2024年7月3日水曜日

SIビジネス未来戦略社会DX

 

「DX」を唱えるだけではもう生き残れない。
新しいニーズにどう対応し、顧客を掴むのか。

SIビジネス未来戦略 社会DX編

期待される社会課題解決とデジタル人材創出
業界の全課題・成長分野分析

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市場動向、成長分野、オフショア戦略、社会課題への対応・・・
「新しいDX」の時代に、どう勝ち残るのか。
新たな戦略を描くための全情報がここに。

 SI事業は、今、戦略の見直しを迫られています。コロナ禍により、日本の抱える高齢化や過疎化などによって生じる社会課題が可視化された一方で、まだまだ先だと思っていたオンライン社会が突如として登場し、中期的にはデジタル投資は堅調に推移する見込みです。同時に、ユーザー企業は社会のニーズを敏感に感じ取り、「社会課題解決」を経営課題とリンクさせ始めました。SI産業はこれから、社会のDXまでをも見通した中期戦略を考えなければなりません。

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次の一手が未来を決める。
激変する時代の成長戦略を描く。

特長1顧客企業のニーズの変化を分析

「社会課題の解決」にどう対応するのか

ユーザー企業が「社会課題解決」を経営課題とリンクさせ始めました。DXを必要とする社会課題は山積しており、エネルギー、交通機関、教育や医療など多くの社会インフラ領域において、SI産業は重要な貢献が可能です。これらは、DXの第二章としてSI事業者の事業戦略のターゲットとなります。社会のDXという新たなニーズによるSI事業への影響、SI事業者が取り得る戦略を解説します。

DXに新テーマ「社会課題の解決」が浮上

SI事業者はDXを推し進める一方で、社会課題の解決という新たなニーズに向き合わなければなりません。
社会課題によるSIビジネスへの影響を分析します。

  • ■ 社会課題産業としてのSIビジネスの位置づけ
  • ■ SIビジネスへの影響分析
    • ● 移動・交通分野のMaaSシフトによる影響
    • ● クラウド、データセンターへの影響
    • ● SI業界のテレワーク:働き方への影響と人的資源確保
    • ● カーボンニュートラルとデジタル
      • ・ バリューチェーンからバリューリンク、減価償却から増価蓄積
      • ・ 再生可能エネルギーをめぐる都市の最適規模
      • ・ ドイツ・シュタットベルケへのSI事業者アプローチ
  • ■ SI事業者の事業戦略のターゲット
    • ● 社会インフラの高齢化
    • ● カーボンニュートラル、ESG対応、静脈系、バリューリンク
    • ● 制度、マイナンバー、公的クラウドなどのプラットフォーム
  • ■ 社会課題への取り組み 3つの着手ポイント

図:これからの20年は社会課題に集中的に取り組む20年

図:コロナ禍を“黒船”とするSIビジネス産業の中期展望

DX対応と従来型ビジネスのバランスをどう取るか
社会DX時代のSI事業戦略は?

新たな事業機会を作り出す「ビジネスIT」への取り組み(DX対応)に重点を置くか、従来型ビジネス「コーポレートIT」で生き残りを図るか。DXの新テーマ「社会課題の解決」にはどう対応するか。
自社の強みと弱みを見極め、戦略を立てるためのヒントを提示します。

  • ■ ビジネスITシフト戦略をへて社会のDX戦略へ
  • ■ ビジネスITシフト戦略
  • ■ コーポレートITで生き残る戦略
  • ■ 生き残り人材戦略とコロナ対応の働き方戦略
  • ■ 大手SI再編 見えない異業種再編が進むのでは?
  • ■ 残された有望分野
    • ● 人のIoT、ヘルスケア分野 ほか
  • ■ シーズソーシングと、その適用対象としての非IT分野
    • ● チャイナソーシングをめぐるリスク対策 ほか
  • ■ 自治体、官公庁分野の攻め方
  • ■ 海外戦略 ポストコロナは、米国再参入

図:ビジネスITとコーポレートITの選択から社会のDXへ

特長2SI事業の全課題を分析

市場動向から人材戦略、新技術への対応、オフショアまで

急速に変化する市場環境、次に必要とされる技術への対応、社内人材の“リスキル”の方向性といったDX人材の育成、為替変動などによってもたらされるリスクやオフショア対象国の動向など、SIビジネスに関わる全課題を詳解します。

市場環境を見極める

コロナ禍による需要減の一方、「無人化」「自動化」などのデジタル投資は増大。為替・サプライチェーンや物価変動は激化しています。先行き不透明なSIビジネスの市場環境を展望します。

