https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC211SB0R20C24A3000000/
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大阪大学発スタートアップのレイメイ(大阪市)は、難治性の目の病気を持つ患者にiPS細胞からつくった角膜を移植する臨床試験(治験)を6月にも始める。病状を改善できるか検証する。早ければ2027年にも実用化に向けて国に承認申請する。
角膜を新たに作る細胞がけがや病気で失われ、失明することもある「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者が対象。6月にも国の当局に治験届を提出し、24年内にも1人目に移植する。角膜の異常などを改善する効果や安全性を調べ、早ければ26年までに治験を終える見込みだ。
レイメイは大阪大の西田幸二教授が進める角膜の再生医療の実用化を目標に掲げる。西田教授らは19年から22年にかけて、iPS細胞由来の角膜の細胞シートを角膜上皮幹細胞疲弊症の患者へ移植する臨床研究を進めてきた。4人で1年以上経過を観察し、腫瘍などができずに一定の安全性があることを確認した。視力が上がった人もいた。
実用化に向けては多くの患者で効果を検証する必要があるため、治験を実施する。阪大病院など複数の施設で移植する予定だ。角膜上皮幹細胞疲弊症には他人の角膜を移植する治療法があるものの、拒絶反応が起きる可能性があるほか、提供者(ドナー)も不足している。患者の口内の細胞などからつくったシートを移植する方法もあるが効果にばらつきがあるという。
iPS細胞は体の様々な細胞に変化できる。臓器などの機能が落ちた患者に対してiPS細胞を使う再生医療が複数開発され、効果検証の段階にある。
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