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目次
パソコンが故障したときや機能拡張をしたいときはマザーボードを交換することがあります。その際、OSの継続利用はできるのかどうか不安に感じることはないでしょうか。Windows 10ならハードウェアを交換した後も継続利用は可能ですから心配は要りません。ライセンス認証もできます。ただし、適切に完了させるには事前準備と注意が必要です。そこで、マザーボードを交換した後にOSを継続させる方法や注意点などについて解説していきます。
1.マザーボードを交換してもOSは継続して利用可能
結論からいえば、Windows 10ならマザーボードを交換した後もOSを利用することは可能です。本来、WindowsをOSとして稼働させるときには電話認証やドライバが必要でした。CPUやマザーボードのようなパソコン本体ともいえる部分を交換する際は、慎重さが求められてきました。あらかじめきちんと設定して準備をしておかないと正常に稼働しないことが多かったからです。
実際にWindows 7やWindows 8、Windows XPといったOSの場合、CPUやマザーボードの交換前にドライバをすべて有効にしておく必要がありました。そのため、Windows 10より前のOSを使ってきた人にとっては、不具合が心配になるのは当然かもしれません。Windows 10以前のOSとは、ライセンスの認証方法が違います。以前のOSは、製品を購入したときに発行されるプロダクトキーを入力してライセンス認証を行ってきました。一方、Windows 10はアカウントを紐づけておくだけでライセンス認証が完了できます。マザーボードを交換してもそのままOSの継続が可能なのです。
1-1.マザーボードとはどのようなものか?
マザーボードはメモリやCPUを取り付けるための基盤であり、パソコンそのものといえます。交換するとなればOSの継続が心配という人もいるかもしれません。マザーボードにはさまざまなパーツが取り付けられており、コンデンサやチップセット、CPUとそれを取り付けるためのソケット、メモリスロットなど多岐にわたります。他にも、BIOSの設定を保存しておくためのバックアップ用の電池も取り付けられています。そのため、大部分のパーツは大丈夫でも、特定のパーツが故障するなどして正常に動作しなくなる場合もあります。また、パソコンの異常を知らせるビープ音は通常のスピーカーではなく、マザーボードに取り付けられた専用のスピーカーから発せられています。
さまざまなパーツが搭載されたマザーボードは、パソコン故障の主原因の1つにもなっています。ノートパソコンのモニターが割れたなど、一見関係なさそうな故障内容の場合でも、衝撃を受けた際にマザーボードにも異常が出ている場合がございます。そのため、物理的な故障が発生した場合はマザーボードの交換も検討しておきましょう。
マザーボードは、パソコンの性能を左右するほどの重要なパーツですが、どれを選んでよいのかわからない場合は、下記のようにシェア率の高いメーカー製がおすすめですので参考にしてみてください。ただし、業務用がメインなどメーカーによって特色が違ってくる場合もあるので注意が必要です。
- ASUS
- GIGABYTE
- ASRock
- MSI
2.Windows 10でマザーボードを交換してOSを利用する手順
OSの継続利用が可能であることがわかったところで、次に知っておきたいのはライセンスを継続する方法です。ここではマザーボードを交換した後、Windows 10をOSとしてそのまま利用する手順について紹介していきます。
2-1.交換前の準備
マザーボードを交換する前に必ずやっておきたい準備がアカウントの紐付けです。Windows 10をローカルアカウントからMicrosoftアカウントへと変更しておきましょう。変更ができていないとWindows 10をそのままOSとして利用することができません。つまり、Microsoftのアカウントを取得しておけばマザーボードの変更に関係なくWindows 10が使えるということです。すでにMicrosoftのアカウントを取得している人はそのまま切り替え作業を行えます。Microsoftのアカウントを取得していない人は、まずMicrosoftの公式サイトで無料登録をしましょう。
ローカルアカウントからMicrosoftアカウントへの切り替え手順は下記の通りとなります。
- スタートメニューから「設定」に進みます
- 「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」をクリック
- 「自分用にセットアップする」というウィンドウへ進む
