回転ドラム型粉砕機(ミル)の原料投入口からキシレンの注入中、2缶めを流し始めた時にミル内で爆発が起き、投入口からの火柱により火傷を負った。原因は、1週間前に業者が実施したミル冷却装置の酸洗いの際に配管が詰まり、ジャケット内に希塩酸が封じ込められて水素が発生し夏季休暇の間にミル内に流入したか、またはキシレンの蒸気が、キシレン注入時の静電気火花により着火爆発したものと推定される。 | 0 | 1 | 工場内原料部署 | 回転ドラム型粉砕機 | キシレン、水素 | 静電気 | キシレンの注入中 | |
149 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | 塗装工事業 | 東京都 | ビル改修工事現場において、地下室の吹付塗装を終えて片付け中、地下室内で爆発が生じた。火炎は階段を経て1階まで走り、3名が死傷した。原因は、排風機のダクトが階段の途中までで、また排気は1階に排出されていて塗料の有機溶剤(トルエン、キシレン)の換気が不充分であったとみられる。着火源は、地下室内の電気機器の電気火花、または、片付けの際に地下室に敷いてあった養生シートとの間で発生した静電気火花、と推定された。 | 1 | 3 | ビル改修工事現場 | 地下室 | 塗料の有機溶剤 | 電気火花、静電気火花 | 吹付塗装 | |
150 | 1991 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第1次製錬・精製業 | 広島県 | 精錬工場内のシアン金カリ製造工場において、雷金生成槽に付着した主に雷金と思われる残査を集めて金を回収するため、溶解、還元、析出、水洗し、金残査を乾燥器で約88時間乾燥させた。事故当日、乾燥器から取り出した乾燥物が突然爆発し、飛散片によって被災者が死亡した。原因は、乾燥残査の入ったステンレス製バットを木製作業台上に置く時か、あるいは、置いた後に衝撃を与えたためと推定された。 | 1 | 1 | 精錬工場 | 作業台上 | 雷金 | 衝撃 | 乾燥 | |
151 | 1991 | 飲料・飼料・たばこ製造業 | 酒類製造業 | 兵庫県 | 醸造場にて、火入れ後の清酒(約70℃)を清酒貯蔵タンク(容量9KL)に注入し終えた後、誤って上部のマンホール(直径76cm)からタンク内に転落し、死亡。タンクに登ったのはふたの閉止をしようとしたためと思われる。また、マンホールには熱気の散逸を防ぐためにビニールシートをかぶせてあり位置がわかりにくかった。軽傷1名は、救助作業の際の急性アルコール中毒の疑い。 | 1 | 2 | 醸造場 | 清酒貯蔵タンク | 清酒 | 転落、高温物との接触 | ふたの閉止 | |
152 | 1991 | 旅館、その他の宿泊所 | 旅館 | 北海道 | ホテルにおいて蒸気ボイラーのバーナーの起動操作をしてから約30分後、煙道内で爆発が起き、ボイラー前部の扉2枚が吹き飛んだ。原因は、B重油用のボイラーにA重油を使用していて燃焼状態が良くなく、点火電極が老朽化して、火花が飛びにくく、火炎検出センサーも誤作動し、不着火か失火のまま重油が供給されたもの。着火源は不明だが、再着火の電気火花か炉の熱が考えられる。 | 0 | 0 | ホテル | ボイラー | 重油 | 電気火花か炉の熱 | 起動操作 | |
153 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 兵庫県 | ゴルフ場造成工事現場で先だって雑木の伐採を行っていたところ、作業をしていなかった箇所で雑木の火災が発生したので消火器を用いて消火活動を行った。ほぼ鎮火した後、火炎に巻き込まれて焼死した作業員2名を発見した。晴天が続いて乾燥状態にあり、強風が吹いていた。 | 2 | 2 | ゴルフ場造成工事現場 | 雑木 | 火炎 | 高温物との接触 | 消火活動 | |
154 | 1991 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 愛知県 | 製油所の重油流動接触分解装置において、定期修理を請け負った会社が準備作業のため、重質循環油配管のドレン抜き枝管にフレキシブルホースの接続をしようと枝管の先端のキャップを取り外したところ、約250℃の重質分解軽油が霧状に噴出したため、付近にいた5名のうち3名が熱傷を負った。原因は、接触分解装置が通常運転中で、枝管のバルブの開閉が不便なため完全に閉止していなかったとみられる。 | 0 | 3 | 製油所の重油流動接触分解装置 | 重質循環油配管のドレン抜き枝管 | 重質分解軽油 | 高温物との接触 | フレキシブルホースの接続 | |
155 | 1991 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 大分県 | 酒造会社の焼酎原酒貯蔵タンク(容量360KL)において、保温用の断熱材の工事のため、断熱材取付用アングルをタンク外周にアーク溶接中、タンク内で爆発が起きた。原因は、タンク内のエチルアルコール蒸気がアーク溶接の熱で着火爆発したもの。なお、タンク内にはエチルアルコール濃度44%の原酒が280KL入っていたが、作業者には知らされていなかった。 | 0 | 0 | 酒造会社 | 焼酎原酒貯蔵タンク | エチルアルコール | アーク溶接の熱 | アーク溶接 | |
156 | 1991 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属・同合金圧延業(抽伸、押出しを含む) | 千葉県 | 冶金工場内の金属材料加工室において、被災者のうちの1人が自動帯のこ盤を用いてチタンインゴットの切断作業中、傍らに置いてあったポリバケツの中のジルコニウム、タンタル、チタン、鉄、ニッケル、銅、真鍮、アルミニウム等からなるスチールウール状の切削屑が突然発火した。ウエスを詰めて密閉するなどの消火作業に努めていたが、突然爆燃状態となった。原因として自然発火、金属と油の反応、タバコの吸い殻が考えられたが特定できなかった。 | 0 | 3 | 冶金工場内の金属材料加工室 | ポリバケツ | スチールウール状の切削屑 | 自然発火、金属と油の反応、タバコの吸い殻 | インゴットの切断 | |
157 | 1991 | 窯業・土石製品製造業 | セメント・同製品製造業 | 埼玉県 | コンプレッサー室の配電盤において、高圧配電盤のヒューズが切れていたので、回路を確実に切るためにヒューズ交換用の絶縁棒を用いて切れたヒューズの隣のヒューズをはずしたところ、ヒューズの端子でアーク火花が発生し、2名が着衣火災で火傷を負い死傷した。原因は、電磁式開閉器を入のままにし、開閉制御回路系のヒューズが切れていたので制御回路の電源をテスト側に切り替える必要があり、開閉器が接続状態となったためである。 | 1 | 2 | コンプレッサー室の配電盤 | 高圧配電盤のヒューズ | アーク火花 | 高温物との接触 | ヒューズ交換 | |
158 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 三重県 | 採石場脇の池の水を谷川に流す排水路の改修工事現場において、排水路内空間でアーク溶接の作業を行っていたところ、排水路から約2m離れた道路上に置かれていたポリ容器に溶接コードが引っかかって倒れた。そのため容器内の混合ガソリン(潤滑油混入済み、ガソリン発電機の燃料)が排水路内に流れ込み、アーク溶接の火花が着火して炎上し、被災者3名が着衣火災により火傷を負った。 | 0 | 3 | 採石場脇 | 排水路内空間 | 混合ガソリン | アーク溶接の火花 | 改修工事 | |
159 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | 塗装工事業 | 大阪府 | 道路上でプロパンガスバーナーを使用し、路面を加熱して区画線の抹消作業中、LPGボンベ(容量10kg)のバルブ部からガスが漏洩して炎が出ていたのでバルブを閉めたところ、直後に顔面近くまで炎が拡がった。あわてて飛びのいた時にボンベが倒れ炎が横に拡がり、数秒後に炎は消えたが、近くにいた2名も火傷を負った。原因は、路面の高温とバーナーの輻射熱でボンベが加熱され、安全弁からガスが噴出し、バーナーの火炎により着火したためである。 | 0 | 3 | 道路上 | プロパンガスバーナー | LPG | バーナーの火炎 | 区画線の抹消作業 | |
160 | 1991 | 電気機械器具製造業 | 電子機器用・通信機器用部分品製造業 | 東京都 | 溶解工場にて高周波るつぼ形誘導炉を使用して磁性合金パーマロイを製造するため原料の溶解中、るつぼ内の溶湯が漏れ、誘導炉の電磁誘導用コイルが破損し、中の空洞の冷却水に溶湯が触れて水蒸気爆発を起こし、溶湯が吹き上げた。爆発音が2度続き、あふれた溶湯で付近の設備が焼損し、屋根の一部が吹き飛んだ。原因は、撹はん不足により上下に温度差が生じて空間ができ、電磁炉のエネルギーが下部に集中し過熱したと推定される。 | 0 | 0 | 溶解工場 | 高周波るつぼ形誘導炉 | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 原料の溶解 | |
161 | 1991 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 兵庫県 | 発電所のボイラーの定期点検工事において、ボイラー付属機器のウォーターセパレーター内に仮設足場を設置し、溶接線を非破壊検査のための研磨中、倒れて死亡した。原因は、内壁の研磨作業と並行して重原油系統配管の油抜き作業が行われており、その際に使用した窒素ガスが、弁が開いていてウォーターセパレーター内に流入し、作業中の被災者が酸欠により窒息死したもの。 | 2 | 2 | 発電所のボイラー | ウォーターセパレーター | 窒素ガス | 酸欠 | 定期点検工事 | |
162 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 福島県 | 発電所の導水トンネル建設工事において、トンネル切羽でエアーピックにより支保工の建込に支障となる岩の除去中、5、6回衝撃を加えた時、残留火薬が爆発し、3名が死傷した。原因は、親ダイとの間のカットオフにより増ダイナマイトが不発となり、湧水が多く残留爆薬を発見できなかったこと、支障となった岩が大きくなく不発によると思わなかったこと、その岩を発破で除去しなかったこと、が挙げられる。 | 1 | 3 | トンネル切羽 | 切羽 | ダイナマイト | 衝撃 | 岩の除去 | |
163 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 大阪府 | 開発部実験室においてナイロンの原料となるシクロドデカン酸化液(融点61℃)の連続加水分解実験中、流量計か弁に固形物が詰まった。そこで、タンクの出口配管の閉塞除去のため固化した液をドライヤーで加熱中に突然噴出したらしく、ドライヤーのヒーターにより引火して白煙と火炎が上がって火災となり、火災報知器が鳴動した。被災者は全身火傷を負って倒れ、火傷ショックと酸欠で死亡したと推定される。 | 1 | 1 | 開発部実験室 | タンクの出口配管 | シクロドデカン酸化液 | ドライヤーのヒーター | 配管の閉塞除去 | |
164 | 1991 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 山口県 | 実験棟真空溶解室において、チタン合金に関する研究のため、るつぼに原料を入れ、真空溶解炉で溶解させてチタン合金を製造中、るつぼ内で棚吊りが発生したため溶解実験を中止した。翌日、るつぼの取り出しのため、炉のふたを開けて粉じんを吸引後、るつぼを傾けたところ、数秒後に爆発、4名が熱傷を負った。原因は、るつぼ上部に固まっていた金属粉が落下し、炉内のマグネシウム粉じん等が落下時の衝撃火花で着火爆発したと考えられる。 | 0 | 4 | 実験棟真空溶解室 | 真空溶解炉 | マグネシウム粉じん等 | 衝撃火花 | るつぼの取り出し | |
165 | 1991 | 教育 | 高等教育機関 | 大阪府 | 実験室内のCVD装置において、学生がIC素材の開発実験中、同装置にモノシランを供給するモノシラン容器内で爆発が生じ、容器の底はぬけ平板状となり、飛散した破片により学生2名が死亡した。都市ガスと有機溶剤にも引火し、火災となった。原因は、窒素パージラインを共有する亜酸化窒素が不良の逆止弁を通ってパージラインからモノシランの容器に入り、容器内でモノシラン-亜酸化窒素混合ガスが断熱圧縮か金属触媒により爆発したと考えられる。 | 2 | 7 | 実験室内のCVD装置 | モノシラン容器 | モノシラン-亜酸化窒素混合ガス | 断熱圧縮か金属触媒 | IC素材の開発実験 | |
166 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 大阪府 | 市道交差点の水道工事現場においてドラグショベルにより道路のアスファルトと制水弁のコンクリートブロックを撤去のため掘削作業中、近接して埋設してあった22KVの電力ケーブルを破損し、その部分をのぞいている際、約1分後に爆発音とともに2m以上の火柱が上がり、4名が火傷で負傷した。原因は、最初の破損で送電が停止されたが、1分後に自動的に再送電され、ケーブルの短絡部分に大電流が流れアーク火花が発生したためである。 | 0 | 4 | 水道工事現場 | 電力ケーブル | アーク火花 | 大電流 | 掘削作業 | |
167 | 1991 | 食料品製造業 | 畜産食料品製造業 | 東京都 | 食肉加工工場において、真空式蒸気加熱器を使用してもつ肉の蒸し煮中、約1時間後に加熱器の上蓋の止め金が外れて上蓋が開き、噴出した水蒸気を浴びて2名が火傷を負った。原因は、安全弁が規定の圧力では作動せず(事故後に判明)、真空ポンプへの配管は弁が閉じられていて閉塞状態となっていたため、上昇する蒸気圧に耐えられなかったもの。なお、止め金は後付けされたもの。 | 0 | 2 | 食肉加工工場 | 真空式蒸気加熱器 | 水蒸気 | 閉塞、高温物との接触 | 蒸し煮中 | |
168 | 1991 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 千葉県 | 異常があったので重油直接脱硫装置の緊急停止を開始した際、パトロール中に原料油張り込みポンプのメカニカルシール部付近において、高さ約8mの炎となった火災を発見した。原因は、ポンプの下流の配管の逆止弁が固着により閉止信号で閉止せず、さらに下流の流量調節弁も作動不良のため、原料油が逆流してポンプが逆回転し、冷却油が流れずシール部が過熱して破損、漏れたC重油が自然発火したもの。 | 0 | 0 | 重油直接脱硫装置 | 原料油張り込みポンプ | C重油 | 自然発火 | 重油直接脱硫装置の緊急停止 | |
169 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 神奈川県 | 校舎改築工事現場において、4階のベランダで防水工事のため、下塗り用の接着剤を塗布中、同じベランダで濡れた箇所を乾燥させるために使用していたLPGバーナーの火が接着剤の有機溶剤(トルエン、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル)に引火して燃え上がり、着衣火災となって2名が火傷を負い、1名が3日後に死亡した。ベランダは屋外ではあるが、三方を壁で囲まれ通風が不十分であった。元請けは作業中止を指示していた。 | 1 | 2 | 校舎改築工事現場 | ベランダ | 接着剤の有機溶剤 | LPGバーナー | 改築工事 | |
170 | 1991 | 一般機械器具製造業 | 一般産業用機械・装置製造業 | 静岡県 | 鋳物工場において溶解作業中、溶湯が出湯口に詰まって湯が上昇したため、溶解作業を中止し、羽口を冷却するために水をかけた。また、炉内で溶湯が凝固するのを防ぐため、底落とし(炉の底ふたを開けて炉内の地金及び溶湯を落とす)をしたところ爆発が起き、作業者が火傷を負った。原因は、羽口にかけた水が床面に溜まっていたところにキューポラ内の高温の溶湯を落としたため、水蒸気爆発が発生したものである。 | 0 | 3 | 鋳物工場 | キューポラ | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 底落とし | |
171 | 1991 | 旅館、その他の宿泊所 | 旅館 | 秋田県 | 建築工事現場で作業をするため、会社指定の宿泊施設に宿泊していたところ、火災があり被災した。 | 0 | 3 | 宿泊施設 | 宿泊施設 | 宿泊 | |||
172 | 1991 | 熱供給業 | 熱供給業 | 東京都 | オフィス街にある熱供給会社において、休止していたボイラーの予熱運転の開始をしていた。主ガスバーナーへの自動点火を3回したが着火せず、4回目は手動で点火したところ、ボイラー内で爆発が起きた。原因は、自動点火ではプリパージとポストパージがなされることから、手動点火動作中に主ガスバーナーから漏出した未燃の都市ガスが、ごみの詰まりなどで不調だった点火バーナーの回復により着火したとみられる。 | 0 | 0 | 熱供給会社 | ボイラー | 都市ガス | 点火バーナー | 予熱運転の開始 | |
173 | 1991 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 鉱物・金属材料卸売業 | 福岡県 | 石油製品販売会社の事務所で温水ボイラーに点火して運転中、1時間50分後にボイラー室の燃焼炉内で爆発した。このボイラーの運転は、性能検査と試運転後の最初の運転であった。原因は、バーナーの燃焼監視の安全装置に不良個所があり、バーナーが失火しても安全装置が作動せず、給油用電磁弁が開いたままになることが判明したことから、燃料炉内に流入した燃料用A重油が炉の余熱により気化、爆発したものと推定された。 | 0 | 0 | ボイラー室 | 温水ボイラー、燃焼炉 | 燃料用A重油 | 炉の余熱 | 運転中 | |
174 | 1991 | 化学工業 | その他の化学工業 | 北海道 | エマルジョンサンド工場において紙の滲み止め剤を製造のため、ガムロジン(松脂)を粉砕し、バケットコンベアーにて反応釜に移送して反応準備のため加熱・融解作業中、装置内部でガムロジン粉の粉じん爆発が発生した。原因は、設備改修後の初操業で、原料を過剰にコンベアーに投入したために同コンベアーが閉塞した。そこで運転を中断し粉をかき出してから再び原料を投入した際、反応釜の高温壁により発火して火炎が廻ったものと推定された。 | 0 | 3 | エマルジョンサンド工場 | 反応釜、バケットコンベアー | ガムロジン粉 | 高温壁 | 融解作業 | |
175 | 1991 | 洗濯・理容・浴場業 | 洗濯業 | 愛知県 | ドライクリーニング工場のドライ洗浄室においてミネラルターペンを用いて洗浄した膝掛け毛布38枚を乾燥機へ移し自動運転中、乾燥機の排気ダクトなどの内部で爆発し、ダクトなどが破損、乾燥機内の毛布を焼損したが、初期消火により火災にはならなかった。原因は、書類とじ用のクリップと回転式ステンレスドラムの接触火花か静電気火花(毛布はポリエステル)により着火したとみられる。 | 0 | 0 | ドライ洗浄室 | 乾燥機 | ミネラルターペン | 接触火花か静電気火花 | 乾燥 | |
176 | 1991 | 飲料・飼料・たばこ製造業 | 飼料・有機質肥料製造業 | 静岡県 | 大豆おからから飼料や肥料を製造する工場内において、乾燥機の排煙の異常があり運転を中止した。サイクロンの詰まりを点検口を開いて除去中、着火したおからが落ちてきた後、点検口から熱風と炎が噴出し、近くにいた3名が火傷を負った。原因は、サイクロンの詰まりのため捕集されなかった微粉(おから乾燥粉)が熱風発生炉に送られて発火、これがサイクロン上部に堆積し、除去作業で空気が侵入したため爆燃したと推定される。 | 0 | 3 | 工場内 | サイクロン | おから乾燥粉 | 熱風発生炉 | 乾燥 | |
177 | 1991 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 神奈川県 | 鉄骨トタン葺き2階建ての貸工場の解体工事現場において、生じた廃材をドラグシャベルでかき集めて焼却中、混入していたガスボンベ(外径138mm、高さ475mm)がたき火の火により爆発し、飛散物が当たった1名が足を切断し約1ヶ月後に死亡した。ガスボンベは、貸工場に以前入っていた冷凍機の修理業者が残していったもので冷蔵庫用のガスが入っていたと貸工場の代表が申し立てているが、詳細は不明である。 | 1 | 1 | 解体工事現場 | ガスボンベ | なし | たき火の火 | 焼却 | |
178 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 東京都 | 地下調節池の地下工事現場の縦穴(掘削機械の搬出入用、直径25m、深さ55m)の底部において、鉄筋のアーク溶接中、その溶接火花が仮壁(発泡スチロール製)に燃え移り、火災となった。出火時に18名が作業していたが15名は工事用エレベーターで避難し、3名が消火作業をしていたが煙に巻かれて取り残されて軽い火傷を負い、レスキュー隊に救助された。 | 0 | 3 | 地下工事現場 | 縦穴 | 発泡スチロール | 溶接火花 | アーク溶接 | |