  • ■ SIビジネスを取り巻く市場環境
    • ● SIビジネスの業界構造
    • ● SIビジネスの収益実態
    • ● SIビジネス市場の振り返りと現在のポジショニング
    • ● 人手不足を成長の機会に変える。2020年以降のIT市場展望 ほか
  • ■ 従来型モデルは行き詰まり、「ハッピーセット」モデル登場

図:SIビジネスの収益実態(プロセス別)

SI事業者の人材問題

顧客企業の戦略立案にまで踏み込める人材をどう育成するのか。社内の人材をDX人材に転換するには?採用方法やライフサポート、中高年を対象にしたリスキル、戦略型ITマネジャー育成など、人材確保の方策を示します。

図:リスキル転換の動向

技術とスキルセットの変化
新技術領域のビジネスチャンスと課題

顧客企業のDXが急務となった今、クラウド、AI、IoTや自動化・ロボットなどの技術は、急速に導入が進んでいきます。今後必要とされる技術領域について、課題とビジネスチャンスを提示。IT技術者に必要とされるスキルセットも解説します。

  • ■ トレンド技術10領域

クラウドコンピューティング、AI、自動化・ロボット、IoT、アナリティクス、アジャイル開発とマイクロサービス、エッジコンピューティング、メタバースとデジタルツイン、XR、Web3.0

オフショア対象国のトレンド

経済安全保障と為替環境変化により、オフショアリングは大きな転換点を迎えました。中国一本やりのリスクが増すなか、国内ニアショアの開拓や、三国間ショアリングの推進も戦略の一つに。オフショアの対象11か国を個別分析します。

中国、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、インド、ポーランド、アイルランド

図:中国オフショアリング市場推移と特徴

図:ベトナムのオフショアリング市場推移と特徴

SI事業者の中期計画
パーパス、社会課題がテーマに

SI事業者のこれまでの重点テーマの変遷を振り返り、今後の中期計画の主要テーマを提示します。

  • ■ 人材活用・働き方改革
  • ■ レガシーシステム対策
  • ■ 海外展開(アジアと米国への取り組み強化、為替変動への対応)

特長3企業タイプ別生き残り戦略

タイプ別に勝ちパターンを見極める

SI業界で過去、有効であったパートナー会社の多重構造は機能しなくなり、社内人材は高齢化、オフショアリングは再検討を余儀なくされるなど、SI事業者の人材をめぐる環境は極めて苦しい状況です。顧客企業のニーズ、競争条件が大きく変わる中で、戦略の再検討は必須。SI事業者のタイプ別に強みの生かし方、ハンディを補う突破口、切り込むべき分野など具体的な戦略を解説します。

主要SI事業者 12タイプ別事業戦略

産業特性とシステム特性から組織・体制、人事戦略まで、タイプ別に事業戦略の方向性を提示します。

  • 技術系SIベンチャー/情報システム部門をバイパス
  • SaaS系SIベンチャー/経営の世代交代を狙う
  • 中堅SI事業者/クラウド優位生かしSaaSプライム展開
  • 大手SI事業者/ビジネスITに新たな2×4と新たな人材派遣
  • 金融子会社系SI事業者/フィンテック、リスキル、次世代自動化
  • 製造子会社系SI事業者/工場とオフィスのIT部門統合
  • 事務機器子会社系SI事業者/全社のデジタル人材プール
  • 流通・サービス子会社系SI事業者/人材受け皿会社をDXのために
  • 通信子会社系SI事業者/何よりも内部人材の意識変革
  • 電力・鉄道子会社系SI事業者/デジタル組織は統合しない
  • 商社系SI事業者/ベンチャーと新技術への取り組み増やす
  • 設備・工事系SI事業者の戦略/急速な高齢化、労働形態の見直しで乗り切る

図:技術系SIベンチャーの勝ちパターン

特長4産業別システム化動向

産業別にシステム化のトレンドを分析

主要産業別の動向について、SI事業者からの視点でどう捉えるべきかを解説します。デジタル化投資動向や注目すべきトピックス、今後得られる事業機会などを提示。自社の力の生かし方、今後の成長分野を見極めるためのヒントが掴めます。

  • ● 金融業:フィンテック対応と新金融、サイバー・リアル連携 ほか
  • ● 流通業:無人店舗は精算のその先へ
  • ● 運輸業・物流業:オープンシェアリングとドローン ほか
  • ● 官公庁・自治体:デジタル庁対応とデジタル田園都市
  • ● 製造業:バリューリンクと遠隔化
  • ● 不動産・住宅:不動産テックと金融、流通 ほか
  • ● 医療・介護・ヘルスケア:新たな高齢化市場の登場 ほか
  • ● 農業:都市部の植物工場
  • ● セキュリティー:AIと5Gで劇的な業態変化とDXを
  • ● シェアリング:ブームから定番へ、B2Cにチャンスあり

図:保険業界の特徴、位置づけ

図:構内配送ロボの事業機会

すべての図表 出所:野村総合研究所

こんな方にお勧めです!

