
https://uchiideclinic.jp/blog/1471癌をはじめとする腫瘍治療について~病理学的所見に基づいた「副作用の非常に少ない治療」~ 結論を先に書くと…ロイコトリエン受容体拮抗薬という、気管支喘息や花粉症の治療薬で、多くの癌をはじめとする悪性腫瘍を治療できるかもしれない、ということです。今のところはまだ既存の標準治療よりも優れているという根拠もないので…手術、抗がん剤、放射線療法などの既存の治療を第一に考えてください。以下、詳細です(すこし長くて難しいかもしれません)。 はじめに 現在、癌は二人に一人が罹病しているほど、多くの方が悩んでおり、また、治療せずに放置すれば確実に死に至る疾患です。 厚労省によれば、2018年の死亡数は 136 万 9000 人、国立がん研究センターのデータによれば、2017年に癌で死亡した人は373,334人であり、おおよそ日本人の3人に一人はなんらかの癌で死亡していることになります。https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei18/dl/2018suikei.pdfhttps://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html そして、やはり癌と診断されたら、間違いなく死に至る恐ろしい病気であるというイメージをお持ちでしょう。また、治療も大きな手術、抗癌剤、放射線治療などが必須です。たとえ治療効果が得られたとしても身体的、精神的にとても辛く、加えて治療費は高額で経済的にも負担がかかります。癌になってしまったら、仕事もままならない、家族にも迷惑をかけるというような印象があると思います。 例えば健診などで癌が見つかったとき、私たちは大抵いつも通りの日常を送っています。自分がそんな恐ろしい病気だと信じられないくらいです。そして「私は本当に癌なのだろうか。少なくともこのまま進行せずに、今の状態を維持できれば、辛い治療など受けないのに」と思うのではないでしょうか。 ではもし、服用することで癌の進行が抑えられ、大きな副作用もなく治療効果が得られると言うような薬剤があれば…もはや癌は怖い病気ではなくなると思います。 夢のように思われるかも知れませんが、実はそれはもうすぐ近くまできていると言っても過言ではありません。新治療法につながる発見・発明について この治療法は、様々な良性・悪性腫瘍の組織を病理学的に検索し、発見された結果から導かれた治療法です。この発見は世界初のものであり、それに基づく予防・治療法は、発見者菅又昌雄先生により国際特許出願されております。 わかりやすくまとめると以下の通りです。良性・悪性腫瘍(表1)の組織に共通の病理学的所見(顕微鏡像)を発見しましたこの共通病理所見は、正常な組織には存在せず、腫瘍組織(腫瘍細胞やその周囲の細胞)のみに認められましたこの共通病理所見は、腫瘍が生存・増殖する上で必須のものであり、ある薬剤で共通の弱点として押さえることができ、様々な腫瘍(良性・悪性)の進行を抑え、治療が可能であることがわかりました加えて、この治療法は、現在行われているがん治療三大療法(手術、放射線、抗がん剤)のような副作用はほとんどありません 少し専門的になりますが、この共通の病理所見とは、ロイコトリエンという物質とそれを受けるロイコトリエン受容体との反応であり、この反応が腫瘍組織の進展に関わっています。このロイコトリエンの働きを阻害することで、予防・治療効果が得られるということです。LT:ロイコトリエン LT-R:ロイコトリエン受容体LTR-A:ロイコトリエン受容体拮抗薬今後の展望 ~副作用の少ないがん治療~ 私たちは既存の治療法を否定するわけではありません。現存の標準治療で高い治療効果が得られている悪性腫瘍もあり標準療法も重要な治療であると考えています。しかし一方では、なかなか思うような治療効果が得られず、辛い思いだけをしてしまう患者さんもいることも事実です。癌が発見された段階で、診断結果によっては、現存の治療法では治癒を見込めないと判断されてしまう場合もあります。私たちは、この様な場合でも、ロイコトリエン受容体拮抗薬で腫瘍の進行を抑制し、治療できるのではないかと考えております。 これを裏付けるように、台湾厚生省の統計によれば、気管支喘息患者でロイコトリエン受容体拮抗薬を服薬していた人は、投与時間依存的に癌罹病率が低下しているということ、そして高用量服薬患者ほど癌罹患率の減少率が高いという報告がなされていることから、この薬剤を使用することで腫瘍を制御することは間違いないだろうと考えております。(この疫学統計論文で特に効果が認められると掲載されている腫瘍は、乳癌、肺癌、大腸癌、肝臓癌)...