勉強の為に転載しました。
https://toyokeizai.net/articles/amp/62820
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難しい話を簡単に、簡単な話を難しく。AV機器からメディア論、子供とITの関係まで幅広い話題を扱うコラムニスト、小寺信良さんが時事問題を論じます。今回のテーマは無料通話・チャットアプリのLINE。「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」2015年3月6日 Vol.025 <観点の整理号>より紹介します。
来年度、うちの町内の子供会会長を引き受けることになった。実はその選任の日にちょうど子供とネットの講演がかち合ったため、やむなく選任会を欠席することになったのだが、抽選で妙な役が当たるよりも、いっそのこと会長をやったほうが誰の言うことも聞かなくていいので楽なんじゃないか、と思ったのだ。
あとで聞いたら、1人親の家庭は役員免除対象だったらしいが、まあいいやとそのまま引き受けることにした。それというのも、今日本の離婚率は18%ぐらいあり、ものすごくざっくり言うと、クラスの5人に1人は1人親という計算になる。
実際には子供のない夫婦や熟年離婚もあるのでもっと減るとは思うが、うちの小学校の感覚では、7人に1人ぐらいは1人親のようだ。そのぐらいになってくると、もはや1人親の家庭は、珍しくもないということなのである。それを全部免除していったら、回るものも回らなくなってしまう。
連絡網にLINEを導入してみた
それはさておき、先日、新旧役員の引き継ぎ会が行なわれた。前役員の皆さんは、メールでやりとりしていたようだが、今年はもう1人の会長(2人会長体勢なのだ)の発案で、LINEのグループで連絡を取り合うこととなった。
僕もLINEの使い方ぐらいは知っているが、周りにあまり使う人が居ないため、日常的に使っている感じでもない。いちばん今連絡で多く使っているのは、Facebookのメッセージだ。これはSkypeと相互乗り入れになったので、ますます使われるようになっている。
こちらとしても本格的に使ういい機会だということで、その案に乗ることにした。するとわかったことだが、40を過ぎたおっさんとおばちゃんがLINEを使うと何がいいのか。これはいくつかある。
2015年03月11日
1.この年代だとそもそもLINEの利用率が低いので、ほかの連絡手段と混じらない
LINEで何かメッセージが届いたら、ああ子供会か、とわかるのである。もちろんこれは、人による。もう1人の会長は上の子が高校生なので、家庭内でLINEの利用率が高いからという理由なのだろう。だがそれはそれとして、今度はすべての連絡がLINEでまとまるから便利、というメリットが生まれる。いちばん中途半端なのは、連絡がいろんなツールに均等にまたがっている場合だ。今年の子供会のメンバーは、全体的にあまりLINEの利用率は高くなかった。
2. 既読が付くので、いちいちメール読みました的な返信をしなくても伝達率がわかる
これはけっこう重要なポイントで、メールでの連絡網ではいちいちメールを読んだら読んだと返信してください、というルールが決まっている会もある。これがまだ面倒だし、相互に読みましたメールをやりとりしていると何がどうなってるかわけがわからなくなる。この手間がないだけで、連絡の効率が格段に上がった。また各投稿に対して、今伝達率が何%ぐらいだなというのがわかるので、次の伝達を打つタイミングがわかりやすくなる。
3. 前回の引用が付いてこないので、会話の見通しがよくなる
いつからメールというのはそういうルールになったのか知らないが、返信でメールを返していると、下部にやりとりしたメールの引用が延々続く。一言「わかりました。」と返すだけでメッセージ量が30kbぐらいになってることがある。そこまで過去を引きずっていると、あきらかにその案件に対する集中力が削がれる。シンプルに要件だけをやりとりするのがいちばんいい。
もはやメールの機能が時代遅れなだけ?
4. ズレたタイトルがついて回らない
これもメールの弊害だが、最初に付けたメールのタイトルが延々やりとりの中で返信され、すでにそのテーマの話じゃなくなっているのに最初のタイトルが付いてくるのでわかりにくいという現象を生み出してみる。誰がリテラシーの高い人がどこかでタイトルを書き換えるべきなのだが、まるで毒饅頭のように誰もそこを触りたがらない。
5. 不達がない
これはケータイやスマホ1本の人には関係ないかもしれないが、PCでメーラーやGmailでメールを管理していると、複数のメールアドレスを使い分けることになる。相手方がPCメールの着信拒否をしていると、いちいち送信元のアドレスを選び直して送り直しになるため、相手に伝わるまで3回ぐらいメールを送り直すはめになる。しかもCCしているなかで1人だけ返ってきたりすると、めんどくささが3倍増しになる。一方LINEは同プラットフォーム内での伝達なので、相手の利用端末に関係なく、必ず届く。
6. 流れると困る要件は、ノートに貼れる
グループにはノートという機能があり、トークで流れた内容をコピーして貼っておけるスペースがある。トークは話がどんどん流れていくので、過去の重要な項目を参照するときに見つけづらくなる。あとできっと見返すなという項目は、ノートに貼っておけばいつでも見ることができる。
ざっと見ると、これLINEが優れてるというよりも、メールというシステムがダメダメだということの裏返しにしか過ぎないことがわかる。そう、今となってはもうメールは固定電話並みにレガシーな通信手段であり、進行中の情報を空中戦でやりとりするにはもう向いてないのである。
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