179 | 1991 | 繊維工業(衣服、その他の繊維製品を除く) | 染色整理業 | 秋田県 | 染色工場内において、染色した生地の色を定着させるため、圧力容器内に入れて蓋を閉め、固定クラッチを作動させた後、蒸気の送入を開始し、次の作業を始めたところ、蓋が突然開いて蒸気が噴出し、蒸気で吹き飛ばされて棚に激突し、負傷した。原因は、固定クラッチのかみ合わせが本来75mmであるところが9mmであり、その確認も怠ったため、固定不良により蒸気圧に耐えられなかったもの。 | 0 | 1 | 染色工場 | 圧力容器 | 蒸気圧 | 固定不良 | 染色 | |
180 | 1991 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 愛知県 | アルミニウム溶解炉に、アルミニウムのスクラップの装入をしたところ、溶けたアルミニウムが爆発した。 | 0 | 3 | アルミニウム溶解炉 | アルミニウム溶解炉 | スクラップの装入 | |||
181 | 1991 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 茨城県 | 工場内において、防かび剤合成時の溶剤に用いるブタノールを減圧蒸留釜で回収する工程において、減圧蒸留後に液を残したまま、大気圧に戻して放置したところ、約1時間後に蒸気の噴出を発見し、退避後に破裂爆発した。原因は、最終蒸留温度が規定値よりも12℃以上高く、副成物の反応が蓄熱に伴って加速し暴走反応を起こしたため。 | 0 | 0 | 工場内 | 減圧蒸留釜 | ブタノール、副成物 | 暴走反応 | 減圧蒸留、回収 | |
182 | 1991 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 愛知県 | アセチレン発生器室内でカーバイドのドラム缶の開缶作業に際し、電気ドリルで鏡板に穴をあけていたとき、ドラム缶内で爆発し、顔面と頭部を強打し翌日死亡した。原因は、ドラム缶の亀裂(原因不明)から内部に湿気が入ってアセチレンが生成し、切削熱か衝撃火花により発火したとみられる。 | 1 | 1 | アセチレン発生器室 | ドラム缶 | アセチレン | 切削熱か衝撃火花 | ドラム缶の開缶 | |
183 | 1991 | 木材・木製品製造業(家具を除く) | 造作材・合板・建築用組立材料製造業 | 愛知県 | 深絞りしたハードボードを製造するモールド工場内の原料混合機付近で爆発音とともに火災が発生。周辺の原料に着火し、建屋にも延焼。強風により飛んだ火の粉で貯蔵庫内のチップが2次火災となる。避難と消火時に3名が負傷。原因は、原料混合機内部のかくはん羽の回転軸と原材料の木材チップとの摩擦熱により種火が発生。コンベアで運ばれて次工程のストックにて出火したと判断される。 | 0 | 3 | モールド工場 | 原料混合機 | チップ | 摩擦熱 | 原料混合 | |
184 | 1991 | 食料品製造業 | 動植物油脂製造業 | 大阪府 | 食用油脂工場において、油脂抽出タンク内に詰まった油かすの除去作業中、タンクが突然爆発炎上し、空気ボンベを付けタンク内に入った1名と外周の足場で待機していた7名が焼死した。原因は、溶剤のノルマルヘキサンが残留しており、静電気など何らかの着火源により引火爆発したとみられる。 | 8 | 8 | 食用油脂工場 | 油脂抽出タンク | ヘキサン | 静電気 | 油かすの除去作業 | |
185 | 1991 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 愛媛県 | 町道の改良工事で道路端にて休憩中、たき火の燃え方が悪いので軽油を注ぎ入れたところ、軽油に引火して18リットルポリタンクが破裂、着衣火災により火傷を負って翌日死亡した。 | 1 | 1 | 道路端 | ポリタンク | 軽油 | たき火 | 注ぎ入れ | |
186 | 1991 | 家具・装備品製造業 | 家具製造業 | 山形県 | 木工品塗装工場の塗装ブース内において、ブースのフィルター交換作業を行うため、1次フィルターを外した後、2次フィルターを棒で突き落とす方法で取り外したところ、2次フィルターに付着していた塗料粉じんが多量に飛散し、何らかの原因で粉じんに火が付き、ブース上方より火炎が発生、着衣に燃え移って火傷を負った。爆発音や爆風はなかった。塗料粉じんは塗料ミストの固着したもので、ニトロセルロースを含有していた。 | 0 | 1 | 木工品塗装工場 | 塗装ブース | 塗料粉じん | 不明 | フィルター交換 | |
187 | 1992 | 輸送用機械器具製造業 | 分類不能 | 埼玉県 | 自動車部品製造工場の作業場において、研磨した部品(ピストン)の洗浄用ガソリン約10リットルの入った缶をキャスター付き台車に載せ移動中、倒してガソリンを床上にこぼした。ボロ布で拭き取り清掃中、近くにあった石油ストーブの火が引火して燃え上がり、火災となった。 | 1 | 4 | 作業場 | 床上 | ガソリン | ストーブの火 | 拭き取り清掃中 | |
188 | 1992 | 繊維業 | 分類不能 | 大阪府 | 工場内にて、綿ゴミの吸い込みダクト内で清掃作業中、ダクト内に持ち込んだ投光器付近より綿ゴミが燃え出した。 | 1 | 工場内 | ダクト内 | 綿ゴミ | 投光器 | 清掃 | ||
189 | 1992 | 林業 | 素材生産業 | 三重県 | 被災者が林業事務所の燃料倉庫に行き、ガソリンをポリ容器に入れて肩にかついで戻り、たき火中のドラム缶から約30cm離れたところを通行したところ、被災者とポリ容器が着火した。ポリ容器を捨てて倒れもがき、他の5名が土をかけたり手で叩いたりして消火した。この際に計4名の労働者が火傷したもの。原因は、ポリ容器が割れていたためガソリンがたき火の近くに落ちて引火したか、被災者の衣服(テトロン製)にしみていたため。 | 0 | 4 | 林業事務所 | ポリ容器 | ガソリン | たき火 | 通行 | |
190 | 1992 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 鹿児島県 | 農地整備工事現場において爆薬(ダイナマイト)を用い電気発破で岩の小割作業をしていた。ハンドマイクを用いて退避合図のサイレンを鳴らしてから1、2分後に発破したところ、発破スイッチを入れる者以外の3名の作業員のうち2名は合図で30mほど退避したが、1名が退避の遅れで発破する岩の傍らにおり、爆破した岩の破片を受けて2ヶ月後に死亡した。 | 1 | 1 | 農地整備工事現場 | 爆薬 | 爆薬 | 退避の遅れ | 岩の小割作業 | |
191 | 1992 | 一般機械器具製造業 | 金属加工機械製造業 | 大阪府 | 作業場にて橋桁部品の芯出し用定規作成のため、ブリキ板に青ニスを塗りケガキ作業中、青ニス缶が倒れて床上に青ニスが噴出し、近くの石油ストーブにより塗料溶剤が引火し、火傷を負った。 | 1 | 作業場 | 床上 | 塗料溶剤 | 石油ストーブ | ケガキ作業 | ||
192 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | 合成工場にて、1、3ビス(tブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの化学反応中、反応缶の温度上昇による自動警報装置が鳴り、反応缶から白煙が噴出し、対策協議中に爆発した。原因は、交替した三直者が2次反応段階であるのにアルカリ洗い工程と勘違いし、缶内温が低いので75℃温水を供給し、さらに撹拌を止めたため、発熱分解反応(暴走反応)が始まり、トルエンと有機過酸化物の分解ガスが工場内に充満し、電気火花により引火爆発したもの。 | 0 | 3 | 合成工場 | 反応缶 | トルエンと有機過酸化物の分解ガス | 暴走反応、電気火花 | 化学反応 | |
193 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 石川県 | 合成樹脂製造工場においてポリカーボネート変性樹脂の生産設備の試運転中、洗浄撹拌機と遠心分離機とをつなぐ配管の詰まりが除去しても再度詰まるので、洗浄撹拌機内のスラリー液の抜き取りをしようと底の排出口よりペール缶に落とし、次に固まった樹脂とヘプタンを金網で分離しつつドラム缶に移していた際、ドラム缶内で着火し火災となり火傷を負った。原因は、ヘプタン蒸気が作業衣に帯電した静電気火花で着火したと推定される。 | 0 | 4 | 合成樹脂製造工場 | ドラム缶 | ヘプタン | 静電気火花 | スラリー液の抜き取り | |
194 | 1992 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 静岡県 | 下水道管工事現場において、下水鋼管の坑口部分の鋼板に孔を開けるため、アセチレン酸素ガス切断器で加熱したところ、鋼管内にメタンガスが溜っていたため、ガス切断器の火によって着火爆発した。その圧力で鋼管が土中より飛び出し、ガス切断作業を行っていた被災者が、鋼管と既設人孔コンクリート壁の間に挟まれて死亡した。メタンガスは付近の地層で発生し、鋼管内に溜ったものと推定される。 | 1 | 1 | 下水道管工事現場 | 下水鋼管 | メタン | ガス切断器の火 | ガス切断作業 | |
195 | 1992 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 富山県 | アルミスクラップを溶解してアルミインゴットを製造するアルミ屑溶融工場において、るつぼ炉の重油バーナーに点火し、炎の再調整まで若干時間を要するので、その間炉を背にして暖をとっていたところ、被災者のズボンに着火して着衣火災となり、約2ヶ月後に死亡した。原因は、炉温が上昇するにつれて火勢が強まるが、被災者は厚着をしていて後向きのため火に気付かず、作業服が燃え易かったためと思われる。 | 1 | 1 | アルミ屑溶融工場 | るつぼ炉 | 作業服 | バーナー | 調整 | |
196 | 1992 | 鉄鋼業 | 製鋼を行わない鋼材製造業(表面処理鋼材を除く) | 新潟県 | 燃焼炉設備のLPGボンベ置場周囲からガス臭がするので労働者7名にて点検中、ボンベ置場に隣接する排水処理施設ピット内に漏洩したガスが何らかの原因(水槽用モーターのスパーク?)により引火爆発した。原因は、内圧低下と凍結防止対策をかねて温水槽にLPGボンベを浸しており、当日は燃焼炉の送りローラー交換作業のために燃焼炉を止めるのでLPGのコックを閉めたが、加温は続けられていたため、ボンベ内圧が高まり安全弁からガスが漏洩したためとみられる。 | 0 | 7 | 燃焼炉設備のLPGボンベ置場 | ピット内 | LPG | 水槽用モーターのスパーク? | 燃焼炉の送りローラー交換作業 | |
197 | 1992 | 鉄道業 | 鉄道業(国有鉄道業を除く) | 静岡県 | 運転区に保管されていた古い信号雷管(後続列車に危険を知らせる火工品、信管と発音剤からなる)254個を処分の際、作業者の1人が分解経験を有していたので、4名が全信号雷管を1時間ほどで分解した。そして、分解経験を有する作業者が、信管以外の部品を焼却炉で廃棄処分中、焼却炉の残り火により2回爆発し、投入していた1名が死亡、近くにいた1名が耳を負傷し火傷を負った。 | 1 | 2 | 運転区 | 焼却炉 | 信号雷管 | 焼却炉の残り火 | 廃棄処分 | |
198 | 1992 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 愛知県 | 製鉄所の高炉改修工事で炉の内容物を発破によって破砕し炉外へ除去する作業を行っていた。前回の発破の大塊がそのままではショベルローダーで運び出せないので、もう一度小割り発破することとなり、発破作業を担当する別会社の技術者の指示を受けつつ、せん孔を終えて炉外に3人が出る時、前回の発破で剥がれかかっていたスタンプ材が落下し、作業員1名が下敷きとなって死亡した。 | 1 | 1 | 製鉄所 | 高炉 | 炉の内容物 | 落下 | 小割り発破 | |
199 | 1992 | 医療業 | 一般診療所 | 長崎県 | 被災者が注射器を入れるステンレス製バットをアルコールで熱消毒するため、処置室の流し台において脱脂綿を鉗子ではさみ、同脱脂綿に点火してバットを消毒中、熱消毒の炎が白衣に燃え移り全身を熱傷して、1ヶ月後に死亡した。原因は、必要量を越えるアルコールを使い、ポリ容器をそばに置いたまま点火したので、ポリ容器内のアルコールに引火爆発したためとみられる。 | 1 | 1 | 処置室 | ステンレス製バット | アルコール、脱脂綿 | 熱消毒の炎 | 熱消毒 | |
200 | 1992 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 東京都 | 1人で居住していた事務所兼寄宿舎から出火し、焼死した。 | 1 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 寄宿 | ||||
201 | 1992 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 東京都 | 鉄筋プレハブ3階建ての事務所兼寄宿舎(25室)において、被災者の居住していた部屋から出火し、焼け跡から焼死体が発見された。火災の原因は、被災者が石油ストーブの火をつけたまま就寝中、被災者が使用していた布団類がストーブを覆ってしまい、この結果ストーブが過熱、異常燃焼したものと推定される。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 布団類 | 石油ストーブ | 就寝中 | |
202 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 香川県 | 作業場での精製洗浄工程において、再結晶により精製したアジ化バリウムを遠心分離機に入れ、回転させながら洗浄用のメタノールを掛けたところ瞬時に発火し、その2~3秒後に爆発した。爆発は、まず静電気によりメタノールが発火し、その熱でアジ化バリウムが分解して爆発が生じたものと思われる。 | 0 | 0 | 作業場 | 遠心分離機 | メタノール、アジ化バリウム | 静電気 | 精製洗浄工程 | |
203 | 1992 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 東京都 | マンション新築工事現場において、アスファルト溶解釜でバーナーによってアスファルトを溶融させ、コンクリート面に塗布する防水工事中、釜内の温度を適温に保つために配置されていた作業員が持ち場を離れたため過熱し、アスファルトに引火し燃えだした。そこで、釜の側面に水道水をかけて冷却しようとしたが誤って溶融アスファルト表面に水がかかり水蒸気爆発が発生したため、消火作業中の作業員らが熱風及び飛散したタールを浴びて被災した。 | 0 | 5 | マンション新築工事現場 | アスファルト溶解釜 | 溶融アスファルト | 水蒸気爆発 | 消火作業 | |
204 | 1992 | 木材・木製品製造業(家具を除く) | 造作材・合板・建築用組立材料製造業 | 長崎県 | 木工製材工場内において、木屑を粉砕しておがくずとする装置のバグフィルターのろ布間に木屑等が詰まって吸引力が低下したので、運転を中止し、バグフィルター内に入り、投光器で照らしながら、除去作業中、30分程して木粉の粉じん爆発が発生して火災となった。着火源は投光器と推定される。集じん装置内部は粉じんが充満するので、水中メガネ、防じんマスク、雨合羽などを着用して作業中であった。 | 2 | 5 | 木工製材工場内 | バグフィルター | 木粉 | 投光器 | 除去作業 | |
205 | 1992 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 兵庫県 | 事業場の寄宿舎1階から出火し、消火活動のため建物内に入り焼死した。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 消火活動 | |||
206 | 1992 | 道路旅客運送業 | 一般旅客自動車運送業 | 兵庫県 | タクシー会社の整備工場においてウエスや段ボール紙、生ゴミを焼却炉で燃やそうとしたが炉内に茶殻が残っていて燃えにくかった。そこで、燃えつきを良くしようとポリ容器入りのシンナーをウエスなどに振りかけてポリ容器を戻した後、炉のふたを開けた瞬間に炉口から火炎が走り、炉の火で作業者が火だるまとなり火傷を負い死亡、消火作業の際に1名が火傷を負った。 | 1 | 2 | 整備工場 | 焼却炉 | シンナー | 炉の火 | 焼却 | |
207 | 1992 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 兵庫県 | 建物屋上の高置水槽内において、水内槽への中仕切壁設置作業で、補強用パイプを手持ちグラインダーで研磨中、グラインダー火花が近くに置かれたポリバケツ内の有機溶剤(主成分スチレン)に入って引火し、床にあった段ボールに燃え移って火災となり、水槽内にいた3名が被災した。有機溶剤は、防水用のマットを中仕切板、中仕切板と水槽本体間、補強パイプに張り付ける作業のために持ち込んでいた。 | 0 | 3 | 建物屋上の高置水槽 | 高置水槽内 | 有機溶剤 | グラインダー火花 | 中仕切壁設置作業 | |
208 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | 医薬合成作業場において、医薬品中間体を合成するため、反応釜に原料を順次仕込み、最後にイミド粉末を金属製柄杓で投入口から入れ蓋を閉めた際、直後に釜内部で発火し蓋を押し上げて炎が上がった。原因は、釜から発生するトルエンか原料の一つである3フッ化ホウ素エチルエーテルの加水分解により生成したジエチルエーテルかが、原料投入の際の摩擦で発生した静電気火花により着火したと推定される。 | 0 | 3 | 医薬合成作業場 | 反応釜 | ジエチルエーテル | 静電気火花 | 原料投入 | |
209 | 1992 | 職別工事業(設備工事を除く) | 鉄骨・鉄筋工事業 | 福岡県 | マンション新築工事現場の休憩場所において暖を取るため廃材をドラム缶製の炉に入れてポリタンク入りのガソリンを上からかけて火を着けたが、火のつきが悪かったために再度上からガソリン(灯油だと思っていた)を注ぎ入れたところ、炉の残り火により急に燃え上がった。驚いてガソリンのポリタンクを投げ出した際、その方向にいた被災者2名がガソリンを浴びて火が付き、火傷を負い死傷した。 | 1 | 2 | マンション新築工事現場の休憩場所 | ドラム缶製の炉 | ガソリン | 炉の残り火 | 休憩、注ぎ入れ | |
210 | 1992 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 山形県 | 駅構内の路盤改良工事で、休憩場所にて休憩中、暖を取るため空き缶に炭を入れ軽油をかけてライターで火をつけた。その後、木炭(粉炭)を約2cm厚追加したところ火が弱まり、空気孔を作ったが燃え上がらないので火が消えたと誤認し、キャリアカー用のポリ容器入りの軽油を空き缶内に注ぎ入れた瞬間に木炭の種火により爆発的に燃え上がり、近くにいた作業員7名のうち5名が火傷を負った。 | 0 | 5 | 休憩場所 | 空き缶 | 軽油 | 木炭の種火 | 休憩、注ぎ入れ | |
211 | 1992 | 化学工業 | 医薬品製造業 | 大阪府 | 助酵素製造室において、医薬品中間体の製造に使用するアセトンを地下タンクからアセトン受け槽にエアポンプで移送中、約10分後に突然爆発火災が発生した。原因は、アセトン受槽に設置されているフロート式自動液面停止装置が2基とも故障したため、受槽からオーバーフローしたアセトンが1階に落ち、室内に気化して下屋内の配電盤に入り込み、引火爆発したものと推定された。 | 0 | 0 | 助酵素製造室 | 室内 | アセトン | 配電盤 | 移送 | |
212 | 1992 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 兵庫県 | 製鉄会社構内のスラグ搬出場において運搬部門担当の会社の作業員2名がスラグ鋼滓鍋をノロ台車から自動車に積込み作業中、リフトでは吊り上がらなかったので、近くにあった炉補修用ブレーカーを運転して鋼滓鍋を押し上げたところ、鍋が揺れて傾きスラグが流出し、作業者がスラグに接触して被災した。 | 1 | 1 | スラグ搬出場 | スラグ鋼滓鍋 | スラグ | 高温物との接触 | 運搬 | |
213 | 1992 | 熱供給業 | 熱供給業 | 兵庫県 | 水管式ボイラーの水圧テスト中、安全弁のブロー管から水漏れが発生したため、安全弁を分解し、弁体ディスクを持ち上げたところ、熱水が噴き出し、作業員が熱水を浴びて火傷を負った。原因は、圧力計の指示誤差で若干の残圧があり、熱水が110℃の状態で大気開放されたため。 | 0 | 3 | 水管式ボイラー | 安全弁 | 熱水 | 高温物との接触 | 水圧テスト | |
214 | 1992 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 茨城県 | 貸工場の屋外作業場において移動式危険物タンク(通常はトラックに据付)の補修作業のため、マンホールのフランジの溶接肉の溶断作業中、突然ガス溶断の火花か熱によって残留していた有機溶剤(ポリアクリレートのトルエン、シクロヘキサン溶液)の蒸気に引火して爆発し、2名が火傷を負った。残液があったので作業前に水を張り溶剤をすくい出し満水のまま溶接補修作業を終え、塗装のため内部の水を排出した後に溶接肉の出来映えが気になり修正したもの。 | 0 | 2 | 屋外作業場 | 移動式危険物タンク | 有機溶剤 | ガス溶断の火花か熱 | 補修、溶断 | |
