https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210608-OYT1T50081/?from=yhd&ref=yahoo
滋賀県栗東市が2000~03年、民間企業2社に貸し付けた計10億円のうち約9億円が返還されず、原因や対策を審議していた市議会企業事業資金貸付金特別委員会が最終報告をまとめた。市の対応が遅く、議会もより慎重な審議が必要だと総括し、貸し付けの根拠となった条例を廃止すべきだと提案した。
市によると、旧栗東町が制定した条例に基づき、大阪市内のたばこ販売会社2社に運転資金として計10億円を貸し付けたが、返済期限を過ぎても担保金の1億円を除く計約9億円が返還されなかった。
市は両社と連帯保証人2人の破産手続きを申し立て、昨年12月に手続きが完了したが、回収できた債権は約686万円。弁護士費用などを除く実質的な回収額は約394万円にとどまった。
特別委は▽担保金を貸付金に見合う額にすべきだった▽市の回収姿勢が後手に回り、時間を費やした――ことなどを課題として指摘し、「市長自ら、市民に経過などを丁寧に説明すべきだ」とした。
野村昌弘市長は3日の定例記者会見で「市民への説明責任を果たしていく。条例については、現在も他の2社が返済中のため、時期を見て整理していきたい」と述べた。
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