https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG043MN0U5A400C2000000/
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酸素が少ない海でできた岩石が新たな海底資源になる可能性がある=東京大学提供
千葉工業大学と東京大学などは、酸素が少ない海洋から採取した岩石を分析し、新たなレアメタル資源になる可能性を見いだした。鉄鋼や半導体などに広く使われるモリブデンなどが多く含まれていた。
海底鉱物資源は、工業製品に不可欠な希少金属の安定供給や安全保障につながるため注目されている。ハイテク製品などに使うレアアース(希土類)を多く含む「レアアース泥」や、電池材料のコバルトやニッケルを含む「マンガンノジュール」や「コバルトリッチクラスト」などが見つかっている。
これまで見つかっていた海底鉱物資源は、酸素が豊富な海洋で安定して存在するのがほとんどだった。現在の地球の大気には酸素が多く存在し、海洋に溶け込んでいるからだ。酸素が少ない状態で形成した堆積物や岩石が含むレアメタルについてはよくわかっていなかった。
研究チームは、数億年前に海の酸素が少ない状態のときにできた岩石や、現在の海で水の流れが滞って酸素が少なくなっている場所の堆積物を調べた。紅海や黒海など世界の12地点から採取した試料に含まれている31種類の元素を対象に、独自の方法で解析したところ、バナジウムやモリブデンなどの金属を多く含んでいるとわかった。
研究成果は、新たなレアメタル資源の探索につながるとみている。東京大学の加藤泰浩教授は「酸素に乏しい海でできる新しいタイプの海底資源を見つける重要な情報になる」と期待している。研究成果は、アメリカ地球物理学連合が発行する学会誌に掲載された。
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