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丸大豆と脱脂大豆どう違うの??
丸大豆は、そのままの丸ごと大豆。油分を含んだままの状態になります。
脱脂大豆とは、字のごとく『大豆油の搾りかす』のことです。
流通している醤油のおよそ80%は脱脂大豆でできた醤油。
脱脂大豆は油の搾りかすだから、油分が少なくコクがないんだなどと言われることがありますが、粉砕され、タンパク質が凝縮している状態なので、むしろ分解されやすく、醤油の旨味の指標として使われる「窒素」の数値や、強い香りが出やすいのが脱脂大豆です。
丸大豆で醤油を作ると、2年間発酵熟成している間に、油分は表面に浮いて分離します。
でも醤油瓶の上のほうに油の浮いた醤油を見たことがない?それは搾って瓶詰めする過程で浮いた油は取り除いているからなのです。
表面に浮いた大豆の油は、2年も熟成している過程で酸素に触れ、酸化もしています。言い換えれば、表面を覆うことで中身の醤油自体の酸化や雑菌から守っているとも言えるかもしれません。
醤油の上に浮いてきた油は、美味しいものではありませんので、結局のところ捨ててしまいます。最終的に捨ててしまう油を、先に搾ることによって食料としていただくことは、食糧難の時代の知恵といえます。
しかし大豆に含まれる油は、砕いて搾るだけでは、ほんの僅かしか引き出すことができません。
そこでヘキサンという石油からできた有機溶剤を、加工助剤(効率よく食品加工するときに使用する薬品)として使います。
ヘキサンは灯油のような臭いのする透明な液体で、ガソリンなどにふくまれています。
加熱すると蒸発しやすい性質の為、製品になった油や、脱脂大豆にはヘキサンはほぼ残らないと言われていますが、食品加工に石油をつかうのは、食糧難の時には人を助けたかも知れませんが、ヘキサンには毒性もあるので、好んで使うものではないと思います。
大豆の油は、主にアメリカなどの外国産大豆の方が、たくさん含まれています。
脱脂大豆は海外で油を搾った後のものを輸入して使用していることが多いです。
家畜の飼料や、薬品や酵素・細菌などで分解したうま味調味料などが作られていますが、脱脂大豆は価格が安いので、安い醤油を作るのには欠かせないものとなっています。
対して、国産の丸大豆には油分が少ない分、タンパク質の割合が多いです。麹菌が分解して旨味の指標として使われる「窒素」を出すのに最も大事なのはタンパク質なので、丸大豆を使って醸造するなら国産のものが適しています。
ただ、国産大豆は生産量が少なく、価格も高い上に、短時間で分解するには不向きです。
また、分解に時間がかかるので、酵素を添加したり加温したりしない限りは、ゆっくり醸造しなければなりません。どうしても醤油の価格が高くなってしまします。
そんな中にあって、
金芳醬油釀造元が九州産の丸大豆を使う理由は、
- 「香りのバランスが良い」丸大豆では脂肪分が分解される過程で生成される香り成分がある為、全体として香りのバランスが良いです。
- 「味がまろやか」油分が分解されてできるグリセリンなど様々な成分のおかげで味に丸みが出る。
- 「どこから来たどんな大豆か分かる」大豆の状態、鮮度はどうか、虫食いはどうか、匂いはどうか、蒸した時の味はどうか。丸のまま手に取ることで責任を持って確認ができる。
- 「一物全体」自然は偉大だという考えの元、まだ解明されていない美味しい成分、体に良い成分があるはず。
- 「身土不二」日本人には日本の大豆。住む土地の地と繋がった作物が食となって血となる自然さ。日本の農の将来を考えても、はずせない要素。
なにはともあれ、味わってみて下さい。
どんな違いがあるのか。知識と数字だけでは不十分なものです。
文字だけよく見えても、必要な情報が抜けていることが世の中多々あります。
どうか情報だけでなく、いろいろ味わって感覚を鍛えましょう。
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