2021年8月11日水曜日

雇用保険料、来年度は2倍の可能性 コロナで積立金払底

 2021年08月11日 09:08  朝日新聞デジタル

朝日新聞デジタル

写真雇用保険料率は歴史的低水準
雇用保険料率は歴史的低水準

 多くの働き手の給与から天引きされる雇用保険料の引き上げが2022年度、避けられない状況だ。新型コロナ禍で支出が膨らみ、財源が底をつく寸前だからだ。ルール通りなら労働者は2倍、会社は約1・6倍の負担増だが、引き上げに反対し、税金の投入を求める声も強まっている。


 働き手のセーフティーネットとして国が運用する雇用保険には大別して二つの事業がある。(1)失業者に手当を払う「失業等給付事業」と、(2)休業者や転職者らを支援する「雇用保険二事業」だ。(1)には育児休業給付の事業も含まれる。


 現在の保険料率は(1)が0・6%で労働者と会社が半分ずつ、(2)が0・3%で会社だけが負担している。収入が月30万円なら本人が月900円(0・3%分)、会社が月1800円(0・6%分)を払う計算だ。


 どちらの事業も支出は保険料収入と、余った保険料の積立金からまかなう原則だ(一部、国庫負担あり)。好況時に積立金を蓄え、不況時の支出に備えるイメージで運営される。


 2019年度末の積立金は(1)が約4・5兆円、(2)が約1・5兆円だった。潤沢にみえたが、コロナ禍でピンチに陥った。(2)の事業である「雇用調整助成金」の支出が20年春~今年7月に4兆円を超えたのだ。休業手当を払って雇用を守った企業を支援する制度だ。


 (2)の資金では足りず、21年度予算ベースで(1)から1・7兆円借り、税金から1・1兆円が投入された。21年度末には(1)も(2)も積立金がほぼ底をつく見通しだ。


 そこで22年度の雇用保険料をどうするかが焦点だ。


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