2024年1月19日金曜日

光量子コンピューターの「量子ビット」でエラー修正する手法開発…東大など

https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E5%85%89%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE-%E9%87%8F%E5%AD%90%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88-%E3%81%A7%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC%E4%BF%AE%E6%AD%A3%E3%81%99%E3%82%8B%E6%89%8B%E6%B3%95%E9%96%8B%E7%99%BA-%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E3%81%AA%E3%81%A9/ar-AA1nc7jh?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=edb9b2deb5d143cba54915045e630ea5&ei=18

研究成果の意義を説明する東京大の古澤教授(18日、東京都文京区の東京大本郷キャンパスで)
研究成果の意義を説明する東京大の古澤教授(18日、東京都文京区の東京大本郷キャンパスで)© 読売新聞

 次世代計算機「光量子コンピューター」の計算を担う素子「量子ビット」にエラーを訂正する機能をもたせることに成功したと、東京大や情報通信研究機構(NICT)などのチームが発表した。実用的な量子コンピューターの実現につながる成果だという。論文が19日、科学誌サイエンスに掲載される。

 量子コンピューターは従来のコンピューターの計算能力を上回ると期待される一方、計算エラーが頻繁に生じる。計算途中でエラーを訂正する仕組みが必要だが、そのためには大量の量子ビットを必要とした。

 光量子コンピューターは、量子ビットとして、超伝導材料などの物質ではなく光を使う。光方式は室温で動作し、大型の冷却設備が不要で、小型の装置で大規模な量子計算ができるメリットがある。しかし、ほかの方式と違い、誤り訂正の仕組みがないのが課題だった。

 チームは、高性能な光子検出器を開発し、「GKP量子ビット」という特殊な光の状態を作り出すことに成功。計算のぶれを量子ビットで修正する手法を開発した。研究を率いる東京大の古澤明教授は「大規模な量子コンピューターで誤りを訂正できる段階に来た。時代の変わり目だ」と意義を強調。成果の事業化に向け、9月をめどに新興企業を設立する方針を明らかにした。

 北海道大の富田章久教授(量子情報科学)の話「従来は難しいとされてきた、光方式での誤り耐性型量子コンピューターの実現に一歩近づく成果だ」

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