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たしかに、理系と文系という区別は、古くは明治時代に帝国大学が文科大学と理科大学に分けられ、またそれに合わせて旧制高校なども文科・理科に分かれていたことにはじまります。今でも東京大学の教養課程は文科と理科に分かれています。ただ、大学自体はもっと細かく学部学科に分かれれており、いちいち文系・理系と考えてはいないと思います。
現在の 文系・理系の区分は、入試タイプが、社会科を課すか、理科を課すか(あるいは数学を課すかどうか)の2タイプに分かれる傾向があることに対応する便宜的なものです。それに合わせて、高校側がコース分けなどをするために、文系・理系という分け方をするからでしょう。はっきり言えば、どんな学問であれ、高校までの知識や教養は問われるべきですから、センター試験のように全教科を入試に用いたらいいのでしょうが、そうすると、受験生の負担が大きいなどという緩い意見が出てくるので、その傾向が維持されているのです。
結果として、理数系の知識に弱く、社会常識的なことすら知らない文系学生や、歴史や文化に疎く、視野の狭い理系学生などを生み出し続けています。そこからさらに非科学的な情報に振り回される人間や、歴史を自然科学のように論じるような人間が現れることになるのです。
流石にその弊害は明らかになってきているので、センター試験以外でも、文系学部でも数学を課すところもあります。また、大学に入ってから、リベラルアーツと言って幅広い教養を学ばせる理工系大学(東工大など)も現れています。入試類型が変わらなければ大きな変化は望めませんが、入試に関係なく幅広い知識や教養を身につけさせる教育こそが今必要なのです。
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