勉強の為に転載しました。
https://mainichi.jp/articles/20180407/k00/00m/010/165000c
安倍晋三首相が「70年ぶりの大改革」として今国会での成立を目指す働き方改革関連法案には、対象を高収入の一部専門職の働き手に限定するとはいえ、労働時間の規制を初めて撤廃する「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が盛り込まれた。過労で大切な人を失った遺族からは「どんな職種でも、時間管理をなくしてはいけない。労働者に代わりはいても、家族に代わりはいないのだから」と、制度に反対する声が上がっている。
高プロに該当する労働者は、年収1075万円以上の金融ディーラーや研究開発職などの専門職が想定されている。この枠組みが今後拡大されて、時間規制がない労働者が増えていくのではないかという懸念を、過労死遺族や労働問題に詳しい弁護士らは抱いている。
2013年に過労死したNHK記者、佐戸未和さん(当時31歳)の父守さん(67)と母恵美子さん(68)は「人の命に関わる法案。過労死をなくすため、国会では一つ一つのテーマをきちんと議論してほしい」と語っている。
両親が未和さんについて調べたところ、未和さんの時間外労働は亡くなる直前の1カ月に209時間に達していた。守さんは「未和のように労働時間がきちんと管理されなければ、過労死につながる。過労死防止に直結する規制強化を先行して議論すべきではないか」と訴える。法案の閣議決定を聞いて、恵美子さんは「高プロで企業が労働時間の管理を免れることによって、労災認定が難しくなってしまう。企業の都合の良い『働かせ方改革』になっているのではないか」と憤った。
小児科医だった夫を過労自殺で亡くした「東京過労死を考える家族の会」代表の中原のり子さん(62)は、野党の会合に連日、足を運んで法案の行方を見つめてきた。14年に厚生労働省の協議会に参加して、同省と二人三脚で過労死防止法を作ったという思いがある。それだけに「その厚労省が、労働者とは正反対の方を向いた法案を作ったのは残念だ。今の社会に子どもたちを出せないと感じている。どんな職種でも時間管理は必要で、その原点に立ち返ってほしい」と語った。【古関俊樹、神足俊輔、市川明代】
0 コメント:
コメントを投稿