中国政府が 2600 億 円 以上を
PCやスマートフォンで使われるチップの多くが台湾のTSMCや韓国のSamsungなどの ファウンドリで製造されています。中国の新興企業が、TSMCやSamsungが製造するものと同等の半導体を製造するプロジェクトを政府からの援助の下で進めていましたが、完全に失敗と報じられました。これについて、ウォール・ストリート・ジャーナルがまとめています。
Two Chinese Startups Tried to Catch Up to Makers of Advanced Computer Chips—and Failed - WSJ
https://www.wsj.com/articles/two-chinese-startups-tried-to-catch-up-to-makers-of-advanced-computer-chipsand-failed-11641724382/
最新テクノロジーの開発が著しい中国にとって最も大きな問題が、PC・スマートフォンから家電製品、車に至るまで必要な半導体チップの製造です。中国のチップメーカーの生産量は、国内で必要とされるチップのおよそ17%ほどでしかなく、海外のメーカーに依存せざるを得ない状況です。
さらに、トランプ政権時から貿易摩擦をきっかけにアメリカとの関係が悪化し、一部の企業がチップ製造技術へのアクセスを制限されているため、中国にとって半導体製造への注力は重要な優先事項となっています。
2021年12月下旬に、Intelが新疆ウイグル自治区からの調達を避けるように要請する書簡をサプライヤーへ送り、中国のメディアや消費者からバッシングを受けました。このことも、中国が海外製のチップへ依存していることを象徴しているとウォール・ストリート・ジャーナルは指摘しています。
Intelが中国の「ウイグル人強制労働」に反対したせいでボイコットに直面してしまう - GIGAZINE
特にアメリカからの輸出管理が強化され、半導体の調達が完全に遮断されたHuaweiは、チップの自社開発を余儀なくされています。Huaweiは2019年に投資企業を設立し、チップ部品を清潔にするための機械のメーカーや、基板に回路を転写する フォトリソグラフィで使う薬品のメーカー、チップ製造に使われる高出力レーザー機器のメーカーなど、中国国内の半導体製造関連企業へ積極的に投資を行っているそうです。
また、中国政府は2014年頃から、チップ投資を目的とした220億ドル(約2兆5000億円)規模の産業支援計画を進めています。また、地方政府も同様の基金を設立しました。2019年には、約300億ドル(約3兆4500億円)規模の第2次国家半導体基金が設立されました。
問題となっているプロジェクトを推進していた武漢弘芯半導体製造有限公司(HSMC)と 泉芯集積回路製造(済南)有限公司(QXIC)の2社を支援するため、中国政府から数百億円もの投資を受けたとのこと。
HSMCとQXICのプロジェクトは、TSMCやSamsungが得意としている14nm以下の製造プロセスからスタートし、数年以内に7nmプロセスに移行することを目的としていたとのこと。HSMCはTSMCの元幹部をCEOに迎え、QXICはTSMCを含むさまざまな半導体企業から経験豊富な技術者を採用し、高額な報酬を支払っていたそうです。
中国は台湾の半導体メーカーから年間100人以上の技術者を引き抜いている - GIGAZINE
しかし、武漢市の地方政府は、HSMCのプロジェクトを財政難を理由に中断したと発表し、プロジェクト自体は2021年6月に正式に廃止されました。ただし、HSMCがもともと半導体企業としては実績がなく、プロジェクト自体も半導体事業への理解が薄い武漢政府から言葉巧みに巨額の投資を引き出してくすねるための詐欺同然のものだったという以下の指摘もあります。
半導体製造「弘芯」の巨大詐欺が中国で話題に - ZDNet Japan
https://japan.zdnet.com/article/35166809/
また、QXICが採用した技術者はチップ製造の技術的な知識を持っていたものの、それらの技術を統合するための知識が不足していたため、プロジェクトが遅れていき、停滞してしまっているとのこと。QXICはまだ存在していますが、記事作成時点では業務が完全に停止している状態。QXICはウォール・ストリート・ジャーナルからのコメントの要請にも応じていません。
問題となっているプロジェクトを推進していた武漢弘芯半導体製造有限公司(HSMC)と 泉芯集積回路製造(済南)有限公司(QXIC)の2社を支援するため、中国政府から数百億円もの投資を受けたとのこと。
HSMCとQXICのプロジェクトは、TSMCやSamsungが得意としている14nm以下の製造プロセスからスタートし、数年以内に7nmプロセスに移行することを目的としていたとのこと。HSMCはTSMCの元幹部をCEOに迎え、QXICはTSMCを含むさまざまな半導体企業から経験豊富な技術者を採用し、高額な報酬を支払っていたそうです。
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しかし、武漢市の地方政府は、HSMCのプロジェクトを財政難を理由に中断したと発表し、プロジェクト自体は2021年6月に正式に廃止されました。ただし、HSMCがもともと半導体企業としては実績がなく、プロジェクト自体も半導体事業への理解が薄い武漢政府から言葉巧みに巨額の投資を引き出してくすねるための詐欺同然のものだったという以下の指摘もあります。
半導体製造「弘芯」の巨大詐欺が中国で話題に - ZDNet Japan
https://japan.zdnet.com/article/35166809/
また、QXICが採用した技術者はチップ製造の技術的な知識を持っていたものの、それらの技術を統合するための知識が不足していたため、プロジェクトが遅れていき、停滞してしまっているとのこと。QXICはまだ存在していますが、記事作成時点では業務が完全に停止している状態。QXICはウォール・ストリート・ジャーナルからのコメントの要請にも応じていません。
ウォール・ストリート・ジャーナルは、QXICの主要株主であり「Cao Shan」を名乗る男性の存在を指摘しています。Cao氏の本名はBao Enbaoで、「プロジェクトのための技術や人材を集める上で潜在的なトラブルを避けるため」に偽名を名乗ってるのだそう。Cao氏はHSMCやQXICを含むさまざまなチップ設計会社を設立し、TSMCとのつながりがあるとアピール。地方政府からの巨額の投資を勝ち取りました。しかし、Cao氏のかかわる企業はどれもプロジェクトが遅々として進まず、ファウンドリが完成する気配もないとのこと。Cao氏の行動を疑う地元メディアの報道に対し、Cao氏は「政府がそんなに簡単にだまされると思いますか?」とコメントしています。
政府はこれまで特定のチップメーカーに対して新規プロジェクトを非公式に承認していましたが、過去3年間で6つの主要なチップ製造プロジェクトが失敗しているそうで、少なくとも23億ドル(約2600億円)もの資金が投入されているそうです。しかし、半導体技術中国の経済企画庁である国家発展改革委員会は、「人材や経験、十分な技術を持たない企業がやみくもに半導体プロジェクトを立ち上げている」とし、そのようなプロジェクトを支援した政府関係者の責任をきっと問うと2020年10月に述べています。
政府はこれまで特定のチップメーカーに対して新規プロジェクトを非公式に承認していましたが、過去3年間で6つの主要なチップ製造プロジェクトが失敗しているそうで、少なくとも23億ドル(約2600億円)もの資金が投入されているそうです。しかし、半導体技術中国の経済企画庁である国家発展改革委員会は、「人材や経験、十分な技術を持たない企業がやみくもに半導体プロジェクトを立ち上げている」とし、そのようなプロジェクトを支援した政府関係者の責任をきっと問うと2020年10月に述べています。
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