- このウィンドウでMicrosoftのアカウントとパスワードを入力し、「サインイン」をクリック
- 画面が切り替わったら「ローカルアカウント」のパスワードを設定します。 設定していない場合は空欄のままで次に進んでください
- 続いてPINの設定画面になりますが、ここは設定しなくても問題はありません
- ここまでの作業でローカルアカウントからMicrosoftアカウントに変更され紐付けは完了です
2-2.パーツの交換
Microsoftアカウントへの切り替え後はマザーボードの交換となります。マザーボード交換時の注意点として、後述の手順でも記載していますが作業前に静電気を含めた電気の放電をしておく必要があります。また、ドライバーやシリコングリス、軍手など作業に必要な道具が揃っているかも確認しておきましょう。
マザーボード交換手順
- マザーボードの交換をする前にパソコンの電源を落とします
- すぐに作業を始めてはいけません。 放電を行うためにしばらくそのまま放置しておきます
- 数分置いたらマザーボードが固定されているネジをドライバーで丁寧に外していきます
- 接続されているケーブルはゆっくり引き抜き、パソコンからマザーボードを外しましょう
- 続いてI/Oシールドを新しいものに交換し、メモリを取り外します
- 次にCPUを慎重に外していきます
- 続いてCPU用のクーラーも取り外しますが、埃などがあれば除いてきれいにしておくといいでしょう
- 交換するマザーボードにCPUとCPU用のクーラーを取り付けていきます
- 次にパソコンにマザーボードをセットして元通りにネジで固定する作業に入ります。このとき、ネジに緩みがないことを確認しましょう
- 続いてメモリを取り付け、外したケーブルもすべて接続して交換作業は完了です
2-3.交換後の認証
マザーボードなどハードウェアを交換後の認証手順は下記の通りとなります。
Microsoftアカウントを使用した認証手順
- マウスやキーボードを接続してパソコンの電源を入れる
- 普段より時間がかかるかもしれませんが、何も問題が生じていなければデスクトップ画面まで起動されます
- ログインを促されたら、Microsoftアカウントでログインします
- 通常はまだWindows 10はOSとして認証されていません。システム情報には「Windowsはライセンス認証されていません」という表示が出ますから、それで確認ができます
- ライセンス認証を実行するにはスタートメニューから「設定」へと進みます
- 「ライセンス認証」の画面を表示
- 続いて「トラブルシューティング」をクリックすると「トラブルシューティングは完了しました」という画面に切り替わります
- この画面で「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」という文言をクリックすれば認証作業は完了です。
電話を使った認証手順
- 「設定」画面を開きます。
- 「更新とセキュリティ」から「ライセンス認証」を選択します。
- ウィンドウの下の方に表示される「Windowsを再インストールしたり、ハードウェアを最近変更した場合は、サポートにお問合せください」と表示されているところにある「サポートに電話」をクリックします。
- 「国または地域を選んでください」から「日本」を選択します。
- 「電話でインストールIDをお知らせください」と表示されるので、無料電話番号に電話をかけます。
- 音声入力に従って「インストールID」を入力します。
3.Windows 10でマザーボードを交換する場合の注意点
Windows 10でマザーボードの交換をする際、いくつかの注意点があります。ここではマザーボードを交換するときはどのような点に注意したらいいのか解説していきます。
3-1.マザーボードの種類
マザーボードにはさまざまな種類が出ています。従来とは異なるマザーボードに交換する場合は、OS用のドライバを入手しなければなりません。ドライバの入手方法の一つはDVDなど光学メディア媒体からインストールする方法です。他にはインターネットでダウンロードすることもできます。ただし、ダウンロードする場合はあらかじめネット環境を整えておきましょう。古いマザーボードのデバイスドライバやユーティリティは不要です。新しいマザーボードに交換したらすべて削除しても問題はありません。
以前と同じマザーボードに交換したい場合、型番を調べれば購入することは可能です。同じマザーボードなら特に注意する点はありません。型番を調べる際、自作パソコンであれば購入時の箱や説明書などで確認できます。または直接マザーボードを見て確認しましょう。しかし、自作のパソコンではない場合やパソコンを起動しているときには簡単に確認することはできません。その場合はDirectX診断ツールを使って確認が可能です。
