ペンシルヴェニア大学の研究チームが、イカの吸盤を取り囲む「環歯」にヒントを得た、自己修復する強力なプラスティックを開発した。
PHOTOGRAPH COURTESY OF SARIOLA ET AL, SCIENTIFIC REPORTS, 2015
TEXT BY DANIEL CULPAN
TRANSLATION BY RYO OGATA, HIROKO GOHARA/GALILEO
WIRED NEWS (UK)
イカの吸盤を取り囲む「環歯」にヒントを得た、自己修復する強力なプラスティックが開発された。
ペンシルヴェニア大学の研究チームは、『Scientific Reports』誌に発表した研究において、イカがもつ頑丈な角質環歯について調べた。この環歯は触腕の吸盤にあるもので、破損しても水に浸すと自己修復する。
研究チームは、いくつかの種類のイカの歯のサンプルを調査したあと、破損した環歯を修復するための遺伝子コードを解き明かすことに成功。彼らは修復に必要なタンパク質を研究室で人工的につくり、溶剤を使ってそれを弾性のあるプラスティックにしたのだ。
次に自己修復力をテストするため、このプラスティックを半分に切り、それらをまたひとつにして水を1滴落とした。そして、摂氏45度で2つを合わせ押さえたところ、プラスティックは再び融合したのである。プラスティックの耐久性は、切る前と同じ程度だったという。
この自己修復プラスティックは将来、海底ケーブルの保護コーティングに使われたり、生物医学装置の開発に役立ったりすることが期待されている。
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