2021年3月9日火曜日

パイナップルの食べ頃と栄養成分など

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パイナップルの栄養素や効果・効能とは? おいしい食べ方・切り方や保存方法について

パイナップルの栄養素や効果・効能とは? おいしい食べ方・切り方や保存方法について

最終更新日:2020年04月24日

トロピカルフルーツとして人気のパイナップル。スーパーやコンビニエンスストアでカットされたものも売られ、手軽に食べられることも魅力の一つですが、実は栄養が豊富で食べると体やお肌にうれしい効果や効能があることがわかっています。パイナップルの栄養やカロリー、以外と知らない切り方やおいしい食べ方、保存方法まで解説していきます。

パイナップルとはどんな果物?

パイナップルはブラジル原産とされ、大航海時代にコロンブスによって発見されました。ヨーロッパに持ち帰られてアフリカやアジアの熱帯地方へ広まり、日本へは江戸末期に伝来しました。松かさ(パイン)のような形と、リンゴ(アップル)のような甘い風味が、名前の由来になったと言われています。コスタリカ、ブラジル、フィリピンなどの暖かい地域で生産されており、日本では主に沖縄県で栽培されています。パイナップル科アナナス属の果物で、豊富な栄養素が含まれています。

パイナップルに含まれる主な栄養素

ビタミンB1

ビタミンB1は疲労回復のビタミンとも呼ばれ、糖質の代謝に欠かせないビタミンです。糖質からエネルギーを生みだす代謝の過程で、ビタミンB1は酵素の働きを助ける補酵素として働いています。ビタミンB1が不足すると、糖がエネルギーに変換されずに疲労物質として体内にたまってしまい、疲労回復の妨げになります。

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化ビタミンとも呼ばれ、皮膚や血管の老化を防ぎ免疫力をアップさせる働きがあります。コラーゲンの合成に働くので、筋肉や骨を強くし、肌にハリを持たせてくれます。メラニン色素の沈着防止や、ストレスを和らげる効果などの生理作用も持っています。鉄の吸収も助けるので、貧血気味の方は合わせてとると効果を発揮します。

食物繊維

食物繊維には、お腹の調子を整えて便通を改善し、大腸がんや生活習慣病を予防するなどの働きがあります。パイナップルには、善玉菌を増やして腸内環境を整え、便の水分を増やして軟らかくする水溶性食物繊維と、水分を吸って腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し、有害物質を排出する働きを持つ不溶性食物繊維の両方が含まれています。

ブロメライン(たんぱく質分解酵素)

ブロメラインは、パイナップルをはじめとするブロメリア科の植物から発見されたたんぱく質分解酵素です。肉料理などに使うと、肉のたんぱく質の分解を助けるため消化されやすくなります。ですが、ブロメラインは60℃以上に加熱すると活性が失われてしまうため、調理の際はパイナップルの加熱時間を短くするなどの工夫が必要です。食後に生のパイナップルを食べるのもよいでしょう。未熟なパイナップルを食べたときに舌がピリピリと感じることがありますが、このブロメラインが原因の一つと言われています。ブロメラインはその性質から、傷の治りをよくする軟こうとしても利用されています。

糖質

3大栄養素の一つで、体や脳のエネルギー源となり、脂質をエネルギーとして使う際にも必要とされます。足りなくなると、集中力の欠如、疲労回復の遅れ、筋肉量の低下、肌あれなどの影響が考えられます。脳の成分でもある糖脂質の成分としても重要です。

ミネラル(鉄・マグネシウム・カリウム)

ミネラルは、3大栄養素の働きをサポートして体の調子を整える、体の組織を構成する、酵素の成分になるなどの大切な働きをしています。鉄はヘモグロビンの成分になり酸素を運搬する働きがあり、不足すると疲れやすくなったり鉄欠乏性貧血を招きます。マグネシウムは骨や歯を作り、神経の興奮を抑える働きを持っています。カリウムは野菜や果物に多く含まれ、体液量や血圧、筋肉、神経、心臓の動きを調整するなどの役割があります。

パイナップルのカロリーはどれくらい?

100gあたり53kcal程度で、果物の中では平均的です。
5枚切りの食パン1枚(80g)のおよそ4分の1程度のカロリーで、比較的低カロリーであると言えるでしょう。とはいえ、とり過ぎには注意しましょう。

パイナップルを食べて健康・美容対策!

1. 疲労回復
ビタミンB1が糖質の代謝を助け新陳代謝を促すことで、疲労回復が期待できます。

2. 便通の改善
豊富に含まれる不溶性食物繊維の働きで、便秘の予防や改善が期待できます(効果は人によります)。
たんぱく質分解酵素ブロメラインが消化を助けてくれるので、肉料理などに積極的に取り入れてみるのもよいでしょう。

3. お肌の調子を整える
パイナップルは美容に効果的なビタミンCを含むため、コラーゲンの合成を促してハリのある肌へ導いてくれます。またビタミンB1が新陳代謝を促すため、肌荒れを防ぎお肌の調子を整える効果も期待できます。

パイナップルの選び方

パイナップルを選ぶ時には、パイナップルの色、香りをチェックしてみましょう。パイナップルは収穫後に追熟しないため、熟したものを見分けることが大切になってきます。品種にもよりますが、皮が黄色からオレンジ色に色づいて、下の部分から甘い香りがしているものが熟していて食べ頃です。手に取ったときにずっしりと重みのあるものを選びましょう。

パイナップルの食べ頃

パイナップルは追熟しないため、販売されている状態が一番の食べ頃と言えるでしょう。時間が経つと酸味は和らいできますが、糖度が上がるわけではありません。購入したらなるべく早めに食べるようにしましょう。

パイナップルの基本の切り方

  1. パイナップルの上下を皮ごと切り落とす
  2. 縦に半分にカットする
  3. さらに4分の1、8分の1にカットする
  4. カットしたパイナップルの実の中心にある芯を切り落とす
  5. 皮と身の間に包丁を入れて身を切り離す
  6. 食べやすい一口サイズに切り分ける

まずはパイナップルの上下をカットします。お尻の部分もカットすると次のステップで縦に切るときに安定します。葉の部分はねじって取ることもできます。
縦にして半分に切り分けていき、8分の1までカットすると食べやすいサイズになります。芯や皮はなるべく残らないようにカットすることで、舌触りや酸味が気になりにくくなります。切り離した皮を器にして、一口サイズに切り分けた身を盛り付けても素敵です。

パイナップルの保存方法

基本は購入したら早めに食べましょう。
ただし、保存する場合は、高温・直射日光は避け、冷暗所か冷蔵庫の野菜室で保存します。
カットしたパイナップルは冷蔵庫で保存し、2~3日で食べきるのが基本です。
長期保存には、冷凍保存がおすすめです。食べやすい大きさに切って冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。アイスのようにそのまま食べてもおいしいですし、すりおろしてドレッシングや肉料理の下ごしらえに使ったり、スムージーに使ったりすることもできます。

トロピカルな香りにさわやかな甘みと酸味、ジューシーな果肉が魅力のパイナップル。
ビタミン・ミネラル、食物繊維が豊富で、疲労回復やお通じの改善、美肌効果などのうれしい働きをもつ果物です。たんぱく質分解酵素の性質も上手に利用して、いつもの食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修:日本野菜ソムリエ協会 

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