パレスチナ自治区ガザ地区の病院での爆発をめぐり、国際社会から非難の声が相次いだ。情報が交錯するなか、イスラエル軍による攻撃との見方が広がり、中東の国々では抗議行動が発生した。
パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市で2023年10月17日、病院の爆発で負傷した子ども=AP
トルコの最大都市イスタンブールでは、イスラエル総領事館のあるビルの前に数千人の群衆が集まり、敷地内に入ろうとしたり、花火をうち込んだりした。
イラクの首都バグダッド中心部では市民が集まり、「ノー、イスラエル!」「ノー、アメリカ!」などと叫ぶ様子がSNS上に広がっている。
アルジャジーラやロイター通信によると、レバノンやチュニジアでは米大使館周辺などで抗議活動が起きているという。
AFP通信は17日夜、パレスチナ難民が多く住む隣国ヨルダンの首都アンマンで、抗議する人たち数十人が、イスラエル大使館の敷地に押し入ろうとしたと伝えた。現地にいるAFPの記者によると、抗議する人たちは警備を突破して大使館に向かっていたが、治安部隊が催涙ガスを使って防いだとしている。
各国首脳や国際機関も非難を伝えた。
フランスのマクロン大統領は17日深夜、X(旧ツイッター)に「フランスは多くのパレスチナ人が犠牲になった攻撃を非難する」と投稿した。「病院に対する攻撃を正当化できるものは何もない。民間人を標的にすることを正当化できるものは何もない」と訴えた。攻撃したのが誰かについては言及しなかった。
英国のクレバリー外相も同日深夜、Xに「英国は同盟国と協力し、何が起こったのかを明らかにするとともに、ガザにいる無実の民間人を守る」と投稿した。爆発について「計り知れないほどの人命の損失」と表現し、「なによりも、民間人の命を守らなければならない」と訴えた。
ロイター通信によると、カナダのトルドー首相は記者団に「ガザから発せられているニュースはおぞましく、許容できない」と発言。「戦争にも決まりがあり、病院を攻撃することは許されない」と指摘した。欧州連合(EU)のミシェル首脳会議常任議長は「市民施設への攻撃は国際法を順守していない」と語ったという。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は17日、Xに「初期段階の報告では、数百人の死者と負傷者が出ている」と投稿し、病院の爆発について「WHOとして強く非難する」とした。「即座に一般市民と医療ケアが保護され、避難命令が撤回されることを求める」と訴えた。
中東諸国政府からも非難が相次いだ。
ロイター通信などによると、ヨルダンのアブドラ国王は声明で、爆発は「虐殺」かつ「戦争犯罪」であり、「黙っていられない」とした。サウジアラビア外務省は「凶悪な犯罪」とする声明を出した。アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、シリアも爆発について強く非難した。
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