  • SI企業の経営企画部門で中期経営計画などを検討、立案する方
  • 新規事業開発の担当者など、業界別SIビジネス市場の動向を知りたい方
  • DXに対応するための人材戦略を担う方

目次

本書の目次

第1章ポストDX、ポストコロナのSIビジネス

第2章SI事業者のビジネス戦略・総論

第3章SI事業者のタイプ別事業戦略

第4章産業別システム化動向

第5章技術とスキルセットの変化

第6章SIビジネス課題分析

第7章オフショアリング対象国のトレンド

第8章SI事業者の人材問題

第9章SI事業者の中期計画

図表一覧190点以上の図表を収録。ダウンロードして企画書などにご利用いただけます。

著者からのメッセージ

SIビジネスは企業・産業のDXから「社会課題を解決する」DXへ。
今こそ、未来を拓く新たな事業プランを策定する時です。

 SI事業は、今、戦略の見直しを迫られています。コロナ禍により、日本の抱える高齢化や過疎化などによって生じる社会課題が可視化された一方で、まだまだ先だと思っていたオンライン社会が突如として登場しました。「対面非接触」「無人化」「自動化」などへの投資が強まり、中期的にはデジタル投資は堅調に推移する見込みです。

 同時に、ユーザー企業は社会のニーズを敏感に感じ取り、「社会課題解決」を経営課題とリンクさせ始めました。それは、個別企業や業界のDXが、社会のDXへと拡大していくことを表しています。エネルギー、交通機関、教育や医療など多くの社会インフラ領域において、SI産業は重要な貢献が可能であり、場面によってはSI事業者は社会インフラ事業者としての責任を追うことも増えていきます。SI事業者はこうした社会のDXまでをも見通した中期戦略を考えなければなりません。

 足元の業績がよくても、SIビジネスを取り巻く環境は激変しています。自社の人材や顧客企業の将来ビジョンなども踏まえ、社会のDXへの人的資源をいかに確保するか。求められているのは従来と大きく異なるニーズでもあり、「SI業界の維新」が伴って初めて期待に応えられるのです。結局、変革した企業だけが生き残る―。SI企業にとって変革は避けては通れない道なのです。

 とはいえ、基幹系システムが不要になるわけではありません。この最大の強みを生かしつつ早く変革するには、自社・自業界の理解が十分であることが前提です。課題を押さえたうえで、成長分野を分析し、自社に合った道を選ぶ。技術の変化は早く、経済安全保障、為替、物価変動の観点からオフショア戦略も重要性が増しています。急激に進展する社会DX時代を見据え、今こそ未来を拓く新たなる事業プランを策定する時です。ぜひ「SIビジネス未来戦略 社会DX編」をご活用いただき、あなたの会社が取るべき戦略を見いだしてください。

著者桑津 浩太郎

野村総合研究所 研究理事

京都大学 工学部数理工学科卒業。 1986年にNRI入社。野村総合研究所 情報システムコンサルティング部、関西支社、ICT・メディア産業コンサルティング部長を経て、2017年研究理事に就任。 ICT、特に通信分野の事業、技術、マーケティング戦略と関連するM&A・パートナリングなどを専門とし、ICT分野に関連する書籍、論文を多数執筆。

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【収録内容】
◎第1章 ポストDX、ポストコロナのSIビジネスより「デジタルの先取りと過疎の前倒し いずれもDXを後押し」「DXの社会展開は社会課題への取り組み」
◎第2章 SI事業者のビジネス戦略・総論より「ビジネスITシフト戦略をへて社会のDXへ」「生き残り人材戦略とコロナ対応の働き方」の一部
◎第3章 SI事業者のタイプ別事業戦略より「大手SI事業者の戦略」の一部
◎第4章 産業別システム化動向より「官公庁・自治体のトレンド」の一部
◎第6章 SIビジネス課題分析より「SIビジネスの業界構造」「従来型ビジネスモデル」
◎第7章 オフショアリング対象国のトレンドより「フィリピン」
◎本レポートの全目次、図表一覧

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SIビジネス未来戦略
社会DX編

期待される社会課題解決とデジタル人材創出
業界の全課題・成長分野分析

  • ■著者:桑津 浩太郎
    野村総合研究所 研究理事
  • ■価格:書籍とオンラインサービスのセット:330,000円(10%税込)
    ※書籍のみの販売はありません。
    ※本書は「SIビジネス未来戦略 ポストコロナ編」(2021年3月発行)の増補改訂版です。
  • ■発行日:2022年11月30日
  • ■仕様:A4判、274ページ
  • ■発行:日経BP

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