215 | 1992 | 総合工事業 | 一般土木建築工事業 | 北海道 | 道路の橋梁下部工事現場の溶断作業現場において、3名でH鋼の高さをそろえるため、ガス溶接装置によって溶断作業中、ガス溶断の火花が着衣に飛火して被災した。 | 1 | 1 | 橋梁下部工事現場 | 溶断作業現場 | 着衣 | ガス溶断の火花 | 溶断作業 | |
216 | 1992 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 愛知県 | 土木工事を請負って人材を派遣する会社の鉄骨モルタル造り3階建の社長の自宅を兼ねた寄宿舎の2階より出火し、3階焼け跡より労働者4名の焼死体が発見された。寄宿舎は2階3階で35部屋あり19名が寄宿していた。 | 4 | 4 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 寄宿 | |||
217 | 1992 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 宮崎県 | 花火製造工場において、花火の製造のため一時保管場から出した花火の星(過塩素酸カリウム、塩素酸カリウム含有)が少し湿っていたため、工室の前で段ボール箱に入れたまま軽トラックの荷台上で天日乾燥中、突然爆発が起きて工室は火災となり室内の火薬が次々と爆発し、工室内にいた作業者が火傷で約3ヶ月後に死亡した。原因としては、今年最初の真夏日で自然発火したか、上部の星が転がり落ちた時の摩擦か、乾燥の際の表面のひび割れからの発火、が考えられた。 | 1 | 1 | 花火製造工場 | 軽トラックの荷台上 | 花火の星 | 自然発火 | 天日乾燥 | |
218 | 1992 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 愛知県 | 工場内にある電気炉により、材料となるアルミ青銅部品をホイスト式天井クレーンで吊り上げ、この部品の一部分の溶解作業を炉上で行っていたところ、玉掛けフックから外れて炉内に落下しアルミニウム溶湯が飛散した。この際、近くにいた作業者とクレーン操作者の2名が溶湯を浴びて被災した。飛散が激しかったのは部品内に閉じこめられていた空気が急激に膨張したためと思われる。 | 1 | 2 | 工場内 | 電気炉 | アルミニウム溶湯 | 高温物との接触 | 溶解作業 | |
219 | 1992 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 香川県 | 製鋼工場内の電気炉で原料のスクラップ溶解をし、未溶解原料の溶解を促進するためにランスマニプレーターの送酸パイプで酸素を吹き込み後、溶鋼の出鋼準備中に炉内で爆発した。出屑口上部の蓋板がはずれ、炉の一部が破損して熱風とノロ等が噴出し、周囲にいた作業員が被災した。原因は、送酸パイプの先端が炉体の水枠下部に接近して溶損し、炉内へ冷却水が漏れたために水蒸気爆発が生じたものと推定される。 | 0 | 6 | 製鋼工場 | 電気炉 | 溶鋼 | 水蒸気爆発 | スクラップ溶解 | |
220 | 1992 | 輸送用機械器具製造業 | 自動車・同附属品製造業 | 埼玉県 | ウレタン発泡成形機の金型へ離型剤(n-ヘキサンが主成分)をエアガンを用いて吹付け作業中、エアガンのホースがターンテーブルに巻き込まれたため、離型剤タンクが転倒した。この時タンクのふたがはずれたため、離型剤が床上に流出し、蒸発したヘキサンがピット内のターンテーブル駆動用モーターの電気火花によって着火、爆発・火災となり、流出した離型剤の拭き取り作業をしていた3名が火傷を負ったもの。 | 2 | 3 | 発泡成形機 | 床上 | ヘキサン | モーターの電気火花 | 吹付け作業 | |
221 | 1992 | 設備工事業 | 電気工事業 | 兵庫県 | 造船会社において新造船の船首隣の内部で、被災者が電気工事用のハンガーを取り付けるためアーク溶接を行っていたところ、下部のフォアーピークタンクが突然爆発し、マンホールから吹き上げた爆風により全身火傷を負った。数日前に行なった塗装のため塗料の有機溶剤が揮発して残留し、アーク溶接火花が落下して着火源となったものと思われる。 | 1 | 1 | 新造船 | フォアーピークタンク | 塗料の有機溶剤 | アーク溶接火花 | アーク溶接 | |
222 | 1992 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 茨城県 | 花火製造工場の敷地内で小爆発が生じ、その10秒後から工場内の花火・火薬等が誘爆により次々と爆発し、建屋が吹き飛んだ。工場敷地内の作業者が死亡した他、爆風・爆発音による付近の民家のガラスの破損等によって58名が負傷した。原因は不明だが、死亡者が仕込造型工室で発見されたこと等から、仕込み作業中に発火ないしは自然発火が生じ、最初の爆発が起こったものと推定されている。 | 3 | 61 | 花火製造工場 | 花火 | 火薬 | 不明 | 仕込み作業 | |
223 | 1992 | 食料品製造業 | 糖類製造業 | 愛知県 | とうもろこしからぶどう糖などを製造する工場内において、補修工事のために一時停止していた乾燥機を再稼働させる際、いったん着火したパイロットバーナーがすぐに消えたので、バーナーの再点火をした際に乾燥機が爆発した。原因は、点火装置の操作で弁を閉める手順を誤ったため熱風炉内にブタンガスが滞留し、さらにパージ時間を短縮したので、爆発したものと思われる。 | 0 | 0 | 工場内 | 乾燥機 | ブタン | 点火装置 | バーナーの再点火 | |
224 | 1992 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 大分県 | 造船ドッグ内の船においてアーク溶接中、飛び散ったアーク溶接の火花が前日に塗装したマンホール内で気化した有機溶剤に引火し、爆発が起こった。 | 0 | 4 | ドッグ内の船 | マンホール内 | 有機溶剤 | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
225 | 1992 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 三重県 | プラントの定期修理の準備において、工場内通路にて、地面にこぼれたドレンに振りかける消臭剤を小分けするため、20リットル容器からいったん空の20リットルポリ容器に適量移し替えていた際、空容器が突然破裂し、2名が薬液を浴びた。原因は、20リットル容器に入っていた消臭材が弱酸性であったのに対し、空の容器に残存していた消臭材がアルカリ性(次亜塩素酸ナトリウム)であったため、混合と同時に中和反応が起こり、空の容器内で急激に塩素ガスが発生したため。 | 0 | 2 | 工場内通路 | ポリ容器 | 次亜塩素酸ナトリウム | 中和反応 | 定期修理の準備 | |
226 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | 工場内において、メタニトロ-NN′-ジエチルアニリンの合成中、温度が下がり固化して撹拌機が止まったため、スチーム加熱したが回らず、内容物を溶解しようと残りのジエチル硫酸を投入した。反応熱による昇温のため水冷却したが、昇温が抑えられなくなり、じきに反応釜からガスが噴出し、作業員避難後に爆発し、内容物が噴出した。原因は、断線により撹拌不能であるのに、多量の第2成分を投入し暴走反応が起きたため。 | 0 | 0 | 工場内 | 反応釜 | メタニトロ-NN′-ジエチルアニリン | 暴走反応 | アニリンの合成 | |
227 | 1992 | 窯業・土石製品製造業 | 建設用粘土製品製造業(陶磁器製を除く) | 愛知県 | 被災者2名が瓦の焼成前の乾燥用の予備乾燥室でスライドプッシャーの修理中、入り口の上下スライド式扉が閉鎖し乾燥炉内に閉じ込められ、内部の高温により全身熱傷により死亡したもの。 | 2 | 2 | 予備乾燥室 | 予備乾燥室 | 乾燥炉 | 閉じ込められ、高温物との接触 | スライドプッシャーの修理 | |
228 | 1992 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 北海道 | ガソリン貯蔵用の覆土式燃料タンク内の清掃作業の準備のためガス抜き作業中、ガス抜きと並行してスラッジ除去作業を行うためにトンネル内を通り、タンク内に入ろうとタンク側壁下部のマンホールを開放したところ、強いガソリン臭がしたので避難したが間に合わず、トンネル通路に充満して引火し4名が火傷を負った。着火源はコードリールのコンセントかプラグ破損による電気火花らしい。作業工程のミスがあり空気置換がなされていなかった。 | 0 | 4 | 覆土式燃料タンク | トンネル通路 | ガソリン | 電気火花 | スラッジ除去 | |
229 | 1992 | 非鉄金属製造業 | その他の非鉄金属製造業 | 三重県 | 工場棟前路上において、耐火レンガの原料になるアルミニウム・マグネシウム粉の金属缶から、高さ1.5mのビニール袋内に投入し、落下途中で水を噴霧して、金属粉表面の酸化状況の試験中に爆発し、作業者が4名が火傷で被災した。金属粉が水との反応で水素を発生、それがビニール袋と金属粉との接触で発生した静電気火花で着火し、さらに金属粉の粉じん爆発を起こしたものと推定される。 | 0 | 4 | 工場棟前路上 | ビニール袋 | アルミニウム・マグネシウム粉、水素 | 水との反応、静電気火花 | 金属粉表面の酸化状況の試験 | |
230 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 大阪府 | 危険物製造所において、苛性ソーダ液とキシレンを仕込んだN-メチル-2-フェニルインドール製造用の反応釜にポリ袋から粉体原料を仕込み中、釜内で着火し、爆発して火柱が立ち、作業者の着衣に燃え移ったため火傷を負った。原因は、粉体原料仕込み中にポリ袋との摩擦及び粉体粒子相互間の摩擦によって帯電した静電気の放電火花により反応釜内のキシレン蒸気が引火爆発したものと推定される。 | 0 | 2 | 危険物製造所 | 反応釜 | キシレン蒸気 | 静電気の放電火花 | 原料仕込 | |
231 | 1992 | 道路貨物運送業 | 一般貨物自動車運送業 | 埼玉県 | 車両点検場において、被災者が構内掃除にともなうゴミクズ保管のため、ドラム缶の蓋をアセチレンバーナーでガス溶断により焼き切ろうとしたところ、ドラム缶内の残留有機溶剤(アセトン、メタノール、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレン他)に引火、爆発し、頭部を強打した。 | 1 | 1 | 車両点検場 | ドラム缶 | 有機溶剤 | アセチレンバーナー | ガス溶断 | |
232 | 1992 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 埼玉県 | 花火大会打揚げ現場において、被災者が花火の打揚げ中に過早発したため、木枠の破片を受けた。その時点では意識がはっきりしていて、また、人出で救急車が通れないと考え、花火大会終了後に病院に収容したが死亡した。過早発(筒はね)の原因は不明だが、一般的には、発射薬のセットし忘れや量不足、セット位置の不備、打揚げ筒の強度不足、煙火玉や導火線の不具合、が挙げられる。 | 1 | 1 | 花火大会打揚げ現場 | 打揚げ筒 | 煙火 | 過早発 | 花火の打揚げ | |
233 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 兵庫県 | 工場ボイラー室内の2胴式水管ボイラーの定期自主点検の作業中に何らかの原因でバーナーが失火し、その直後に爆発したもの。原因として燃焼不良による未燃ガスの滞留あるいは失火後の燃料(A重油)の漏れこみが考えられ、状況から失火後に燃料が漏れこみ、ボイラー内の余熱で着火した可能性が高い。 | 0 | 0 | 工場ボイラー室 | 2胴式水管ボイラー | A重油 | ボイラー内の余熱 | 定期自主点検 | |
234 | 1992 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 再生資源卸売業 | 神奈川県 | 自社の解体作業場で廃車の解体のため、タンクローリー車のタンクの外板をガス切断(アセチレン酸素)していた際、4室の内の1室に残留していたガソリン蒸気がガス切断の火で引火爆発した。このとき溶断途中の外板が爆風で変形し、作業者の胸部に激突した。なお、作業前には、タンク上部のマンホールと底部のドレンバルブを開放したのみで、タンク内の洗浄等は行われていなかった。 | 1 | 1 | 解体作業場 | タンクローリー車のタンク | ガソリン | ガス切断の火 | ガス切断 | |
235 | 1992 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 滋賀県 | 花火大会の打揚げ現場にて打揚げ花火(5号玉)の10発早打ちの際、3発目が打揚げ直後の超低空で早期爆発し、周囲にいた4名が花火の星と玉皮を受けて火傷と裂傷を負った。遅れ時間なく爆発した原因ははっきりしないが、可能性として、導火線の欠陥による異常燃焼、焼金と呼ばれる打揚げ筒内部の着火源の位置が連続打揚げでずれたため、本来とは異なる位置で着火したこと、が考えられた。 | 0 | 4 | 花火大会の打揚げ現場 | 打揚げ花火 | 花火 | 早期爆発 | 打揚げ | |
236 | 1992 | 食料品製造業 | その他の食料品製造業 | 高知県 | 豆腐製造工場にて、ジャケット加熱式撹拌機付き小型圧力容器を用い、粉砕大豆の水溶液を加熱しつつ、撹拌煮沸後、内溶液を絞り工程に送り、大豆カスを分離した後、豆乳を固化、成形、包装して製品豆腐とする。各バッチ終了毎に、当該容器内を苛性ソーダ水溶液で洗浄するが、コックを開放して大気圧に戻さずに容器の蓋を開けたため、苛性ソーダ水溶液の熱湯が減圧による沸騰現象のために噴き出し、火傷を負い死亡した。 | 1 | 1 | 豆腐製造工場 | 小型圧力容器 | 熱湯 | 減圧による沸騰、高温物との接触 | 洗浄 | |
237 | 1992 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 和歌山県 | 道路工事現場で拡幅工事にあたり斜面(高さ約30m、約50度)の雑木や草の伐採焼却をしていた。被災者が刈り取った雑木などを集めて焼却する作業中、斜面を滑落してたき火の中に転落し、火傷で死亡した。単独作業で目撃者がなく、詳細は不明。安全帯は使わず、斜面上の道路からロープを垂らして命綱としており、左右移動のためにはいったん上まで登る必要があった。 | 1 | 1 | 道路工事現場 | たき火 | たき火 | 転落、高温物との接触 | 伐採焼却 | |
238 | 1992 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 岡山県 | 廃鋼船解体工場施設内干満ドックにおいて、船底部分の床板にガス切断器(LPG-酸素)を用いて穴を開けた。このとき生ゴミの腐ったような臭いがしたため、可燃性ガス(メタン)の滞留を考え、作業を中止した。解体船二重底部分に一旦海水を入れ、その後水をくみ出して作業を再開することとした。二重底部分に6~7割注水された段階で二重底内で爆発が発生、作業者が開口部から吹き出した爆風で吹き飛ばされ全身打撲により死亡した。着火源はガス切断の火または静電気とみられている。 | 1 | 1 | 解体工場施設内干満ドック | 解体船二重底部 | 可燃性ガス | ガス切断の火または静電気 | ガス切断 | |
239 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 神奈川県 | 事故の2日前から定期修理のため全プラントの操業を停止していた。計器室に当直した作業員がパチパチという音を聞いたので、出てみると薬品倉庫から煙が出ており、開けたところ、内部に約3mの炎が上がっていた。原因は、重合反応後のモノマー分留塔底から回収しポリエチレン袋に入れたイソプレンポリマーが保管してあり、これが常温付近での酸化反応が進み、蓄熱条件が整って自然発火したものと推定された。 | 0 | 0 | 薬品倉庫 | ポリエチレン袋 | イソプレンポリマー | 自然発火 | 保管 | |
240 | 1992 | 医療業 | 病院 | 福岡県 | 病院の厨房で調理中、家庭用圧力釜で大豆を煮ていたところ、逃がし弁から蒸気が吹き出ていないことに気付き、火を消そうと近づいた瞬間に、圧力鍋が破裂し、鍋は約2m飛んだ。鍋は当たらなかったが、内部の高温の大豆が付近にいた4名に降りかかり、熱傷を負った。原因は、逃がし弁の内側の穴に大豆のかすが詰まって閉塞し、蒸気圧が上昇して破裂したとみられる。 | 0 | 4 | 厨房 | 圧力釜 | 蒸気圧 | 閉塞 | 調理 | |
241 | 1992 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 香川県 | セカンダリブチルリチウム製造設備において、反応槽にて合成反応中に破裂板が破裂し、槽内温度が低下したのでこれを交換中、槽内溶液の沸騰を感じたので避難した直後、金属リチウムとシクロヘキサンが噴出して空気との接触で自然発火し、3名が被災した。原因は、温度センサーの位置が悪く、温度が低めに表示された結果、過剰の塩化ブチルが槽内に蓄積し、ある時点で急激に反応を始め、その後も投入が続いたので発熱反応が継続し暴走反応を起こしたためと思われる。 | 0 | 3 | セカンダリブチルリチウム製造設備 | 反応槽 | 金属リチウムとシクロヘキサン | 暴走反応、自然発火 | 合成反応 | |
242 | 1992 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 福岡県 | 煙火製造工場の火薬類一時置場において爆発が突然生じた。台風で瓦が一部飛ばされ屋根にビニールシートをかけていた。事故当日、小雨があったが、一時置き場が雨漏りしていたか否は不明である。収納煙火類は、煙火及びその材料(過塩素酸カリ、MgとAlの合金、アルミニウム粉、硫黄、マグネシウム、硝酸カリウム、硝酸バリウム等)であり、段ボール箱と紙袋に入れて貯蔵(一時保管)していた。また、当時一時置き場への人の出入りはなかった。 | 0 | 0 | 火薬類一時置場 | 段ボール箱と紙袋 | 煙火及びその材料 | 不明 | 一時保管 | |
243 | 1992 | 木材・木製品製造業(家具を除く) | 造作材・合板・建築用組立材料製造業 | 鳥取県 | 合板製造工場内のボイラーへの木屑燃料供給装置において、溶接修理の前にサイロ内のチップの排出をしていた。サイロ内に労働者2名が入り、スコップ等でチップをコンベアーに落としていたところ、ボイラーへのフィーダーシュート付近で爆発が起き、熱風を受けて死傷した。原因は、ボイラー火室の熱で着火した木屑粉じんが舞い上がってコンベアーケーシング内で粉じん爆発を起こしたもの。作業終盤であり、細かな木粉が多くなっていた。 | 1 | 合板製造工場 | コンベアー | 木屑粉 | ボイラー火室の熱 | チップの排出 | ||
244 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 千葉県 | 廃液貯蔵施設の廃液貯槽からの排気ガスの臭気対策のため、ドラム缶に活性炭を単に詰めたものをガス吸収筒として通していた。前日に活性炭を総入換し、この機に地上に降ろしたところ、突然爆発音がして廃液貯槽が煙とともに炎上した。原因は、活性炭にキシレン、トルエン、メタノールなどが吸着する際の吸着熱により活性炭の温度が400℃にもなり、可燃性ガスが自然発火し、配管内を火炎が伝ぱして貯槽内のキシレンに引火したと思われる。 | 0 | 0 | 廃液貯蔵施設 | ガス吸収筒、廃液貯槽 | 活性炭、キシレン | 自然発火 | 貯蔵 | |
245 | 1992 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 岐阜県 | 寄宿舎2階で就寝中、火事になり逃げ遅れて死亡した。 | 1 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 就寝中 | ||||
246 | 1992 | 食料品製造業 | その他の食料品製造業 | 福岡県 | 丸コンニャク製造工場において、煮沸したコンニャクを石灰水槽に移す作業中、「あっ」という声がしたので工場長がかけつけると被災者は2次煮沸槽の前に倒れており、腕のひじから先が火傷でただれていた。なぜ火傷したのか被災者は説明できず、目撃者もいないので詳細は不明である。当時の熱湯は約95℃と推定された。 | 1 | 1 | 丸コンニャク製造工場 | 煮沸槽 | 熱湯 | 高温物との接触 | 丸コンニャク製造 | |
247 | 1992 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 東京都 | 医科大学付属研究所の地下1階にある動物飼育室内地下汚水槽の清掃のため、水中ポンプで内部の水位を下げ、槽内の酸素ガス濃度を測定後、槽内に入って内部の写真撮影の際に槽内で爆発が発生した。槽内にいた被災者は、爆風により天井の換気ダクトに激突して死亡し、飼育室内で準備中の1名も火傷を負った。原因は、槽内に滞留していた可燃性ガスが作業者の衣類の静電気火花により着火したと考えられる。 | 1 | 2 | 医科大学付属研究所 | 地下汚水槽 | 可燃性ガス | 静電気火花 | 汚水槽の清掃 | |
