勉強の為に転載しました。
https://www.google.co.jp/amp/s/av.watch.impress.co.jp/docs/topic/1128/806/amp.index.html
2018年6月22日 16:31
夏商戦真っ最中だが、AV関連の大型製品といえば「テレビ」だ。大手メーカー製の4Kテレビでも10万円を切る製品も出てきており、4Kテレビが“当たり前“になった。一方で、各社の上位機種・プレミアムモデルは有機ELへのシフトが進んでいる。また12月にスタート予定の「新4K8K衛星放送」も注目だ。BS/110度CSでの4K放送と8K放送が予定されており、放送側での4K/8K対応が進められているほか、東芝REGZAシリーズのようにBS 4Kチューナ搭載製品が発売され始めている。さらに、年内にはシャープから、8Kテレビの登場も見込まれている。
こうしたテレビの高機能・高付加価値化が進む一方で、「格安テレビ(ジェネリックテレビ)」のように、必要十分な機能を持ちつつ、価格を抑えた製品も続々と登場している。50型の4Kテレビで5万円台など、「インチ1,000円程度」かつ性能的にもそれなりの製品が出てきている。
プレミアム化とジェネリック化が進むテレビ市場。キーワードごとに注目点をまとめた。
明るく価格もこなれてきた有機ELは、各社のフラッグシップに
有機EL(OLED)テレビは、LG、ソニー、東芝、パナソニックと、2018年の各社新製品が出揃った(東芝X920の発売は7月下旬)。2018年モデルで明確になったのは、シャープを除くほとんどの大手メーカーが「フラッグシップモデルは有機EL」を明確にしたことだ。
ソニーは液晶フラッグシップ「Z9D」は2年間モデルチェンジしていないし、パナソニックのFX800もミドルレンジの上位モデルといった位置づけ。東芝は液晶最上位の「Zシリーズ」を年内に投入予定だが、現時点の最上位モデルは有機ELになっている。
各社の'18年モデルは、有機ELの弱点とされた明るさの改善、画質・音質など基本機能が進化。加えて、価格も55型で30万円台後半からと、昨年よりかなり買いやすくなってきている。BCNによれば昨年6月の有機ELテレビの平均単価は44.6万円だったが、今年5月は30.2万円となっている。5月の数字はモデル末期ということもあるが、有機ELが身近なテレビになってきているのは間違いない。
各社の新製品でもひときわ目を惹くのは、東芝「REGZA X920」のBS 4Kチューナ(新4K8K衛星放送チューナ)内蔵だろう。放送開始は12月で後日視聴チップの追加が必要だが、現在発表されている有機ELテレビで唯一のBS 4Kチューナ内蔵機となる。また、地デジノイズ低減や、解像度が削減されたBSデジタル放送画質に最適化した処理の導入など、テレビとしての基本機能強化が行なわれている点もポイントだ。X920シリーズの発売は7月下旬なので、まだ入手はできないが、BS 4K放送に注目している人には最優先の選択肢になるだろう。
ソニーの2018年モデルは「BRAVIA A8F」シリーズ。基本的な仕様は昨年のA1シリーズを踏襲しており、床置きを前提としたA1を、一般的なテレビスタンドを着けてリファインしたデザインバリエーション的な製品がA8Fシリーズだ。
BRAVIAシリーズの特徴は、テレビの画面そのものを振動させて音を出す「アコースティックサーフェイス」の搭載。画面自体から音が出るため、自然なリップシンクやセリフの聞こえやすさを実現できる。また、Android TVによるスマートフォン連携や、音声操作にも対応。最新のAndroid Oreoにも対応予定で、映像配信サービス専用ボタン付きのリモコンなど、スマート機能の強化も特徴となっている。
パナソニックの新有機ELテレビは、VIERA FZ1000とFZ950の2シリーズ展開。映像エンジン「ヘキサクロマドライブ プラス」の強化による明部表現力の向上やダイナミック3D-LUTの採用による明るさの強化。明るいシーンでの色や階調表現力も高めている。
FZ1000とFZ950の画質は同等。違いは「スピーカー」だ。FZ1000は「Tuned by Technics」の新設計スピーカーを搭載し、音にこだわった製品として提案。音の違いで実売価格も約5万円の差がついている。
LGの有機ELテレビは、5シリーズ10モデルと「選べる」ラインナップをそろえており、サイズも77型有機ELまで用意している。
