日経クロステックの調査によると、約6割の企業にCOBOLを使った情報システムがいまだに存在している。さらにこのうち76.9%は具体的なリプレース計画がない状況だ。深刻なのは「リプレースしたいが具体的な計画はない」という回答の多さ。リプレース計画がない回答の約3割に上っている。これらの企業は「お荷物」と化した塩漬け状態のCOBOLシステムを捨てるに捨てられない状況といえる。
コメントを見ても、お荷物ぶりがうかがえる悲痛な叫びが多く寄せられた。例えば40代の社内SEは「リプレースしたいと考えているが、ベテランエンジニアは既に退職し、仕様を深く理解している人がいない。この状況では、なかなかしづらい」と嘆いている。
「リプレースする上で、設計書に記載されていない部分をソース(コード)から読み解く作業で漏れが多発する。当時、設計書の作成が重視されていなかったことに起因するが、COBOL自体を知らない世代が主流になってきている」(40代、その他)と、難しさを訴えるコメントもあった。
リプレースの費用対効果が見えない
調査結果によると、COBOLシステムをリプレースできない理由として最も多かったのは「リプレースの手間・コストがかかる/費用対効果が見えない」だった。全体の85.3%に達しており、大きな障壁になっている。
COBOLシステムをリプレースできない理由
(出所:日経クロステック)
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コメント欄を見ても、手間とコストの負担を訴える声が目立った。
例えばIT企業の40代・ITアーキテクトは「保守サービスを手掛ける基幹システムで、これまで何度もリプレース提案しているが、費用面で折り合わず塩漬けにされている」と打ち明ける。費用対効果を考えると踏み切れないようだ。
20代の社内SEからは「リプレースした方が良いのは確か。しかし、予算の確保が必要。経営陣は全く関心がないので、予算が下りない」という声が寄せられた。
次いで多かったのは「COBOLエンジニアを確保できない」だった。その割合は23.0%である。COBOLエンジニアの高齢化や引退が背景にあるとみられる。リプレースできない3番目の理由は「COBOL以外の言語で開発することが技術的に困難」(19.4%)だった。
いずれにしても、COBOLシステムの塩漬けはデジタルトランスフォーメーション(DX)の足かせになる。突破口は上記の課題をどう解決するかである。
そこで活用したいのが「提案依頼ポスト DX」。簡単な質問に答えるだけで、複数のITベンダーからCOBOLシステムの刷新プランを提示してもらえるサービスだ。他社の事例や相場を把握する意味でも有効なはず。「お荷物」であるCOBOLシステムを一刻も早く片付けたい企業は、ぜひ気軽に利用してほしい。
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