248 | 1992 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 三重県 | 建設中のタンカー(29万t)の船首部甲板下のボースンストア(倉庫)内においてガス溶接作業中、落下したガスノロが床面上に敷設されていたクーラー(作業環境を空調するためのエア・クーラー)の塩ビ製蛇腹ホース上に落下し、燃え出したもの。溶接作業時には周囲の可燃物を除去または被覆するよう教育されていたが、作業者は当該ホースが燃えるという認識がなかったようである。 | 0 | 0 | 建設中のタンカー | 船首部甲板下のボースンストア | 塩ビ製蛇腹ホース | ガスノロ | ガス溶接 | |
249 | 1992 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 北海道 | 建設業の2階建て寄宿舎から出火し、労働者が2階から飛び降りるなどして避難した際、火傷や骨折などで負傷した。 | 0 | 5 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 寄宿 | |||
250 | 1992 | 化学工業 | 無機化学工業製品製造業 | 新潟県 | モノメチルヒドラジン製造プラントの再稼働のため、反応器に水加ヒドラジン(HH)を張り込んでおいたところ、突然エージング槽が爆発した。原因は、塩化メチル(MC)配管の弁が完全に閉じておらず、MCが反応器に入り、局部的にMC過剰となりトリメチルヒドラジンが生成して配管が閉塞した。同時に反応熱が蓄積して昇温したためHHが分解し、発生ガス圧によりエージング槽が破裂したものである。 | 0 | 0 | モノメチルヒドラジン製造プラント | エージング槽 | 水加ヒドラジン | 反応熱、閉塞 | プラントの再稼働 | |
251 | 1992 | 化学工業 | 化学繊維製造業 | 熊本県 | レーヨン繊維製造工場の二硫化炭素回収装置周辺で、製造工程中に衝撃音とともに白煙を噴出し、破裂板等が飛散したが、周囲に人がおらず人災はなかった。原因は、二硫化炭素回収装置のダクトに堆積した硫黄が、太陽熱により乾燥して剥離しやすくなり、何らかの振動又は自重により剥落した際、硫黄粉が飛散し、その時の剥離静電気放電により、二硫化炭素ガスと硫黄粉じんとの共存系が着火爆発したと考えられる。 | 0 | 0 | レーヨン繊維製造工場 | 二硫化炭素回収装置 | 二硫化炭素ガスと硫黄粉 | 静電気放電 | 製造工程 | |
252 | 1992 | 精密機械器具製造業 | 計量器・測定器・分析機器・試験機製造業 | 京都府 | 精密機械器具製造工場において蒸気加湿用のボイラーを運転中、煙道部の給水予熱器が腐食により破裂した。煙がボイラー室と廊下に充満した。原因は、給水予熱器の機能廃止の改造工事をした際、水分が残留したまま密閉したため熱によって腐食減肉が進展し、改造工事から約2ヶ月後に圧力に耐えきれなくなったもの。 | 0 | 0 | ボイラー | 給水予熱器 | 水分 | 腐食減肉 | 運転中 | |
253 | 1992 | 食料品製造業 | 動植物油脂製造業 | 山形県 | 食用油工場において、運転開始から約3時間後、運転中の炉筒煙管ボイラーが破裂した。原因は、ボイラーの水位調節系のフロートが本体内の水位と一致しない状態になり、別の低水位センサー2種も漏電などの不具合のため検知できず、制御不良による低水位となって圧力が上昇し、破裂したもの。 | 0 | 0 | 食用油工場 | ボイラー | 制御不良による低水位 | 運転中 | ||
254 | 1992 | その他の事業サービス業 | 建物サービス業 | 千葉県 | ごみ処理施設において、炎の代わりに500~600℃に熱した砂を流動・旋回させて可燃ゴミを焼却する流動砂式焼却炉の内部点検をするため、内部の砂を抜取作業中、炉下部の抜出管が詰まったので被災者が炉内に入って作業中、急に詰まりが取れて熱砂が落下し、抜取管に身体が吸い込まれた。被災者は自力ではいあがったが、入院・加療後死亡した。炉内温度は室温程度であったが、砂中温度はまだ350~360℃であった。 | 1 | 1 | ごみ処理施設 | 流動砂式焼却炉 | 熱砂 | 落下、高温物との接触 | 炉の内部点検 | |
255 | 1992 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 神奈川県 | 製油所内のアスファルトタンクの定期整備のため、内部を軽油で洗浄し、軽油を他タンクへ移送した。終了後にマンホール3ヶ所を開放して放置中、深夜にタンクのベント、マンホール、フランジからの発煙が発見されたが、注水により鎮火した。原因は、タンク内部に長年のうちに生成した硫化鉄が、換気の空気の酸素と反応して発熱し、発火した内壁が剥離落下してタンク底部の残存油(軽油-アスファルト混合物)に引火したためと推定された。 | 0 | 0 | 製油所 | アスファルトタンク | 残存油 | 硫化鉄 | タンクの定期整備 | |
256 | 1992 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 千葉県 | 製油所の減圧軽油水素化脱硫装置の触媒を停止して交換後、運転を再開して立ち上げ運転中、ほぼ通常の運転条件に達しつつあった時点で、原料油と脱硫油の熱交換器のボルトを締めていた際、白煙を噴き、数分後、脱硫原料油及び脱硫油(軽油、水素)が噴出して爆発、さらに火災となり、周辺の作業者が死傷した。原因は、熱交換器のロックリングなどの構成部品が昇温・降温による熱ひずみのため変形し、点検・修復の不備もあって高圧に耐えなくなったもの。 | 10 | 17 | 減圧軽油水素化脱硫装置 | 熱交換器 | 脱硫原料油及び脱硫油 | 不明 | 立ち上げ運転 | |
257 | 1992 | その他の事業サービス業 | 建物サービス業 | 大阪府 | ドラグショベルで段ボール箱詰めの廃棄商品をキャタピラーで踏みつぶし破砕する作業中、地面上でヘアースプレー缶のLPGが衝撃火花か摩擦火花により引火し火災となった。 | 1 | 地面上 | ヘアースプレー缶 | LPG | 衝撃火花か摩擦火花 | 破砕 | ||
258 | 1992 | 輸送用機械器具製造業 | 自動車・同附属品製造業 | 愛知県 | アルミニウム工場において、オートバイのアルミ製フレームのつや出し処理では、温度が100℃以上の酸性研磨液(硫酸・りん酸混合液)に数分間漬けてから湯洗と水洗をする処理を行う。化学研磨槽には、液温の低下と液からの蒸気発生を防止するため、プラスチック製の浮き玉を一面に浮かべてある。被災者は、当日の作業後の片付けにて浮き玉の補充と均す作業をしていて誤って高さ約60cmの縁を越えて転落したと思われる。 | 1 | 1 | アルミニウム工場 | 化学研磨槽 | 酸性研磨液 | 転落、高温物との接触 | 作業後の片付け | |
259 | 1992 | 化学工業 | その他の化学工業 | 神奈川県 | 整髪料製造工場内において、整髪料の原料溶解釜2基を用いて原料(粉体、エタノール、精製水)の投入溶解の作業中、2基とも蒸気加熱のスイッチが入っているのに気付き、そのスイッチを切った瞬間、制御盤と溶解釜の間で火柱が生じ、爆発火災となった。原因は、加熱された溶解釜にエタノールを入れたため大量に気化し、釜のフタのすき間から流出、その蒸気が排気ファンで負圧になっていた制御盤箱内へ流入し、電気火花で着火したもの。 | 1 | 2 | 整髪料製造工場内 | 溶解釜 | エタノール | 電気火花 | 投入溶解 | |
260 | 1992 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属・同合金圧延業(抽伸、押出しを含む) | 栃木県 | アルミ棒製造工場において鋳塊棒の組成を均質化するための熱処理を行うソーキング炉6台を運転して、1名で燃焼状況を監視中、その内の1つの炉の15個あるバーナーのうち、1個が失火したので、再着火すべく点火トーチをバーナーに近づけた瞬間、小爆発と同時に炎と霧状の灯油が噴出して被災者の右半身に掛かり火傷を負った。ソーキング炉のラジアントチューブ内に霧化した灯油が滞留していたことが原因。 | 1 | 1 | アルミ棒製造工場 | ソーキング炉 | 霧状の灯油 | 点火トーチ | 再着火 | |
261 | 1992 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 長野県 | 液酸工場の新設プラントの炭酸ガス吸着器内において、補修工事で底部のグレーチングの亜鉛メッキを溶接のため研磨中、器内流入した酸素のため作業者の衣服がグラインダーの火花により着衣火災となり、3名が死亡した。原因は、吸着器からの排気を大気中に放出する配管が液体酸素放出管と合流しており、その弁が試運転の際に開いたままであったので、液体酸素が逆流し吸着器に流れたため。 | 3 | 3 | 液酸工場 | 炭酸ガス吸着器内 | 作業者の衣服、酸素 | グラインダーの火花 | 補修工事 | |
262 | 1992 | 食料品製造業 | その他の食料品製造業 | 茨城県 | 工場内で落花生の乾燥中に乾燥機が黒煙を発したので加熱用バーナーを止め、水による消火を行ったが間に合わず、工場建屋に燃え移り、2階の作業場から5m下に飛び降りて避難しようとした作業者らが打撲等の負傷をした。落花生に火が移った原因は、運転開始時にA重油バーナーの炎長を過大に調整したか、あるいは、油量調節つまみが作業中に動き、火力が強くなり過ぎたためとみられる。 | 0 | 5 | 工場内 | 乾燥機 | 落花生 | 重油バーナー | 落花生の乾燥 | |
263 | 1992 | 食料品製造業 | 調味料製造業 | 栃木県 | 加工火入れ工場において、サラダドレッシング調合液の腐敗防止用添加剤である変性アルコール(エタノール95%)を運ぶため、鉄架台に110リットルのポリ容器をのせ1tのテルハで移送中、架台を吊るワイヤーロープ4本のうち1本がはずれてポリ容器が落下、床上に飛散したアルコールが暖房用ストーブの火で引火し、火災となった。この際、出口を火災で塞がれた従業員らが熱風や煙を吸い込み負傷した。 | 0 | 5 | 加工火入れ工場 | 床上 | 変性アルコール | 暖房用ストーブ | 移送 | |
264 | 1992 | プラスチック製品製造業(別掲を除く) | 発泡・強化プラスチック製品製造業 | 愛媛県 | ボイラー室内の水管ボイラーが、バーナーの経年劣化のために息継ぎ、振動燃焼をしたので、燃焼の修正作業として手動操作により灯油噴霧圧力を上げたところ正常燃焼したが、最高設定圧力に達して自動停止した。手動操作では再起動せず自動運転に切り替え、炉内の強制換気の後のパイロットバーナー点火を確認後、5分程でボイラーか排気系が爆発した。原因は、一時消火の際に灯油蒸気がボイラー、ダクト、煙突のいずれかに滞留し、着火爆発したためとみられる。 | 0 | 0 | ボイラー室 | ボイラーか排気系 | 灯油蒸気 | パイロットバーナー | 燃焼の修正作業 | |
265 | 1992 | 繊維工業(衣服、その他の繊維製品を除く) | 染色整理業 | 大阪府 | 連続染色機の乾燥設備のコンベアー用原動機から火災が発生し、逃げ遅れた。 | 1 | 連続染色機の乾燥設備 | コンベアー用原動機 | |||||
266 | 1992 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 島根県 | 造船所の工場内において、作業員1名が定盤上の鉄板の切断作業を行うため、半自動ガス切断機にライターの火で点火したところ、定盤と鉄板の間の空間に切断機から漏洩、滞留していたアセチレンが爆発した。この時、鉄板と切断機が飛び上がり、鉄板上で作業していた被災者の頭部を切断機が直撃したため、死亡したものである。 | 1 | 1 | 造船所の工場内 | 半自動ガス切断機 | アセチレン | ライターの火 | ガス切断 | |
267 | 1992 | 一般機械器具製造業 | 一般産業用機械・装置製造業 | 山口県 | 工場構内の油圧モーター実験室内において、開発中の船舶用油圧モーター試作機の試運転中、突然試作機本体が揺れモーター音が低下した直後、ドレンホースの取付部付近から油圧機器用作動油が上方へ吹き出し、1~2秒後同所から火柱が爆音爆風を伴って発生した。この火柱で実験棟内にいた3名が熱傷を負った。作動油噴出時の静電気火花によるミスト爆発が考えられる。 | 0 | 3 | 油圧モーター実験室 | 油圧モーター試作機 | 油圧機器用作動油 | 静電気火花 | 試運転 | |
268 | 1992 | 総合工事業 | 一般土木建築工事業 | 東京都 | ビル竣工後1年目の点検作業で、メタンガスの臭いがするため厨房職員休憩室の床にある点検口を開け地下ピットに1名が入り、懐中電灯で調べたのに続き、もう1名が降りて照明としてライターの火をつけたところ、ピット内のガスに引火爆発し、後者が死亡した。原因は、床下ピット内に都市ガスが緊急遮断弁から微量に漏れて滞留していたためとみられる。 | 1 | 2 | 厨房職員休憩室 | 地下ピット | 都市ガス | ライターの火 | 点検作業 | |
269 | 1992 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 大阪府 | 電気炉溶解工場の30t電気炉で銑鉄の溶解作業中、電気炉下部鉄板部分が赤熱したのでエア冷却作業中にその部分から溶鋼が漏出して、一部が飛散し、エア冷却ホースを増設していた作業員に降りかかった。原因は、保守が不十分で、耐火物の摩耗交換が遅れて冷水管を溶かして水と接触し、小規模の水蒸気爆発が起きたとみられる。 | 0 | 3 | 電気炉溶解工場 | 電気炉 | 溶鋼 | 水蒸気爆発 | 溶解 | |
270 | 1992 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 茨城県 | エチレンプラントのナフサ分解炉において、配管清掃作業の準備で原料供給配管のドレン弁を微開したところ石油ナフサが流出し、その対処作業中にドレン弁の階下約10mにある高温の急冷熱交換器の接続フランジに滴下し接触、着火して火災が発生した。原因は、引き継ぎが不徹底で作業者が作業段階を誤解し、誤解した作業段階どおりでない異常のため内容物を確認しようとしてドレンを開けたためである。 | 0 | 0 | エチレンプラントのナフサ分解炉 | ドレン弁 | 石油ナフサ | 高温の急冷熱交換器 | 配管清掃作業の準備 | |
271 | 1992 | 繊維・機械器具・建築材料等卸売業 | 機械器具卸売業 | 島根県 | 病院の人工透析機械室内において、人工透析装置のフィルター交換作業中に警報が鳴り、透析用温水加熱装置の逆止弁を閉めて漏水を点検中、突然温水装置が破裂した。原因は、加熱制御器が系年劣化により故障していて加熱が継続され、弁を閉めたので閉塞状態になっており、破裂したもの。メーカーや販売業者は温水ボイラーとして認識しておらず、ボイラー則を遵守してなく、安全弁や逃がし弁がなかった。 | 0 | 1 | 人工透析装置 | 温水加熱装置 | 閉塞 | 点検 | ||
272 | 1992 | 窯業・土石製品製造業 | 分類不能 | 愛知県 | 木造2階建て工場内において、金属製治具を有機溶剤の入った洗浄液で超音波洗浄していたところ、超音波洗浄機から出火し、工場を全焼した。消火作業中に1名が煙に巻かれて焼死し、2名が火傷を負った。 | 1 | 3 | 工場内 | 超音波洗浄機 | 有機溶剤 | 洗浄、消火作業 | ||
273 | 1992 | 化学工業 | 医薬品製造業 | 千葉県 | 実験工場内で過酢酸を用いてキトサン(カニやエビ・ロブスターの殻を塩酸とアルカリで処理し、さらに濃アルカリで熱処理したもの)を低分子化する実験を行っていたところ反応釜が爆発し、その爆風で吹き飛ばされて被災した。原因は、被災者が分解反応の進行の程度を見るために反応液の粘度を別室で測定している間に反応液の温度が暴走反応により上昇し、110℃でついには過酢酸の爆発に至ったものである。 | 1 | 1 | 実験工場 | 反応釜 | 過酢酸 | 暴走反応 | 実験 | |
274 | 1992 | 金属鉱業 | 非鉄金属鉱業 | 北海道 | 鉱山の坑口から約1400m、地下約600mの切羽で新規鉱脈開発のため発破を行ったところ、岩盤内部に高温空気の溜まりがあり(周辺一帯は温泉地)、ガス突出により高温空気が坑内を走り、切羽より約180mの地点で発破の点火作業をした1名とさらに200m離れた地点でずり出し作業中の1名が熱風により火傷を負い、死亡した。 | 2 | 2 | 鉱山 | 切羽 | 高温空気 | ガス突出、高温物との接触 | 発破 | |
275 | 1992 | 農業 | 施設園芸農業 | 福岡県 | カーネーションの栽培農家において、気温が低いのでビニールハウス用の消毒・温水兼用暖房機を運転中、運転開始から約30分後に暖房機のボイラーが破裂し、本体が飛散した。原因は、半年間使用していなかった暖房機を始業前点検をせずに運転し、バルブの開閉ミスあるいは配管の腐食により閉塞状態となっていて、圧力上昇に耐えきれずに破裂したとみられる。なお、安全弁は設置以来点検がなされていなかった。 | 0 | 0 | ビニールハウス | 温水兼用暖房機 | 閉塞 | 運転中 | ||
276 | 1993 | 医療業 | 病院 | 北海道 | 配管ピット内において、ボイラーからの温水配管の漏れを止めるため圧着ソケットを取り付けて配管補修中、配管の腐食部より温水が噴き出した。 | 1 | 配管ピット | 配管の腐食部 | 温水 | 腐食、高温物との接触 | 配管補修 | ||
277 | 1993 | 総合工事業 | 建築工事業(木造建築を除く) | 北海道 | 製鋼工場において既存建屋の外壁材などの撤去のため高所作業車上でガス溶断作業中、高所作業車のバケット内に落下してきた樹脂製外壁板がガス溶断の火により炎上した。 | 1 | 製鋼工場 | 建屋の外壁 | 樹脂製外壁 | ガス溶断の火 | 壁材などの撤去 | ||
278 | 1993 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 神奈川県 | 就寝中、建設業の寄宿舎2階から出火し、2階部分約200平方mを焼き、1人が自室で焼死し、3人が火傷を負った。出火原因は放火とみられる。 | 1 | 4 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 放火 | 就寝中 | ||
279 | 1993 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 北海道 | 製油所の桟橋に着岸した小型ケミカルタンカーにナフサの積み込み中、ポンプ室内にナフサが漏洩したので緊急停止したが、4分後機関室付近で爆発火災が起き、船内にいた8名が死傷した。原因は、前回の積荷を降ろした後のストレーナー洗浄時、ふたの締付けが不十分なため軽質ナフサが漏れ、シャフトのすき間から機関室へ流入し、気化して電気機器の電気火花により爆発したとみられる。 | 4 | 8 | 製油所の桟橋 | 機関室 | 軽質ナフサ | 電気機器の電気火花 | ナフサの積み込み | |
280 | 1993 | 織物・衣服・身の回り品小売業 | 靴・履物小売業 | 埼玉県 | 安全靴や手袋、作業着、安全帯を販売する会社の事務室(鉄骨モルタル平屋建て、兼倉庫)で被災者が石油ストーブに給油する際、ストーブを消火せずに行ったため、給油していた灯油にストーブの炎が引火したもの。 | 1 | 1 | 事務室 | 石油ストーブ | 灯油 | ストーブの炎 | 石油ストーブに給油 | |
281 | 1993 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 茨城県 | 泥土加圧シールド工法にて地下26mでの下水道トンネル工事において、切羽のシールド掘進機のスクリューゲートから、湧水・砂の噴出があり、7名の作業者で噴出止め作業及び排水・排土作業を行っていたところ、爆音及び火炎とともに爆発が起こり、シールド掘進機近くにいた6名が熱傷を負った。原因は、湧水中に溶けていたメタンガスがトンネル内に滞留し、何らかの着火源により小爆発を起こしたことによる。 | 0 | 6 | 下水道トンネル | 切羽 | メタン | 不明 | 排水・排土作業 | |
282 | 1993 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 北海道 | 解体業者が廃船の解体のため、重油タンク上部鉄板をガス切断機で切断しようとしたところ、4m近くの炎が一瞬機関室付近から上がり、切断作業をしていた作業者が着衣火災により翌日死亡した。原因は、目撃者がなく断定できないが、重油タンク内のガスがガス切断器の炎で爆発した形跡が確認できないので、被災者が火が付いたままのガス切断器のそばを歩いた時に油の染み込んだ防寒服に着火したものと思われる。 | 1 | 1 | 廃船 | 着衣火災 | 油の染み込んだ防寒服 | ガス切断器の炎 | ガス切断 | |
283 | 1993 | 電気業 | 発電所 | 福島県 | 原子力発電所内の廃棄物処理建屋において、点検作業のため補助ボイラーの弁の操作をしていたところ、蒸気漏れが発生し、水蒸気を浴びた作業者3名が火傷を負った。 | 1 | 3 | 原子力発電所 | ボイラーの弁 | 水蒸気 | 高温物との接触 | 弁の操作 | |
