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 楽天モバイルのプラチナバンド獲得が2023年10月23日に決まった。プラチナバンドとは電波が届きやすい周波数帯のこと。同社は2024年中にもプラチナバンドの利用を開始する予定で、これまで課題となっていた「つながりやすさ」の改善につなげる考えだ。

 プラチナバンドを巡っては楽天モバイルの強い要望を受け、総務省が「周波数の再割当制度」を新たに設けた。規定の条件を満たせば、携帯大手3社が使用中のプラチナバンドを楽天モバイルが奪えるというものだ。周波数の再編に伴って携帯大手3社側で発生する費用も各社の自己負担、つまり楽天モバイルが負担せずに済むという「楽天寄り」の決着となったことは記憶に新しい。

 楽天モバイルが今回獲得したプラチナバンドは同制度を活用したものではなく、700メガヘルツ(MHz)帯の3MHz幅×2になる。NTTドコモが周波数の再編を避けるため、同帯域が未利用のまま残っているとして新たな割り当てを総務省に提案したところ、急ピッチで検討が進んだ経緯がある。総務省が同帯域の割当先を募集すると、楽天モバイルだけが申請する「出来レース」の様相を呈していた。

楽天モバイルが今回獲得したプラチナバンドは700メガヘルツ(MHz)帯の3MHz幅×2
楽天モバイルが今回獲得したプラチナバンドは700メガヘルツ(MHz)帯の3MHz幅×2
(出所:総務省)
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実質的な設備投資額は423億円

 「こんな開設計画をよく出せたな」

 ある携帯大手幹部は総務省が10月23日に公表した審査結果を見て驚いたという。周波数の割り当てに当たっては、申請が楽天モバイルの1社だけでも、最低限の要件を満たしているかの「絶対審査」を実施する。この審査結果から垣間見える楽天モバイルの開設計画(基地局の展開計画)があまりにも消極的、見方によっては「やる気のない」内容だったからだ。