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「東京モーターショー2015」に出品された「YAMAHA SPORTS RIDE CONCEPT(ヤマハ スポーツライドコンセプト)」。バイクメーカーのヤマハが作り上げた独創的な4輪スポーツカーでした。その特徴はどのようなところにあったのでしょうか。
バイクメーカーが描く、新時代のスポーツカー像
未来のモビリティを示唆するコンセプトカーは、モーターショーの華として多くの人々を魅了してきました。
【画像】超カッコイイ! ヤマハ「スポーツライドコンセプト」を画像で見る(77枚)
2015年10月の東京モーターショーでヤマハ発動機が披露した「SPORTS RIDE CONCEPT」は、バイクメーカーならではの発想で作られた四輪スポーツカーとして大きな注目を集めました。
二輪車、船舶、スノーモビルなど、様々なモビリティを手がけてきたヤマハ。その技術と経験を活かし「もしヤマハが、スポーツカーを創ったら」というテーマで制作されたSPORTS RIDE CONCEPTは、新しいスポーツカーの形を提案しました。
全長3900mm×全高1120mmというコンパクトなボディに、車両重量わずか750kgという軽量ボディを実現。これはF1デザイナーとして知られるゴードン・マーレー氏が考案した「iStream」構造の採用によるもので、軽量化と高剛性を両立させながら、デザインの自由度も確保しています。
デザインの基本思想として採用されたのが「エレメンタリズム」という考え方です。一般的な自動車のように全体をひとつの塊としてデザインするのではなく、バイクのように個々のパーツに完成された造形美を与えながら全体の調和を図るという、ユニークなアプローチを採用しています。
フラッグシップスポーツバイク「YZF-R1」を彷彿とさせるLEDヘッドライト、センターアップされたマフラーなど、2輪車の要素を巧みに4輪車へと昇華させています。
インテリアもまた、バイクとの親和性を強く意識した仕上がりとなっています。ルーフや左右ドア、フロアには透過素材を採用し、ライディング時のような開放感と一体感を演出。メーター周りは左右対称のデザインとし、ライダー視点での使いやすさを追求しました。
材質選びにも徹底的なこだわりが見られます。アルミニウム、サドルブラウンレザー、カーボンという異なる素材を効果的に組み合わせた内装は、高級感と機能性を両立。更に、フロントシート後方のトップケースには楽器製造部門の技術を活かしたカーリーメイプル材を採用し、ギター同様のサンバースト塗装で仕上げるという贅沢な造りとなっています。
残念ながら2018年に四輪事業への参入が凍結され、市販化には至っていません。しかし、SPORTS RIDE CONCEPTは、バイクメーカーだからこそ実現できる新しいスポーツカーの可能性を示した意欲作として、多くのモータースポーツファンの記憶に残り続けています。
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コメント
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いつのコンセプトカーを紹介してるんだよ。
出ないの確定してんだから記事にするなと思う