284 | 1993 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 東京都 | マンションへの都市ガス供給管の取替工事のため、建物外壁に穴あけ作業中、既設ガス管を損傷させたためガスが流出した。作業者が自分らで補修しようとしているうちに爆発した。火災も生じたが消火器で消火した。着火源は、室内で使用していたガス機器か電気機器とみられる。なお、作業員3名のほか、マンション1階喫茶店員1名、住居者と来訪者ら5名が被災した。 | 0 | 9 | マンション | 室内 | 都市ガス | ガス機器か電気機器 | 都市ガス供給管の取替工事 | |
285 | 1993 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 東京都 | 地下約34mのシールド工法によるトンネル掘削工事現場の切羽で突然ガス爆発が起きた。作業には計9人が従事し、最先端で油圧式の掘削機を操作していた5人の内、4人が死亡し1人が熱傷を負った。爆発地点では事故後もガスの湧出が続き、坑内の作業員の救出作業は難航した。原因は、掘進中の坑内に滞留していたメタンガスに電気機器の火花(推定)が着火源となって爆発が生じたことによる。 | 4 | 5 | トンネル掘削工事現場 | 切羽 | メタン | 電気機器の火花 | トンネル掘削工事 | |
286 | 1993 | その他の事業サービス業 | 建物サービス業 | 東京都 | ビルの地下4階で非常用発電機の月例点検のため無負荷運転中、突然非常用発電機の消音器が爆発して、タービン周辺で火災を生じ、約13m離れた所にいた清掃員1名が爆風により軽度の火傷を負った。原因は、タービンの軸受けと、潤滑油の戻り管のネジ接合部のゆるみから、潤滑油が漏れて煙道に入り、排気熱で気化、消音器入口に滞留し、排気熱が着火源となって爆発したものと推定された。 | 0 | 1 | ビルの地下4階 | 非常用発電機の消音器 | 潤滑油 | 排気熱 | 月例点検 | |
287 | 1993 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 神奈川県 | バス会社の営業所(鉄筋コンクリート3階建、耐火構造)内において構内整理係がバス出庫の際に、営業所2階の無人の宿泊室に炎を発見。布団の消火作業にあたった4名が煙を吸い込んで頭痛や呼吸困難の被災。なお消防署によると、出火原因は、当日宿泊していた4人の運転手(被災者とは別人)のいずれかのタバコの不始末と考えられるとのこと。 | 0 | 4 | バス会社の営業所 | 宿泊室 | 布団 | タバコ | 無人 | |
288 | 1993 | 電気機械器具製造業 | 民生用電気機械器具製造業 | 兵庫県 | 電機会社の研究所実験室において自動車排ガス中の窒素酸化物除去装置の実験のため、低濃度オゾンと反応させ生じた二酸化窒素を活性炭で吸着除去していた。連続運転中にオゾン臭を感じたので、漏洩箇所として疑わしい余剰オゾン分解塔を手に持ち実験装置の点検中、フランジ部がはずれ、飛び出して跳ね返った活性炭により被災した。原因は、オゾン化空気を直接活性炭に通ずると一定条件下では活性炭が発熱反応して昇温爆発するため。 | 0 | 1 | 研究所実験室 | オゾン分解塔 | 活性炭、オゾン | 発熱反応 | 実験装置の点検 | |
289 | 1993 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 三重県 | 灯油・軽油原料中の硫黄分を水素添加して脱硫する灯軽油水添脱硫装置プラントを運転中、原料の予熱熱交換器の接合部に高さ約50cmの火炎を巡視中の作業員が発見した。原因は、熱交換機のフランジ接合部のシール性を良くするための突起が磨耗しており、水素及び高温軽油原料が漏れ、静電気火花により着火したと推定される。なお、磨耗は前々回の定期修理の際に既に確認されていたが、これが前回の際に伝達されなかった。 | 0 | 0 | 灯軽油水添脱硫装置 | 原料の予熱熱交換器 | 水素及び高温軽油原料 | 静電気火花 | 運転中 | |
290 | 1993 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 神奈川県 | 鉄鋼会社において歩道の修理作業中、陸揚げされた原料炭の搬入設備のベルトコンベアのゴム製ベルト及びその覆い(FRP)が燃えた。コンベアの10m上方で行っていた溶接火花が落下して引火したもの。コンベアは、工事中で運転は中止していた。 | 0 | 0 | 原料炭の搬入設備 | ベルトコンベア | ゴム製ベルト、FRP | 溶接火花 | 修理作業 | |
291 | 1993 | 金属製品製造業 | 分類不能 | 大阪府 | 工場内で石油ストーブの火が着衣に燃え移って死亡した。 | 1 | 工場内 | 石油ストーブ | 着衣 | 石油ストーブ | |||
292 | 1993 | その他の事業サービス業 | 建物サービス業 | 大阪府 | 6階建て飲食店ビル内の2階飲食店で開店準備中にガス臭に気付き管理会社に通報した。管理会社の3名が3階配管室(1~5階まで吹き抜け)内を見たところ配電用ケーブルから煙が出ていた。消火しようとした時にガス爆発が起きて火災となった。この爆発で点検中の3名が火傷を負ったほか、2階飲食店と隣接ビル建設現場で計3名が飛散物により負傷した。原因は、ガス管から漏れたガスがケーブルの火により着火したとみられる。 | 0 | 5 | 飲食店ビル | 配管室 | ガス | 火 | 開店準備、点検 | |
293 | 1993 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 千葉県 | 重油間接脱硫装置の通常運転中、フィードフィルター(重油のゴミなどを除去)の切り換え弁から油が下に垂れて白煙が上がっているのを巡視中の作業者が発見。直ちにフィルター装置のブロック操作を行っていたところ発火し、シャットダウンを行った。原因は、切り換え弁のボンネットフランジ取り付け時のトルクの過多のため、フランジボルト4本のうち2本が折れ、ここから漏れたものと思われる。 | 0 | 0 | 重油間接脱硫装置 | 切り換え弁 | 重油 | 通常運転 | ||
294 | 1993 | 化学工業 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 | 東京都 | 石けん製造工場において石けん合成工程の模様をテレビ放映用に撮影中、醤油油と苛性ソーダ水溶液を混合撹拌してから約5分後、石けんがエタノールを噴出しつつ湧き上がったので局所排気装置を作動させようとした瞬間、ライトが強い閃光を放って割れ、続いて爆発音がして火災となり、取材スタッフ5名が火傷を負った。原因は、反応で生成したエタノール蒸気がけん化釜上部の撮影用照明ライトの熱で発火したとみられる。 | 0 | 5 | 石けん製造工場 | けん化釜 | エタノール | 撮影用照明ライトの熱 | 石けん合成工程 | |
295 | 1993 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 岩手県 | 工場内の低周波誘導炉でフェロマンガンを溶解中、材料装入量が多かったため棚吊り状態となり、炉内温度が異常に上昇し、耐火材を侵食して導体コイルを溶融した。その結果、溶融金属と冷却水が接触して、水蒸気爆発を起こして溶融物が噴出し溶解作業中の被災者が熱傷を受けた。 | 1 | 2 | 工場内 | 低周波誘導炉 | 溶融金属 | 水蒸気爆発 | 溶解 | |
296 | 1993 | 職別工事業(設備工事を除く) | 塗装工事業 | 秋田県 | 被災者は、墓地公園内の塗装工事の終了に伴い、墓地公園内のゴミ焼小屋に置いてあった塗料缶、シンナー缶及び付近のゴミを片付ける作業を命ぜられ、墓参者が持参使用した花、供物等のゴミの焼却中、焼却炉にラッカーシンナーを注いだためか、炉の近くにふたをしないまま放置していたかのために18リットルシンナー缶が焼却炉の火により着火して破裂し、缶のシンナーを浴び、全身火傷を負って死亡したもの。 | 1 | 1 | 墓地公園内のゴミ焼小屋 | シンナー缶 | ラッカーシンナー | 焼却炉の火 | ゴミの焼却 | |
297 | 1993 | 一般機械器具製造業 | その他の機械・同部分品製造業 | 福岡県 | 電磁弁製造会社の電磁石用コイル製造工場において、社員と研修生の2名が敷地内の焼却炉でコイルについたワニスの乾燥に使った金網を焼いて、金網に付着したワニスを除く焼却テスト中、火力が弱かったので工業用アルコールを振りまき焼却することにしたところ、炉の火により研修生の着衣に引火して火傷死した。 | 1 | 1 | 電磁石用コイル製造工場 | 焼却炉 | 工業用アルコール | 炉の火 | 焼却テスト | |
298 | 1993 | 飲食料品小売業 | 各種食料品小売業 | 佐賀県 | スーパーマーケットの調理室においてLPGボンベの交換作業をしていた燃料小売店の労働者(営業職)が誤ってボンベ(8キロ)のバルブを閉めたつもりで開いたままゴムホースをはずしたため、残留ガスが噴出し調理室内にガスが充満した。直ちに使っていた火を消し換気を行うべく窓を開けたが、冷蔵庫もしくはラップ加熱器の電気火花により引火爆発したもの。 | 0 | 3 | スーパーマーケットの調理室 | 調理室内 | LPG | 電気火花 | ボンベの交換 | |
299 | 1993 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 長野県 | 資材置場において、型枠材に使用したコンパネ等の廃材の焼却作業のため、バックホーで掘った地面の穴の中のたき火に1人で投げ入れていた際、衣服に火が燃え移り全身火傷を負った。同僚に発見された時には、座り込む形で全身が火だるまとなっていた。目撃者がなく断定できないが、穴に転落していないので必要以上に火に近づいたため、コンパネの剥離剤が付着していた作業着に燃え移ったものと推定される。 | 1 | 1 | 資材置場 | 地面の穴 | 剥離剤が付着していた作業着 | たき火、高温物との接触 | 廃材の焼却作業 | |
300 | 1993 | 窯業・土石製品製造業 | 陶磁器・同関連製品製造業 | 三重県 | 焼成作業場の陶磁器の焼成窯において、台車に積んだ素製品を窯に入れた。焼成作業のため、燃料のブタンガスボンベの元栓及び同気化器の栓を開き、さらに20ケのバーナーを順次開きながら点火するのが標準手順だが、作業者が点火棒での点火に先だち灯油に浸した軍手に火を付けて窯へ投げ込んだところ突然爆発した。原因は、前回にバーナーの栓を閉め忘れ、元栓を開けた時からガスが流出し、窯内にLPGが充満していたためである。 | 0 | 1 | 焼成作業場 | 焼成窯 | LPG | 火 | 焼成作業 | |
301 | 1993 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 広島県 | 山林の境界線を確定するため被災者1名で伐採作業をしていたところ、被災者のたき火の不始末が原因で山火事となった。事業者が避難を指示したが被災者は消火作業を続け、火に巻かれて焼死した。火災は、翌日に鎮火。 | 1 | 1 | 山林 | 山林 | たき火 | 高温物との接触 | 伐採作業 | |
302 | 1993 | 電気機械器具製造業 | 分類不能 | 福岡県 | 工場内の廃棄物保管用倉庫で火災が発生し、消火活動にあたった作業員が煙を吸い込んで被災した。 | 0 | 6 | 工場内 | 廃棄物保管用倉庫 | 保管、消火活動 | |||
303 | 1993 | 設備工事業 | 電気工事業 | 福岡県 | コークス製造プラントの増設工事でベルトコンベアーの工事中、鉄工会社の作業員が建設中のベルトコンベアーの架台の3階部分でガス溶断をした際に、溶断の火か破片が落下し、真下の木製作業床に置いてあったスポット溶接部の錆止用塗料缶の中に入り塗料の有機溶剤に引火した。そのため、付近の2階で配線作業中の被災者が2階の床から約2m高にあった作業床上の塗料缶の消火をしようとしたが、着衣火災となり死亡した。 | 1 | 1 | コークス製造プラント | 建設中のベルトコンベアー | 塗料の有機溶剤 | 溶断の火か破片 | ガス溶断、消火 | |
304 | 1993 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 福岡県 | ガラス工場においてソーダ灰塩安設備の蒸留塔に不調があり、運転を停止して原因と推定されたヒートトラップの堆積炭酸カルシウムと土砂等の点検除去のため、労働者2名が塩化カルシウム水溶液排出点検用マンホールを少し開けたが溶液(80~90℃)が少しずつしか流出しないので30cm程開けたところ溶液が流れ出て、足場から飛び降りて逃げる際に液を浴びた両名が被災、うち1名が後日死亡した。 | 1 | 2 | ソーダ灰塩安設備の蒸留塔 | ヒートトラップ | 塩化カルシウム水溶液 | 高温物との接触 | 堆積炭酸カルシウムと土砂等の点検除去 | |
305 | 1993 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 千葉県 | 就寝中、事業所付属の2階建て寄宿舎から出火。同寄宿舎を全焼して、寄宿していた7名のうち2名が焼死した。警察署によれば、1階に寄宿していて死亡した被災者のタバコの火の不始末が出火原因と考えられる。警報装置は備えてあったが作動しない状況にあった。 | 2 | 2 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | タバコ | 就寝中 | ||
306 | 1993 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 茨城県 | エチレンプラント内において炭酸カリウム溶液タンクの濃度調整のため、タンク上部マンホールより炭酸カリウム粉末を投入したところ、タンク内の溶液が沸騰していたためその蒸気圧で投入した粉末がマンホールから吹き出し、作業者が粉末を浴びて化学熱傷などにより被災した。 | 0 | 7 | エチレンプラント | 炭酸カリウム溶液タンク | 炭酸カリウム粉 | 高温物との接触 | 投入 | |
307 | 1993 | 運輸に附帯するサービス業 | 貨物運送取扱業 | 大分県 | アリルアルコールをドラム缶充填所でドラム缶に充填していたところ、作業員が吹き出してきたアリルアルコールを浴びて被災した。 | 0 | 3 | ドラム缶充填所 | ドラム缶 | アリルアルコール | 高温物との接触 | ドラム缶に充填 | |
308 | 1993 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 広島県 | 産業廃棄物あるいは処理依頼の形で回収した使用済みトルエンを減圧蒸留設備を用いて常圧下で蒸留作業中、装置内を大気圧にするために開放したバルブから液体のトルエンが漏洩して防油提内に溜まり、何らかの原因(電気火花?)で燃え上がった。漏洩原因は、回収したトルエンが低沸点の成分を通常よりも多量に含有しており、1次コンデンサーで還流しきれない分が、最終的に大気への唯一の開放部から吹き出たためである。 | 0 | 3 | 減圧蒸留設備 | 防油提内 | トルエン | 電気火花 | 蒸留作業 | |
309 | 1993 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 大阪府 | 鋳造所において、るつぼ炉が割れて溶湯が漏れていたので、るつぼ炉内の溶湯を型に流し入れた後、るつぼ炉と炉窯の間に漏れた溶湯の除去をしようと炉窯の蓋を開けた。溶湯はピット底に流れ落ち、溜まっていた水と接触して水蒸気爆発が起きた。この爆発で作業者が死亡し、見ていた労働者が負傷した。平常時のピット内は乾燥していたが、雨天が続くと地下水により水が溜まる状態だった。 | 1 | 2 | 鋳造所 | ピット | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 溶湯の除去 | |
310 | 1993 | 繊維工業(衣服、その他の繊維製品を除く) | ねん糸製造業 | 石川県 | 被災者が死亡し詳細不明だが、工場内の耐火レンガ製焼却炉を用いて、紙製の筒などのゴミの焼却中、燃焼状態を見ようと炉の扉を開いた際、流入した空気により急激な燃焼(バックフラッシュ)が生じ、開いた扉に頭部・胸部を強打された被災者がはねとばされて死亡したと推定される。原因は、空気調整用のはめ込み蓋があるが、残灰により塞がれた状態なのでくすぶり燃焼をし、扉を開いた際に急激に燃え上がったものとみられる。 | 1 | 1 | 工場内 | 焼却炉 | ゴミ | バックフラッシュ | ゴミの焼却 | |
311 | 1993 | 化学工業 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 | 兵庫県 | 塗料用顔料製造工場にて、アルミニウム粉、オレイン酸、ステアリン酸、ミネラルスピリットからアルミペーストの半製品を作るボールミルにおいて、3基のうち調子の悪い1基を修理するため、ミルのエア抜きバルブを取り外し、そこから製品を抜こうとした時、爆発、火災となった。原因は、ミルの摩擦で温度が高くなっていたミネラルスピリットが気化し、修理作業中の工具の衝撃火花で着火、爆発したものと推定される。 | 1 | 1 | 塗料用顔料製造工場 | ボールミル | ミネラルスピリット | 工具の衝撃火花 | 修理作業 | |
312 | 1993 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 山口県 | 浮きクレーン台船上の花火打ち上げ現場において花火の打ち上げ作業を行っていたところ、打ち上げようとしていた花火が爆発した。 | 0 | 3 | 台船上の花火打ち上げ現場 | 花火打ち上げ現場 | 花火 | 花火の打ち上げ | ||
313 | 1993 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 福岡県 | 溶解炉に原料アルミニウム屑をフォークリフトで投入直後に爆発が起こり、作業者及び製造工場内の労働者が被災した。原因は、フレコンバッグ(約1t)に入れて屋外に保管してあった原料に水が混入していたため、水蒸気爆発を起こしたものと推定される。また、水分と高温の溶解アルミニウムが反応して発生した水素ガスの爆発で一部のアルミニウムが燃焼し白く光ったものと思われる。 | 1 | 14 | 製造工場 | 溶解炉 | 溶解アルミニウム、水素 | 水蒸気爆発 | 溶解 | |
314 | 1993 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 大阪府 | ガソリン水添設備の定期補修を行うため運転停止操作を行っていた。昇温、昇圧された循環水素気流中で有機硫黄化合物の水添脱硫を行う2次水添反応器の降温、降圧操作中、反応器の上部フランジ付近から炎が吹き出した。原因は、前回の検査工事の際にボルトの締め付けが不足していた部分があり、そこから降温、降圧に伴う金属の収縮のために水素が漏洩し、静電気により発火したものと推定される。 | 0 | 0 | ガソリン水添設備 | 反応器の上部フランジ付近 | 水素 | 静電気 | 定期補修 | |
315 | 1993 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 愛媛県 | 半導体封止材用のエポキシ樹脂製造設備において、蒸留により回収したジメチルスルホキシド(DMSO)を入れた溶剤回収槽の内圧が上昇破裂し、ブリーザー弁から噴出した可燃性ガス・蒸気に着火・爆発した。原因は、溶剤回収糟にエピクロロヒドリン、ジオキサンが混入しており、DMSOの凝固を防ぐための回収糟の保温により異常化学反応が進行し、加速度的に温度及び内圧が増大して破裂したと思われる。 | 1 | 4 | エポキシ樹脂製造設備 | 溶剤回収槽 | ジメチルスルホキシド、エピクロロヒドリン | 異常化学反応 | 回収糟の保温 | |
316 | 1993 | 繊維工業(衣服、その他の繊維製品を除く) | 染色整理業 | 山形県 | 第一種圧力容器の染色槽で合成繊維生地を自動運転により染色作業中に圧力容器のふたが急に開き、内部のケーシングや生地とともに熱湯が噴出して約20m離れた位置の作業者にまで降りかかり3名が被災した。原因は、自動開閉装置によって制御されている上下フランジの下側の締め付けが、異物の噛み込みか低空気圧のため固定不完全で、これをリミットスイッチで検出できず、そのまま次の動作を続けたためとみられる。 | 0 | 3 | 染色槽 | 圧力容器のふた | 熱湯 | 固定不完全、高温物との接触 | 自動運転 | |
317 | 1993 | 総合工事業 | 建築工事業(木造建築を除く) | 山形県 | 地上3階地下1階の雑居ビルにおいて、内・外装の改装と下水管工事中、火災報知器の鳴動とともに地階で爆発が起こり、ビル内の16名のうち地階3名、地上1階の8名が火傷を負い、うち1名が死亡した。原因は、地階レストランの厨房床下の雑排水槽の中を通っているLPG配管の亀裂から漏れたLPGが地階に滞留し、下水管工事のグラインダー火花で着火爆発したのではないかとみられる。 | 1 | 11 | 雑居ビル | 雑排水槽 | LPG | グラインダー火花 | 下水管工事 | |
