2024年5月21日火曜日

窒化アルミセラミックコンデンサとは?

 


窒化アルミセラミックコンデンサは、窒化アルミニウム(AlN)セラミックを誘電体として使用したコンデンサです。従来のアルミナセラミックコンデンサと比べて、以下の優れた特性を持っています。

1. 高い熱伝導率

窒化アルミニウムは、アルミナの約7倍から10倍の熱伝導率を持ちます。そのため、発熱量の多い電子機器で使用しても、熱による性能劣化を抑えることができます。

2. 高い電気絶縁性

窒化アルミニウムは、高い電気絶縁性と耐電圧特性を持ちます。そのため、高電圧・高周波回路で使用することができます。

3. シリコンに近い熱膨張係数

窒化アルミニウムの熱膨張係数は、シリコンに近い値です。そのため、シリコンチップを直接実装することができ、基板とチップ間の熱膨張によるストレスを軽減することができます。

4. 高い機械的強度

窒化アルミニウムは、高い機械的強度を持ちます。そのため、振動や衝撃に強いコンデンサを作ることができます。

5. 優れた耐環境性

窒化アルミニウムは、耐水性、耐薬品性、耐塩素ガス性に優れています。そのため、過酷な環境で使用することができます。

用途

窒化アルミセラミックコンデンサは、以下の用途に使用されています。

  • パワーエレクトロニクス機器(ACインバータ、太陽光発電システムなど)
  • 高周波回路(携帯電話基地局、通信機器など)
  • LED照明
  • 車載電子機器

今後の展望

窒化アルミセラミックコンデンサは、その優れた特性から、今後ますます需要が拡大していくと予想されています。特に、電気自動車や5G通信システムなどの分野での利用が期待されています。

窒化アルミセラミックコンデンサの代表的なメーカー

  • 村田製作所
  • TDK
  • 太陽誘電
  • 京セラ
  • ローム

参考情報

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