聞き手・中島鉄郎

 「小鳥はとっても歌が好き」。そんな童謡もありますが、実はあの鳴き声は、仲間に大切なことを伝達しているのかもしれません。鳥類のコミュニケーションを研究している動物行動学の鈴木俊貴さんに聞きました。

     ◇

 小鳥のシジュウカラは鳴き声を複雑に使い分けます。天敵を見つけて周囲に警戒を呼びかけるとき、ヘビなら「ジャージャー」、タカでは「ヒーヒー」。私はこうした鳴き声一つ一つに意味があるのではないかと考え、「シジュウカラ語」を研究しています。

 シジュウカラに、録音しておいた「ジャージャー」を聞かせてみると、地面を見たり茂みをのぞいたり、まるでヘビが潜む場所を探すかのようにふるまいます。では、「ジャージャー」を聞いたとき、彼らはヘビの姿を思い描いているのでしょうか。ある実験で調べました。

ここから続き

 人間の場合、言葉の力で、物…

この記事は有料会員記事です。残り707文字