318 | 1993 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 広島県 | 造船会社のドッグにおいて鉱石運搬船の船倉と船倉の間の空間内で吹付塗装中に出火し、自力で脱出したが全身火傷で約半年後に死亡した。原因は、塗装を行っていた空所はマンホールと工事穴を介して船倉につながっており、送風により塗料溶剤蒸気が流れ出る工事穴付近に滞留すると同時に、船倉内で行っていた溶接作業後の仕上げ研磨の火花が落下したため、着火爆発したものとみられる。 | 1 | 1 | 造船会社のドッグ | 船倉と船倉の間の空間 | 塗料溶剤 | 研磨の火花 | 吹付塗装 | |
319 | 1993 | 繊維工業(衣服、その他の繊維製品を除く) | 染色整理業 | 新潟県 | 工場内のフッ素系防水剤に浸した反物を温風により乾燥する反物防水加工乾燥装置において、出口からの反物が乾燥していないことに気付き、装置を点検し故障を発見したので、作業を停止しようと出口側の反物を巻きとっているときに爆発した。原因は、作業者の1名が廃液回収装置の排気の具合いを調べようとタバコの火を近付けたためか、除電装置を切って巻き取ったために発生した静電気により、乾燥装置内の石油系有機溶剤に引火したものらしい。 | 1 | 3 | 工場内 | 反物防水加工乾燥装置 | 石油系有機溶剤 | タバコの火、静電気 | 点検 | |
320 | 1993 | 総合工事業 | 木造建築工事業 | 山梨県 | 作業を終えて事業場に戻り、事業所内の空地でたき火をして工事現場で出た廃材などの焼却をしていたが、雨が降っていてよく燃えなかったので、シンナーの入った18リットル缶を探し出して振りかけたところ缶に引火した。あわてた作業者が缶を後方へ投げ捨てたところ、缶が破裂し、付近にいた別の作業者に2名にシンナーがかかり、火傷を負ったもの。作業者1名は約3週間後に死亡した。 | 1 | 2 | 事業所内の空地 | 18リットル缶 | シンナー | たき火 | 廃材などの焼却 | |
321 | 1993 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 埼玉県 | 工場構内の木造2階寄宿舎から出火し、焼死した。 | 1 | 工場構内 | 寄宿舎 | 寄宿 | ||||
322 | 1993 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 岐阜県 | 産業廃棄物処理会社の構内で産業廃棄物運搬車(バキュームダンパー車)のタンクの後部ハッチの給排用コック弁の取替作業において、構内事業所の作業者がボルトをガス溶断器で切断中、突然タンクが爆発して飛ばされ、コンクリート床に激突死した。原因は、タンク内にあった残留廃油(有機溶剤系、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等含有)が気化し、ガス溶断の火花がタンク内に入り着火爆発したため。 | 1 | 2 | 廃棄物処理会社の構内 | 産業廃棄物運搬車 | 残留廃油 | ガス溶断の火花 | 給排用コック弁の取替作業 | |
323 | 1993 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 沖縄県 | 農地開発工事現場において、セメント練りの際の水溜めに使用するため、使用済みドラム缶の上蓋をアセチレンガス溶断しようと密閉されていたドラム缶に火入れをしたところ、ガス溶断の火花によってドラム缶が爆発し、上蓋が作業者の頭部に当たって死亡した。原因は、ドラム缶が以前軽油入れに使用されていて炎天下で軽油蒸気が充満していたためと思われる。 | 1 | 1 | 農地開発工事現場 | 使用済みドラム缶 | 軽油 | ガス溶断の火花 | ガス溶断 | |
324 | 1993 | 窯業・土石製品製造業 | 陶磁器・同関連製品製造業 | 岐阜県 | 外装用陶器タイルは焼き上がり後、1週間放置してから焼成釜から取り出すが、商品納入の都合から2日後に釜から運搬台車を引き出すこととなった。工場内で台車ごと引き出し、さらに大型の台車に載せて移動中、所定の位置に完全に停止する前に台車のストッパーを掛けたために急ブレーキがかかり、その反動で引っ張っていた作業員の側に台車上のタイル(約180℃)などが倒壊して崩れ落ち、手足などに火傷を負った。 | 0 | 3 | 工場内 | 運搬台車 | 陶器タイル | 倒壊、高温物との接触 | 運搬 | |
325 | 1993 | 一般機械器具製造業 | 建設機械・鉱山機械製造業(建設用・農業用・運搬用トラクタを含む) | 高知県 | 工場内においてクラムシェルの35tグラブバケット製作のために、同グラブバケット内においてアーク溶接の作業をしていたところ、生じたアーク溶接の火花(スパッタ)が着衣内に入って着火し、熱傷を負い死亡した。被災者は空気の供給を受ける冷房服を着ており、衣服内部での燃焼を助長したとみられる。 | 1 | 1 | 工場内 | グラブバケット内 | 着衣 | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
326 | 1993 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 京都府 | 河川岸の傾斜地で伐採した樹木の焼却作業を6名で行っていた。うち3名が焼却のたき火の勢いを強くするため古タイヤを差し込む作業をしていたところ、被災者が足元の安定のために乗っていた直径50cmの木(前日も使用していた)が転がったため、すぐ下の焼却場所に転落した。落ちた被災者はともに落ちた木の下敷きになったため逃げるのが遅れ、全身火傷を負い死亡した。 | 1 | 1 | 河川岸の傾斜地 | 焼却場所 | たき火 | 転落、高温物との接触 | 伐採した樹木の焼却作業 | |
327 | 1993 | 道路貨物運送業 | 一般貨物自動車運送業 | 徳島県 | トラックターミナルにおいて、屋外保管していたジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びポリエーテルの廃液をメーカーに送り返すため、集配会社が集荷し保管中、ドラム缶5本のうち1本が破裂した。原因は、屋外保管中に湿った外気が入って結露水が溜まり、これが整理・運搬時の振動で撹拌されMDIが水との化学反応で発生した二酸化炭素の圧力でドラム缶が破裂したと思われる。静置時は尿素化合物の薄い皮膜ができ、反応が進まなかった。 | 0 | 0 | トラックターミナル | ドラム缶 | ジフェニルメタンジイソシアネート | 水との化学反応 | 屋外保管 | |
328 | 1993 | 一般機械器具製造業 | 特殊産業用機械製造業 | 大阪府 | 工場内作業場において二重底構造のタンクの外側の底の部分の溶接を上下逆さにしてタンクに乗って溶接中、この溶接によって密閉された空間が爆発し飛ばされて死亡した。タンクは底の溶接部が剥がれて開き横倒しとなった。原因は、被災者とは別の作業員が二重底空間に錆止め塗装を行っており、塗料の有機溶剤(主成分トルエン)が充満して、これがアルゴン溶接の火花により着火爆発したとみられる。 | 1 | 1 | 工場内作業場 | 二重底構造のタンク | 有機溶剤 | 溶接の火花 | アルゴン溶接 | |
329 | 1993 | 鉄鋼業 | 高炉による製鉄業 | 千葉県 | ステンレス工場屋外硝酸タンク傍通路上で前日、濃硝酸貯蔵タンクの漏れがあるのでタンクローリー車へ濃硝酸の移送中、払い出し弁で漏洩があり発火したので、これを消火した。翌日の消防署の検証のため現場を保存したところ、深夜にローリーから黒煙が上がり関係者が退避後、タンクローリーが爆発炎上した。原因は、1回目が濃硝酸による弁内部の天然ゴム製ライニングの腐食と自然発火、2回目はFRPの腐食と前回の残存廃塩酸中の鉄との反応で発生した水素とみられる。 | 0 | 0 | ステンレス工場屋外硝酸タンク傍通路上 | タンクローリー | 天然ゴム、濃硝酸、水素 | 自然発火 | 濃硝酸の移送 | |
330 | 1993 | 化学工業 | その他の化学工業 | 宮崎県 | 火薬工場の硝化工室内において、硝化綿(ニトロセルロース)の製造にて、装置を停止して新規除酸機を試運転中、硝化機から茶色っぽいガスが出て次第に多くなり、やがて硝化機のふたが飛び、内部から窒素酸化物のガスと混酸が噴出し、作業員5名が被災した。原因は、硝化機は4日未満の停止なので内容物をそのままにしており、混酸を含んだ硝化綿が自然分解して生成したガスにより内圧が上昇したためと推定された。 | 0 | 8 | 火薬工場の硝化工室内 | 硝化機 | 硝化綿 | 自然分解 | 試運転 | |
331 | 1993 | 窯業・土石製品製造業 | ガラス・同製品製造業 | 神奈川県 | 強化ガラス製造工場内において、オートクレーブの中で合わせガラスの圧着作業中、オートクレーブの蓋(直径2.7m)が圧力により約30m飛んで隣接工場の3階に落下した。この破裂の際、付近にいた作業者4名が吹き飛ばされて全身を打ち、死傷した。 | 3 | 4 | 工場内 | オートクレーブ | なし | 圧力 | ガラスの圧着 | |
332 | 1993 | 窯業・土石製品製造業 | セメント・同製品製造業 | 大分県 | 製鉄工場内の水砕製造場所では水砕樋を流れてきた高温のスラグにノズルで高圧の水を吹きかけて小さな粒とするが、ノズルの目詰まりのため被災者がノズルの分解清掃をしていた。応援を求められた同僚が手伝おうとしたが、被災者はおらず探したところ、水砕樋中に仰向けに倒れていた。原因は、水砕樋内は高温かつ高湿度であり、約40分間にわたり作業したため、致死的な疾病を生じて倒れ、高温環境により被災したものと推定される。 | 1 | 0 | 製鉄工場内の水砕製造場所 | 水砕樋 | なし | 致死的な疾病、高温環境 | ノズルの分解清掃 | |
333 | 1993 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 千葉県 | 重油脱硫装置の通常運転中、パトロール員がフィードフィルターから原料重油が漏れて白煙を発しているのを発見し、手動弁で原料流入をブロック操作中に発火した。原料フィードフィルターは原料中のゴミを除去するもので、自動的に切替弁が動作して逆洗するが、この切替弁のボンネットフランジを締付けるボルト4本のうち2本が延性破壊したために原料油が流出し、空気に触れて自然発火したとみられる。 | 0 | 0 | 重油脱硫装置 | 原料フィードフィルター | 重油 | 自然発火 | 通常運転中 | |
334 | 1993 | 娯楽業(映画業を除く) | 競輪・競馬等の競争場 | 徳島県 | 競輪場の清掃係が場内で集めたゴミを分類し、可燃ゴミを焼却炉で燃やしていたところ、ゴミの中にスプレー缶(300cc、噴射剤はLPGとジメチルエーテル)が入っていたため、焼却火炎により爆発した。焼却炉近くにいた2名が熱傷、1名が飛んで来たスプレー缶に当たり軽傷を負った。なお、ビニール袋やダンボール箱等は中味を確認せずそのまま焼却炉に投入していた。 | 0 | 3 | 焼却炉 | スプレー缶 | LPGとジメチルエーテル | 焼却火炎 | 焼却 | |
335 | 1993 | 商業 | 分類不能の産業 | 北海道 | 1階倉庫より出火し、隣の事務室から2階の事業主宅へ知らせに行ったところ、煙に巻かれ死亡した。 | 1 | 倉庫 | 倉庫 | |||||
336 | 1993 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 三重県 | AES樹脂プラントにおいて生産品種切換のための洗浄作業を終了し、生産再開準備中、触媒調整槽の安全弁より突然白煙が吹き、触媒供給ポンプを停止したが噴出が激しくなり、6分後に触媒供給槽が破裂し火災となった。原因は、プラント停止時に触媒供給ポンプを停止し忘れ、循環し続けた触媒の温度がポンプエネルギーにより次第に上昇し、やがて発熱的に分解爆発したと考えられる。触媒のBAM値は55℃。 | 0 | 0 | AES樹脂プラント | 触媒供給槽 | 触媒 | 分解爆発 | 生産再開準備中 | |
337 | 1993 | 石油製品・石炭製品製造業 | その他の石油製品・石炭製品製造業 | 京都府 | ガソリンスタンドや自動車整備工場から回収した廃油を水分、油分、スラッジに分離し油分を再生油とする油再生工場内において、加温し遠心分離する再生作業を単独で実施中に突然爆発し、火だるまの被災者を救助したが2日後に死亡した。原因は、廃油貯蔵タンクの油に引火点19℃の油が含まれており、タンク上部は全面開放なので低沸点油の廃油蒸気が工場内に充満し、何らかの原因により発火したとみられる。 | 1 | 1 | 油再生工場内 | 廃油貯蔵タンク | 廃油蒸気 | 不明 | 再生作業 | |
338 | 1993 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 岐阜県 | 活性汚泥法による下水処理場のボイラー室内において、管工事業者が汚泥加温用ボイラーの燃料用汚泥ガス(主成分はメタン)配管を点検清掃のため取り外して内部のスケールを取り除いた。その配管を取り付ける前に弁までガスが来ていることを確かめようと家庭用扇風機によりガスを拡散させながら弁を1分ほど開き、ガスの流出を確認して弁を閉じ、扇風機のスイッチを切った時にスイッチの電気火花によって爆発した。室内にガスが滞留していたとみられる。 | 1 | 2 | 下水処理場 | ボイラー室内 | 汚泥ガス | スイッチの電気火花 | 点検清掃 | |
339 | 1993 | 非鉄金属製造業 | その他の非鉄金属製造業 | 岡山県 | 粉砕工場内のアルミニウム・マグネシウム合金粉末製造設備において、合金塊のフレコンをクレーンにより原料ホッパーに投入して粉砕中、鉄製のホッパーとの間で衝撃火花が発生、ホッパー下の堆積粉じん等が燃えた。乾燥砂で消火し外から火は見えなくなったが、30分程して密閉型ベルトコンベアー内で爆発した。ベルトが焼き切れるまで時間がかかり、切れると同時に堆積粉が舞い上がり、粉じん爆発が発生したと推定される。 | 1 | 2 | 粉砕工場 | 密閉型ベルトコンベアー | アルミニウム・マグネシウム合金粉 | 衝撃火花 | 粉砕 | |
340 | 1993 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 京都府 | 建設業の付属寄宿舎(木造2階建て)の1階炊事場において、翌日の昼食の副食物を調理するため加熱していた中華鍋の食用油にガスコンロの火が引火し、燃え広がって全焼し、2階寝室で就寝していた労働者23名のうち12名が死傷したもの。警報装置はなかった。 | 6 | 12 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 食用油 | ガスコンロの火 | 調理 | |
341 | 1993 | 自動車整備業 | 自動車整備業 | 埼玉県 | 自動車整備工場内において、乗用自動車の燃料タンク内のガソリンの抜取作業のため、燃料パイプのフィルタ部を取り外し、そこへビニールホースをつないで抜取中、車体後方燃料ポンプにつないた外部バッテリーからのコードが外れ、発生した電気火花により、付近の床上にこぼれていたガソリンに引火し、火災となった。この火災で工場中2階事務所の事務員1名が逃げ遅れて焼死し、工場内で整備業務を行っていた2名が火傷を負った。 | 1 | 3 | 自動車整備工場内 | 床上 | ガソリン | 電気火花 | ガソリンの抜取作業 | |
342 | 1993 | 化学工業 | その他の化学工業 | 神奈川県 | 接着剤製造工場において、原料の誤投入後の処理作業のためゴム系接着剤の撹拌作業中、撹拌槽から有機溶剤(アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン)を含む原料(推定約100リットル)が床面に流出した。これらの溶剤回収処理作業中、溶剤が付着したゴム(溶解物)を移動させるためフォークリフトを乗り入れたところ、流出原料が自動車エンジンにより着火・炎上して、被災した。 | 0 | 3 | 接着剤製造工場 | 床面 | 有機溶剤 | 自動車エンジン | 溶剤回収 | |
343 | 1993 | 設備工事業 | 電気工事業 | 千葉県 | 建物のエレベーターの信号線の配線のためエレベーター動力低圧配電盤にて作業中、400V活線が短絡して強烈なアーク火花が発生して配電盤内部に火災が発生し、正面にいた電工の着衣に着火し、全身火傷で死亡した。また、1名が消火の際に火傷を負った。原因は、配電盤内の活線には感電防止用の絶縁覆いを設けたが、被覆を取る処理中の信号線の銅テープが絶縁覆いの隙間から入り込み、短絡したためと考えられる。 | 1 | 2 | 低圧配電盤 | 400V活線 | 着衣 | アーク火花 | 信号線の配線 | |
344 | 1993 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 千葉県 | 航空基地内の半地下式ジェット機用燃料タンク同士を連結するパイプの修理のため、航空燃料を移し替え、タンク側面のマンホールを開け、底の廃油スラッジをバキュームローリーのホースで吸引中、スラッジから発した燃料の揮発分蒸気が何らかの原因により引火、爆発した。このため、タンクにマンホールでつながっていた地下室内にいた作業員ら4名が死傷した。 | 3 | 4 | 航空基地内 | ジェット機用燃料タンク | 航空燃料 | 不明 | パイプの修理 | |
345 | 1993 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 埼玉県 | 就寝中、建設会社の寄宿舎の1階作業員待合室より出火し、同2階に寄宿していた労働者12名のうち1名が死亡し、6名が負傷した。出火原因は不明。被災者7名がいた寄宿舎は、鉄骨プレハブ2階建てで2階が作業員の居室になっており、居室は幅0.9mの廊下の両側に設けられていた。部屋数は計12室。火災報知器や非常ベル等の警報装置はなかった。 | 1 | 7 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 不明 | 就寝中 | ||
346 | 1993 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 静岡県 | 接着剤工場敷地内において1年くらい使用していなかったフェノール樹脂の屋外接着剤貯蔵タンクの配管付け替え作業中、フレキシブルホースで新設配管と接続して仮付け溶接中、配管内の残留ワニス(フェノール樹脂、トルエン、メタノール、MEK、エタノール)の蒸気が電気溶接の火花により引火し、火炎伝ぱによりタンクが爆発、火災となった。タンク上部鏡板が約70m飛散した。 | 0 | 0 | 接着剤工場敷地内 | 屋外接着剤貯蔵タンク | 残留ワニス | 電気溶接の火花 | 電気溶接 | |
347 | 1993 | 総合工事業 | 木造建築工事業 | 神奈川県 | 木造住宅の新築工事現場において、建築の残材(木片、紙片)を焼却用ドラム缶に入れて燃やし始めたところ、約5分後突然爆発音とともに火柱が上がり、周囲にいた3名が被災した。原因は、何らかの爆燃物がたき火により爆発したと考えられたが、明らかにならなかった。塗料の空き缶は塗装業者が管理し持ち帰っている。ドラム缶周囲の道路にプラスチックの溶解凝固物が認められた。 | 0 | 3 | 住宅の新築工事現場 | 焼却用ドラム缶 | 不明 | たき火 | 焼却 | |
348 | 1993 | 道路貨物運送業 | 特定貨物自動車運送業 | 富山県 | 石油精製所構内のタンクローリー積場においてタンクローリー車に灯油の給油中に爆発炎上し、他のタンクローリー3台に延焼した。運転手4名が逃げる途中に負傷した。原因は、給油前に残留ガソリン蒸気をガス排風機により排出する手順を怠り、このためガソリン蒸気が給油された灯油に吸収されて爆発上限界以上の濃度であったガソリン蒸気の濃度が下がって爆発限界内となり、液体流動に伴う静電気により着火爆発した。 | 0 | 4 | 石油精製所構内のタンクローリー積場 | タンクローリー車 | ガソリン | 静電気 | 灯油の給油中 | |
349 | 1994 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 神奈川県 | 火力発電所でのボイラーの定期点検工事において、ボイラー天井二重ケーシングに非破壊検査のために開けた穴を復旧するため、狭隘空間(深さ約1.5m、幅約35cm)にて鉄板をアーク溶接中、アーク溶接の火花が綿の着衣に燃え移り、上半身に火傷を負い、療養中に死亡した。 | 1 | 1 | 火力発電所 | ボイラー | 綿の着衣 | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
350 | 1994 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 滋賀県 | 廃棄物処理場の造成工事現場において、伐採した生木の焼却をするため、バックホウで掘った焼却用の穴に投げ入れ、2缶のポリタンクの軽油を振りかけてから2~3分後、ライターではなかなか着火せず、火をつけた紙くずを木材に近づけたところ、突然大音響と共に火柱が立ち、周囲にいた3名が顔面に熱傷を負った。原因は、ポリタンクの1つが軽油ではなくガソリンであったためとみられる。 | 0 | 3 | 造成工事現場 | 焼却用の穴 | ガソリン、軽油 | 火をつけた紙くず | 伐採した生木の焼却 | |