壁に貼りつけるようなデザインの最上位モデル「OLED W8P」は77型と65型、Dolby Atmosスピーカーの「OLED G8P」は65型、スリムなスピーカー採用の「OLED E8P」は65型と55型、77型と65型、55型の3サイズ展開の「OLED C8P」、スタンダードモデルで65型と55型の「OLED B8P」を用意。B8P以外の上位機種は、OLED専用設計の新世代映像プロセッサ「α9 Intelligent Processor」により、ノイズ除去や色再現などの画質向上を図った。
壁掛けデザインのW8Pシリーズはディスプレイ部とチューナ/サウンドバー部を別筐体とし、「壁にかかった一枚の絵のようなデザイン」の「Picture on WALL」仕様。On Glass Screenデザインで、Dolby Atmosスピーカー搭載の「8Pシリーズ」など、デザインや音質の特徴で「選べる」ラインナップを用意。家電連携機能「ThinQAI」にも対応する。
またソニーとLGの有機ELテレビは、Dolby VisionのHDR信号に対応している。
多くのメーカーが有機ELの弱点とされていた「明るさ」に手を入れてきたほか、地デジ画質の改善にも力を入れており、「普段使い」のテレビとしての性能強化を図ったのも2018年モデルの特徴。また、これまでは「映画に最適」という高画質性能を訴求していたが、動画レスポンスの良さも有機ELの特徴。明るくなってきた有機ELで、スポーツもより臨場感をもって楽しめるはずだ。
各社各様のバリエーションを用意し、価格帯も30万円台から270万円まで。2018年の有機ELテレビは「選びがいがある」製品が揃っている。
実売20万円程度の主力4Kテレビをピックアップ
各社が力を入れている50型近辺で20万円程度の液晶テレビ。代表的な機種で、それぞれの特徴をおさらいしてみよう。
シャープでピックアップするのは、4K/HDR液晶テレビ「AQUOS 4K AM1」の50型「4T-C50AM1」(43型は6月30日、50型は8月発売)。おすすめ番組や情報を音声で伝えるAIoTクラウドサービス「COCORO VISION」やAndroid TVの最新版「Android 8 Oreo」を搭載。家族のよく見る番組や時間帯などの内容を学習してオススメ番組を教えてくれるだけでなく、人感センサーにより電源が自動でONになるなど、同社が提案する“人に寄り添う”AIoT機能が特徴となる。
画質も新開発の映像エンジン「AQUOS 4K Smart Engine PRO」の採用などで強化。スピーカーは、オンキヨーによる高音質技術などを取り入れている。テレビスタンドが左右のスイーベル対応で、座る位置にあわせて画面の向きを変えられるのもシャープAQUOSならではだ。
ソニーは、液晶テレビの上位モデル「BRAVIA X9000Fシリーズ」から49型「KJ-49X9000F」を紹介。最上位映像エンジン「X1 Extreme」を搭載し、画質を強化。広色域の「トリルミナスディスプレイ」と120Hz倍速駆動対応パネルを搭載するほか、新たな残像低減技術「X-Motion Clarity」を搭載。また、こちらもAndroid TV(Android 8.0)に対応予定で、スマートスピーカー連携などが特徴となるほか、リモコンも充実している。
シャープとソニーは、OSがAndroid TVなので、映像配信サービスや各種ネットサービス関連のアプリ充実も特徴といえる。また、今後のアップデートでGoogleアシスタントによる音声操作やスマートスピーカーからの制御にも対応予定だ。
パナソニックからは、49型「TH-49FX750」をピックアップ。4K高輝度IPSパネルを採用し、映像エンジン「ヘキサクロマドライブ」など、広視野角/高画質の特徴を継承しながら、HDR対応を強化。HDR 10のほかHLG(ハイブリッドログガンマ)方式のHDRに対応した。加えて、地震に強く倒れにくい、吸着機能付き「転倒防止スタンド」の採用や、アプリなどの使いやすさを向上する「新・かんたんホーム」の導入などを図っている。
またスタンドをかえ、スタイリッシュなデザインを採用した55/65型のVIERA FX850シリーズも展開している。
東芝は有機ELテレビと同様に、普及価格帯の液晶4KテレビにもBS 4Kチューナを搭載してきた。注目は重低音バズーカースピーカーとBS 4Kチューナを搭載した50型「REGZA 50BM620X」。機能は充実しながらも価格は175,000円程度とリーズナブルだ。
