2023年10月19日木曜日

酸化アルミニウムと酸化タンタルを1:1で混ぜて高い温度で処理すると弾性率の高い丈夫なガラスが出来ました。自動車のフロントガラスなら半透明の液晶ディスプレイを挟んでカーナビや速度計やタコメーター(エンジン回転数)や燃料計やバッテリー計や自動車の故障箇所の表示機能などを表示した方が良いと思います。

金属並みに強靱なガラスができた。2016.1.8




酸化アルミニウムと酸化タンタルでできた超高弾性率ガラス。鉄と同等の強さを備えている。

スマートフォンを落としてスクリーンを割った時には、もっと丈夫なガラスがほしいと誰しも思うはず。東京大学生産技術研究所が開発した「超高弾性率ガラス」は、これまでのガラスの常識を覆すことになりそうだ。
弾性率の高い(変形しにくい)ガラスを作るには、材料に酸化アルミニウムを加えることが有効だと以前から科学者たちは予見していた。しかし、酸化アルミニウムでガラスを実際に作ろうとすると、容器とガラスの接触面に二酸化ケイ素の濁った結晶が形成され、どうしても透明なガラスを作ることができなかった。
そこで、東京大学の研究チームは、容器を使わない「無容器法」による製法に取り組んだ。材料の酸化アルミニウムと酸化タンタルに下から酸素ガスを噴射して浮上させ、レーザーで約2000℃に加熱して溶融、急速冷却を行うことで無色透明のガラスを作ることに成功した。酸化アルミニウムと酸化タンタルだけからなるガラスは、世界で初めてだという。
生成されたガラスを計測したところ、弾性率(の一種であるヤング率)は160GPaであることがわかった。酸化物ガラスの弾性率は80GPa、鋳鉄が152GPa、鋼鉄が200GPaとなっており、身の回りにあるたいていの金属より丈夫なガラスといっても過言ではないだろう。
研究チームによれば、「3〜5年後の近い将来、カバーガラスなどの製品開発につながることが期待されます」とのこと。スマートフォンの画面が割れたという悲劇は、過去の笑い話になってしまうかもしれない。

(文/山路達也)

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