351 | 1994 | 鉄鋼業 | 製鋼・製鋼圧延業 | 新潟県 | ステンレスの製鋼工場において、溶湯35tを取鍋に入れ、取鍋ごと真空精錬炉に入れて精錬工程中、取鍋の底のレンガの目地から溶湯が漏れ精錬炉の壁を溶かし、炉を設置しているコンクリートピット内に流れ出た。温度警報により退避して約5分後、ピット内にしみ出てていた地下水に触れ水蒸気爆発を起こし、火災となった。 | 0 | 0 | ステンレスの製鋼工場 | 真空精錬炉 | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 精錬工程 | |
352 | 1994 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 埼玉県 | 舗装工事業の付属寄宿舎(木造セメント瓦葺2階建)の1階の居室のコンセント部分から出火した。出火時に同寄宿舎には6名が在室しており、5名が消火作業をしたが消し止められず寄宿舎は全焼し、2階の部屋に残っていた1名が煙に巻かれて焼死した。原因は、古くなったコンセントの内部が通電しやすい状態となっており、コンセントの間に入ったゴミ等から発火(トラッキング現象)したと推定される。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | コンセント | コンセントの間に入ったゴミ | トラッキング現象 | 在室 | |
353 | 1994 | 道路貨物運送業 | 特定貨物自動車運送業 | 千葉県 | 納品先において、運搬した苛性ソーダ水溶液を誤って塩酸のタンクに入れてしまったため、混入塩酸を廃液として事業場敷地内に持ち帰り、取りあえず構内に放置されていた鉄製の未使用タンクに移して保管していた。約12時間後、突然タンクが破裂し、鏡板が飛んで塩酸が流出した。原因は、タンクの鉄と塩酸が反応して水素を発生し、静電気等により爆発したと推定された。 | 0 | 0 | 事業場敷地内 | タンク | 水素 | 静電気等 | 保管 | |
354 | 1994 | プラスチック製品製造業(別掲を除く) | プラスチック板・棒・管・継手・異形押出製品製造業 | 岐阜県 | 工場建屋の作業場において使用済みハンガーの再利用のため、新設した洗浄機を初めて運転してプラスチック製ハンガーの洗浄作業中、洗浄機が爆発して火炎を噴出し、火災となり、3名が熱傷を負った。原因は、洗浄機の製品出入口から洗浄液(主成分ノルマルヘキサン)の蒸気が漏洩して滞留し、暖房用石油温風ストーブの火により着火したとみられる。 | 0 | 3 | 工場建屋の作業場 | 洗浄機 | ヘキサン | 石油温風ストーブの火 | ハンガーの洗浄作業 | |
355 | 1994 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 香川県 | 造船所の艤装岸壁に係船中の新造船内において、試験航海後の手直し工事のため、煙突内部のオイルミストボックス内に入り作業中、単独作業の被災者の着衣が燃え上り、全身火傷により死亡した。原因は、ボックス内は換気が悪く、ガス溶接時の過剰酸素か酸素バルブのゆるみにより酸素濃度が高くなり、アーク溶接の火花によって着衣火災になったとみられる。 | 1 | 1 | 新造船内 | 煙突内部のオイルミストボックス | 酸素 | 溶接の火花 | アーク溶接 | |
356 | 1994 | 金属製品製造業 | 建設用・建築用金属製品製造業(製缶板金業を含む) | 千葉県 | 被災者は、工場内の橋形クレーンの運転をしている時に健康上の異変のために突然倒れ、採暖のために運転室内で使用していた電熱器に接触して着衣火災となり、全身に熱傷を負って翌日に死亡した。 | 1 | 1 | 工場内の橋形クレーン | 運転室内 | 着衣 | 電熱器、高温物との接触 | クレーンの運転 | |
357 | 1994 | 輸送用機械器具製造業 | 船舶製造・修理業、舶用機関製造業 | 高知県 | 造船所の工場内において、業者が船体ブロックへアングル(長さ1.5m、重さ約30kg)を取り付けるためにアーク溶接の作業中、漏れていたアセチレンがアーク溶接の火花により爆発し、飛ばされて重傷を負った。原因は、使用したガス切断器とガスホースを移動した際にバルブが緩み、アセチレンが定盤と工作部品の間に滞留していたため。 | 0 | 1 | 工場内 | 定盤と工作部品の間 | アセチレン | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
358 | 1994 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 神奈川県 | 製油所の流動接触分解装置において、排ガスを利用するガスタービン発電機の調節弁のセンサー点検補修を終えて自動運転に切り替えた直後、調節弁が全開となりガスタービンの回転数が急激に増加したためタービンが破壊し、流出した排ガス中の一酸化炭素、石油類、水素が何らかの着火源(摩擦衝撃火花、摩擦熱、燃焼状態の触媒、自然発火)により爆発、プラントの火災となった。原因は、センサーの取付角度を誤り、実際とは逆の信号が送られたため。 | 0 | 0 | 製油所の流動接触分解装置 | ガスタービン発電機 | 一酸化炭素、石油類、水素 | 摩擦衝撃火花、摩擦熱、燃焼状態の触媒、自然発火 | 自動運転 | |
359 | 1994 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 静岡県 | 下水道管埋設工事現場において、下水道管に圧縮空気を入れて、下水道管の気密検査の実施後、圧縮空気が抜けたことを確認せずに下水道管の密閉用蓋板を外そうとしたところ、突然蓋板が飛散し、付近にいた2名が土砂で軽傷を負い、また蓋板が約30m飛んで水道管の埋め戻し作業をしていた隣接工区の作業員2名に当たり死傷した。 | 1 | 4 | 下水道管埋設工事現場 | 下水道管の密閉用蓋板 | 圧縮空気 | 圧縮空気 | 気密検査の実施後 | |
360 | 1994 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 千葉県 | 化学工場において缶用塗料の原料樹脂を製造するため、反応釜にまず溶媒等を仕込み、最後に粉体原料の投入中、反応釜のマンホール付近で爆発が発生し、火災となって2名が死傷した。原因は、接地されていないフレコンバッグから粉体を投入した際に、バッグの排出口付近に帯電した静電気が放電して、反応釜内の溶媒蒸気と落下中の粉体が爆発したものと推定される。 | 1 | 1 | 化学工場 | 反応釜のマンホール付近 | 溶媒蒸気と落下中の粉体 | 静電気 | 粉体原料の投入 | |
361 | 1994 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 群馬県 | 工場内試験室での高分子導電性付与剤の製造において、ポリアルキレングリコールを溶解槽に仕込み、過塩素酸リチウムを添加して反応を行った。その後、製品の取出しをしようと溶解槽底部のボールバルブを開けたが、バルブに未溶解物が詰まり出ないためステンレス製の棒で突いたところ、未溶解物(過塩素酸リチウムが主成分)が衝撃によって爆発し、バルブが顔を直撃して1名が死亡し、内容物と飛散物で1名が重傷を負った。沈殿物の情報が研究開発部から届いていなかった。 | 1 | 2 | 工場内試験室 | ボールバルブ | 過塩素酸リチウム | 衝撃 | 製品の取出し | |
362 | 1994 | プラスチック製品製造業(別掲を除く) | 工業用プラスチック製品製造業 | 岐阜県 | 残業を終えて退社してから約25分後、無人の塗装工場から出火し、2棟のうち1棟が全焼、1棟が半焼し、約1時間後に鎮火した。原因は、エアコンコンプレッサーのモーター過熱、もしくは、電気設備のトラブルによる電気火花により、塗料の有機溶剤等に引火したものと推定された。 | 0 | 0 | 塗装工場 | 塗装工場 | 塗料の有機溶剤等 | モーター過熱、電気火花 | 無人 | |
363 | 1994 | その他の事業サービス業 | 警備業 | 愛知県 | 警備会社が市立科学館を定期巡回中、電気室が火災であったので関係機関に連絡し、火災確認から約20分後、警備員が少しでも消火しようと扉を開けた約3秒後に爆発が起き、飛ばされて負傷した。原因は、定常運転中に高調波障害によって制御機器のリアクトルに過大電流が流れ、コイルが異常過熱して絶縁油が熱分解し、生成した可燃性ガスが何らかの着火源によって爆発したと推定された。 | 0 | 1 | 電気室 | 制御機器のリアクトル | 絶縁油 | 高調波障害 | 定常運転 | |
364 | 1994 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 岡山県 | アルミニウム精錬工場において、スクラップからアルミニウムインゴットを製造するため反射式溶解炉からアルミニウム溶湯(約680℃)を分配器を通して連続鋳造機の鋳型への注入を行っていたところ、水蒸気爆発を起こしてアルミニウム溶湯が5m四方に飛散し、付近にいた2名が火傷を負った。原因は、前日の冷却水か洗浄水が鋳型の加熱不充分により残留していたため。 | 0 | 2 | 精錬工場 | 連続鋳造機の鋳型 | 溶湯 | 水蒸気爆発 | 鋳型への注入 | |
365 | 1994 | 職別工事業(設備工事を除く) | とび・土工・コンクリート工事業 | 北海道 | ホテル9階の床下ピット内において断熱補修工事中、午前の作業を終え電灯を片付けている際に爆発が起き、ピット内が火災となって4名が死傷した。原因は、作業に使用していたウレタンフォームのスプレー缶の噴射剤LPGが、電気機器か電線の電気火花により引火爆発したと推定される。スプレー缶は前日に120本、当日の午前に24本使用していた。 | 2 | 4 | ホテル | 床下ピット内 | スプレー缶の噴射剤 | 電気火花 | 断熱補修工事 | |
366 | 1994 | 総合工事業 | 建築工事業(木造建築を除く) | 秋田県 | 鉄筋コンクリート3階建ての建設工事現場において火災となり、地下ピットでの作業を中断して3名が地上に向かう途中に2名が黒煙に巻かれ、一酸化炭素中毒で死亡した。原因は、地上部1階にて床を貫通している配管のアーク溶接時に、アーク溶接の火花が配管用の穴のすき間から落ち、地下ピットの天井断熱材の硬質ウレタンフォームが着火してくすぶり、しばらくして急激に燃え出したとみられる。 | 2 | 2 | 建設工事現場 | 地下ピットの天井 | 断熱材の硬質ウレタンフォーム | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
367 | 1994 | 金属製品製造業 | 建設用・建築用金属製品製造業(製缶板金業を含む) | 茨城県 | 建設資材工場の倉庫内において、構内協力会社の作業員がアーク溶接作業中、突然アーク溶接の火花が、被災者の作業ズボンの裾に着火し熱傷を負い、約半年後に死亡した。原因は、ナイロン系の燃え易い材質の着衣であったため、アーク溶接の火花により着火したものと思われる。 | 1 | 1 | 建設資材工場 | 倉庫内 | 着衣 | アーク溶接の火花 | アーク溶接 | |
368 | 1994 | 石油製品・石炭製品製造業 | その他の石油製品・石炭製品製造業 | 大分県 | 家庭の可燃ゴミを固形燃料とする実証プラントにおいて試験運転中、乾燥機内の固形燃料が熱風炉から飛来した着火ダストにより不完全燃焼を始め、燃料の熱分解により水素や一酸化炭素等が発生した。熱風炉を循環運転していたため、熱風炉の出口ダクト付近において着火ダスト(火の粉)により、ガス爆発を起こした。 | 0 | 0 | 実証プラント | 熱風炉の出口ダクト付近 | 水素や一酸化炭素等 | 火の粉 | 試験運転 | |
369 | 1994 | ゴム製品製造業 | ゴムベルト・ゴムホース・工業用ゴム製品製造業 | 埼玉県 | 工場内において、自動車用ワイパーカバーの製造設備である加熱加硫炉(長さ8.7m、高さ2m、幅1.6~1.2m、熱源は蒸気)の補修作業において、炉の骨組みをアセチレン溶断中、炉の内部に15年の間に堆積していた漿液(製品加熱中に製品から垂れ落ちる汁)の易燃性残滓物がアセチレン溶断の火炎によって着火して火災となり、炉内及び炉付近で作業中の7名が火傷を負い死傷した。 | 1 | 7 | 工場内 | 加熱加硫炉 | 易燃性残滓物 | アセチレン溶断の火炎 | アセチレン溶断 | |
370 | 1994 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 京都府 | 競馬場スタンドの改修工事現場において、5階床開口部から落ちたアーク溶接火花により、4階天井裏のアルミクラフト紙に着火し、天井裏に吹き付けてあった結露防止用のウレタンフォーム(難燃処理品だが不燃ではない)ほかを焼失した。煙により天井裏にいた塗装作業員ら5名が死傷した。 | 2 | 5 | 競馬場スタンドの改修工事現場 | 4階天井裏 | アルミクラフト紙、ウレタンフォーム | アーク溶接火花 | アーク溶接、塗装 | |
371 | 1994 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 島根県 | 道路での水道工事現場において、コンクリートカッターによるカッター切断作業中に燃料が切れたため、給油しようとトラックの荷台に乗せてあった携行用燃料缶を降ろし、道路上でふたを開いたところ、ガソリンが噴出して火災となり、2名が死傷した。原因は、温度上昇と振動により内圧が上昇しており、カッターもしくはトラックのエンジン排気管の高温表面により着火したと推定された。 | 1 | 2 | 道路での水道工事現場 | 道路上 | ガソリン | エンジン排気管の高温表面 | 給油 | |
372 | 1994 | 設備工事業 | その他の設備工事業 | 埼玉県 | セメント工場においてキルン内部の耐火物補修の際、工事業者が気流焼成炉のサイクロン内に入り、入口配管部の堆積した原料ダスト(石灰石、粘土、スラグ)を以前と同様にスコップとつるはしで手前から崩して除去作業中、高温のダスト(内部は150~200℃と推定)が崩落してきて、作業員3名が火傷を負った。原因は、ダストを十分に冷却せず、また、ダストに固い部分と脆い部分が混在していたため。 | 0 | 3 | セメント工場 | 焼成炉のサイクロン | 高温のダスト | 崩落、高温物との接触 | 除去作業 | |
373 | 1994 | 化学工業 | 医薬品製造業 | 東京都 | メタノール蒸留回収設備において、医薬品中間体を合成し製品を遠心分離した後のろ液から溶媒を蒸留により回収した。蒸留残査を蒸留釜内に残したままで帰宅したところ、翌日早朝に爆発し火災となった。原因は、2基ある蒸留用熱媒加熱用ヒーターの電源のうち1つを切り忘れたために蒸留釜内の残液(ニトロベンゼン化合物)が加熱され続けて溶媒が留去され、夜間放置中に残査が自己発熱分解し、爆発を起こしたものと推定された。 | 0 | 0 | メタノール蒸留回収設備 | 蒸留釜 | 蒸留残査 | 自己発熱分解 | 夜間放置中 | |
374 | 1994 | 廃棄物処理業 | 産業廃棄物処理業 | 福岡県 | 工場内収集廃棄物貯蔵場所において、濃酸混合物(フッ酸、塩酸、硝酸など)をドラム缶からタンクローリー車への移送中、タンクローリー車が破裂した。ドラム缶の1本が濃酸でなく切削水と呼ばれる水溶液であり、これを多量の濃酸の中に吸引したため、希釈熱により水蒸気が急激に発生して破裂したと思われる。作業現場は容器が密集しており、また内容物の異なる容器が混在していた。また作業前に内容物の目視、pH測定、簡易混合試験などを行っていなかった。 | 0 | 5 | 工場内収集廃棄物貯蔵場所 | タンクローリー車 | 濃酸混合物 | 希釈熱 | タンクローリー車への移送 | |
375 | 1994 | 化学工業 | その他の化学工業 | 千葉県 | 工場内において、合成香料を製造するために、反応釜に過酢酸等の原料を仕込み、加熱昇温してから最後の原料を滴下して反応工程を開始した。冷却水がジャケットに流れていないことに気付き、工業用水を流して原料滴下を中止したが昇温し、しばらくして反応釜が爆発した。原因は、原料滴下時に不純物が釜内に混入して過酢酸が爆発的に分解して釜が破損し、分解発生ガスも衝撃火花により着火爆発したと推定される。 | 1 | 2 | 工場内 | 反応釜 | 過酢酸、分解発生ガス | 分解、衝撃火花 | 反応工程 | |
376 | 1994 | 学術研究機関 | 自然科学研究所 | 神奈川県 | 研究施設において、オキシ塩化リンの廃液が入っていた3リットルのビンに誤って水を混合してしまい、その対処のために運搬中、研究棟内の階段踊り場付近でビンが破裂し、周囲の労働者が負傷した。原因は、化学反応によってリン酸と塩化水素ガスが発生して、ビンの内圧が上昇したためとみられる。 | 0 | 6 | 研究棟内の階段踊り場 | ビン | オキシ塩化リン | 化学反応 | 水を混合、運搬中 | |
377 | 1994 | 一般機械器具製造業 | 分類不能 | 静岡県 | 工場内ボイラーの自動停止装置取付工事中に、ガス配管の両端のフランジ部をゆるめ、配管の一部の取り外しをしたところ、バイパス管のバルブが開いていたために、燃料のLPGが噴き出して爆発し、壁と天井の一部が破損して、労働者ら3名が被災した。 | 0 | 3 | ボイラー | ガス配管 | LPG | 配管の一部の取り外し | ||
378 | 1994 | 出版・印刷・同関連産業 | 印刷業(謄写印刷業を除く) | 宮城県 | 事業場内の焼却炉において、灰出し口を開けて焼却状況の点検中、逆火(バックファイヤー)により火傷を負った。 | 0 | 3 | 事業場内 | 焼却炉 | バックファイヤー | 逆火、高温物との接触 | 焼却状況の点検 | |
379 | 1994 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 愛知県 | 製油所蒸留脱硫エリアでの定期修理後のスタートアップにおいて、空気による送風テスト中、突然燃焼炉上部の煙道内でガス爆発を生じた。原因は、バルブリークのためフレアー系の可燃性の排ガス(メタン、水素、エチレン、エタン等)が煙道内に流入して空気と混合し、何らかの着火源により爆発したと推定される。 | 1 | 1 | 製油所蒸留脱硫エリア | 燃焼炉上部の煙道 | 可燃性の排ガス | 不明 | スタートアップ | |
380 | 1994 | 廃棄物処理業 | 産業廃棄物処理業 | 北海道 | 電気会社から産業廃棄物として回収したクリアラッカー(トルエン含有、上部を切断した18リットル缶入り、8缶)を倉庫に運び、缶から缶への移し替えを始めて約5分後、倉庫内に気化したトルエンが衣服の静電気か金属落下時の衝撃火花により着火爆発し、3名が死傷し、火災により倉庫を全焼した。 | 2 | 3 | 倉庫 | 倉庫内 | クリアラッカー | 衣服の静電気か金属落下時の衝撃火花 | 缶から缶への移し替え | |
381 | 1994 | 鉄鋼業 | その他の鉄鋼業 | 福島県 | スクラップ工場内のスクラップ用プレス機により廃車をプレス作業中に突然爆発して火災となり、操作者が火傷を負った。原因は、廃車のLPG燃料タンクを外し忘れたため、残存LPGが付近に流出し、プレス時の衝撃・摩擦火花か、操作盤内の電気火花により着火したとみられる。 | 0 | 1 | スクラップ工場内 | スクラップ用プレス機 | LPG | 衝撃・摩擦火花、電気火花 | プレス作業 | |
382 | 1994 | 職別工事業(設備工事を除く) | 塗装工事業 | 千葉県 | 製油所のタンクヤードにおいて、燃料貯蔵タンクの浮き屋根のポンツーン内部の塗装作業中、爆発が発生し、作業中の2名が吹き飛ばされて死傷した。原因は、塗料の有機溶剤(トルエン、MIBK、MEK)が気化漏洩し、電動式塗装機か投光器、もしくは、移動電線の接続部等から生じた電気火花により引火爆発したとみられる。 | 1 | 2 | 製油所のタンクヤード | タンクの浮き屋根 | 塗料の有機溶剤 | 電気火花 | 塗装作業中 | |
383 | 1994 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 大分県 | 清掃センター不燃物処理場において、不燃ゴミ(小型ボンベ、アルミ缶、スチール缶、スプレー缶など、多少の木片も投入)を破砕機(ハンマークラッシャー)にかけて破砕処理中、粉じん爆発が発生した。原因は、破砕時に発生する衝撃火花により、金属粉及び木粉などが着火したとみられる。破砕機投入口の手動式散水装置は使用していなかった。 | 0 | 0 | 清掃センター不燃物処理場 | 破砕機 | 金属粉及び木粉 | 衝撃火花 | 破砕処理 | |
384 | 1994 | 非鉄金属製造業 | 非鉄金属第2次製錬・精製業(非鉄金属合金製造業を含む) | 三重県 | アルミニウム溶融工場において、インゴットを製造するためフォークリフトを使い、溶解炉に輸入したアルミニウム鋳物屑の投入中、突然爆音とともにアルミニウム溶湯約2tが飛散し、運転手と付近にいた1名に降りかかり熱傷を負った。原因は、アルミ鋳物屑の中に爆発物を密閉したものが混入していたためとみられる。 | 0 | 2 | アルミニウム溶融工場 | 溶解炉 | 爆発物 | アルミニウム溶湯 | アルミニウム鋳物屑の投入 | |
