https://news.mixi.jp/view_news.pl?id=6615633&media_id=262
シェアしました。
2021年08月03日 11:30 まいどなニュース
限定公開( 54 )
写真 『ミオール船場店』の「ショートケーキNYカットパフェ」(1130円)(画像提供:柿内芳文さん) |
東京在住の柿内芳文(編集者)(@kakkyoshifumi)さんが投稿した「出張で行った大阪の、いたって普通のカフェで、『ケーキ パフェ』ってメニューがあったから何気なく頼んだら、想像の斜め90度真上のものが運ばれてきた。大阪って、、。」というツイートと衝撃的なスイーツの写真が注目を集めました。
とても美味しそうなショートケーキ! でも、なんか…置かれている場所がおかしくないですか?
そう、これは、ケーキとパフェが一体化した「ケーキパフェ」なるスイーツなのです。子どもの頃に夢見た「ケーキもパフェも一緒に食べたいな~」が見事すぎるほど形になったこのスイーツにリプ欄も騒然。戸惑いがちなコメントが並びました。
「運ぶのも食べるのもバランス取るのが難しそう…」
「どう食べたら、、、上から解体?」
「随分美味しそうな違法建築ですね」
「ケーキテレポートしてて草」
大阪・本町にあるカフェ「ミオール船場店」(大阪市中央区)でこのパフェに遭遇したというツイ主の柿内さんにお話を聞きました。
──もともとスイーツがお好きとのことですが、普段はどんなペースで召し上がっているんですか?
和菓子もスイーツ(洋菓子、主にケーキ)も同じくらい大好きで、話題のスイーツやお店があればわざわざ行って試します。最近では麻布十番のマリトッツォ専門店に行きました。週1ペースで何かしら必ずスイーツを食べていると思います。
ケーキ屋やB級グルメ店に行くためだけにわざわざレンタカーを借りるくらいで、地方に行く際には、グルメ巡りをして1日6食は食べますね。パフェはケーキに比べるとたまにしか食べませんが、東京の有名な店はだいたい行っていると思います。
──めちゃくちゃ本気ですね! そんなスイーツのプロ・柿内さんがこの「ケーキパフェ」を見た瞬間のお気持ちは?
「え、なにこれ? 冗談だろ!?」というのがファーストインプレッションで、そのあとに「もしかしてこれは大阪人のボケか?」「つっこまないといけないのか?」と思いましたが、給仕の若い女性がきわめて普通の顔で出してきたので、驚くだけでやめました。
──一瞬のうちにいろんな感情が駆け巡ったと(笑)。同店の「ケーキパフェ」にはいくつか種類があるようですが、なぜ「ショートケーキ」を選ばれたのでしょうか。
単純に、訪問が平日の17時半ごろだったので、この「ショートケーキ」1種類しか残っていなかったからです。
──そうだったんですね。リプ欄でも皆さんが気になっていた「食べ方」はどのように?
ケーキ部分をお皿にどけたりせず、思いっきり真上からガンガン攻めていきました。なので、卓上に結構たくさんこぼしちゃいました(笑)。
──完食されるのはけっこう大変でしたか?
見た目ほどは大変ではなかったです。実はパフェの方に具はあまりなく、下はほとんどアイスだったので、最後は飲み干しました。7、8分といったところでしょうか。
──食後の感想は?
個人的には、パフェよりケーキの方が美味しかったので、もう1個ケーキをのせて欲しかったくらいです。とにかく見た目のインパクトも相まって、「ひと仕事した」達成感は確実にありましたね。
──もし、この「ケーキパフェ」が東京にもあったらまた食べに行きたいと思われますか?
絶対に行きます。むしろなぜないのか、疑問です(調べてはないのですが、あるのでしょうか?)。
──もし、理想のパフェを作るとしたらどんなものにしたいですか?
