電気自動車(EV)向けの充電インフラは、日本でも今後大幅に増強される。経済産業省は2030年には、充電器の台数×出力の合計を現在の約10倍にする方針だ。集合住宅にも充電器を普及させ、急速充電器の一部を出力が150kW以上の超急速充電器にする。充電サービス事業者間のローミングも進み、EVの利用環境は現時点とは比較にならないほど改善する見通しだ。
日本の電気自動車(EV)の普及が進んでいない。日本自動車販売協会連合会によれば、2024年1~9月の新車登録台数におけるEVの割合は月ごとで1.0~1.6%。前年同期比では、7月こそ横ばいだったが、それ以外はいずれも若干低下した。もともと低い割合が、さらに下がったわけだ。
対して、中国では2024年2月に販売台数が一時落ち込んだものの、その後は回復基調で、2024年7月には、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を含まない、蓄電池だけで駆動するEVが新車販売台数の28.0%を占めた。
日本でEVの販売が進まない要因はいくつも考えられるが、大きな理由の1つが充電インフラが不足している、あるいは、充電に時間がかかりすぎる、という課題だ。しかも、ここ最近の2~3年が充電インフラの更新時期に当たり、故障して使えなくなったり、更新を諦めて充電ステーションを廃止したりする例がよく報道された(図1)。このためか、日本では、EV向け充電インフラ自体が減っているという印象を持っている人が少なくないようだ。
ただ、急速充電器†の設置やその充電サービス大手のe-Mobility Power(eMP)によれば、充電インフラは増強され続けている。少なくない数の充電器が更新時期を迎えているのは確かだが、新規の設置も多く、急速充電器の総数は増えているという。しかも、今後は大幅に増強する見通しだ。
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