2022年1月26日水曜日

機能不全会議を健全化する方法

おはようございます。
スポーツドクターの辻秀一です。 


私は産業医として、企業のメンタルトレーニングを行っています。 

ある企業の会議へオブザーバーとして出席した時のことです。 

わたしはその会議の様子を観察していました。 

会議には報告会のような情報のシェアを目的としたものもありますが、その会議は違いました。 

参加者から意見やアイデアをもらい、既存の事業の改善策を模索するためのものでした。 

会議の参加者も各部門のトップの人たち。 

その会社の方向性を決める会議といっても過言ではありません。 


しかし、実際のところその会議は全くと言っていい程機能していませんでした。 

活発な意見交換などなく、みなが行き詰まっていて暗く険しい表情をしています。 

そのような状態だったので、わたしはタイムアウトを取り少し流れを変えるための方法を取り入れました。 

その目的は、もちろん会議の参加者に少しでもフローになってもらうことです。 

どう見てもみなノンフローでパフォーマンスが低かったので、少しでもフローへ傾かせ参加者一人一人のパフォーマンスを高める必要があると感じたのです。 


心をフローに傾けるには、ライフスキルが必要です。 

本当なら普段からライフスキルを鍛えてもらい、いざというときにも心をフローへ持って行ける基礎を培って頂きたいところですが、その時はすぐにでも変化を起こせる簡単なライフスキルを試しました。 

私は「好きな食べ物を考えてください」と指示しました。 

怪訝そうな顔をしている方も多かったのですが、今度はその好きな食べ物を周りの人とシェアしあってもらいます。 

好きな食べ物の話をほんの数分してもらうのです。 

すると不思議なことに、その後の会議のパフォーマンスは確実に上がるのです。 

意見交換が活発になり、生産的な時間を過ごせるのです。 

まさにライフスキルによって心にフロー化が起こったのです。 

フロー化によって、集中力や想像力が高まったのです。 


好きな食べ物の話をする時間がもったえないと思う人も多いのですが、考えてみてください。 

ノンフローなままだらだらと会議を続けるのと、5分でもいいので心を整えてから会議を再開するのと、どちらが本当に生産的でしょうか? 

わたしは後者です。 

何事もまずは心を整えてから行動しなければ、真に高いパフォーマンスは発揮できないのです。 

まずは心を整える。心にフローな風を吹かせることの価値に気付きましょう。

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