OKIは、放熱性を約55倍向上する「凸型銅コイン埋め込み高多層PCB技術」を開発した。PCBのスルーホールに挿入する銅コインを凸型にし、放熱側の面積を増やすことで熱伝導効率が向上した。
OKIは2024年12月11日、グループ会社のOKIサーキットテクノロジーが、放熱性を約55倍向上する「凸型銅コイン埋め込み高多層PCB技術(凸型銅コイン)」を開発したと発表した。電子部品の放熱対策に空冷技術が利用できない場合、その代替技術としての貢献が期待できる。
新開発の凸型銅コインは、PCB(プリント配線板)のスルーホールに挿入する銅コインを凸型にし、放熱側の面積を増やすことで熱伝導効率が向上した。銅コインを未使用の場合より放熱性が約55倍、従来の円柱状銅コインを使った技術より放熱効率が約2倍向上する。また、従来の円形タイプに加え、矩形の電子部品向けに部品接地面と放熱面を矩形にしたタイプを開発した。
円形および矩形タイプとも、電子部品とPCBの形状や板厚に合わせた最適な放熱構造へのカスタマイズに対応する。冷却ファンやヒートシンクが搭載できない小型装置や、宇宙空間のような空冷技術が使えない環境において、電子部品が発生する熱を筐体などの外部へ高効率に逃がす放熱構造の実現に貢献する。
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