私は、現職に就く前に、レコーディングを主な仕事とする、いわゆる「スタジオミュージシャン」という仕事をしておりました。
担当はドラムです。
まず、演奏力が全く違います。
これは技巧はもちろんのこと、表現力、自身が担当する楽器でのアレンジ力も含めての話で、引き出しの豊富さがアマチュアとはケタが違うと思います。
また、どのような環境でも、安定した演奏ができるのも、プロとして不可欠な要素だと思います。
私が経験した状況ですが、その日はステージの仕事でした。
現場に行ってみると、なんとドラムのモニターがないのです。
音響さんが一本忘れたみたいで、替わりにモニターとして使える転がしもなく、ホトホト困ったことがありました。
でも開演時間は待ってくれないし、仕方なくモニターなしでワンステージをこなした覚えがあります。
幸い全曲暗譜していたので、アタマの中で楽曲を流しながら(笑)、なんとか切り抜けました。
あと、ジャズクラブで演奏中に、電源が全部落ちたことがありました。
ジャズは私の本業ではないのですが、一通りのスタンダードナンバーは知っていたので、ウッドベースとピアノ、ドラムのフルアコースティックで2時間近く演奏した経験があります。
モロにスティックで演奏すると、ウッドベースとピアノとの音量のバランスがとれないので、
「何かのときに使えるかなー」
と、スティックケースに菜箸を入れていたので、それで演奏しました(笑)
それ以外にも、プロは楽曲を仕上げるスピードがアマチュアと比べるとめちゃくちゃ早さが違います。
スタジオミュージシャンのばあいは、商業ベースの楽曲(歌謡曲など)なら、スタジオで譜面をもらって、一度合わせてだいたいの楽曲のフレー厶をつかんだら、すぐにレコーディングに入ります。
だいたいは、Take1〜Take3まででOKTakeを出します。
譜面をもらってから、OKTakeが出るまでに、一曲に掛かる時間は30分〜40分、長くても1時間を越えることはありません。
なお、ここでいう「プロ」とは、腕一本で仕事として演奏できる人のことで、いわゆる「バンドさん」は売り物にはなっていても、私はプロとは考えていませんでした。
例外はもちろんありますが、彼らはいわば「システムコンポ」のようなもので、みんなで組んで一人前みたいな感じで、バラ売りできる実力はないことがとても多い印象です。
それに対して、スタジオミュージシャンは、バラ売りのオーディオみたいなもので、どんなメンバーとの組み合わせでも、その場で売り物にできるクオリティーの演奏をする実力があると思います。
ただ例外として、商業ベースではなくアーティスティックな活動をしているバンドさんは全くの別物で、皆さんしっかりとした演奏をなさいます。
0 コメント:
コメントを投稿