DirectX診断ツールを使った確認手順
- WindowsキーとRキーを同時に押す
- 「ファイル名を指定して実行」を表示させます
- 名前のところに「dxdiag」という文字列を入力して実行をクリックします
- 「DirectX診断ツール」の画面に切り替わったら「システム情報」でマザーボードの型番を確認してみましょう
3-2.ライセンスの紐付け
マザーボードの交換でもっとも注意したいのはアカウントの紐付けです。Windows 10はそれ以前のWindowsと違い、Microsoftアカウントでの認証が可能です。マザーボードの交換後もMicrosoftアカウントを紐付けていればOS認証がスムーズにできます。ところが、Windows 10はローカルアカウントでも認証できるので注意が必要です。Microsoftアカウントで認証されているつもりでも、実際には紐付けされていないかもしれません。
マザーボードの交換前には必ずWindows 10がMicrosoftアカウントに紐付けされていることをチェックしておきましょう。紐付けが完了しているかどうかはマイクロソフトの公式サイトでも確認できます。公式サイトにサインインすれば、購入履歴から確認が可能です。ローカルアカウントのままになっていたらすぐにMicrosoftアカウントに移行しておきましょう。
ローカルアカウントのままになっていた場合の移行手順
- パソコンのスタートメニューから「設定」へと進む
- 「アカウント」に進む
- 「ユーザーの情報」に進む
- 「Microsoft アカウントでのサインインに切り替える」をクリックして完了です
4.Windows 11のためにマザーボードを交換する際の注意点
2021年10月5日からWindows 11の提供が開始されましたが、Windows 11に未対応のマザーボードもあります。
また、TPM 2.0が有効化されてなければWindows 11にアップグレードすることができません。
TPM 2.0とはデータを暗号化して管理することで従来よりも強固なセキュリティーを可能にするモジュールで、BIOSから設定することができますが、マザーボードによってはTPM 2.0に設定することができないものもあります。
他にもWindows 11を使用するために満たさなければならないシステム要件があるので、まずはMicrosoftが提供しているPC正常性チェックアプリを使用して現状のPCでWindows 11にアップグレード可能か確認する必要があります。
Windows 11のアップグレード可否の確認手順
- Microsoftの公式サイトからPC正常性チェックアプリをインストール
- PC正常性チェックアプリを使用してWindows 11が使用可能か確認
- 可能な場合はWindows 11にアップグレード、不可の場合はシステム要件を満たすマザーボードやその他パーツの交換が必要です
ドクター・ホームネットはWindows 11対応のマザーボードやその他パーツの交換を承っております。詳細はこちら。
5.OSの再認証がされない場合の対処法
マザーボードを交換して問題がなければ安心です。しかし、OSが再認証されないこともあります。ここでは、そんな場合の対処方法について解説していきます。
5-1.アカウントの認証確認をする
マザーボードの交換後、何らかの不具合が出る場合もあります。不具合があってもWindows 10が表示されていれば心配はないでしょう。OSとして認証されているということなので、この場合はアカウントの問題ではありません。しかし、Windows 10が表示されていないならアカウントに問題が生じているということです。まずはWindows 10のアカウントが認証されているかどうかを確認しましょう。
アカウント認証の確認手順
- ホーム画面のスタートメニューから「設定」に進む
- 「ライセンス認証」へ進む
- 「Windowsのライセンス認証を行う必要があります」と表示されたらWindows 10は認証されていないので続いてプロダクトキーを入力して確認
もしもプロダクトキーを入力しても問題が解消されないなら、アカウントの再認証が必要です。
5-2.アカウントの再認証を実行する
認証確認をした結果、Windows 10が認証されていないなら再認証を行いましょう。
再認証手順
- デスクトップのスタートメニューから「設定」に進む
- 「ライセンス認証」に進む
- 次の画面で「ライセンス認証されていません」と表示されたら「トラブルシューティング」を実行
- 「ライセンス認証の問題を検出しています」という文言が表示さたら検出開始です。問題検出までに時間を要することもありますがとにかく待ちましょう