「タカノ」などのフルーツパーラーで、自分の好きなフルーツをカゴにいくつか入れてレジに持っていったらその場でパティシエがカットしてオリジナルのフルーツパフェを作ってくれる店があったら理想ですね。夢のようです。
──それは確かにとても素敵ですね。全国のフルーツパーラーさん、ぜひご検討を! さて、このツイートで「ケーキパフェ」を知って食べに行くという方にアドバイスがあればお願いします。
夕方に行くとケーキが売り切れで選択肢がないかもしれないので、早い時間に行って組み合わせを存分に楽しみましょう。あと、つっこんだら負けです。ボケを楽しみましょう。
◇ ◇
すんなりとこの「ケーキパフェ」を完食された柿内さん。これからも全国の知る人ぞ知るスイーツを発信してくださいね。そんな柿内さんが編集を担当した学園コメディ漫画『ハト部』(ダブルミリオン『漫画 君たちはどう生きるか』の羽賀翔一・著)が、この秋単行本化するとのことです。
「ケーキパフェ」誕生のきっかけを考案者に聞きました
「ケーキパフェ」は美味しくて、意外とパフェに乗ったままでも食べられるということはわかりました。でも、やはりどうしても知りたいのは、なぜこのような大胆極まりないスタイルになったかということ。
そこで、柿内さんが訪れた「ミオール船場店」に取材を申し込んだところ、衝撃の事実が判明!
実は、このカフェを経営するのは、寛永七年(1630年)創業の老舗和菓子店「千鳥屋宗家」とのことです。「千鳥屋宗家」といえば、「本千鳥-千鳥饅頭-」などで知られる有名店。デパ地下や駅の店舗を利用したことがある人も多いのではないでしょうか。
そのグループ企業として展開するのが、パティスリーとカフェの「ミオール」。その中でも「ケーキパフェ」を提供しているのは「ミオール船場店」のほか、「ミオール梅田店」「ミオール豊中店」、姉妹店の「テテ学園前店」の4店舗とのこと。
「千鳥屋宗家」専務で、「ケーキパフェ」の考案者である原田眞理子さんにお話を聞くことができました。
──「ケーキパフェ」はいつ頃、どの店舗で始めたものですか?
今から27年前に、大阪梅田三番街店で始めました。
──どのようなきっかけで誕生したメニューなのでしょうか。
当時はケーキ、フルーツ、アイスなどを1枚のお皿にデコレーションしたデザートが流行し始めていました。お客様がそのデザートをナイフとフォークを駆使しながら食べているのを見て、「もっとカジュアルに、楽しく食べられないものか」と感じたんです。そこで、アイスクリーム、フルーツ、ソースをパフェグラスに入れ、その上にケーキを載せて「ケーキパフェ」とし、ナイフとフォークではなく先割れのロングスプーンで食べるような形にしました。「ケーキが上に乗っていると食べにくいのではないか」と心配しましたが、皆さんとても上手にスプーンを使って食べていただき、大変な人気メニューになりました。
──なるほど! たしかに先割れスプーンならどの具にも対応できますね。現在、「ケーキパフェ」は全部で何種類あるのですか?
店頭のケーキケースに並んでいるケーキはすべて当社製のもので、どれでもケーキパフェにすることができるんですよ。ケーキは定番商品、季節商品を合わせて毎日10種類ほどがケースに並びます。季節によってケーキの種類も変わりますので、ケーキパフェのバリエーションはかなり豊富です。
ちなみに、船場店で人気のケーキパフェトップ3は、「ショートケーキNYカットパフェ」(1130円)、「モンブランパフェ」(950円)、「ルミエールパフェ」(930円)です。
※価格はミオール船場店のもの。他店では異なる場合があります。
──「ケーキパフェ」のパフェ部分に入っているものを教えてください。
アイスクリーム、フルーツ、ソース、脂肪分36%の軽い生クリームです。ケーキによってソースやアイスの種類を変えているので、いろんな組み合わせをお楽しみいただけます。
※店舗によって内容が異なる場合があります。
──「ケーキパフェ」を食べる際のコツを教えてください。
まず一例として、「周りから食べていって中心部を後で食べる」という食べ方ですね。または、「中心から食べて、パフェを少し食べ、残りのケーキをパフェの中に沈めて食べる」というのもあります。お客様はそれぞれに工夫して驚くほど上手に召し上がっています。
──今回のツイートは5万近くのいいねがつく大反響でした。
投稿者さんには「ケーキパフェを発見していただきありがとうございます」という気持ちです。ご覧くださった方々にも、長い間大阪で愛されてきた「ケーキパフェ」にチャレンジしていただける日を楽しみにしています。
◇ ◇
実は30年近い歴史があった「ケーキパフェ」。一見インパクト狙いのように見えるこのスタイルは、「いろんな美味しいものを、食べやすく」というお店の方の気配りから生まれたものだったのですね。素敵なお話を伺えました。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・泡☆盛子)
0 コメント:
コメントを投稿