普段行く機会の少ない地域に行くと、私(佐藤)は必ず地元のスーパーマーケットに立ち寄る。大手が扱っていない商品や、そのお店でしか作っていない弁当や総菜があるかもしれないからだ。

最近も東京・羽村市を訪ねた際に羽村市を拠点とするスーパー「福島屋」を覗いてみた。そうしたところ、ローカルスーパーと侮っていたら、自社ブランド商品豊富な個性派スーパーと判明! しかも、都内の驚くべき場所に出店していたのだった!! 福島屋、タダモノではない!!

・小さい店だからこそ

大手のスーパーは規模の大小はあったとしても、どこも似たり寄ったりだ。その点、ローカルスーパーは、大手にはない個性的な商品を販売していることがある。例を挙げるとすれば、埼玉・春日部の「みどりスーパー」はかなりエッジの立った店内製造品を販売している。「そこらへんの草天丼」や……。


地下神殿クリームパン」など。個性爆発! 最高と言わざるを得ない! 絶対こんなの大手じゃマネできないし、小さいお店だからこそできる強みだと私は考える。


・オリジナル商品、ハンパない!

はたして、福島屋にはどんな個性的な商品があるのかな? お店に入ると、あちこちに「FUKUSHIMAYA TASTING MARKET」と掲げられている。

福島屋は食事のあり方を伝えていく「食のセレクトマーケット」をコンセプトにしており、生産・加工・流通・販売が一体となっているそうだ。生活をより豊かに楽しくする食事選びに貢献できるようなお店を目指している。


青果コーナーを見ると、有機農産物を全面に押し出しており、生産者の顔が見えるディスプレイを施している。


鮮魚・精肉も品揃え豊富で、売り場には清潔感が漂っている。手書きのPOP中心で、売り場から人のぬくもりのようなものも感じられる。機械的じゃなくて良いね。


生鮮食料品よりも、どちらかといえば加工食品に力を入れている印象がある。陳列商品を見ると、たとえばパンはオリジナル商品だ。


大納言ブレッドが人気で、朝の販売分は完売していた。この雰囲気だと次の販売分も売り切れる予感。


洋菓子もオリジナル。パイやタルト、プリンやコーヒーゼリーなどがズラリと並んでいる。


草団子などの和菓子もオリジナル。あんこがたっぷり乗っていて、実に美味そうだ。このあんこは後ほど紹介する別店舗で製造している。


弁当・総菜も充実している。けど、値段は思ったよりも安くはないかな。お店で取り扱っている商品は、全般的に素材や産地にこだわっているようなので、その分、ややお高いのかも。



コーヒーもオリジナルブランドで出している。無農薬のコーヒーを自社で直火焙煎しているそうだ。小さな郊外のスーパーで、自社焙煎をしているとは、かなりのこだわりようである。


自社ブランド品はこれだけではなく、せんべいもオリジナル! まさかせんべいまで開発しているとは!?


まだあるぞ、ミックスナッツもオリジナル! ちょっと待て。大手ならまだしも、商品開発に力を入れすぎなんじゃないか!? 福島屋はやはりタダモノではないのでは!


実際にせんべいを購入してみた。無添加魚沼産米100パーセントを使用した「魚沼物語」(税別320円)。製造元は魚沼市の「有限会社山文」である。


「自家製手作りプリン」(税別280円)も買ってみた。あまりにも美味そうに見えたもんだから、買わずにはいられなかったよ。


生地はとろ~りとした飲めるタイプ。プリンに固さを求めない私にとっては、ドンピシャの食感! 優しい甘さでとろける舌触り。好きだな、この味!!


・店の外にも凄さが!

福島屋の凄さはこれだけじゃない。その凄さは店の外でも確認できるのである。店舗の斜向かいに、こんな案内板があった。4つの店舗の位置を指し示す案内板だ。上から3つ目が先ほどの福島屋(fukushimaya)である。

そのほかの3つも……、福島屋の仲間だ!


通りの向こうにあるのは、薪釜レストラン「ZONAVOCE」。天然酵母のパンとピッツァをメインに福島屋で扱う素材を活用した料理を提供している。その隣の生花店「ファンタス・ガーデン・クラブ・ザイン」も仲間である。


さらに道路を挟んだ洋菓子店「kuru-maru」で作った商品は福島屋でも販売していて、1軒挟んだ隣には、コミュニケーションスーパーの「ファンタス羽村店」がある。農家から直接買い付けた農畜産品や、蔵元から仕入れたお酒の販売を行っている。


ちなみにファンタスの隣も以前はどら焼き専門店の「アンシード」として営業していたようなのだが、現在は店舗として営業しておらず、先ほどの「五の神あんこ」の製造を行っているそうだ。


それから羽村駅前には「福島屋食堂」もある。あいにく、ファンタス以外のお店は本日(火曜日)定休日だったので、お店を利用することはできなかった。


・個性爆発!

ファンタスは営業していたので、中の様子を覗いてみよう。


店に入ると中央に精米機があった! ここで買った玄米をその場で精米できてしまう! なお、この日精米機はメンテナンスとなっていた。また、「お米の販売はお一人様一点限り」ともなっていた。ここにも米不足の影響が……。


それからコストコ商品もあったぞ! オーガニック商品を中心に販売しているとのこと。ただでさえ自社ブランド品豊富なのに、コストコのものまで売ってるとは、隙なしか!?


中でも、私が驚いたのはお酒の品揃えだ。店内に専用の保冷庫まであるじゃないの!


焼酎は甕(かめ)で量り売り! 渋いッ!!


そしてそして! 芋焼酎もオリジナル!! 鹿児島県の神川酒造とコラボして作ったそうだ。もう何でも自前で作っちゃうのね!


ちなみに琉球南蛮焼の甕まで売っちゃってるよ! 個性爆発! こういうの大好き!!


さらなる驚きの事実をお伝えしちゃうと……。福島屋は羽村市だけのものではなく、実は六本木にも秋葉原にも虎ノ門にもあったのです!!


いまさら気づいた! 秋葉原のUDXビルの1階にたしかにスーパーがあったな。あれが福島屋だったとは、全然気づかなかったぞ!

ってことで、魅力的なオリジナル商品をバンバン作る福島屋は、地域密着でありながらもピンポイントで都心に進出しているスゴイスーパーだった。こういう「我が道を行く」って経営方針ってなかなかできないよなあ。今後も大手にはできない商品開発と店舗戦略で、末永く続いてほしい。応援しているぞ!


・今回訪問した店舗の情報

店名 福島屋 本店
住所 東京都羽村市五ノ神3-15-1
時間 10:00~20:00
定休日 1月1~3日

参考リンク:福島屋
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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