- 「トラブルシューティングが完了しました」の画面に切り替わったら画面の下に「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」という文言があることを確認し、文言が表示されていればクリック
- 次の画面では「Windows 10を再度ライセンス認証する」と表示されます。
- 「現在使用中のデバイスは、これです」にチェック
- 続いて「アクティブ」をクリック
- 認証中の画面に切り替わり、「Windowsはライセンス認証されています」の表示が確認できれば問題なく完了です
Windowsが認証されている場合、「ライセンス認証」 の項目が「Windowsはデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示されるようになります。
5-3.インターネット接続を確認する
ライセンス認証はインターネット経由で行われるため、ネット接続が必要です。ブラウザなどを開いてインターネットが正常に動いていることを確認してください。
5-4.OSのクリーンインストールを行う
ライセンスの再認証など可能な方法を一通り実行しても、問題が改善されない場合もあります。そんなときにはクリーンインストールを試してみましょう。クリーンインストールとは、パソコンを一旦まっさらな状態に戻すことです。クリーンインストールは、それまで使ってきたソフトや設定など古い環境は維持できません。その代わり、パソコン環境の再構築を図りたいときにはメリットのある方法です。
パソコンの復旧を急ぐ場合は向いていませんが、再設定に時間を割けるなら望ましい方法といえます。OSの利用については、Windows 10をMicrosoftアカウントで利用していれば後で紐付けされるので心配は要りません。クリーンインストールは、Windows 8.1など古いOSからインストールしていく方法もあります。古いOSを一旦インストールし、その状態からWindows 10にバージョンアップしていくという方法です。実際にバージョンアップでWindows 10の環境にしていた場合は、この手順でクリーンインストールを実行しましょう。
マザーボードの交換などパソコンに関する相談はこちらから。
6.交換後にどうしても不具合が直らない場合の対処法とは?
マザーボードはハードディスクやCPU同様、パソコンの中枢となる部分です。交換によって問題が生じた場合、OSが認証されないなどの他にもさまざまなトラブルが発生しやすくなります。例えばパソコンが起動しないといった問題も出てくるかもしれません。起動しても再起動を繰り返したり画面が固まったりというトラブルが起こることもあります。OSが認証されないなど問題が起こる場合は複雑な原因が絡んでいるのかもしれません。
マザーボードが故障していた可能性も出てきますし、パーツ同士の接触なども心配されます。マザーボードをはじめパソコンのハードウェアは精密機器です。自分で改善を試みることで、実は状態を悪化させることもあるでしょう。そうなると、もとに戻すことすら難しくなります。うまく起動できないときには早い段階でドクター・ホームネットなどの専門店するのがおすすめです。あるいは、マザーボードを交換する時点で専門業者や専門店に依頼した方がいいかもしれません。
マザーボードの交換は、自作パソコンを作るほど慣れている人でないと難しい作業で、HDDやSSDへの接続がうまくいかない、使用しているパソコンやノートパソコンと規格が合わないなど、パソコンに詳しくないとトラブルが発生しやすい作業でもあります。自分で交換を行って失敗をするリスクを考えると、専門店に任せた方が結果的に費用が安かったり、また質問があれば丁寧に答えてくれますので便利です。
修理をはじめ、さまざまなパソコンのトラブルが起こってもドクター・ホームネットなら、全国に200もの拠点があるので利用しやすいというメリットがあります。店舗への持ち込みも可能ですし、出張修理も対応しています。また、作業前には事前見積もりを行ってくれるので、希望していない作業を勝手に行うこともないので安心です。
6.OSの不具合が直らなければ修理のプロに依頼しよう
パソコンの不具合や機能拡張などでマザーボードを交換することがあります。Windows 10ならMicrosoftアカウントで認証ができ、OSの再利用が可能です。Microsoftアカウントを紐付けしておけばパーツを交換しても問題はありません。しかし自分で交換を行うと不具合が発生しやすくなります。そんなときはドクター・ホームネットに依頼するのも有効な手段です。マザーボードの交換をはじめさまざまな修理に対応しているので、まず問い合わせてみましょう。
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