385 | 1994 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 神奈川県 | 2階建て建物に違法に中2階を増築して使用していた建築会社の事務所兼寄宿舎において、就寝中に1階の物置付近から出火して火災となり、増築部に寄宿していた11名のうち8名が逃げ遅れて死亡した。原因は、増築部からの階段が1ヶ所のみで避難器具もなく、火災報知器に不具合があって以前から主電源を切っていたため。なお、出火原因は不明で放火の疑いもある。 | 8 | 8 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | 放火の疑い | 就寝中 | ||
386 | 1994 | 廃棄物処理業 | 一般廃棄物処理業 | 岡山県 | 一般廃棄物処分場内の圧縮梱包設備監視操作室内の配電盤内が突然爆発し、操作室にいた5名が転倒し、うち配電盤の扉付近にいた1名が床面にたたきつけられて負傷した。原因は、ごみ埋立層から発生したメタンが配線用マンホールを経て配電盤へ拡がり、運転中の落雷によって土中のメタンに着火し、火炎が配電盤内に伝ぱして爆発したもの。 | 0 | 1 | 廃棄物処分場内の圧縮梱包設備 | 監視操作室内の配電盤 | メタン | 落雷 | 運転中の落雷 | |
387 | 1994 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 茨城県 | 木造2階建の寄宿舎に外国人労働者6人を住まわせ、道路工事に従事させていたが、当該寄宿舎の1階にある台所ガスコンロの消し忘れのため出火した。火災発生は深夜であり、火災を知らせる警報装置などはなく、気付くのに遅れたため、寄宿及び遊びに来ていた就寝中の外国人計6名が死傷した。 | 2 | 6 | 寄宿舎 | 台所ガスコンロ | ガスコンロの消し忘れ | 就寝中 | ||
388 | 1994 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 埼玉県 | 製造工場内において、サイズ剤(紙に印刷する際のにじみ止め)の中間体を製造する工程において、ポリ容器を手で保持しながら触媒用有機過酸化物を計量タンクに注ぎ入れていたところ、突然発火して火災となり、2名の着衣に燃え移り火傷により死傷した。原因は、移し替え作業時に帯電し、静電気火花により引火性の液体である有機過酸化物に着火したものと推定された。 | 1 | 2 | 製造工場内 | 計量タンク | 触媒用有機過酸化物 | 静電気火花 | 計量タンクに注ぎ入れ | |
389 | 1994 | 洗濯・理容・浴場業 | 洗濯業 | 福島県 | クリーニング工場において洗濯作業中、突然全自動ドライクリーニング機の扉が飛んで爆風が噴出し、製品と仕上機内部を焼損、扉の前にいた作業者が爆風の直撃を受け、全身火傷を負い20日後に死亡した。原因は、溶剤に混ぜる洗剤の量が少なかったため電気抵抗率が高くなって静電気が発生し、クリーニング溶剤が引火爆発したとみられる。 | 1 | 1 | クリーニング工場 | ドライクリーニング機 | クリーニング溶剤 | 静電気 | 洗濯作業中 | |
390 | 1994 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 愛知県 | 道路のガス管工事現場において、ガス管の内面更正修理のため、電動カッターでガス管の切断をした際、ガス火災となり7名が熱傷を負った。原因は、ガス管内に残留していた都市ガスが掘削した溝内に流出し、電気火花とみられる着火源により着火し火災となったもの。 | 0 | 7 | 道路のガス管工事現場 | 掘削した溝内 | 都市ガス | 電気火花 | ガス管の切断 | |
391 | 1994 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 新潟県 | ポリビニルアルコール製造工場において、別の種類の製品を貯蔵すべく最終製品貯蔵タンク(金属製サイロ)内製品を取り出してタンクの清掃中、タンク内でポリビニルアルコール粉の粉じん爆発が発生し、タンク下部のマンホール周辺にいた作業者が吹き飛ばされ死亡した。被災者の単独作業であったため、詳細は不明。 | 1 | 1 | ポリビニルアルコール製造工場 | 製品貯蔵タンク | ポリビニルアルコール粉 | 不明 | タンクの清掃 | |
392 | 1994 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 神奈川県 | 工場内にてステアリン酸マグネシウムの製造研究において、反応釜に入れた材料を加熱していたところ、急激な化学反応が起こり釜から噴き出し、作業員らがステアリン酸、及び、酸化マグネシウム等を浴びて火傷を負った。 | 0 | 3 | 工場内 | 反応釜 | ステアリン酸 | 化学反応、高温物との接触 | 製造研究 | |
393 | 1994 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 神奈川県 | 下水道工事現場において、土止め材の取り付けのために立坑外部の道路上でH鋼に振れ止め材をアーク溶接で取り付けていたところ、その溶接火花が立坑内に入ってガスに引火し、立坑内部にて築造作業をしていた作業員3名が火傷を負った。 | 0 | 3 | 下水道工事現場 | 立坑内 | ガス | 溶接火花 | アーク溶接 | |
394 | 1994 | 設備工事業 | 電気工事業 | 栃木県 | 電気製品工場の電気室内において、4名が油入遮断器の絶縁油の交換作業中、遮断器の端子と絶縁油タンク(鉄製)が接触し、電気火花を発したため、絶縁油に引火し飛散した。この際、作業中の1名とその場を離れようとしていた1名が燃えた油を身体に浴びて熱傷を負い死傷した。原因は、遮断器が停電作業の漏れから通電状態にあり、不慣れな被災者が単独作業で検電せずに作業したためと思われる。 | 1 | 2 | 電気製品工場の電気室内 | 油入遮断器 | 絶縁油 | 電気火花 | 絶縁油の交換作業 | |
395 | 1994 | その他の製造業 | 他に分類されない製造業 | 岡山県 | 花火大会の打上現場において、打ち上げた花火が地上に落下して爆発したため、付近に仮置きしていた打ち上げ花火と花火運搬用コンテナトラックの積荷の花火の合計約450発が誘爆し、トラックは炎上した。原因は、プログラムの一時中断と変更があって花火の打ち上げの指揮系統が混乱し、打ち上げ筒の誤認をしたためと推定される。 | 1 | 7 | 花火大会の打上現場 | 地上 | 打ち上げ花火 | 打ち上げ筒の誤認 | 花火の打ち上げ | |
396 | 1994 | ゴム製品製造業 | タイヤ・チューブ製造業 | 愛知県 | タイヤ製造工場において、構内協力会社の作業員が地下に設置されているドレン回収タンクの内部の錆止め塗装作業中、突然タンク内の塗料の有機溶剤蒸気(主成分トルエン)が燃え上がり、同時にドレン排水パイプからタンク外に流出していた溶剤蒸気にも引火し、2名が死傷した。原因は、タンク内照明用の手持ち型電灯が落下して電球が破損した際の電気火花が着火源となったとみられる。 | 1 | 2 | タイヤ製造工場 | ドレン回収タンク | 塗料の有機溶剤 | 電気火花 | 塗装作業 | |
397 | 1994 | 化学工業 | 有機化学工業製品製造業 | 三重県 | ゴムのパイロットプラントにおいて、反応の原料に使用されているブタジエンを充填している保管容器が白煙をあげ、さらに黒煙に変化した後に爆発した。原因は、重合禁止剤の量が不足していて重合暴走反応が起きた可能性が指摘されている。 | 0 | 0 | ゴムのパイロットプラント | 保管容器 | ブタジエン | 重合暴走反応 | 保管 | |
398 | 1994 | 化学工業 | 油脂加工製品・石けん・合成洗剤・界面活性剤・塗料製造業 | 埼玉県 | 塗料製造工場内のロールミルで顔料を混合する作業を終了後、溶剤のトルエンでロールの洗浄作業をしているときにロール上のトルエンが摩擦熱により燃えあがった。逃げる際に足元のトルエンの入った容器を倒して足にかかり、そこに引火したため下半身を熱傷し、5週間後に死亡した。 | 1 | 1 | 塗料製造工場 | ロールミル | トルエン | 摩擦熱 | 洗浄作業 | |
399 | 1994 | 設備工事業 | 管工事業(さく井を除く) | 岡山県 | 産業用爆薬や化成品の製造工場内の染料製造設備において、設備改修のため工事業者が油槽タンクの上で配管のフランジボルトのアセチレン溶断をしたところ、タンクが爆発炎上し2名が死傷した。原因は、タンクはほとんど空であったが、底部の残留液からトルエンが気化しており、ガス溶断の火により引火したもの。 | 1 | 2 | 染料製造設備 | 油槽タンク | トルエン | ガス溶断の火 | アセチレン溶断 | |
400 | 1994 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 千葉県 | 農道下の下水道の清掃作業のため、マンホールを開いてガス濃度を確認後、ピット内に入って、下水道本管に通じる圧力蓋を開く際に、メタンガスと汚泥がピット内に噴出してきた。退避しようとした時にピット内で爆燃が生じ、5名が火傷を負った、原因は、空気抜き管が詰まって圧力差があったことで、着火源は作業員のタバコの疑いが濃い。 | 0 | 5 | 農道下の下水道 | ピット内 | メタン | タバコ | 清掃作業 | |
401 | 1994 | その他の事業サービス業 | 計量証明業 | 茨城県 | 検査室内において、水質検査項目のヘキサン抽出物検査において、ウォーターバスで加熱してヘキサンの蒸発揮散を行う際、ウォーターバスの温度が100℃前後と高く(通常は75~85℃)揮発が激しかったため、ウォーターバスを加熱していたガスバーナーにより爆発して試料皿に引火し、熱傷を負ったもの。 | 0 | 1 | 検査室内 | ウォーターバス | ヘキサン | ガスバーナー | ヘキサンの蒸発揮散 | |
402 | 1994 | 飲料・飼料・たばこ製造業 | 酒類製造業 | 愛知県 | アルコール類製造所において、エチルアルコールを35KL屋内貯蔵タンクに移送注入中、注入部のホース1.2mがビニール製であったため静電気が発生し、気化していたエチルアルコールが引火爆発。続いて、流れ出たアルコールにより付近が火の海となり、タンク上部で注入を確認していた1名が地上に飛ばされ焼死した。 | 1 | 1 | アルコール類製造所 | 貯蔵タンク | エチルアルコール | 静電気 | 移送注入中 | |
403 | 1994 | 繊維・機械器具・建築材料卸売業 | 鉱物・金属材料卸売業 | 長野県 | 石油会社の油槽所内において、配管やポンプ類を設備業者が更新工事中、ガソリン配管のフランジの一部が開放されていたにもかかわらず、誤ってガソリンタンクのバルブを開いたためにガソリンが地上に流出し、クレーン車のマフラーの高温表面か電気器具の電気火花により着火して火災となり、続いて軽油タンク1基とガソリンタンク2基が爆発炎上した。 | 3 | 4 | 石油会社の油槽所内 | ガソリンタンク、地上 | ガソリン | 高温表面、電気火花 | 更新工事 | |
404 | 1994 | 鉄鋼業 | 銑鉄鋳物製造業 | 熊本県 | 鋳造工場において、溶解炉を使用して銑地金、コークス類を1500℃程度の温度で溶解して鋳込み中、溶銑湯とノロが減少して出口が固まったため溶解作業を中止し、溶解炉の底落とし(底部蓋を開きのコークスかすを排出)をしようとしたが底部蓋が開かず、鉄パイプで開こうとした際に突然開き、高温のノロ混じりのコークスかすが飛散し、近くにいた4名が熱傷を負った。 | 0 | 4 | 鋳造工場 | 溶解炉 | ノロ、コークスかす | 高温物との接触 | 底落とし | |
405 | 1994 | 鉄鋼業 | 製鋼を行わない鋼材製造業(表面処理鋼材を除く) | 兵庫県 | 熱間押出工場において熱間押出の運転中、高圧水を蓄えるアキュムレータのエアボトルの安全弁付近の細管が吹き飛び、5m離れた操作室が爆風で損壊した際、配電盤のショートにより火災となったため、倒れた操作員が全身火傷を負い約2週間後に死亡した。原因は、配管内に堆積したカーボンスラッジ中のオイルが蓄熱により自然発火し、コンプレッサー油のミストが爆発したと考えられる。 | 1 | 1 | 熱間押出工場 | エアボトルの安全弁付近 | カーボンスラッジ、コンプレッサー油のミスト | 自然発火 | 熱間押出の運転中 | |
406 | 1994 | 化学工業 | 分類不能 | 神奈川県 | 埋め立て地において県主催の防災訓練実施中、液化酸素の燃焼特性を紹介するデモ実験を行っていたところ、液化酸素をしみ込ませたわら人形に点火具で点火した際に爆発し、支柱の鉄パイプが飛び散り、約50m先にいた見学者にその破片が当たったほか、訓練中の3名が軽傷を負った。原因は、会場では爆発性のある様々な危険物の爆発の様子を調べる訓練が行われていたが、わら人形にしみ込ませた液化酸素の量が多すぎたとみられている。 | 0 | 4 | 埋め立て地 | わら人形 | 液化酸素、わら | 点火具 | デモ実験 | |
407 | 1994 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 北海道 | 建設会社敷地内にある寄宿舎(木造モルタル、トタン屋根2階建て)において火災が発生。寄宿労働者18人中、宿泊していた11人が死傷した。出火原因は調査中だが、2階の石油ストーブか階段踊り場のゲーム機コンセントの漏電の可能性が考えられる。 | 3 | 11 | 寄宿舎 | 寄宿舎 | ストーブ、漏電 | 宿泊 | ||
408 | 1994 | 輸送用機械器具製造業 | 自動車・同附属品製造業 | 静岡県 | 自動車部品工場において、ボンデ処理作業後、化成水槽に歩み板1枚を渡し、その上でパネルヒーターの取外し作業中、バランスを失って隣の化成水槽(約85℃、弱酸性水溶液)に転落して熱水により熱傷を負い、自力ではい上がったが、2週間後に死亡した。 | 1 | 1 | 自動車部品工場 | 化成水槽 | 熱水 | 転落、高温物との接触 | パネルヒーターの取外し作業中 | |
409 | 1994 | 分類不能の産業 | 分類不能の産業 | 北海道 | ビルの地下にあるLPG集合配管付近でガスが漏れ、引火爆発し、ビル従業員3名らが被災した。 | 0 | 3 | ビルの地下 | LPG集合配管付近 | LPG | |||
410 | 1994 | パルプ・紙・紙加工品製造業 | 分類不能 | 岐阜県 | パルプ工場内で循環ポンプのパッキン交換作業中、バルブから高温の水酸化ナトリウムが噴き出し、5名が火傷を負った。 | 0 | 5 | パルプ工場内 | 循環ポンプ | 高温の水酸化ナトリウム | 高温物との接触 | パッキン交換作業 | |
411 | 1994 | 木材・木製品製造業(家具を除く) | 造作材・合板・建築用組立材料製造業 | 宮城県 | ボイラー室において、ボイラーの木屑燃料供給を停止し、約15分後に燃料の再供給をしようとして供給口ダンパーを開けたところ、燃料供給装置内部で粉じん爆発が発生、逆火してボイラー室の窓ガラスなどが破損し、隣接する木屑サイロ内部で火災となった。原因は、ダンパーを急に開けたので、空だった燃料供給装置内部に木粉の浮遊粉じん雲が形成され、余熱で着火したと思われる。 | 0 | 0 | ボイラー室 | 燃料供給装置、サイロ | 木粉 | 余熱 | 燃料の再供給 | |
412 | 1994 | 金属製品製造業 | 建設用・建築用金属製品製造業(製缶板金業を含む) | 茨城県 | プレハブ住宅用スチール材の静電粉体塗装ラインにおいて、塗装ブース内で吹付けガンの交換作業中、塗装ブース内から出火し、中にいた作業員3名が着衣火災により火傷を負い、外で別作業中の1名も負傷した。原因は、塗装ブースの壁面等に粉体塗料が厚さ5~6mmほど付着しており、これが非防爆の投光器を落下し破損した時の電気火花で着火したと推定される。 | 1 | 4 | 静電粉体塗装ライン | 塗装ブース | 粉体塗料 | 電気火花 | 吹付けガンの交換作業 | |
413 | 1994 | 鉄鋼業 | 鍛鋼・鍛工品・鋳鋼製造業 | 兵庫県 | 鋳鋼工場において、鋳鋼品を製造する鋳型に鉄溶湯を鋳込んだ後、構内協力会社の被災者が鋳型上部に置かれたパレットの片付け作業をしようと鋳型の上に昇り移動中、誤って鋳型上部の押湯(1500℃)の部分に足を踏み入れたため、着衣が燃え上がり、全身火傷で死亡した。 | 1 | 1 | 鋳鋼工場 | 鋳型 | 溶湯 | 高温物との接触 | 片付け作業 | |
414 | 1994 | 職別工事業(設備工事を除く) | その他の職別工事業 | 福岡県 | 倉庫の解体工事現場において、解体業者がアセチレンで鉄製棚のアセチレン溶断作業を行っていたところ、吹き付けられていた倉庫内壁の断熱材のウレタンフォームが溶断の火花によって引火して火災となり、作業員が逃げ遅れて死亡した。再現実験では、ウレタンフォームが水平だと燃焼が持続しないが、垂直にすると爆発的な燃焼を起こした。 | 1 | 1 | 倉庫の解体工事現場 | 倉庫内壁の断熱材 | ウレタンフォーム | 溶断の火花 | アセチレン溶断作業 | |
415 | 1994 | その他の事業サービス業 | 他に分類されない事業サービス業 | 兵庫県 | 化学工場の建設工事現場において、非破壊検査業者と溶接業者が建設中のスプレードライヤー内部で溶接部分の非破壊検査と欠陥部の補修溶接を同時に実施中、検査液のスプレー缶の噴射剤であるLPGや洗浄液中のヘプタンが充満したため、電気溶接の火花により着火爆発して火災となり、内部で作業中の3名が死傷した。 | 2 | 3 | 化学工場の建設工事現場 | スプレードライヤー内 | LPG、ヘプタン | 電気溶接の火花 | 非破壊検査、補修溶接 | |
416 | 1994 | 総合工事業 | 土木工事業(舗装、しゅんせつを除く) | 秋田県 | 山あいの堰堤建設工事現場において、バックホウで掘削できない岩盤を破砕するため、発破作業現場で岩盤にせん孔してコンクリート破砕器を装填し、退避完了後に点火したところ、直径約30cmの岩石が飛散し、斜め下に約34m離れたバックホウのキャタピラ脇にて点火した作業者に飛石が激突し、死亡した。 | 1 | 1 | 堰堤建設工事現場 | 発破作業現場 | コンクリート破砕器 | 飛石 | 発破作業 | |
417 | 1994 | 総合工事業 | 建築工事業(木造建築を除く) | 兵庫県 | 建設工事現場内で半分に切ったドラム缶の中に廃材を入れてたき火をし、作業員15名が暖をとっていたが、たき火の火力が落ちたので、鉄筋工事業者の作業員が灯油ポリ容器の液体約1リットルを注ぎ入れた際、ポリ容器が爆発し、周囲にいた7名が熱傷、または、転倒して骨折を負った。原因は、ポリ容器の燃料用ガソリンを灯油と間違えて注いだため。 | 0 | 7 | 建設工事現場内 | ポリ容器 | ガソリン | たき火 | 注ぎ入れ | |
418 | 1994 | 石油製品・石炭製品製造業 | 石油精製業 | 岡山県 | 製油所の精製工程で回収された溶融硫黄を屋外貯蔵タンクに貯蔵中、タンク内の爆発により屋根部4.5tが飛散し、隣接配管に落下した。原因は、溶融硫黄中に微量に含まれる硫化水素が気化してシールゴムの劣化から流入した空気と混合し、タンクの鉄壁で生成した自然発火性硫化鉄により小爆発を起こし、空気が大量に流入して2次爆発を起こしたと推定される。 | 0 | 0 | 製油所 | 屋外貯蔵タンク | 硫化水素 | 自然発火性硫化鉄 | 貯蔵中 | |
419 | 1994 | 総合工事業 | 木造建築工事業 | 茨城県 | 木造住宅新築工事現場の庭において、始業前に木切れでたき火をしていた際、火勢を増そうと石油ストーブ用のポリタンク入りの灯油を直接注ぎ入れたところ、突然炎が燃え上がり、たき火の周囲にいた作業員と取締役の計4名が火傷を負った。原因は、たき火に直接注ぎ入れたことと灯油にガソリンが少量混入していたため。 | 0 | 4 | 木造住宅新築工事現場 | たき火 | ガソリン、灯油 | 高温物との接触 | 注ぎ入れ | |
420 | 1994 | 放送業 | 民間放送業 | 東京都 | テレビ局に送られてきたタレント宛の郵便物をタレント事務所の担当者が開封したところ、爆発して4名が負傷した。原因は、十数gの火薬が詰められた鉄パイプ爆弾が開封の際に起爆装置により起爆するようになっていたため。 | 0 | 4 | テレビ局 | 郵便物 | 鉄パイプ爆弾 | 起爆装置 | 開封 | |
421 | 1994 | ゴム製品製造業 | ゴム製・プラスチック製履物・同附属品製造業 | 東京都 | 8階建てビルの2階作業場において靴の合成ゴム底の研磨作業中、ゴム粉じんの集じんダクトから火が噴出し、その直後に集じん装置を中心として粉じん爆発が起きた。ビル各所が破損して火災となり、爆風、飛散物、噴出した火炎により多数の作業者が死傷した。原因は、集じんダクト内に堆積したゴム粉が自然発火し、爆発が集じん装置全体に伝ぱしたためと推定された。 | 5 | 26 | 作業場 | 集じんダクト | ゴム粉 | 自然発火 | 合成ゴム底の研磨作業 | |
422 | 1994 | 旅館、その他の宿泊所 | その他の宿泊所 | 神奈川県 | 建設会社の事務所兼寄宿舎2棟のうちの1棟(プレハブ2階建)を借り受けて寄宿中、2階の居室内において、就寝中に電気ストーブに毛布がかぶさり加熱着火して火災となり、2階部分約100平方mが焼失した。この火事で出火元の部屋で就寝中の被災者が焼死した。隣の部屋で寝ていた3名と他の4名は無事であった。 | 1 | 1 | 寄宿舎 | 居室内 | 毛布 | 電気ストーブ | 就寝中 |
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