BS 4K放送は12月のスタートだが、いち早くテレビにチューナを内蔵。現在発売されているテレビでBS 4Kチューナを搭載しているのは東芝だけだ。映像エンジンは「レグザエンジン Evolution」を搭載し、4K放送映像を高画質化する「BS/CS4Kビューティ X」によりノイズを抑えながら4K放送本来の美しさを再現するという。
BS 4Kと並ぶ特徴が、重低音再生を強化した「バズーカオーディオシステム」。4cm×12cmのフルレンジユニット×2と、6cmウーファ×1による総合出力40W(10W×2+20W)のスピーカーシステムによる、迫力ある音質が特徴だ。また、バズーカースピーカー以外の仕様はほぼ共通で、2万円弱安価な「50M520X」も展開している。
有機ELの本家であるLGも、4L液晶テレビを3シリーズ展開。また、最近シェアを伸ばしているハイセンスも、リーズナブルな価格と機能の充実で注目される。映像配信サービス対応などを充実させ、65型で約17万円の「65A6500」など価格競争力の高い製品が多い。
HDMIの18Gbps対応に注目
各社のテレビで注目したいのはHDMI入力の仕様だ。HDMI 2.0端子でも、伝送帯域が18Gbpsのものと10.2Gbpsのものがある。ミドルクラス以上の4Kテレビは概ね4系統のHDMIを備えているのだが、2系統しか18Gbps対応していないメーカーが多いのだ。
具体的には、東芝とLGの4Kテレビは基本的に全HDMI端子が18Gbps対応だが、シャープ、ソニー、パナソニックは2系統のみが18Gbps対応となる。
4K/HDR映像の伝送のためには、全てが18Gbps対応してくれたほうが安心感がある。
10.2GbpsのHDMI端子の場合、4K/24p、30p(YUV)のHDR信号であれば伝送可能だが、4K/60p接続時にHDR信号を出力できない。また、Fire TVなどのRGB信号を出力するデバイスのHDR出力にも制限が生じる。また、カタログなどに「HDR推奨HDMI端子」などと記載があるものあるが、どのHDMI端子がHDR(18Gbps)対応なのかはわかりにくい。そのため、HDR対応の接続機器が増えそうな場合は、各社のテレビのHDMI仕様(18Gbps対応)に注意したい。
例えば今後発売されるBS 4Kチューナで4K/HDR放送を楽しむ場合、18Gbpsが必要となる可能性が高い。すでに、Ultra HD Blu-rayプレーヤーとPlayStation 4 ProなどのHDR対応プレーヤーを繋いでいる、といった場合は、3つめの18Gbps対応HDMIが必要となり、そのために繋ぎ変えたりする必要がある。これは少々面倒くさい。
地味ながら各社製品で違いが出ている部分なので、接続機器が多い人はチェックしてみてほしい。
BS 4K/8K(新4K/8K衛星放送)対応
また、今年のテレビ市場を占う大きなテーマが新4K/8K衛星放送だ。特にBS 4Kについては、かなり注目のトピックになりそうだ。詳しくは別記事でまとめているので参照してほしい。
新4K/8K衛星放送では、新たに使用される「左旋」対応にあたり、アンテナの変更や室内配線等の変更が必要。これは少しハードルが高い。
しかし、実はNHK 4Kならびに民放キー局のBS 4K放送の5局(BS朝日 4K、BSジャパン 4K、NHK BS4K、BSフジ 4K)は、現行のアンテナや室内配線でも視聴できる可能性が高い。つまり、現在BS放送を見ている家庭であれば、テレビやチューナさえ導入されれば、 BS 4K放送を実際に体験できるため、身近な放送になりそうだ。4Kの高画質をより身近に毎日楽しめるという意味で、BS 4K放送への期待は高まっている。
また、4K放送コンテンツもNHKをはじめ、各BS 4Kチャンネルが力を入れており、4Kネイティブ率はかなり高くなりそうだ。そのため、テレビメーカーもかなり「本気」でBS 4Kに力を入れている。
東芝はすでに述べたように、REGZA シリーズで、BS 4Kチューナを搭載。後日のアップデートで対応する。
また、東芝以外のシャープ、ソニー、パナソニックもBS 4Kチューナを開発中で、これらを接続すれば、従来の4Kテレビ(HDCP 2.2対応のHDMIが必要)でも4K放送が見られるのだ。
8K放送の「NHK BS8K」は左旋となるのでアンテナや室内配線の変更が必要になる見込み。12月の放送開始までには対応機器が発売される見込みだ。
BS 4Kに関しては、12月の時点で身近な放送になりそうだ。アンテナ対応を含めて、「BS 4Kにどう対応するか」は、テレビ選びの重要なポイントといえそうだ
