2023年11月23日木曜日

SFORZATO社とSOULNOTEが提唱するデジタル伝送方式「ZERO LINK」をご紹介!

https://joshinweb.jp/audio/hea10921zl.html

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  • こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "ichinose" です。

    今回は、SOULNOTE(ソールノート)と、SFORZATO(スフォルツァート)が共同開発、提案しているデジタル伝送方式「ZERO LINK」をご紹介します。

    デジタル伝送には一般的に光端子や同軸端子が用いられますが、従来のS/PDIF伝送では完全なクロックの同期は難しい。

    その問題を根本的に解決させるというものです。それでは、少しく詳しく解説します。



従来の同軸ケーブル「S/PDIF」「AES/EBU」伝送の問題点

従来のセパレート型デジタルプレーヤーは、通常トランスポートとDAC、それぞれ別のクロックで動いています。その二つのクロックにズレが生じると、当然ながらノイズが発生するなど様々な問題が生じます。

同軸端子を用いた従来のS/PDIF伝送では、送信側(トランスポートなど)のクロックのタイミングに合わせて、受け手側(DACなど)が、フィードバックをかけながらなんとか同期させていました。

しかも、サンプリング周波数には多くの種類があるので、通常はDAC素子前段にある「PLL(Phase Locked Loop)」を用いて、入力されたそれぞれの周波数に変換させています。 しかし、DAC素子に採用されているPLLの変換精度は万全とは言えず、データのものを変質させてしまう可能性さえあります。

一般的なネットワーク接続の内部動作

いずれの接続方法の場合も、D/Aコンバーターに非同期回路が存在してしまいます。


ネットワークプレーヤーの構成

USB DACの構成

LAN DAC(diretta)の動作


「ZERO LINK」とは?

簡単に言えば、デジタル音声データの基準となるクロックを、DVI端子を使ってプレーヤー(トランスポート)とDAC間で共通化する事で、非同期動作を追放してしまう方式。

良質なクロックを用意したD/Aコンバーター側からトランスポート側にきれいなクロックを送り、そのタイミングでデジタル音声データをDACに送ってほしいとリクエストする、これが「ZERO LINK」の概念です。

実際にSOULNOTEのCDプレーヤー「S-3 Ver.2」ではDACチップに内蔵されたPLLを使用していません。では、どうやってさまざまなサンプリング周波数の音声データに対応しているのか。

そこで登場するのが「DDS(Digital Direct Synthesizer)」です。これはマスタークロックから様々なクロック周波数を生み出す超高精度な変換器で「ZERO LINK」製品では、このICを搭載しているわけです。

更に「ZERO LINK」ではマスタークロックやI2S信号を送るだけでなく、同時に相互通信も行っています。トランスポートは音源のフォーマットを再生前にD/Aコンバーターに伝え、そのフォーマットに同期する高品位のマスタークロックをD/AコンバーターのDDSが生成してトランスポートに送り返す。

トランスポートは、そのマスタークロックに同期したピュアなI2S信号を生成し、D/Aコンバーターに送る。

この結果、D/Aコンバーターからトランスポートまで、D/Aコンバーターのマスタークロックに完全に同期させることができ、音質劣化の原因となる非同期回路を完全に排除できる仕組みです。


「ZERO LINK」の構成 トランスポートをOpenHomeで動作させた場合

「ZERO LINK」の構成 トランスポートをUSB接続で動作させた場合

「ZERO LINK」の構成 トランスポートをdirettaで動作させた場合


もちろん、この場合、マスタークロックの性能(品質)が大きなポイントとなります。ハイエンドユーザーではマスタークロックを購入するなら、ルビジューム素子でないと・・・と思っている方も多いと思いますが、安定した高品位なルビジュームを使っている機種は100万円超となるため、なかなか手が出せないですよね。

先週ご紹介した、SOULNOTEのマスタクロック「X-3」は一般的な発振素子のOCXOが使用されており、SOULNOTEの超ド級である3シリーズ用としては、安価でいかがなものかと思いましたが、評論家の先生たちに驚くほど絶賛されていますね。

ただし「X-3」はSOULNOTEの「ZERO LINK」接続を前提として設計されているため、出力は1系統しか装備されておりませんのでご注意ください。


SOULNOTE「X-3-S」
 SOULNOTE「X-3-B」

ちなみに「ZERO LINK(ゼロリンク)」という呼び名は無駄な処理を『 ZERO(ゼロ)にしたい 』という意味から命名。

ゼロリンクの伝送には従来では映像に使われていた「DVIケーブル」を使用。高速のデジタル信号の伝送が可能で、ケーブルがしっかり端子に固定できるために選ばれたとの事です。

担当者からコメント

私も優れたクロックジェネレーターの威力には何度も驚かされています。音場の空間の透明感が改善され、空間の広がりが顕著に、ヴォーカルや各楽器のフォーカスが合って、音像がシャープに描かれる、本当に聴いていて気持ちがよくなりますよね。

SOULNOTEの「ZERO LINK」では更に、音の解像度が上がり、音がリアルと言うか、何とも生々しい! 音楽の表現力が改善されて、音楽の表情や色艶が増して、半端ない没入感を味わえます。





SOULNOTE「ZERO LINK」に対応した機種

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