https://www.nikkan.co.jp/jm/shinmaywa
https://www.nikkan.co.jp/jm/shinmaywa
たゆまぬ技術革新で安心で快適な街づくりに貢献する
記者の視点
新明和グループは積極的に成長と価値向上を目指している。2030年度末までの長期目標は、売上高4000億円(2024年3月期2570億円)、株主資本利益率(ROE)12%(同7.1%)の達成を掲げる。一見、目標数値の壁は高く感じるが、航空機や特装車、防衛関連分野など「伸びしろ」のある事業は多い。シェア首位の塵芥車(ゴミ収集車)などの特装車事業、下水道用マンホールポンプや豪雨時に雨水を排出する水中ポンプを手がける流体事業は、生活を支え、防災を担い、社会インフラ(基盤)を握る 。多様で安定した基盤事業と秘めた潜在力が、成熟する国内市場での新明和の強みにほかならない。
一方、目標を達成するには個々の事業を横通しする相乗効果の創出が欠かせない。例えば、航空機事業部の製造工程で発生したCFRPの廃材をリサイクルし、流体事業部が部品の一部に使って試作品を作るなど、製造過程で生じる廃棄物の削減や新たな用途開発にも着手している。
さらに、新事業創出に挑む専門部隊が開発を進める水素供給装置は、燃料としての水素の普及を促すとともに、近い将来、特装車向けの脱水素装置へと発展させることも視野に入れている。こうした総合力の発揮が、新たな事業領域や価値の創出を握っている。現状、売上高比率が約20%の海外事業も伸ばせる余地は大きい。戦前の航空機製造から出発した名門企業の次代に向けた成長戦略が、試される。
0 コメント:
コメントを投稿