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スマートフォンやTV、家電など様々な製品を次々と送り出しているサムスンですが、地球環境を考えたエコな製品も地道に開発しています。その筆頭に挙げられるのが同社のTV用リモコンです。TVのリモコンといえば単4電池2本を入れて使うものが一般的。リモコンでの電力消費量は少ないとはいえ、1年くらいで交換するケースが多いでしょう。わずか2本の電池ですが、それが積もり積もればかなりの量になります。サムスンによるとリモコンの電池の消費量は7年間で9億9000万個になるとのことです。
そこでサムスンはTVリモコンのエコ化を進めています。ボディーをリサイクル素材にするだけではなく、2021年に登場した「SolarCell Remote」では太陽電池を埋め込み、太陽光で充電できるようにしているのです。またリモコン内には乾電池はもちろんのことリチウムイオンバッテリーも搭載せず、コンデンサーを内蔵しそこに電力を貯蔵します。
そして2022年にはそのSolarCell Remoteがさらに進化し、太陽電池に加えWi-Fiルーターからの微弱電波を使って充電も可能になりました。今やどの家庭にもWi-Fiルーターは設置されています。SolarCell Remoteの2022年モデルは最大40メートル離れた場所にあるWi-Fiルーターからの電波を受け、リモコンを充電できるとのこと。
Wi-Fiで充電できるということは、TVリモコン以外への応用展開も十分可能なことを意味します。たとえばスマートホーム用の家庭内のセンサーにこの技術を応用することは可能でしょう。室温計や湿度計、騒音計、照度計といったセンサーはボタン電池を入れて壁などに固定しますが、1年も使っていると電池切れになってしまうものです。そのたびに電池を交換するのも面倒ですし、当然のことながら交換した電池は廃棄物になります。しかし、Wi-Fiルーターからの微弱電波で内蔵コンデンサーが充電できるならそれらの心配はなくなります。
またスマートフォン用の充電式スタイラスペンにも使えるかもしれません。スマートフォンのアクセサリーで消費電力の弱いものならこの技術は使えそうです。サムスンのスマートフォン向けスタイラス「Sペン」は、手書きには充電不要ですが、リモコン機能を使うときは充電が必要です。本体に内蔵できるSペンは本体から充電できますが、Galaxy S21 UltraやGalaxy Z Fold3 5G用のペンは内蔵できませんから、Wi-Fi充電ができれば便利になりそう。
ほかにも位置情報タグのAirTagなども、屋外でも飛んでいるWi-Fi電波が利用できればバッテリーレスな製品ができるかもしれません。UWBを使うモデルは電力的に厳しそうですが、Bluetoothの位置情報タグなら実現できるかもしれませんね。今は身近なTVのリモコンに応用されたこの技術、サムスンの豊富な製品に今後展開されることも期待したいものです。
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