8Kテレビはシャープに注目
BS 8Kの対応製品はまだ発表されていないが、8Kチューナ内蔵のテレビ、もしくは8Kチューナと8Kテレビの組み合わせが必要だ。また、8K放送の「NHK BS8K」は、BS左旋で展開されるため、アンテナや室内配線の対応も必要となる。
まだ製品発表は行なわれていないが、確実に8K一番乗りと予想されるのがシャープ。既に8Kテレビ(チューナは2K)「AQUOS 8K LC-70X500」を発売中で、現時点では一般で買える唯一の8K対応テレビとなる。
8KとAIoTを経営計画の中核に据える同社は、8Kに積極的だ。5月には、BS 4K、BS 8Kのチューナを放送開始に先駆けて発売すると表明。80型、70型、60型の8Kテレビや8Kチューナなど、豊富なラインナップで8K展開する計画を明らかにした。価格は、「60型のチューナ無しモデルで、50万円程度」、「8Kチューナは20万円を切りたい」とのことなので、8K対応は合計約70万円となる。
8Kテレビについては、まずはシャープの動きを注目しておきたい。また、NHKがフラグシップチャンネルと位置付ける「NHK BS8K」は、かなり積極的な8K展開を予定しているので、年末に向けて目玉企画などが発表されると思われる。
ジェネリックテレビをどう捉えるか
この2年ぐらいで注目が集まっているのは、ドン・キホーテなどのディスカウントストアや通販サイトで展開される「格安テレビ」。「50型4Kで5万円台」など、低価格な4Kテレビが増えており、AV Watchの記事ランキングでも注目度が高い。必要十分な機能を備えた「ジェネリックテレビ」とも言われている。
以前から低価格で攻めるテレビメーカーはあったが、最近は「東芝製ボード」や「日本製ボード」を売りにした製品が人気だ。実際、国内大手メーカー製のテレビに近い操作感や機能を実現している製品が増えている。例えば、ダブルチューナとUSB HDDへの録画機能などは、ほとんどのジェネリック4Kテレビが備えており、操作性もこなれている。
もちろん、大手メーカーの上位クラス製品と比べれば、違いは当然ある。
画質については映像エンジンが国内メーカーボードであっても、世代差や機能差による違いがある。また倍速対応の液晶パネルなどを採用したものはほとんど無いなど、使用している部品等はエントリークラスの基本的なものだ。
HDR対応の製品もあるが、HDMI 18Gbps対応は1系統のみのものがほとんどで、NetflixやYouTubeなどの映像配信サービス対応や音声操作といった機能も弱い。
しかし、地デジはきちんと見られるし、HDDをつなげば録画もできる。プレーヤー等をつなげばBDやDVD、映像配信サービスなども見られる。ジェネリック4Kテレビは、大きなディスプレイを低価格で導入したい人にとっては魅力的な製品といえる。
不安なのは故障の対応やサポートだが、ショッピングサイトでも、楽天のように格安テレビ専用コーナーを設けて、配送や保証の充実をアピールするところも出てきており、ある程度環境が整ってきたようにも見える。
また、現在の仕様としては“ジェネリック”でも、5~6年前の液晶テレビに比べれば、動作速度や画質の面での良くなっている可能性も高い。「テレビをもう買い換えたいが、BS 4Kなどの状況を待ちたい」という場合などは、2年程度のつなぎとしてジェネリック4Kテレビを購入するというのも考えとしては“アリ”だろう。求める機能や性能と合致すれば、格安テレビも一つの選択肢になってくる。
こだわりのテレビ選びを
そのほかにもAndroid TVなどの搭載OSの違いや、スマート機能の充実、音声操作対応など、各社のテレビで違いはあるが、特に操作感やインターフェイスについては店頭などでも試して、自分になじむものを選んでほしい。
年末に向けて、スマートスピーカーや音声操作対応、さらに新4K8K衛星放送などのトピックも目白押しで、テレビの進化はまだまだ続く。しかし、基本的な価値である画質・音質にこだわるのであれば、大手メーカーのミドルクラス以上の製品がやはり安心感があるし、長く使えるものになるはずだ。
有機ELか液晶か、BS 4Kチューナの有無、OSの違い、画質や音質の良さなど、こだわりを持って選べるラインナップが揃った2018年夏のテレビ。この記事が商品選びの参考になれば幸いだ。
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