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2017年4月7日 14:08
Microsoftは7日、音声・ビデオ通話が行えるコミュニケーションアプリ「Skype」のリアルタイム会話翻訳機能となる「Skype翻訳(Skype Translator)」において、新たに日本語のリアルタイム音声翻訳に対応した。Microsoft Translatorの翻訳エンジンが、統計的手法によるものからニューラルネットワークによるものへと変更され、精度も向上している(詳細は関連記事『Microsoft、最大100人の会話をリアルタイム音声翻訳、ニューラルネットワークを活用』参照)。
Skype翻訳は拡張機能として位置付けられ、デスクトップアプリ「Skype for Windows」、UWPアプリ「Skype for Windows 10プレビュー版」、Skypeのウェブサイトで利用できる。通話を開始する際に、自分と相手の言語を選んで利用できる。地球マークをクリックすると、翻訳の画面が表示されるので、自分と相手の言語を選んで通話を開始すれば翻訳が開始できる。ただし、翻訳処理は通話を開始する側で行われるため、通話着信時には翻訳機能を利用することはできない。
日本マイクロソフト株式会社Officeマーケティング本部シニアプロダクトマーケティングマネージャーでSkype翻訳の製品担当でもある鈴木哉氏は「Skypeは空間を超えるツールだったが、(Skype翻訳により)空間だけでなく言葉の壁も超えたコミュニケーションツールになった」とし、「機械学習に基づいているため、使えば使うほど性能向上する」とした。
Skypeは世界中の固定・携帯電話への通話が行えるが、こうした電話の会話も音声による翻訳が可能だ。SkypeアプリのAndroid/iOS版では、「音声に雑音が入ると翻訳が難しくなる」(鈴木氏)ために、現段階での対応は未定とのことだ。
なお、音声だけでなく、Skypeチャットでもテキストのリアルタイム翻訳機能が利用できる。音声は10言語だが、テキストでは60言語の翻訳が可能だ。
また、PCにプリインストールされている「Office 365 Premium」や、「Office 365 Solo」には、Skypeによる通話を1カ月あたり60分間無料で利用できる権利が付属している。この通話でも、Skype翻訳の機能を利用可能だ。
Microsoft Translatorの新翻訳エンジンによる「Microsoft Translatorライブ機能」は、Skype翻訳以外にも、「Microsoft Translator」アプリ、Microsoft Edgeの拡張機能「Translator for Microsoft Edge」、Outlookのアドオン「Outlook用翻訳ツール」「PowerPointアドオン」などで利用可能になるほか、企業向けの「Microsoft Cognitive Services API」において、音声翻訳用の「Microsoft Translator Speech API」、テキスト翻訳用の「Microsoft Translator Text API」としても提供される。
Skype翻訳で提供されるリアルタイム音声翻訳は1対1のものとなるが、Microsoft Translatorのウェブサイトやアプリでは、100人までのリアルタイム音声翻訳機能が提供される。
なお、Skype翻訳の会話は、10~20%程度が翻訳の品質向上に使用される。正しく翻訳されているかどうかは、自然言語AIで分析される。また、現時点では、英語を起点として対応する10カ国での音声翻訳機能が提供されているが、これは対訳データを収集しやすいためで、一定以上の学習データが集まり次第、英語以外での言語間での直接翻訳にも対応していくという。
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